先代巫女と行く幻想郷生活   作:篠崎零花

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この作品の幻想郷がこんな和気あいあいなのは私だからです。

でもきっと他にもこんな二次創作はあるはず!
……デスヨネ?



最初に比べ、かなり独特なものになっていますので苦手な方はブラウザバックをオススメいたします。


第36話 幻想郷に馴染んだはいいけど、知識不足が否めない

……魔理沙がつい最近帰ってきた。

んで、その間に色々と解決?してたようで、あの船は聖輦船(せいれんせん)と言うらしく聖白蓮とやらを復活させるために動いていたに過ぎなかったらしい。

今は命蓮寺に変わってるらしいから今度顔でも出しに行くかな。

 

 

話の途中、UFOとか出てきたらしいけど、飛倉の破片だったらしい。

らしい、というのも封獣(ほうじゅう)ぬえが正体不明のタネを入れていたから、のようだ。さすが(ぬえ)

 

でも誉めたら理不尽がられた。

いや、鵺ってそういうものらしいんだけどな。

 

 

あ、もちろん今さっきのは全て魔理沙から聞き出しましたとも。

なんか隠してるような感じがしたから色々と…ね?

それに色々と根掘り葉掘り聞きたかったからさ。ごめんよ、魔理沙。

勘任せってやったらどうなるのか、知りたくってね。付き合ってもらったよ。

 

 

「霊夢のその勘、どうにかならないのかー?」

 

「どうにかならないのかって言われても私には、ねえ」

 

コタツ(布団は取り払ってる)に上半身倒しながらぼやく魔理沙にほんの少し困った。

案外任せた勘が予想以上に鋭く比較的当たりを引く、っていうなら普通は信じるでしょ?

 

 

 

………あ、信じない?

 

 

「いやー…せっかくのネタだったんだけどなー」

 

(こいつの勘は本当あなどれないな。ちぇっ、気づかなければもう少し楽しめただろうに)

 

「あら、そう言うけど正体不明って普通にビックリするものよ?やられたら驚くかもしれないわ」

 

…こ、これじゃダメかなー、なんて。目を思わずそらしちゃったし。

 

「やっぱり分かった以上、驚くかどうなんて分からないじゃないか!」

 

 

えー……

 

 

「それはしようがないわね。魔理沙の運がきっと悪かったのよ。…はい、そうめん」

 

いや、運が悪いって言葉で片付けられるのかな?

ど、どうなんだろう。勘のせい?…いや、それだとちょっと…。

 

「悪くないはずだ!私はしっかり異変を解決してきたんだからな」

 

「はいはい…。あ、霊華。どうもね」

 

 

 

―――季節は夏。暑いので仕方ないからとそうめんを食べるところです。

というかセミがとてもうるさい。そんなに鳴くんじゃない。

理由が理由でしょうがないんだろうけどさ。

 

「さっきからみてたんだけども、なんか2人共バテ気味ね。私が鍛え直してあげましょっか?」

 

「だ、大丈夫よ!」

「別に平気だぜ!」

 

えっ?もしかして…

そう思って魔理沙に顔を向けたら魔理沙もこっちを向いてて目と目があった。

 

あれかな。目と目があう瞬間好きだと気づいた、とか思えばいいの?

いや、それだと百合とかレズになってしまいかねないから目と目で通じあうの方かな?

 

 

(むしろ霊華はどう鍛えたら平気になるんだ…?逆に羨ましいぜ。―――鍛えてほしいとは思えないが。それだけじゃない。目の前にいる霊夢の件もあるもんだから余計に思えないな)

 

 

「んで、霊華も座ったら?そうめんが固まるわよ」

 

「ええ、そうね」

 

 

コタツ机に上からみて左側に霊華、上側に魔理沙、下側に私と言う形で座った。

まあ、そうめんは冷たくて美味しかったよ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それにしてもさ

「あんた、朝からそうやって来てるけど、ここは避暑地じゃないのよ?」

 

「あー、いいんだよ。森にある家でこもってるよりはこっちにいた方がまだいいからな」

 

えー…なにそれ。

この神社はそういう場所じゃないんだぞー?

 

「あのねぇ…」

 

 

 

「へぇ、貴方達ってこんな暑い日でも元気なのね」

 

いやいや、元気と言うわけじや……えっ

 

「アリスか。いきなりどうしたんだ?」

 

「ええ、最近霊夢が前と違うって貴方よく話してくれたじゃない?それで気になってね」

 

へえぇー…そーなのかぁ…。

……魔理沙が……

 

 

「余計なことは話してないわよね?魔理沙」

 

「い、いやっ!?話してないぜ!前と性格が正反対だとかしか話してないぜ!?」

 

(ま、まさかアリスから話してたことが流れるとは思わなかったな…。気をつけるべきだったか?)

 

「あ、そう。そういうのだったら別にいいわ。と、言うわけで私もこう呼ばせてもらうわ。――――七色魔法莫迦」

 

「……ねえ、魔理沙。本人の記憶はないとか言わなかった?」

 

(い、いけね!そこについて嘘ついてたのバレた!くそう、なんでこういう時に限ってそんなことを言うんだ霊夢!)

 

あ、なんか立ちそう。

ってうお!?いきなり人形が魔理沙を囲って…

 

「…魔理沙、ちょっとお話しましょ?…霊夢、魔理沙のこと少し借りてもいいわね?あと境内も少しいいかしら」

 

「あー、別にいいわよ?でもアリス?」

 

「なにかしら、霊夢」

 

一応はこっち見てくれるのね。

うん、アリスって人形と見間違うほど可愛いね。

っと、そうじゃない。

 

「…ほどほどにしてあげてね?可哀想だから」

 

「ふふっ、平気よ。ちょっと弾幕ごっこで遊んであげるだけだから」

 

なんだ。それなら……ん?

 

(れ、霊夢!頼む、なんとかフォローしてくれないか!)

 

魔理沙を横目で見たらアリスに気づかれないようこっちになんかお願いしてきてる。

ジェスチャーだからあってるかどうかなんて分からないけど、これは…

 

 

「そう、ならお手柔らかにしてあげてね。あとで3人で話すのだから」

 

「ふふっ、分かってるわよ。霊夢に言われなくてもちゃんと手を抜くわ」

 

「れっ、霊夢!?」

 

あっ、連れてかれてる。

やれやれ…。仲良いんだか悪いんだか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

しばらくした後、弾幕ごっこが終わったみたいで魔理沙が縁側に私疲れたって感じで座ってる。

 

「魔理沙に対してアリスは涼しい顔ね」

 

さっき色々スペルカード使ったりしてたよね。

あれで相手より少し上の力しか出してないとか思えないよ。

 

「そりゃそうよ。私はそういうのなんだから」

 

「なるほどね。……で、やられた魔理沙はどう?」

 

まあ、大分疲れたような感じだから分からなくもないんだけどね。せめて少しでも気にかけた方がいいのかなー…って。

隠し事をしてた分とかアリスに嘘をついてたのなんて、今のでなしになったろうし。

 

あ、私はなしだよ。今ので私関係の嘘はつきにくくなったろうし。

 

「……んで、それを私に聞くか?」

 

「ええ、まぁね。ま、その様子なら大丈夫そうね。…それで、アリス。あんた、正しくは七色の人形遣いでしょう?」

 

 

あ、少し笑った。可愛い。

なるほど、あってるんだね。

 

 

「ええ、そうよ。でもそこまで大人しいと来ると別人みたいね。―――いえ、別人だったわね」

 

うっさい。好きでこうなったんじゃないわ。

それでもね、案外受け入れたらすっきりするんだよ?

 

…そこ、諦めてるとか言わない。

 

 

「はいはい、私は別人よ。ま、霊夢であることには変わらないけども」

 

(…霊夢、大分棒読みだな。面倒くさいのか否定することに諦めたのか…どっちなんだろうな)

 

「そ、そう。…ま、そうみたいね。だからと言って霊夢。そこまで遠くを見るような目で言わなくてもいいのよ?貴方を否定しているわけじゃないのだから」

 

アハハ…。そーでしたね。

言われるまで気づかなかったけど。

 

「……してるわけじゃ、ないのよ?」

 

「わ、分かってる。分かってるわよ…?」

 

「そんな諦めきった顔で言われても…」

「お前、目が遠いぞ…」

 

そりゃ…ねぇ?現実=真実ですもの。諦めて受け入れる以外になにがあると。

白目むいたろか。出来るとは言わないけど。

 

 

 

「あら、霊夢。そこの2人は?」

 

「ん?なんだ霊華なのね。魔理沙には情報提供をしてもらってただけよ。それで境内に人形を連れて来てるのはアリス・マーガトロイドって言うわ」

 

「へぇ、貴方が霊夢の先代…と言うか母親なのね?」

 

「違うわよっ!?」

 

「えっ?!そうだったのか?」

 

魔理沙は驚かなくていいんじゃないのかな!?

だってほら、確かに私も母親みたいに接してもらってるし、これからもされるんだろうけど、母親じゃないからね!?

繋がってるんだとしても実際はー、とかありえるしね!

 

 

「……。ま、まあ、博麗の巫女の先代はしてたわね。今は博麗霊華と名乗ってるわ。あなたがなにもしなければ私も敵対するつもりは「アリスはまだいいわよ。里へたまに来てはニンギョーゲキ?とか見せてるらしいし」」

 

って話した途端、魔理沙が目を丸くして、アリスが驚いた。

いやいや、なにか驚くようなことあった?

 

「ねえ、まさか貴方…人形劇を知らないとか、言わないわよね?もちろん貴方の記憶にあるあのスペルカードじゃないわよ?あれは人形劇じゃないから」

 

ん?あのスペルカード?……ああ、まさか博愛のオルレアン人形などのことを言ってるのかな?

なるほど。確かにあれはニンギョーゲキなるものではないようだね。人形を用いた弾幕なだけだったみたいだし。

 

 

「なら知らないわ。ニンギョーゲキってなにをするわけ?」

 

「お、お前本気で言ってるのか!?」

 

「――――えっ?」

 

「あー…こりゃ真面目に知らないタイプね。まあ、フォローしようとしてくれたのはよく分かったわ。ありがとね、霊夢」

 

いやいや。なんの話なのかな?

 

(こいつ…元外来人なのに知らなかったのか。ほんと、今の霊夢は前よりお人好しだな。ま、そういうとこがあるから飽きないんだけどな。……今度からかってやるか?)

 

「な、なによもう。因みに霊華、あんたは人形劇とか知ってるの?」

 

「………そ、そんなの知らないわよ」

 

あっ、霊華が目をそらした。

えー…ちょっと聞いただけのはずなのに。

 

(珍しいな…。霊華が目をそらすとは思ってもみなかったぜ)

 

「…はぁ。人形劇っていうのはね?ここにいる上海(シャンハイ)とかそういう人形を媒体とした劇よ。昔話とかなら分かるでしょう?」

 

へぇ…そんな感じなんだ。と、いうか人形劇なんてもの、あったんだね。知らなかったよ。

 

「へぇー、人形劇ってそういうことをする奴なのね。なら余計に里の人間とかへの敵意はないわね。むしろ素っ気ないようで親切とかそんな性格でしょ」

 

「……博麗の巫女らしからぬ貴方に言われたくはないけど」

 

いやいや、なにを言う。

私だって必要とあらば妖怪の1体や2体、倒すよ?

今のところ単純に退治してるだけだからそうでもないように見えるだろうけど。

 

「…ふふ」

 

「れ、霊夢!霊華がいきなり笑ったんだが、あれは大丈夫なのか!?」

 

「あー…大丈夫でしょ。大丈夫じゃないとしても説得するけどもね。ほら、バランスは崩してないわけだし」

 

(……確かに、敵意を向けてくる妖怪にはこの霊夢もしっかり対応してるみたいだもんな。というか馴染むのはやいな。さすが元外来人だぜ)

 

「と、いうか貴方達…先代の扱いが雑じゃない?」

 

「多分気のせいだと思いたいわ。それでアリス、とかと言ったわね?」

 

「ええ、そういう名前よ」

 

「……確かに最近の幻想郷は前と違って平和ね。ほんの少し羨ましいわ」

 

「「……」」

 

そ、それもそうか。先代達って妖怪と本当に命がけで戦ってたんだもんね。

それを考えるとまあ、今は倒しやすいだろうよ。未だに受け入れてない下級妖怪もいるみたいだけど。

 

「ところで魔理沙、なんであなたもそんな驚いた顔で私を見るのよ。特段おかしなことは言ってないわよ?」

 

「い、いや!なんでもないんだ!気にしなくていいぜ!」

 

「そ、そう…?」

 

 

あんなんでいいのか。

 

「あ、そうだわ。霊夢、今度家に来ない?多分今の貴方なら家にあげてもかんしゃく起こして暴れたりしないでしょうから」

 

「あら、いいの?なら、言葉に甘えようかしら」

 

人形も気になるしね!

ってなわけで今度暇だったら遊びに行かせてもらおう。

 

んでもさ……なんでかんしゃく?前の霊夢ってそんなに短気だったの?

怖いなあ。

 

あっ、霊華と魔理沙がなんか話してる。

危なくなったら間に入ってあげよう。うん、そうしよう。

 

 

―――(あと)のことを言うと、その日はとても平和でした。

霊華も前より性格が丸くなりつつあるようだし。

これなら私共々名前呼びされるんじゃ…!

 

 

……いや、霊華に限ってはありえないか。

私より巫女らしいことをたくさんしてきたらしいし。さすがだなぁ、と思う反面、私は…うん。


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