先代巫女と行く幻想郷生活   作:篠崎零花

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適当なノリで書いたこの小説がたくさんの人に読まれるとは思いませんでした。
累計とはいえ、私にとって凄く嬉しいです。

このような稚拙な小説に付き合ってくださりありがとうございます。
これからも宜しくお願いします。


下からが本編になっております。


第21話 神社に訪れる(?)巫女

それからしばらくしたとある日。

河童の河城にとりたちに試作してもらったとある物をつけながら守矢神社へと向かっている。

 

 

バレないようにこっそりと…。

こっそり、と…。

 

「……そこのダンボール。それ以上は駄目よ。その先には私の永遠に眠り続ける友人がいるんだから」

 

「あら、そうなの。じゃあ、進むわね。気になるし」

 

「…ちゃんと聞いてた?っていうかその声、麓で巫女やってる霊夢よね」

 

 

そう言われたので仕方なくそれから出てたたむ。

懐に入れられる小さなサイズになるよう頼んだおかげで物凄く便利。

 

 

「ええ、麓の方にいる私よ。実は最近河城にとりと色々話しててね。提案したり作ったり…。その過程で生まれたただの試作よ。だからなんとなく使ってやろうと思ってね」

 

「ああ、そう。その感じからして他にもある、と?」

 

「ええ、あるわよ。お守りとかそういう奴の無人販売機とか」

 

 

結構現代的だけどね。

見てくれは自動販売機宜しくだけど、お金を入れてボタンを押すとそのボタンの上にある商品と同じものが落ちるって機械。

お守り各種に破魔矢を売るにはちょうどよさそうだし、河童のにとりたちの興味を引くような話だったから絶賛制作中。

場所も考え中。

 

 

「か、かなり現代的ね…。どこでその知識を得たのか気になるけども、そんなことよりこの先には通させないわよ?」

 

「……」

 

無言でそのまま歩き出した。

もちろん懐に入れられるダンボールを取り出しつつ広げはじめて。

 

 

「ってちょっと!?私の話聞いてるの!?」

 

 

ああ、うん。ちゃんと聞いてる聞いてる。

だから通るね。この先にどうやら守矢神社のなにかがあるみたいだし。

私としてはそのなにかって奴、すんごく気になるんだよね。多分あの分社(魔理沙曰くお地蔵ぐらいのものを入れるサイズ)からたまに感じる違和感の鍵を握ってそうだし。

 

 

 

サラダバー。…じゃなかった、さらばだー。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その状態のまま、先に進むと誰かがいるみたいで人影が見えた。

「……やっぱり神奈子の友人って神様以外にいないからあれは…」

 

「へぇ、誰が友達といったのよ。むしろ友達なんかじゃないわ。ほんと、私の神社を勝手に幻想郷に送り込んでおいてよくもまぁ、そんな事を言えたもんね。あんな女、敵よ敵」

 

さすがに河童製のダンボール-――にとり曰く防水、防弾幕らしい―――から出るか。

んで、たたんで…と。

お?名前は…なんか『洩矢諏訪子』っていうような気がする。

 

「あら、神奈子の神社じゃなかったのね。てっきり私は神奈子のだとばかり」

 

「あーうー。まあ、前は私の神社だったんだけどねぇ」

 

 

え、なにその過去形。

 

 

「へぇ…だった、なのね」

 

「昔、神奈子に敗れてからはあいつの神社ね。仕方がないことなんだけどね。まあ、神社は自由にさせてくれるし私への信仰も増えたしまあ、感謝はして無くもないけど。それより何よ。そう言う貴方は麓の巫女でしょ?…さっきまでおかしな物かぶってたけど」

 

「敵と言うわりにはなんか仲良さそうね。ま、なら別に平気そうね。…んで、そうだけども?なんも用がないならもう帰るけども」

 

多分私の知りたかったことは知れただろうしね。

いや、単純になんか神奈子だけのものじゃないよなーってなんとなく気になっただけだし。

 

「何言ってるのよ。早苗とも神奈子とも遊んだんでしょ?私だけ無視して巫女が務まるとでも思ってるの?」

 

「遊んだ?その2人と私、なんかしたかしら」

 

…したことと言えば弾幕ごっこだよ?それ以外は話し合いとー…宴会?

 

「もう!巫女なら知っておくこと!『お祭り』は別名『神遊び』と言って神様が人間と遊ぶ事なの!」

 

「へぇー、そうだったの。…つまり、前に早苗や神奈子と戦って話し合いに持ち込んだつもりのあれは」

 

「そう、ただの神遊び。つまりお祭り。だから今日は私の弾幕祭りの番よ!」

 

 

 

 

 

えぇー…そうだったんだ。

んにしても弾幕祭りって言う辺り、大分馴染んでない?

 

っとそう考えてる場合じゃない。避けなきゃ。

 

 

 

 

 

――開宴「二拝二拍一拝」

 

スペルカード名が地味に神社に参拝いった時のお参り方って…。

んまぁ、それはいいとして簡単に言えば弾幕ごっこで遊べって話だよね。

それならまだ大丈夫。いける。

 

 

でも、避けるのは大変だね。うん。

次の弾幕は…なんとかなる、かな?

 

 

 

 

 

 

――土着神「手長足長さま」

 

こ、これはこれで厄介だな。

霊撃なしでいけるかちょっと心配だな。

いやまあ、どうにかするんだけどさ。

 

 

 

それで、次はー…。んー、霊撃なしでいけるかな?

どうなんだろ…。こう、弾幕をある程度見てくると最初より避けつつ攻撃するってことがやりやすくなってくるからなぁ。

あの永かった夜のときとは体感が大違いだよ。

 

 

あ、そうこうしてたら今の弾幕終わってた。

 

 

 

――神具「洩矢の鉄の輪」

 

お?これは…こっち狙い?…じゃないね。いた場所?

って危ない。まさか、輪になってる弾から外れてくるものがあるなんて…。厄介だね。

 

 

 

 

 

 

 

っと次のは分かりやすいね。

ちょっとはやい感じがするけど、単純なのは助かる。

 

 

――源符「厭い川の翡翠」

 

なるほど、川ねぇ…。

 

川って言うからもっと川っぽい弾幕かと思ってたら、想像と違う弾幕だった。

あ、もしかしてこれって翡翠(ひすい)の方?

いや、まさかね…。

っとある程度避けたら…ここだっ。

 

 

 

 

 

 

次の弾幕はなんか避けたことあるような。

まあ、なんとかなるでしょ。

 

 

 

――蛙狩「蛙は口ゆえ蛇に呑まるる」

 

こ、これまた厄介そうな…。

よく見ると弾がはじけるタイプみたいだし。

これはいざとなったら霊撃かなー?

 

 

 

 

 

次のは大体似たのをさっき避けたから大丈夫だったけど。

 

 

――土着神「七つの石と七つの木」

 

 

七つ…あの例の魔法使いか虹しか浮かばないな。

っと案外避けるのが面倒な…っ!

 

いざとなったら霊撃しなきゃなぁ…。

 

 

 

 

 

 

 

――土着神「ケロちゃん風雨に負けず」

 

あ、ある意味弾幕の雨だ…。

ってちょっと待って。本当に弾幕の雨になってる。

凄く濃いんですけど…。気合い避けにもほどがあるでしょ。

まあ、隙間をうまくぬえば避けられないことはないんだろうけどね?きっついわー…。

 

 

 

 

 

って次のは早いし、こっち狙いなのか迫ってくる。

これで遊びとかちょっと。もう少し楽しいものがいいなあ。

避けられる隙があるからまだいいんだけどさ。

 

 

 

――土着神「宝永四年の赤蛙」

 

うん、もしかしてこれ…さっきのより大変だったりしない?

 

あ、でも誘導はできそう。ちょっと避けたあとのせいで手遅れ気味だろうけど。持ち直せるかな。

いや、持ち直さないといけない。被弾する的な意味で危なくなってきてるし。

霊夢はこういうのを避けてきたのかな。

 

そうだとしたら今は分かる。

なにが、とは言えないけどね。

 

 

 

 

――「諏訪大戦 ~ 土着神話 vs 中央神話」

 

あれ?大丈夫そうじゃない?

――そう思って少し様子見したら大変な目にあった。

次がまだ遅いとはいえ、下からは避けやすいんだけどそれが崩れてこっちに迫ってくるし、違うのも来るしと濃さはなくても案外きついものがある。

 

なんかありそうだからせめてその前には倒したいな…。

 

 

 

 

 

結構きつかったけど、ごり押しすればなんとかいくもんだね。

……被弾すれすれだったけど。

 

――祟符「ミシャグジさま」

 

うん、これで最後だといいな。

そう思ったら交差する弾幕だった。

さ、最後…だとしたらなにかに似た弾幕だね。

もしかして避けれたりする?

 

 

 

 

 

 

「あはははは。強いじゃない。大昔に一国を築いたこの私が、麓の巫女に負けるとは」

 

「やったの、祭りじゃなくて弾幕ごっこだけどもね?」

 

「だから、お祭りとは神様が遊ぶ事。日常感覚を離れた晴れの日の事よ。だから弾幕ごっこでもいいの」

 

「へぇ、そうなの。でも、弾幕ごっこは大分日常的よ?」

 

「そうかな。それにしてもこれだけ強い人間が居るのなら、幻想郷に住むのも悪くはないわね」

 

「あらやだ。もしかして余計な世話でもかいたかしら」

 

と大袈裟に言ってみた。

そのせいで棒読み気味なのはキニシナイ。

 

「元々住み込む事に決めてたから。そうだ、貴方の神社でもお祭りを始めればいいんじゃないの?そうすればきっと人も集まるよ。そういうのが嫌いな人はあんまりいないだろうからね」

 

神輿(みこし)とかそういうの、なかったんだけどなぁ。

んー…。あ、もしかして、縁日のことでも言ってるのかな?

 

「なるほどね。縁日でも良さそうね。…もっとも、そういうので集まるとは思えないけど」

 

「ほら、そんな嫌そうな顔しない。集まるってば。縁日もそうだけど、日にちを決めて例大祭とかでもやれば良いのよ」

 

「それも確かによさそうね」

 

「あと貴方の神社の参拝客が増えなかったり、神奈子が変な事をしていたら、私に相談してね」

 

「はいは……いや、あんたじゃなくてもいいわよね」

 

「神奈子が持っている神徳も信仰心も殆どが、私の力なんだから」

 

「あら、そうなの?」

 

「私は実務。神奈子は営業。ま、そんな所かしら?」

 

「なんか神様の方も世知辛いのねぇ…」

 

「仕方ないわ。それより、さっきのダンボールはなんだったの?」

 

ああ、もしかしてあの河童製のダンボールのことかな。

 

「あれはにとり特製のダンボールよ。何故か防水防弾幕なの」

 

あれ、なんでそんな不思議そうな顔をするの?

あ、もしかしてたためるサイズが違いすぎるって話かな。

 

「なら、なんでそれを使わないの?フェアじゃないからとか…はその様子からしてないようだし。そもそも貴方達がそこまで考えるかはともかくして」

 

「なんか酷いことを言われたような気がするけども、フェアとかフェアじゃないとかじゃないのよ。…防弾幕は私が放つ弾幕にも適応されてね。だからあれに入ってると弾幕ごっこすら成り立たないの。だから神遊びじゃないんだとしても使えないのよ」

 

「なんで不便なものを作ったのよ。それの方が不思議でならないね」

 

うん、それはごもっもとだね。

でも仕方ないね。その場のノリで出来ちゃった試作だから。

これ多分、二度と日の目を浴びないんじゃないかな。

高床式倉庫に入れっぱなしになるだろうし。

 

 

「諏訪子様ー…ってあれ?霊夢さんじゃないですか」

 

私を見るなり驚く早苗。

うん、新鮮だね。

 

「あー、早苗」

 

「ん?どうかしたの、早苗」

 

「お昼が出来たので呼びに来ました。霊夢さんもどうですか?」

 

「あら、悪いわね。なら折角だし、いただこうかしら」

 

 

そのあと、早苗とは色々話をした。

ついでに幻想郷は外の世界とちがって常識に囚われなくていいことを教えてみた。

あとは諏訪子とか神奈子がいるし、大丈夫でしょ。

 

さて、帰るか。お礼も言って。




すみません、本文を一部変更させていただきました。

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