……誰のとは言いませんが、ね。
では、下から本編になってます。
元の世界に戻れないことを知った。でもその肝心の教えてくれた紫は、といえば…
「今の霊夢じゃなきゃ嫌よ!」
「真顔で言うのやめてくれないかしら。…と、いうか急にどうしたのよ。うるさいわね」
あっ、藍が橙の目と耳を隠してる。そりゃそうだよなぁ。
紫が真顔で私の方を見て言ってるんだし。
っというかさ、さすがに人前はやめない?
それに紫は大妖怪じゃ…
「なぁあれ、酒でも回ったんじゃないか?」
「
「それもそうだな」
小声で話してきたのはいいけど、最初から分かってるんかい。
あ、凄く今さらだけど宴会中。
本当は未成年……だったはずの私も今回は遠慮なくお酒を飲んでいる。
あっ、良い子も悪い子も飲酒は二十歳からね!
「どこ向いてるんだ?霊夢」
「あらぬ方向よ」
「よく分かんないぜ」
苦笑いされた。
別にいいでしょ?どこ向いたって。
「…でも、なんか凄い人数ですね。途中から萃香さんも来てとんでもないことになってますし」
えっ?萃香?なにいってんの、ここにはえーと…。確か…。
あ、あれ?1人増えてる?
いつの間に来たんだろう。
「ま、いいわ。本題に戻りたいし」
「そう言いつつ酒を飲む巫女は誰なんだ?」
「さて、誰でしょう。………それにしてもやっぱり熟成させた酒の方もまた美味しいわね」
お前な、という呆れた視線を食らった。
いやだって、もうここまできたというのに戻った記憶は重要なところ以外全て。せめて私を私らしめる部分がほしかった。
―――いや、自身が人間だと確信できた辺り凄く嬉しかったけど。
ま、それだけですんだんならいいんだけど、まさかの名前だけ思い出せないときた。
挙げ句のはてに二度と元の世界には帰れないときた。
理由?簡単だよ。
博麗霊夢の能力を誰に説明されないまま、使用したこと。
多分使い方なんて普通は分からないとかって言うんだろうね。
ほとんど紫に説明されたものだから、推測にすぎないけどこれであってるのだろうか。
因みにある程度記憶が戻った今。ためわらずに飲めると知ってなにもしないほど、私は飲んべえになっていない!
……うん、なんか違う気がするけど。そもそも飲んべえじゃなかったし。幻想郷についてから飲んだ程度だしね。…す、少しだけだよ?
「……あぁ、貴方のことね。ええ、本来貴方はあの幻想郷にとってイレギュラーな異変を解決したあと、帰れるはずだったのよ。でも無理なのは先刻教えた通りよ」
な、なんかいきなり冷静になった!?紫って演技でもしたことあるの?
それを尻目に飲む私も私だけど。
うん。これ以上飲むと明日二日酔いになりそうだなー。
あ、ちょうどいい。私も酔ったふりをするか。
「でもでもー?私が能力を平然と使えるのはおかしいって
棒読み感はんぱないけど、大丈夫かな?
あ、やっぱりバレた。『フリか?』って魔理沙に聞かれたし。あと早苗にも。
演技下手ってか。悪かったね!
…あ、すごーく今さらなんだけど、宴会の面子と近くにいる人の名前だけあげるかな。思い出すってのも兼ねてさ。
どうやら来たのは少数らしいね。ええと、『魔理沙、早苗、諏訪子、神奈子、紫』だね。
んでいつの間にか萃香もいたと。
神様2人と萃香は離れて飲んでるよ。かなりの酒豪なのか空き瓶がいくつも…。
誰が片付けるのか知ってるのかな?
早苗?あぁ、酒に弱いみたいだから私のそば。魔理沙もいるけど、今んとこ平気みたい。
私?…大分飲んだ。いやぁ、伊達に
…ただ早苗、小声で魔理沙に「いきなり霊夢さんが遠くを見るような目になったんですけど、飲みすぎですかね」とか言わない。
まあ、それは別にいいんだけど、それに対する魔理沙の「違うと思うぜ。精神がいきなり年老いたんだ」は失礼だと思うよ。
後々こってりとお仕置きついでに遊んでやろうかしら。
もちろん弾幕ごっこで、だけど。
「……あっ!霊夢さん、一ついいですか?」
「ん?なにかしら。魂レベルで博麗の巫女になったって言うことならもう受け入れたわよ?」
「最初はそれを聞いて呆然としていた奴がよく言うぜ」
さりげなく言うんじゃない!
少し気にしてるんだぞ!本当に少し!
「あー、いえ。そっちじゃないです。……分社の方も綺麗に掃除してもらえないかなー、って思いまして」
「し、してるわよ?」
思わず顔をそらしちゃったけど、キニシナーイ。
「そうですね。それはたまに来てるので確認してます。ただ!」
「お、おおっ?」
「な、なによ…」
え、もしかして遠くから見て綺麗にしていればいいだろって目論見がバレた?
で、でも分かってくれるよね?こんなだだっ広い境内にその分社も掃除しなきゃいけないんだから、少しぐらい手抜きしたって…。
「もっとしっかり掃除してください!たまーにしっかり見るとほこりとか残ってるんですからね!細かいところもやらないと駄目ですよ!」
「…ただでさえ境内は広いと言うのに…」
「それでも、ですよ。私だって自分の神社に加えて分社もやってるんですからね」
うっ…。す、少しぐらい手を抜いたって許されるよね?
「そんな顔をしたって駄目です。そういうのってあんまりよくないんですよ?………しないよりはマシですけど」
「えっ?なんか言ったかしら?」
「なんでもありません」
うーん。小声過ぎて聞き取れなかったから、気になるんだけどな。
っていうかそんな若干怒ったような顔されたって…
「ははっ、お前のその顔もなかなか面白いな!」
「魔理沙!
「自分で他人事っていうのか」
え?そんなに笑う?
「あ、確かにそれは新しいですね。他人事なのに失礼って…」
早苗まで!?
ってかあなたは本人でしょうが!
はぁ…やれやれ。どうしたものか。
「楽しんでるとこ悪いけど、霊夢。今後貴方はこの幻想郷で博麗霊夢として生きること。私は今のところそれ以上は求めないわ。ただそれより―――先代の巫女があんまり表に出ないようにしてちょうだい。先代の対応より今の貴方の対応の方がまだいいものだから」
「「?」」
よく分からん。
左右にいる魔理沙と早苗を見たら早苗だけ不思議そうにしてるし。
魔理沙はどうしたの?顔、なんか青いよ。
「いや、問題ないわよ?…ちょーっと厳しいだけで、色々と教えてくれたし」
「これは……前の霊夢よりひどい楽天家ね」
「ちょっとやそっとじゃないな」
扱いの酷さが悪化してきたんですが。
「それほど凄い変化ってことですね。さすが幻想郷だわ!」
早苗ー!それはなんか違うー!
と言うかこの子、天然?天然混じりなのかな!?
「ま、それだけよ。霊夢、先代と同じようになれとは言わないけども頑張りなさい」
「はいはい。まあ、私も本格的に活動しなきゃどっかの誰かに笑われるだろうから頑張るわよ」
「ま、その様子なら博麗の巫女は貴方のままで平気そうね。……冗談よ。そんなに怪訝そうに私を見なくてもいいじゃない」
あんたがそう言うと本当にやりかねなくて怖いんだよ。
幻想郷第一に考えていたはずの妖怪でもあるっぽいし。
……でもさ、飲み始めてからずっと挙動不審ですんごい周りを見てるんだよね。
今回霊華は宴会に参加しないって、伝えたのに。
ま、いいか。
「ところで早苗、お酒も飲んでみない?少しなら案外飲めたり…」
「え、ええ!?…わ、悪くないかもしれないですけど…」
「ふふっ。駄目よ、早苗。飲みたくないなら飲みたくないで断らないと。本当、そこからどうにかしないと絡み酒されて大変な思いするのは早苗よ~?」
「それを酔っている霊夢さんに言われるとなんか説得力があるような…ないような…」
ハハッ、デスヨネー。
ほろ酔い通り越して思いっきり酔ってますもんね。
まだ普通に話せてるから酷くは酔ってない……いや、口数が増えてるから相当か。
……あ、苦笑いされた。なに?
もしかして口に出てた?
そうだとしたら恥ずかしい…。
「な、なによ…」
「いいえ、皆さんと楽しむ宴会はいいなって思っただけですから」
「……?」
き、聞いたことと違う。
「まっ、霊夢。多分お前ならそのうち分かるんじゃないのか?お前のことだしさ」
「なによその投げやり。酷いわ」
…なんて、3人で話してたんだけど、神様2人と鬼1人は凄かったよ。どれだけ飲むんだと。
―――ああ、もちろん。次の日は見事に二日酔いになりました。