多数ある東方projectの二次創作からこの作品を適当にでも読んでくださっている読者の方へ。
そういう感じで読んだりしてくれればヒャッハイと喜びながら次の話を書いてると思うのでどうかこの稚拙な小説に最後までお付き合いしてくださると励みになります。多分。
下からが本編になっております。
『それにしても本当、おかしな話だよね』
「そうね、おかしな話ね。悪夢再来って感じで」
『………』
あれ、黙った。いつもこう、私の精神に来るような言葉ばかり言ってきた者が。
『……へぇ、面白い。何故自らが成り代わってるのか、成り代わった相手がどうなったのかさえ分からぬまま、ただ生きているかと思えば…』
あ、もしかして出鼻でもくじいた?
『今回は特になにもしないよ。そもそも
そう言われて私は、目覚めた。
「……なんだったのかしら、今日のは」
なんか凄く複雑。
それになんか外から凄く日差しが…。
さすが夏だよなー。
「…話しかけれるとは思わなかったわ」
「誰によ」
うわっ!?ビックリした。
「い、いつからいたのよ!」
「いつって…最初からよ?あなたが目を覚まして上体を起こすまで見てたんだけども……ああ、ちょっと待ってちょうだい。そんなに距離をとらないで」
(単純に様子を見に来ただけだったんだけどもねぇ。なにか距離をとられるようなこと、したかしら……)
「んで、晴れてるわね。今日も」
昼食を食べてからの私の一言はそれだった。
あのあと、とりあえず霊華の方に近づいて理由を聞いた私は驚きの一言しかなかった。
どうやらあの時、単純に私が霊華を睨んでいただけらしいけど…なんか言い方が意味ありげだった。
聞こうとするも上手くごまかされて結局聞けなかった。
「そうね、今日も晴れてるわね」
「おー、2人共。巫女が揃いに揃ってなにしてるんだ?」
と空から降りてきたのは…ってこの口調だと魔理沙しかいないか。
「最近晴れてて大変なのよ。それが梅雨の時も」
「え?私のところはずっと雨が降っててじめじめしてるんだけど…。どうなってるんだ?」
「それはこっちが聞きたいわよ。でも、変ね…」
と話してると上から冷たいものが。
なんだっけ、こう濡れるのは…
「あら、雨が降ってきたわね…」
「ええ、気持ちいいわね」
「…霊夢?」
あえて聞こえなかったふりをして、空をあおぎつつ目を閉じる。
んー、このぐらいの雨はたまりませんのぅ。
「…相当暑かったんだな、霊夢。でもさっきの一言から察するのは難しいと思うぜ?主に先代が」
「でもさすが魔理沙ね。理解がはやいじゃない」
「お前との付き合いは霊華より深いって自負があるからな」
おお、凄い得意げな表情をしてる。
確かに間違ってはないんだろうけどさ。それをこっちに向けて親指をたてるのはどうかと。
本人そこにいるよー?
「へぇ、言ったわね?人間の魔法使い」
「ああ、言ったさ。先代の巫女よりは今の霊夢のことを知ってる自信はあると」
あー、うん。なんか弾幕ごっこでもしそう。
霊華も弾幕以外なら多少はできるようになったらしいし。
「そりゃあるぜ。な?霊夢」
えっ?
「あら、そういったら私はあなたより毎日一緒にいるけれど。ね?霊夢」
ちょっ。
「そこんとこ、どうなんだ?」
「そこのところ、どうなのよ」
「……それはいいから中にはいらない?強くなってきたし」
あれ、顔を見合わせた?
あ、こっち見て頷いてきた。よかったよかった。
続きは中でね?
にしても今度は雨がやまないって…。異常気象にもほどがあるでしょ。
―――まさか、異変?
「お?どうした霊夢。なにか分かったのか?」
「とりあえずあんたと霊華が私のことになると弾幕ごっこをしそうになることは分かったわ」
「それは今関係ないだろ?」
(あとそんなことないはずだぜ。強いて言えばこの先代の巫女の修行がほぼ無茶ぶりだってことぐらいか)
「ええ、もちろん本題はそっちじゃないわ。この天気について、よ。雨が振りだしたのはあんたが来てから、だからおかしいのよね。異変…と言いたいけども、天気以外の異常はなにも起きてないから面倒なのよね…」
「へぇ、そうなのか。言いたいことは分かった。でも最後ので台無しだな」
(なるほど……面倒くさい、と。あなた、博麗の巫女になってしまった自覚、あるんでしょう?)
ハハハと笑ったら霊華から睨まれた。
無言の威圧はやめてね。怖いから。
「んなら私が行こうか?」
「駄目よ。まだなにも起きてないんだから。家にいればいいわ」
「それの方が駄目な気がするけども…うーん、最近の異変は全然分からないわね」
そもそも私からすれば霊華の時に異変があったのかどうかすら分からないんだけどね?
まあ、なきゃお金に困ってるだろうけど。
「ま、半日だけ休憩させてもらうぜ」
「だからって勝手にせんべいとか食べないでちょうだい」
「違うのか?てっきり大丈夫だと思ったんだが」
いや、流れで出した私もそうなんだけどさ。
まさか無言で食べ始めるとは思わなかったよ。
「はいはい、自由にして。……で、なんで霊華は笑ったのよ」
そう聞くとまたふふ、と笑った。笑うところでもあったかな。
ただ…それよりも気になるのは私が見るようになった悪夢の方なんだよね。
それに気絶させられた時も見たし。…大分あっさりしてたけど。
なにか関係でもあるのかな…。
「あ、そういや霊夢。最近体調は大丈夫か?」
「んー?」
「だから、体調だよ体調」
「問題ないわよ。強いて言えば…」
「なによ。私の顔を見てもなにも…って待って。なんでさりげなくラストワード、とやらを持ってるのよ。ってちょっと見せて?」
「いいわよ?別に」
そういって絵柄も見えるようにちゃぶ台の霊華側にぃ…シュー!超エキサイティン!
「お前、心の中で遊んでるだろ」
「なんのことかしら」
「……。んで、夢想天生って言うのはあなたが考えたの?」
なんで半目で見てきたの?
しかも呆れてる?
「いーえ?私じゃないわよ」
「じゃあ…」
「私だぜ」
魔理沙はそういうと「だって名前をつけて遊びにしないと勝ち目がないからな」と説明するように言った。
因みに本当にやろうとしたら止められた。そんなにえげつないかな。
「なるほどね…。スペルカードルールは奥が深いわねぇ。なかった頃とは大違いだわ。ほんと、無駄な遊びにしては楽ねぇ」
感心したように頷いてる。
そりゃよかった。
大変だろうけど、そうやって馴染んでるのなら大丈夫かな。
「無駄な遊びだからこそいいんじゃないか。霊華もやればきっとハマるんじゃないか?」
「そうね。せっかく現代に来たのだし、ルールに従ってみるのも面白そうだわ」
……?な、なに?この、かんかく、は……
「ええ、今のあんたにはとても……とてもお似合いよ。まるでどこぞの誰かに飼い慣らされている猛獣みたいなあんたにはね」
あえてそう言った。
もちろん、冗談だと勘違いされるよう仕向けながら。
「きゅ、急にどうしたのよ。そんなことを言うなんて…」
「例えよ、例え。もしかして本気にしたと言うのかしら?」
おお、怖い怖い。
睨んでくるとか、まさか図星なのか?
いいや、違う。私が煽りをいれたんだ。当たり前だろう。
「ま、存分に今を楽しんだら?」
「…霊夢、一体どうしたんだ?さっきから先代の巫女にきつくあたって」
どうしたもこうも…分からないのか?この人間は。
そんなまさかな。いや、こいつも分かってない様子だからありえるか?
「いいえ、なんでもないわ。ただ冗談を言ったまでのことよ」
「そ、そうか…?」
へぇ、なるほど。この人間は“まだ”分からないんだね。いや、普通の人間だからこそ、かな?
珍しい。でもね?お前のような人間こそ、身の丈にあわぬものが邪魔になる時がいずれ来るだろうね。
……と、この身ではやはりそんなに持たないか。
「ええ…。でも、あんた達との会話もこれまで。時間切れよ。それじゃ、またね」
起きた時、霊華には物凄い形相で睨まれてて、魔理沙はなにか不思議なものを見たみたいな複雑そうな表情をしていた。
―――さっきまでの間に一体、なにがあったの?
すみません、本文を一部リメイクしました。