今回、ちょっとあり得るだろう話を書いてみました。
適当にでも読んでくだされば凄く嬉しいです。では、下からどうぞ。
翌日、私は筋肉痛で起きた。
まあ痛いのなんのと起き上がりづらかったけど、それはきっとなにかを踏み抜いたせいなんだと思うことにした。
しかもなんか予定より作り上げたお守りが増えちゃったけど、誤差の範囲…誤差の範囲…。
うん、もういっそのことこれは違う方法で売るかな。
手渡しとかそういう感じで。
あとは神様だけど…ここなら安全関係とか病気関係…あと縁関係とか子宝関係かな?
これのどれか1つに条件しぼって、それ関係の神様に手当たり次第聞いてみるしかないね。
ああ、健康と安全ならいけるかな?1つじゃないけど。
とりあえず、それより着替えて境内を軽く掃除するかな。
いや…掃除もそりゃ面倒なんだけどね。
でも倒れるまで鍛えられるのと神社周りを箒で綺麗にする。これを比べたら断然掃除をしていた方がいい。
空を飛ぶ程度の能力を併用すれば屋根の上だってできる。ただし、楽とは言ってないよ、楽とは。
そんなことを考えつつ布団を押し入れにしまって、着替えてからの
とりあえず、掃除もいいけど神様もどうにかするか…。
それと同時にこの神社に祀られてる神様も調べなきゃね。
「……神棚を最近掃除しておいてよくぶつぶつ言えるわね」
「わ、わぁ!?…急に現れないでちょうだいよ!心臓に悪いわ」
驚きのあまり、ついバックステップを軽くして距離をとってしまったけど、大丈夫かな。
んでもって今までの思考は駄々漏れですか、そうですか。
「それは悪かったわね。んでも、霊夢?神様が同棲なんてしようものなら元からいた方が消えてしまうのよ」
「あら、それは困っちゃうわね。なら、ここの神様を調べて攻略するしかないわね」
「攻略って…。…ま、まあ、そうね。あなたがやる気を出してくれるのなら凄くありがたいわ。お守りもあるし、最低限の参拝客ぐらいは来てくれるようになるわよ、きっと」
「だといいんだけども……」
そう言ってため息をつく。
いやだってお守りがあっても嫌な予感が拭えないんだよ。
いや、ここはどうにかしてここの神様を調べあげ、里の人間達に闇を恐れるべきものと恐れなくてもいいものがあるんだと教えよう!
「…思考が駄々漏れよ。でも、そんなの危ないわよ。余計に減る原因になりかねないわ」
「そうだと思うでしょう?でもね、最近は人間に妖怪が普通に紛れ込んでいるのよ。寺子屋にもね」
「だからといって「分かってるわ。だからこそむやみに怖がられたら困るの」」
霊華がなにかを言うのを遮って私がいった。
先代だからこそ知ってることはあるだろう。妖怪のことだって色々知ってるに違いないのも。
だからと言って怖さばかり教えてむやみやたらに怖がれば……一体どうなる?
「闇を怖がるのは人間の
「……。あなた、本当に…」
いや、あの。こ、怖いよ?その顔。
や、やっぱり怒る?怒っちゃう?
で、ですよねー。思いっきり遮っちゃったし、妖怪云々とまるで庇ってるような感じて言っちゃってるから博麗の巫女としては―――あれ?どうしたの?急にため息なんてついちゃって。
「いえ、なんでもないわ。あなたはあなたで頑張りなさいね。それと今日は体力作りとかはなしよ。掃除は…ちゃんと半分やっておくわね」
なんていって私に笑みを向ける。
なんかその笑みに違和感が…。
まあ、いいか。なにかは知らないけど、怒ってないみたいだし一安心。
さて、まずは神様でも知ろう。それからでも、遅くはない。
もし名前とかなんの効果を持つか分からなくなってたら…呼ぶか名前をつけ直すとか?
でもつけ直しでいけるものかな…。
前例ないみたいだし、奥の手として考えておくかな。
因みにその後、鳥居付近で魔理沙と鉢合わせした。
というかちょうど降りてきた。
「どうしたのよ、魔理沙。なにか用?」
「ちょっと不思議に思ったことがあるから聞きに来たのとお前に弾幕ごっこを挑むってだけだぜ」
なるほど、つまり聞くついでに弾幕ごっこか弾幕ごっこついでに話を聞くんだね。
…個人的には前者であってほしいと思う。
「へぇ、それで?なにを聞きに来たのよ。あと弾幕ごっこはちゃんと受けてあげるわ」
あー…なんか変な人とでも思われた?
そんな風に睨んでも苦笑いしか出ないよ?
「いや、お前…。変わったな。色々な意味で」
「そんなことはないわ。私は私よ。それで、聞きたいことはいいのかしら?」
そう聞くと首を左右に振ってきた。しかも、「ああ、もういい」とも言ってきた。
そ、そうなの。しないならしないで別に良いんだけどさ。
「それで、弾幕ごっこはするの?しないの?」
「それはするぜ。いいだろ?」
「ええ。じゃあ、しましょ?スペルカードは5枚でいいわよね」
「おっ、霊夢がいいって言うならそれでいいぜ。どうなるのか楽しみだな」
そういってニッと歯を見せながら笑う。
見た目だけで言うと自信家だねぇ。
「まあ、そうね。じゃ、行くわよ」
私のその一言で始まった弾幕ごっこは私の負けで終わった。
極太ビームというよりなんか見た目がうど……やめておこう。
マスタースパークが曲がって見えたりするのはいいとして、筋肉痛の体じゃ辛いものがあるんだね。今知ったよ。
「……お前ってなにかやるような性格じゃなかったよな。どうしたんだ?」
「……はぁ。あの霊華に修行をつけさせられてるのよ。なんでか知らないけど、急にするよう言ってきてね…。サボるのは簡単なんだけども、サボったり逃げたりすると次の日が倍にされるのよね……」
とそこまで言って思わずため息が出た。
いやもうね、きつい…。体を鍛える必要なくないかな。
「あれのどこが体力作りなのかしら…」
とついぼやいてしまった。
「あー……。ならしょうがないな。でもちょうどよかったんじゃないのか?」
「ぜんっぜんよくないわよ。あれがいいなんて言えたもんじゃないわ」
立ち上がりながらいったところで掃除をまだしていないことに気づいた。
なんかもう色々と疲れてるし今はやめておこうかな。
そういうこともあって暇になった私は魔理沙が香霖堂に用があるらしいからそこに同行することにした。
なんとなくだけど、そこなら物を揃えられる気がした。ついでに今度、霊夢が貯めたツケでも払いにこよう。
かなり貯まってそうだから少し多めに渡そうかな。
確か店主の名前は森近霖之助っていうはずだし。思い出したような気がなんとなくするけど。
博麗神社からやや歩いたところに…というか正確には森の近くに香霖堂があったけど、店前においてあるものさ…
「絶対流れ着いたものを適当に置いてるだけよね、これ。だるまとかポストとかテレビとか…。もうガラクタ扱いじゃない。間違ってないんでしょうけど」
「なんかその物言いだと、知ってるみたいだな」
「あ、いや、まあ、その」
と言葉を濁らせてからぎこちなく笑う。
これ、中身違うとバレたっぽい?
「まあ、いいや。霊夢、中へ入ろうぜ」
「え、ええ。そうね」
中へ入ると「いらっしゃ……なんだ、君達か」と言われた。
声の主は…たぶん霖之助さんって人だね。
扱いが酷い気がするんだけど、もしかして今まで勝手なことでもしてたの?
「そうよ。っと入って早々なんだけど、あの前においてあったあのテレビって映らないの?」
「そういうってことはどうやればつくのかってまさか分かるのかい?」
驚いたような感じでそう言ってきた。
なにを言うか。あれを見る限り今のテレビとかなり違うけど、あれならボタンを押せばつくはず。そう、そのはず。
「ええ、分かるわよ。なんなら、今からでも教えてあげるけども…」
「……いつから霊夢はそういうのに詳しくなったんだい?」
と聞いてきた。
そんな神妙な顔つきで聞かれてもなあ。
「気がついたら、よ。別に大したことじゃないわ」
適当にそう答えたら「それもそうか…」と呟いていた。
そんなにおかしいことなのかね。
「なあ、香霖。あれさ、――」
と、あっちで話が始まったので仕方ないし、店内を見ることにした。
なにを話しているんだろう。
内容はどうでもいいけど、気にならないことはない。
…あ、よく見ると幻想郷のものも置いてあるんだ。てっきり外の世界から流れ着いたのが大半を占めるのとばかり思ってた。
欲しいと思ったけど、まずツケをどうにかしないとな…。
そう考えていた私には気づけなかった。魔理沙と霖之助さんがが私に疑いの眼差しを向けていたことに。
と、同時に変な感じがした。
さっきまで感じなかった熱っぽさ。
それのせいか、それともそれを自分で分かってしまったせいなのか頭がよく回らない。
どうして、こうなってるんだっけ。
霊華がなんらかの原因を作り、私がここに来てしまったと言うが、本当にそうなのかな。
霊華と名乗った女性。何故か私自身の記憶はほぼない。なのに私が私でないことはないと言い切れる不思議。
いくら前向きな性格だと自負している私ですら怪しく思う。これは一体なんなんだと。
そもそも過去の人間であるなら、現代にはいないはずだし、私もこうなっている理由はないはず。なのに何故―――?
だってそうだ。私は元々…………。
そこまで考えようとして気づいた。元いた場所が分からない。思い出せない。
んじゃあ、どうしてここへ来たと分かったの?そもそも私はなんだったの?自負している前向きな性格とかは本当に自分の?もしかして、誰かにつけられた性格、記憶だったりしないよね?
んじゃなきゃありえない、ありえないよ。そんな程度も分からないなんて。
だって、だって私は―――あ、あぁ?床ってこんなに近かったっけ……?
そこまで思考はいたり…ぷつんと、私の意識は途絶えた。