先代巫女と行く幻想郷生活   作:篠崎零花

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少なくとも人々に読まれている不思議な小説とはこちらです。

ものすごく今さらですが、この小説にオリジナル異変も含まれています。苦手な人はブラウザバックしながら“憑依霊夢は砂糖より甘い”とののしるように思うんだ!

えっ?なんか変だって?…そうですよね、すみません




下からが本編です(目そらしー


第38話 あの館からの私への感情がなんか凄い

それから見ているのかレミリアが1人でコロコロと表情を変えているのを笑うのをこらえながら待っていると真顔に戻った。

 

おっと、まさか…怒った、かな?

 

 

「……あぁ、なるほどね。それならあの時のフランへの対応はしっくり来るわ。なにせ貴方は元から霊夢であって霊夢でなかったのだから。さしずめ憑依、とでもいうべきかしら?貴方はどう考えても死んでないようだし」

 

「死んでない!?本当でしょうね!」

 

「霊夢、霊夢。気にするのはそこじゃないんだけども。…確かに見て死んでないってことが分かったとはいえ、そんな嬉しそうな顔で聞いてくるんじゃないわよ」

 

「そうよ、霊夢。お嬢様があんまり浮かべない困惑した表情を浮かべてしまうほどなのだから落ち着いてちょうだいな。…まあ、でも確かに気にするのはそこじゃないはずよね」

 

「あぁ、でも霊夢ね、目が覚めたらいきなりあの博麗神社だったのよ?今では人間だったと自覚しているとはいえ、やっぱり外の世界で人間として生きてたって証明とやらが欲しかったんでしょうね。まがりなりにも半分記憶ないし」

 

「半分記憶ないとか言わなくていいのよ。その半分は元々私の記憶だし、困ってないから問題ないのよ。私が気にしてるのは違う問題だったの。それが分かったからついああなってしまっただけよ」

 

っていうかそれとこれは違う気がするんだけどなー…。

私が気にしてるのは“憑依”とやらは死んでなったのか、ってだけだし。

いや、まあ、レミリアに“憑依”って言われるまでこれっぽっちも気にしてなかったんだけどね。

 

わ、私だけの秘密だよ!

 

 

「あら、それは失礼したわ。…それでお嬢様。霊夢を見てなにが見えたのですか?」

 

「うーん、減ったと言うべきか増えたと言うべきかとても悩ましいものだったわね。強いて言えば霊夢に残る最後の問題さえ解決すれば誰がなにしようとなにも起こらないとしか言えないわね」

 

え、えぇ…。なんか前にも見たって言い方が気になるけど、それよりも最後がなんかとても意味深な言葉だね。

…いや、むしろついでだったはずの目的が大事(おおごと)になってるような…?

 

「恐らく貴方がさっき言った『あの時の異変があれで終わりとは思えない』っていうのが正しく思えるほどよ。…でも、不思議なことにそれで終わりじゃないのよね。だから、なにかをすればもう二度とその異変は起きなくなるんでしょうけど…。私はそういうの、専門なんかじゃないのよね」

 

「専門じゃない割には結構知ってるわよね。まさか、運命が見えるーとか、そんなこと言わないわよね」

 

運命って言っていいのかさだかじゃないけどね!

ほら、運命って分からないでしょ?もはや偶然レベルでしょ?

どうやって理解するんだろうか。とても気になる所存です。

 

「そこを言わないの。でもそうね、今回は霊華などの巫女の知識が役に立つんじゃないのかしら。どこぞのスキマ妖怪もありえそうだけども」

 

「お嬢様、彼女の名前は八雲紫だと何度も教えたじゃないですか。せめてたまには名前で読んでみてはいかがでしょうか?」

 

「あー、んじゃ…気が向いたらでいいわ」

 

そういうのって二度と来ないやつじゃないのかな。

 

「んまぁ、それだけ情報があればいいわ。ありがとうね。さてと、大図書館にも顔に出してくるわね」

 

「霊夢、もうそこのきゅうk……じゃなかったレミリアから聞かなくていいのね?と、いうかもしかして今のがついで、とか言わないわよね」

 

えっ?なにを言うの?

紹介が本来の目的で、私のこれはおまけだよ。それこそお菓子についてくるオモチャレベルでおまけだよ。

 

(そ、そんな顔をするってことは…本気でついでだったのね。普通、そういうのを目的にするでしょうに変わってるわね)

 

「そう?んならパチェに話でも通しておこうかしら?」

 

「あ、いいわ。霊華を紹介するだけだし、それ以上はしないもの」

 

知ってそうな人物って限られてるしね。

会ったことがあるのならまだしも、最初から知っていたのは八雲紫、あと知ってそうなのはあの霖之助さんかな?

 

「そう?なら咲夜、霊夢には再確認、霊華には教えるつもりで案内してもらえる?たまには妖精メイドに家事を任せても困らないでしょうし」

 

「…分かりました。パチュリー様のところまで案内すればいいのですね」

 

「そんな複雑そうな顔しないで素直に受け止めたらいいんじゃないのかしら?ほら、人間って疲れるときは疲れるから」

 

「……ふふ。確かに貴方って変わり者ね。でも、そうね。あまり使えないとしても休憩がてらに案内するのも、またいいわね」

 

ねっ、でしょ?

 

(嬉しそうな笑顔。幻想郷に来てから変わったのって多分貴方のおかげよね。…誰が、とは言わないけども)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

案内してもらったのはいいけど、館そのものが広いってさすがだね。

確か咲夜がやってるんだっけ…。

 

「あぁ、そういえば霊華。貴方への自己紹介をしていなかったわね。私は十六夜咲夜。この紅魔館のメイド長をやっているわ。実を言うとこの館は私が能力の応用で広げたものなのよね。最初は驚いたでしょう?」

 

「ええ、そうね。窓も少ないし、さすが吸血鬼の住まう館ね」

 

んっ?……あぁ、そうか。

吸血鬼は日差しが駄目なのか。あの睦月に開いた宴会だって来たのは夕方。日が沈んでいたからなのか、今さっき会ったようなほぼ手ぶらの状態で出来てたしね。

いや、咲夜だけは少し持ってきてたけど。

 

んで、フランが外にでようとしたとき、紅魔館の周囲だけ雨を降らしたことがあるらしいけど、その時なんてレミリアが博麗神社にいたから帰れないみたいなことを言ってきたらしいし。

 

―――弱点多いなぁ。そのくせしてあの生ぬるい、プールと言えるかどうか怪しいものには普通に入ってたし。よく分からないねぇ。

 

ん?そういえばパチュリーって

 

「大図書館には窓あるの?いくらなんでもないってわけじゃないでしょうし。……まさか、本が日焼けするからってないとか言わないわよね?」

 

咲夜、気まずそうにするのはなんでかな?

え、なに。本当にないの?

………うそでしょ?

 

「あー、とりあえずそこがパチュリー様のいる大図書館よ。小悪魔もいるでしょうし、ついでに霊華のこと、紹介したらどうかしら?」

 

「ん、それもそうね」

 

「むしろ私はその大図書館の方が楽しみね。今までそういう本の多そうな場所がなかったものだから。あぁ、高床式倉庫にあるような書物とかじゃないわよ?あれはまだ少ない方でしょうし」

 

あー…それもそうか。少ないもんね、あそこにある書物。

うん、それはいいんだけどね?霊華…あなたの時に図書館なんてあったの?そもそもどうやって知ったの?

すごいなあー。

 

 

―――咲夜が先に扉の前に立つとノックを3回したが見えた。音もその分聞こえたけど。

 

「パチュリー様、霊夢が先代の巫女を紹介したいと遊びに来ているのですが、入れても宜しいでしょうか?」

 

 

…な、中にいる人に聞こえる?

 

「あら、そうなの。霊夢がいるなら別にいいわ。レミィ曰く今の彼女の性格なら突然手を出してきたりはしないって言っていたから」

 

うん、どんな理由かな。

しかも手を出すとか…。なにかしでかそうとしたり、私や周りの人になにかしない限りは私もなにもしないってのに。酷いよね。

 

(なるほどね。確かにここまで社交的で前向きで中立気味な霊夢ならそういう反応されてもおかしくはないわね。……自覚しているかどうかはともかくとして)

 

「分かりました。入室しますね」

 

「お邪魔するわよー」

 

う、うおぉおー!?本がたくさんあるんだけどー!魔導書以外とかないのかな?!

 

「霊夢、本に興味を持つのはいいけども、パチュリー様に一言いってからの方がいいわよ?」

 

「あら、借りれるの?」

 

「ええ、恐らくはね」

 

 

 

「……よくなんともないわね、ここって」

 

 

あ、なんか霊華が小さく呟いてる。なにを言ったのか分からないから別にいいか。

 

 

 

 

「………」

 

 

「ねぇ、霊華。もしかしてだけども、あの巫女…魔導書知らないんじゃないかしら?」

 

「あら、私はほとんど知らなかったわよ?大体聞いて察するしかできないわ。…でもそうね、あれを逆さにして読んでいる辺り、知らないんじゃないかしら」

 

「……確かに逆さね。読めてるのかしら、あれ」

 

「霊夢でもさすがに読めないと思うわ。あれが逆さで読める本でない限りは、ね」

 

 

 

なんか会話してるのが聞こえるけど、気にしない。

きっとこれは普通の本なんだ。

ただちょっと理解しづらいだけなんだ…!

 

「…ねえ、貴方。その魔導書、逆さよ?あとそれ読めてるの?」

 

 

 

―――えっ?逆さ?

あ、ホントだ。

 

「読めないわよ。それに魔導書なんて魔法使いが読んだり書いたりする本でしょう?なら私でも読めるわよね」

 

「なるほどね。…でも読めてないのよね」

 

そうだね、読めてないね。それこそ、逆さま以前の問題だね。

…いや、それ以前に誰と話をしてるんだろう?

 

「そりゃ魔導書なんて見たことないもの。…そういうあんたはパチュリーだったのね。本とにらめっこしていたら気づかなかったわ」

 

あ、なんか呆れたように笑ってる。ひ、ひどくないかな。

 

「パチュリー様、待ってくださいよー。ってあれ、巫女が2人もいるなんて珍しいですね」

 

「ええ、この2人は霊夢と霊華よ。―――それでパチュリー様に霊夢が私のとなりにいる先代の巫女こと霊華を紹介したいとのことです。ほら、霊夢」

 

はいはい。ありがとうね?

 

 

「あー、そこにいるのは先代の巫女をやっていた霊華よ。一応あんた達で紹介は最後ね」

 

「本当はその名前、名乗ってるだけなんだけどもね。まあ、いいわ。それであなたがパチュリー・ノーレッジで、そばにいるあなたが小悪魔…でいいのかしら?」

 

「はい、私は小悪魔ですよー?まあ、名前じゃないんですけどね」

 

「名前じゃなくとも呼びやすいからいいのよ。…ええ、私がパチュリー・ノーレッジよ。まさか霊夢、それだけで来ていたとか言わないわよね?」

 

言いますとも。

ついでの目的は当初できなくてもいいやってレベルで諦めていたし。そもそも出来るかどうかも微妙だったしね。

いや、フランとの接触は予想外かなー。

 

「…本当にそのつもりだったのね。まあ、いいわ。レミィの言うとおり、貴方は本を大事にするようだし。小悪魔、悪いんだけどもこの霊夢が持ってる本、元々間違えた場所に入れてしまっていたみたいだから戻してくれる?」

 

「しょうがないですね、パチュリー様は。霊夢さん、渡してもらえますか?」

 

「別に構わないわよ。どうせ魔導書なんて私にはこれっぽっちも分からなかったし」

 

それに魔導書とは縁がないだろうしね。

それにしても小悪魔のあれ、私と同じような長さなんだね。短いとやりやすいのかな?

 

「はい、ちゃんと受け取ったので戻してきますね。んじゃ、あとは4人でごゆっくりー」

 

 

「そんな長居しないと思うんだけどもね。…まあ、いいわ。パチュリー、あのフランがあそこまで大人しいのっていつからなのよ。なんかもう宴会の時にはやけに大人しかったけど」

 

「本当。あの時、霊夢に話しかけにいったと思ったら普通に話し出すんですもの。ビックリしたわ」

 

え?見てたの?

てっきり私はレミリアとかと話をしててこっちを見てないかと…。いや、紅魔館のメイド長だからそりゃ見るかな?

 

「それがレミィからの話を普段聞かないのにあの日だけしっかり聞いててね。それからというもの、今の貴方に『会いたいから』とか『友達になれるかもしれないから壊したくない』ということで頑張りだしたわね。宴会に行く前なんて情緒不安定さがなくなっていたのよ?私も驚いたわ」

 

「そんなことをやっていたのね。…霊夢、今度から私も宴会に混ぜてくれる?私もちゃんと今の幻想郷にあうようやるわ」

 

(それにいい加減私も霊夢に妖怪退治の依頼が回るようにしないといけないしね。いつもは人間にも妖怪にも甘い霊夢だけども、幻想郷のことは大事みたいだしね。…ふふっ、第二の故郷ってやつかしら?)

 

 

霊華がまた母親みたいに笑ってる…。

でも二度とお母さんと間違えて呼ぶまい。かなり恥ずかしかったし。

 

「ああ、話がもりあがっているところ悪いんだけども、私、そろそろ戻るわね。んじゃ。…それと、霊華。最初は驚かしてしまってごめんなさいね。パチュリー様もなにか用があれば呼んでくださいね」

 

咲夜って色々とはやいときあるよね。

一応時に関する能力だっていうのは知識としてあるんだけどね。

 

 

「それにしても霊夢に霊華、ねぇ…。面白い組み合わせだわ。先代と今代なんて早々出会いなんてしないでしょうし。…ああ、ちゃんと返してくれるのなら本とか私も貸すわよ。これでも魔導書やそれ以外もあって、気がついたら増えてるとかざらじゃないのよね」

 

「へぇ、いいのかしら?もしかしてらそのまま借りていってしまうかもしれないのよ?」

 

「……よく咲夜から貴方を里で見かけると聞くけども?霊華も見かけるって聞くわね」

 

「そ、それは…そのぉ…」

 

買い出しとか鈴奈庵に本を借りたり返したりしてるとか言えない。

霊華も大体買い出しとかって聞くんだけど、どうなんだろうな。

 

「私は普通に買い出しとかしてるだけよ?それ以外はたいしたことなんてしてないはずなんだけども…」

 

「あぁ…もういいわ。先代の巫女がどれほど霊夢より有名なのかって分かったから。ところで貴方達にはそれ以外の用事はないの?」

 

 

…………あっ、いけない!

 

 

「忘れてたわ!私、里へ行ってくるから、霊華はあと自由にしてちょうだいね!」

 

「自由にってあのねぇ……って待ちなさいよ。私も買うのあるんだから」

 

 

「…パチュリー様、なんか賑やかでしたね」

 

「なんだ、小悪魔なの。そうね、霊夢と霊華。あの2人がいるとレミィも私も退屈しなさそうだわ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

里についた。

ちょっと人通りが多いけど、きっと昼前かなんかなんでしょ。

 

「先に行くとは思わなかったわ…。それで忘れていた用事ってまさか買い出しのことじゃないでしょうね」

 

「えっ?もちろんそれよ?ほら、よく言うでしょ。食べなければ異変解決とかも出来ないって」

 

本当は“腹が減っては戦はできぬ”なんだけどね。

それを幻想的に考えたらこうなった。いや、我ながらよく分からないね。

 

「はいはい。分かったから買い出しいくわよ。んじゃなきゃ色々と少ないんでしょ?」

 

「えーえー、そうよ。だから買い出しにも行こうと思っていたの。それとあわよくば命蓮寺にでも顔を出しに行くつもりよ」

 

「命蓮寺?…あぁ、最近できたって里の人達が言っていたわね。なら私が買い出しをしておくからあなた、行ったらどう?」

 

私が?

うん、悪くない話だろうけど、どうしたものかな。

…あの、顔が凄いよ?真顔ってレベルですむといいなってほどだよ?

 

「……よさそうね。そうするわ」

 

ごめん、顔そらしたわ。断れない雰囲気だだもれだからついそらしたわ。

 

「そう。分かったわ♪んじゃ、私は私で行ってるわね」

 

あ、うん…そう…

仕方ないけど、いくか。

 

――命蓮寺へ

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