…そろそろ気づかれてもおかしくないんですけどね。
それはさておき、下からが本編となっております。
小さな分社を作った次の日の夜。
私、早苗、神奈子に山の妖怪たちと言うメンバーで宴会を開くことになった。
途中で魔理沙が来たんだけど、あなた…どこで知ったの?
そう聞いたら偶然だったらしい。つまり、遊びに来たら宴会をしていたって流れなのかな?
霊華をあとで誘ってくれる?と聞こうとしたら、魔理沙は最初からあとで霊華も誘ってくれるんだそうな。あ、ありがたいんだけど、まがりなりにも、彼女は先代の巫女だし、大丈夫かなぁ。色んな意味で心配になる。
杞憂だろうけどさ。
それで、皆で飲み始めたのはいいんだけど……
「早苗、あんたはあんまり飲まないの?」
「え?……ああ、私はちょっと…」
「あら、苦手なの?…ってそれもそうね。外の世界はそういう法律があるし」
そういったら早苗が肩をつかんできた。
「きゅ、急にどうしたのよ…」
「霊夢さん、なんで法律を知ってるんですか?」
「えっ?あ、あぁ…多分言い間違えただけよ。ほら、酒飲んでるし。ところであんた達も幻想入りするなんてどうしたのよ。外の世界にも神様を信仰する人はいるでしょうに」
「…そうですか?まあ、それなら…。ああ、変なカルト宗教のせいですよ。おかげさまで信仰されにくくなってしまいまして」
「わあ…よく分からないけど、大変だったのね」
「て、適当に返さないでください!」
いやぁ、悪い悪い。アハハハ。
そう思ったら実際に笑ってた。
こりゃほろ酔いにでもなったかな?
「うぅ…。まあ、いいですよ。…に、しても霊夢さんはお酒平気なんですか?」
「ええ、平気よ。むしろこの量じゃそれほど飲んだ気になんてならないわよ。……ただ、あんたんとこの神様やそこにいる妖怪ほどはさすがにね」
苦笑いしながら向こうを見る。
霊華を誘いにいくはずだった魔理沙が神奈子や酔った妖怪達に絡まれてる。ありゃ大変だな。
「なんかあの様子を見てると幻想郷でもやっていけるような気がします」
そういってクスッと笑った。
案外可愛い…。
「あら、そう?まっ、あんたもあんたで頑張りなさいな。……ところで、その…」
とまで言って言葉を
う、うう…。なんか聞きづらい。
そもそも言って分かるのかな。いや、分かるんだろうけど…うーん。
いいか、聞こう。
「ど、どうしたんですか?改まって」
「い、いえ。…外の世界の話を肴にお酒でも飲もうかと思ってね?駄目かしら」
「えっ?ま、まあ…構わないですけど…」
そりゃあ不思議そうにするか。
仕方ないね。まさか霊夢の中身が全然違う人とは思わないだろうし。
会って間もない人間などならなおさら、ね。
そのあと、それなりに話を聞かせてもらった。
この幻想郷で外の世界についての話なんて貴重だったもんだからついつい深く聞いちゃった。
お酒も更に飲んだものだから危うく早苗にも酒を飲ませるとこだった…。いやぁ、なんとかすすめる前に自制できてよかったわ。
んで、問題の神奈子と山の妖怪はもう大丈夫そうだね。
むしろまだ飲もうとか言ってて早苗がちょっとしんどそうだった。
……仕方ない。外の世界の人間だったんだから余計にね。
と、言うか私は…そもそもいくつだったんだっけ?全く覚えてないんだけど……
「―――ん。……夢……ん。……夢…さん。…霊夢さん。霊夢さん?」
「なによ、もう。そんなに呼ばなくても聞こえるから…」
と返したはいいものの、なんか頭が痛い。しかもなんかそれに加えて体調が悪化している。
お、おかしいな。悪酔いするほどは飲んでないはずなのに。
「あ、あぁ…それはよかったです。それで霊夢さん、大丈夫ですか?」
「別に大丈夫よ…」
そういった後のことはもう覚えてない。
……。
『なるほど、これが貴方の本来あるべき記憶なんだね。…でも、それが貴方にはないと』
…今見てるこれは夢、なのかな。
『記憶がなくても生きていけると思うのは結構。でも、いずれはその無くした記憶のせいで身を滅ぼす。さてはて、あなたはいつまでその状態が持つのかしらね?うふふふ…』
なにを言っているのやら…。
っていうか私は…私、は…。
「……!」
意識が浮上すると共に私は勢いよく上半身を起こした。
なんかおかしなことに、周りが明るいです。どういうことでしょう。
「それより、私…」
と言って周りを見渡してみた。
なるほど、私の部屋…かな。
うーん、昨日は飲みすぎたのかな。それで倒れちゃったとか。
うわ、ありえそうで怖い。
今度会ったら謝らないとな。
とりあえず、着替え――
「って、起きたのか。それならそうと声をかけてくれよ。早苗とかが心配してたんだぜ?それと私もな」
「……魔理沙」
まさか同じ部屋にいる人に気づけないとは思わなかった。
いや、気づけないどころか見えなかったんだけど。大丈夫かな、私。
「霊夢、大丈夫か?まさか二日酔い起こすほど飲んだわけじゃないんだろ?」
「ええ、さっきよりはね…。むしろ早苗に少し合わせたもんだから逆に飲み足りなかったぐらいよ」
それを聞いて苦笑いを浮かべる魔理沙。
私の真横にいるもんだからよく表情が見える見える。
これはまさか…翌日ですってオチじゃないよね。
「お前、さっきって…。それはもう昨日の話じゃないか?もう翌日の昼だぜ」
はい、フラグ回収しましたー!
まぁその、よく考えれば分かるもんだけどね。
昨日飲んだのは夜。そして今は日がそれなりの高さから差してる。
これが表すことは?
そう。誰が答えなくても次の日にいきました。
「あらやだ。私ってば寝過ぎたのね」
「ふざける余裕があるなら大丈夫だな。…あ、霊華とやらが昼飯作ってたから食べようぜ」
とやらって…。
いや、それ以前になにさり気なく昼食をいただこうとしてんの。
ま…でもいいか。たまには。
「はいはい。今着替えてから行くから先に行っててちょうだい」
「へーい。んじゃ、先行ってるわー」
魔理沙はそういうとしょうじを開けて行った。
せめて閉めてね。
いつもの格好に着替え―――多分昨日霊華か魔理沙のどっちかが着替えさせたんだろうね―――て居間に向かうともう2人が座って待ってた。
はやいよ。
「はやく来たらどう?冷めちゃうわよ」
「そうだぜ。せっかくの朝飯が冷えたらうまいもんもうまくなくなっちまう」
「はいはい、分かったわよ」
朝食後、さすがに魔理沙も帰るだろう。
そう思って魔理沙の方を見たらまだいるつもりらしい。あなたねぇ。
「……に、しても帰らないのね。魔理沙」
「おう。最近は霊夢もそうだが霊華といるのも楽しいからな」
それに加えるように「一番反応が楽しいのは霊夢だが」と言っていた。
どおりでよく私のところに来るわけだ。
「あらそう?なんだったら鍛えてあげても「しなくていい!私は今のままで充分だぜ!」」
……そりゃ嫌がるよね。
下手すりゃ途中で投げ出したくなるようなほどきついし。
いやぁ、スペルカードルールがあってよかったわ。
「普通はそうよねー…。なにせきつすぎるんだもの。今時そんなのなんて報われるのってぐらいに」
私がそう呟くように言うと霊華はため息をついた。
うーん、ため息をつかれても、なあ。
「まさかあそこまでして実感してないとは思わなかったわ…。普通ならそろそろ気づいてもいいはずなんだけど」
「…と、いうかまださせてたのか。よく持つな……霊華が」
うん、それはどういうことかな?魔理沙。
「そりゃあね。あんな体たらくでもし、万が一でもあろうものなら…。きっと最悪でしょうし」
「ああ、それって要するにいくら幻想郷でも妖怪とかから身を守れるようにしておけって話だよな。今じゃ本当に万が一って話だろうけど」
「はいはい。そりゃどうも」
そういった後、私は立ち上がりとある場所にでも行こうかと考えた。
「霊夢、あなたねぇ……ってどこへ行くのよ」
「それは秘密よ。ただ山にいる集団に面白いものとか提案してみようかと思って」
「私もついていっていいか?」
「あんたはだーめ。霊華と一緒におかしでもつまんでたら?」
「ケチな奴だぜ。まっ、ちょうどいいから貴重な話でも聞いてるわ」
「あんたにしては珍しい…。まあ、いいわ。行くわね」
「へーい」
「ほどほどにするのよー」
ほどほどってなにを。
それはいい。とりあえず行くか。
……そう、山にある川か滝らへんの河童の元に!
すみません、本文を一部リメイクしました。