先代巫女と行く幻想郷生活   作:篠崎零花

40 / 69
駄文ながらもこの小説に付き合ってくださる皆様に感謝しつつ私は……自重を外して書いてます。

まだ予定段階ではありますが、今作品が終わりましたあと、新しい幻想入りを書く予定です。
そちらも恐らくは駄文なものになると思いますが平気な方はお付き合いいただけるとスマホの前で狂喜乱舞……しませんがする勢いで喜びます。


関係ない話はこの辺りまでにして、平気な方は下から本編ですのでどうぞ


第39話 寺ができたようだけど、私達は平常運転

命蓮寺

 

魔理沙曰く宝船が変化した寺、らしい。

しかも里外れにある――今確認した――のせいでちょっと不安だ。現にそれなりの人が出たり入ったりしてる。多分守矢神社も影響でそうだな。参拝客的な意味で。

 

心なしか妖怪が人間よりいそうな気がするのは気のせいかな?

……うん、気のせいだといいな。

 

 

 

「おや?貴方は……巫女?」

 

うん、まさかそんな疑問系でくるとは思わなかったよ。

 

「ええ、巫女よ。博麗の巫女。それがどうかしたというのかしら」

 

「いえ、なんの用で来たのかと思いまして。貴方のお名前を聞いても宜しいですか?」

 

普通に様子見なんだけど、なんて警戒されてるんだろう。

 

「私の名前は博麗霊夢よ。んで、そういうあんたこそ名前はなんていうのよ」

 

「あっ、これは失礼したわ。私の名前は聖白蓮と申します。それでお互いの名前が分かったところでもう一度お聞きしますけど、なんの用で来たのでしょうか?」

 

「この命蓮寺がどんな寺か見に来たのよ。…ただ妖怪が多い気がしてね。ねえ、あんたの寺なんでしょ?なんかしてるの?」

 

「ああ、もしかしてこの命蓮寺に入門させている妖怪のことね。なら安心してほしいわ。入門させている妖怪に関してはしっかり見きわめて入門させてるから。人間も少しはそうね」

 

へぇー…寺って入門とかっていうのか。初めて知った。

 

「本当に?…あまり幻想郷のバランスとやらを崩すようなことはしないのね?」

 

「ええ、しませんわ。むしろ私からも1つ。貴方は妖怪のことをどう思っているんですか?」

 

えっ?私が妖怪への印象?

……考えたこと、あまりなかったなあ。

でも、今できてる答えだけでも教えるかな。

 

「……妖怪は人ならざる者。人間を恐怖に(おとしい)れ、食べる者として見てるわ。けども、必ずしも友好的な妖怪がいないわけじゃないことを知っているってとこね。…まあ、要するに悪いことするならどんな妖怪でも容赦はしないってことね」

 

う、うーん…。この解答でよかったのかな。この人?の聞きたいことはさっぱり分からん。

 

 

っておよ?明るい顔になった。

 

「分かりました。そうですね。確かに強く悪い奴は一度こらしめた方がよさそうね。でも貴方はそこまで妖怪に排他(はいた)的ではない。それを知れただけでも私にとってはよい情報ですわ。なるべく迷惑をかけないよう気をつけますね」

 

笑顔が可愛いってレベルじゃない。本当、美しいね。

あ、今気づいたけど、この人って…

 

「ええ、そうしてくれると私もすっごく助かるわ。ところであんたってやけに達観してるわよね。おばあちゃんみたいだわ」

 

「おっ、おばあちゃ……!」

 

え?なに、もしかして禁句だったりする?

…も、もしかしてやらかした?

 

 

「…そう思われるのも仕方ないですね。実際、私はもう人ではないのですから」

 

「なるほどね。そりゃそうもなるわね。んじゃ、私、霊華のとこに行くから」

 

ってうぇ!?腕をつかまれた!?

や、やっぱりやらかしたんじゃ…

 

「…あ、驚かせたみたいでごめんなさいね。ただ1つだけ気になったもので」

 

「な、なによ……」

 

気になるってなに!?

私、なにもおかしなことはしてないハズだけど…。

 

「いえ、貴方…まさかとは思いますけど、幻想郷に大した影響のない妖怪は退治していない、とか言いませんよね?この寺がまだ聖輦船だった頃に来た白黒魔法使いなんて、欲にまみれて…「なによ、私に欲がないっていうの?そういうのだったら私、怒るわよ」」

 

 

困ったように笑ってるけど、そこは妥協(だきょう)しない。いや、私自身おかしいとは思うけどさ。

それに幻想郷のバランスとか云々だってとりあえず聞いてみよって好奇心だし。

…欲がないわけじゃ、ないんだよ?

 

っていうか白黒魔法使いって魔理沙しかいないんだけどさ、当時の魔理沙は宝船として見ていたから仕方ないんじゃないかな

 

 

「そ、そうですか。まあ、さっきまで好奇心旺盛(おうせい)って感じで聞いていたのでそういうのがないわけじゃないようですしね。かといって変なことを聞いてきたわけじゃないですし」

 

「そりゃ聞くならストレートに聞くっていうのもありだからね。遠回しで聞いてばかりじゃ知りたいことだって知れないことがあるんだもの」

 

それにこの人懐っこい感じからして聞けるかなって思ったもんでね。

断られたら聞くつもりじゃなかったけど…いいか。

 

「ま、とりあえず私は寄っただけだからもう行くわね。んじゃ」

 

「分かりました。私もひきとめてしまってすみませんでした。…帰り、気をつけてくださいね」

 

確かに獣道は危険だけど、どこぞの誰かさんの影響で危険もなにもないんだよね。

なにをやっていたらそうなるのか、聞きたいぐらいだよ。

 

「はいはい、どうもね」

 

 

 

 

 

―――と、いうことで霊華はどこだろう。この寺の付近で別れてからあとのことは全く聞いてなかったから居場所が分からないんだよね。

 

出て探してみるもこの付近にはもういないみたいだし。

 

「おや、霊夢じゃないか。こんなところでなにしてるの?」

 

「んー…?ってなんだ、藍なの。今日はその尻尾の方、もふもふなの?」

 

「も、もふもふっ…!?いや、霊夢。それは挨拶でもなんでもないとは思うんだけど、その辺どうだろうか」

 

ふむ、一理…というかその通りだね。

でもさ、もふもふと言えば布団やベッド。

布団やベッドと言えばほぼ出られない、でしょ?

 

 

いや、まあ、関係ないんだけどさ。

 

 

「それもそうね。確かに少しおかしな挨拶だったわ。ところでそういうあんたは里になにか用事でも?」

 

「あぁ、買い物だよ。たまに出ないと食材が足りなくなるからね。お前はどうしたんだい?」

 

「私も買い出しよ。途中まで霊華と行ってたんだけども、命蓮寺があったから好奇心で黒光するアレホイホイよろしく入って行ってたところよ」

 

あ、そこで半目はやめて?

なにかな。ゴキブリホイホイって言えばいい?

幻想郷にそれはなさそうだし、言っても分からないんじゃ…。

 

「例えがおかしいが、なにも言うまい。と、なるとあそこにいた先代の巫女はお前の連れだったのか。多分甘味処にでも行ったんじゃないのか?確か話していたら休憩がてらによるとかなんとか言ってたし」

 

おおー、意外なところで霊華の居場所が分かった。

探す手間がはぶけたからありがたいね。

 

「そうなのね。教えてくれてありがとう。んじゃ私もそこへ行くわね」

 

「あー…荷物が少し多かったから大変だと思うけど、頑張れよ」

 

「……?え、ええ」

 

 

 

 

なんで藍があんなところにいたんだろう。偶然?

そこまで気にしなくてもよさそう、かな。

 

 

 

 

 

 

 

 

そこから歩いて実際に甘味処まで来てみると霊華がいたんだけど…うん、確かにいい量だね(遠い目)

 

「…あら、もうあの寺はいいの?」

 

「ええ、聞きたいことはもう聞けたからね。…そういうあんたこそ、もうなにも買わなくていいの?」

 

「そうね。必要そうな物はもう買ったから特にないわね。んじゃ、帰りましょうか」

 

そういうと座っていた隣に置いてあった湯呑みとかがのってるおぼんのところにお金を置いた。

そういうシステムなの?

なるほどねぇ…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

霊華の持っていた荷物を一部持って博麗神社に帰るときに聞いたんだけど、どうやら先代の巫女の名前は博麗霊華として広まったらしい。

なのに未だに“巫女さん”とか“博麗の巫女”って呼ばれるのは何故だろう。おっかしいなあ。

ん?そういえばなんかもらったとかいってたな。花だっけ。

 

「……霊華、そういえば花屋から貰ったものってなによ。覚えてる?」

 

「あぁ、種よ。花の種。売れ残ったものを買ってきたからなんの花かなんて分からないわ」

 

 

え、ええー…。参ったな、それは。

ど、どこかに花に詳しい人いないかな…。

 

 

 

そのあとは藍が油揚げやそれ以外も買っていたとかそんなのを聞いた。

うん、マタタビとかも買っていたらしいけど、猫って藍の近くに1人しかいないよね。

 

 

…黙っておこう。

 

 

 

 

 

 

 

んなことやってたら境内が見えてきた。

 

「あ、魔理沙。霊夢と霊華、帰ってきたみたいよ?」

 

「あー?…おお、そうみたいだな!」

 

 

うん?この声は…アリス?

こんな暑い中、なにしにきたんだろう。

いや、蒸し暑いっていった方が正しいのかな。凄い湿気だよねー。

 

「どこも暑いのによく出てきたもんね…。ったく、ここは避暑地じゃないのよ?」

 

「とか言いながら冷たい飲み物を出してくれる霊夢って優しいよな!」

 

うっさい!私かてこんな場所で誰かに倒れられても困るんだよ!

それに幻想郷で熱中症とか脱水症とかって言ったってすぐには分からないだろうしね!

 

「…はいはい。霊華、荷物片づけましょ」

 

「それもそうね。持ってるのもなんだし。…ちょっと行ってくるわね?」

 

 

「おう!待ってるぜ」

 

「私もゆっくり待ってることにするわ。なんだったら上海でも貸しましょうか?」

 

「あー…平気よ。なんだったら境内は広いのだし、そこで上海達の動きでも見たら?それぐらいはされても大丈夫よ」

 

「あら、そう?悪いわね」

 

(それが優しいと言われる理由なんだけども…。まあ、いいわ。それが霊夢なのだし)

 

――何故、霊華は私のことを微笑ましいなにかを見るような感じで見るのでしょう。まだなにもやらかしてないハズだけど。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

荷物を片づけて、ついでに冷たい水を入れた急須(きゅうす)でお茶を4人分用意して縁側付近にいた魔理沙とアリスのところに霊華と共に戻ってきたら、その2人はまだいた。

いや、その2人分の飲み物を用意したんだからいてくれた方が助かるんだけどさ。

 

 

…水羊羹(ようかん)、食べてくれるかな。

 

 

 

「はい、お茶と茶菓子よ。いる?」

 

「あら、ありがとうね霊夢。いただくわ」

 

「いつもいつも悪いな、霊夢」

 

お茶葉、さっき買ったばっかりだけど平気だよね。

水で長めに出すし、なにより新しい奴ならいけると思う。

 

「ああ、悪いけど茶菓子を先に食べてもらえないかしら。水で出してるからまだ少し時間がかかるのよ」

 

「それならしょうがないわね。…水で淹れるなんて珍しいけども」

 

もしかして熱いお茶の方が好きだったかな?

っていうか珍しいもなにも今回初めて作ったからね。そりゃ仕方ないと思うんだけど。

 

「そりゃそうよ。霊夢ったらもうすぐ夏だからと言ってそんなことをしたのよ?茶菓子は私が適当に買ったんだけどもね」

 

「適当に買ったわりには良いもの多いわよね。あ、魔理沙。1人多くて2つまでだからね」

 

「6つもあるのにか?…いや、お前なら少なくとも1人に1つは食べれるようにしたいんだろ。違うか?」

 

いやいや、違わないよ。むしろ言ってることであってる。

 

「首を縦に振るなんてさすが今の霊夢ね。どこぞの誰かに見習わせたいわ」

 

「どっ、どこぞの誰かって誰だよー!」

 

「あぁー…。多分あなたもいつか気づける日が来るわ」

 

「おいおい、霊華までそういうなんて…。そりゃないぜ!」

 

「平和ねぇ…ふふ」

 

笑みが自然と出ちゃうほどには平和だね。

いや、むしろ目の前でそんなことをされてたら普通に笑っちゃうんだけどさ。

 

 

 

 

 

 

 

「楽しんでるところ悪いんだけども、せんべいは買ってないの?」

 

「……ねえ、あんたは自分の家にもせんべいあるでしょ?そっちで食べなさいよ。それとも藍に言いつけた方がいいのかしら?あぁ、そこにいる霊華の方がよさそうね」

 

スキマから半身乗り出しかけてるその人にそう投げ掛けた。

というか普通に誰がいるのか見えると思うんだけど。そこのところどうなんだろうね?

 

「言いつけるもなにも…。ああ、紫?あなたには分かりにくい場所に置いたからしばらくは分からないでしょうね」

 

「あらあら。その言い方だとしばらくしたらバレるみたいな言い方ね」

 

「んじゃあ、あなた以外の皆に聞くわね?このスキマ妖怪が見つけられなかったものってある?」

 

 

えっ?見つけられなかったもの?……私はそんなの見たことないね。

フリも含めて、だけどさ。

 

「…私はそもそも見かけないわね。森と里を行き来してるのもあるんじゃないのかしら」

 

「私も知らんな。紫なんざ早々出会わんし。むしろ布団の場所とかなら知ってるぜ」

 

「魔理沙、それは色々と違うし、なんでその場所は知ってるのよ。…ああ、私はそんなところ、見たことないわね」

 

「お前がよく出してたからな」

 

いつ見てるのさ、あなたって人は。

…いや、いいんだけどさ。

 

 

「っていうわけで紫の分は私が持ってくるわ。それまで皆で話しててちょうだい。じゃ、とってくるわね」

 

どういうわけかな、それは。

全く分からないよ。

 

 

「そうだわ。ちょうどいいから貴方達から色々と聞こうじゃないの。…それこそすべてを、ね?」

 

なにを聞かれるんだろうね。

多分この時、皆の考えてることは同じだったんだろうな。

さとりみたいに考えが読めるわけじゃないから、分からないんだけどね。

 

 

 

「とりあえずあのことから話しましょうか」

 

「待て待て、霊夢。それだと心当たりのある話のうちどれか分からないんじゃないのか?…というかお前も分かってないだろ」

 

「ええ、どの話で来るのかさっぱり分からないわ」

 

それとなく聞き出せばいいかなーとは思っていた。

素直に聞いた方がはやいんだけどね?

 

「貴方達ねぇ。…アリス、貴方は?2人と違ってなんとなくは想像がつくでしょう?」

 

「ええ、まあね。地底の話、そうでしょう?」

 

あ、なんだそれなんだ。

でもただ地底の話するだけなら霊華に苦手な者を見るような眼差しを送らなくてもいいんじゃないですかね。

あれでも性格は丸くなった方なのに…。

 

 

「私はその時、アリスから聞いただけだったしな。それに行ったのだって解決後の地底だ。詳しい話なら霊夢がした方がいいと思うぜ」

 

「ん、それもそうね。ちなみに地底のあとは通信機入りの陰陽玉を持っていってないし、紫が分からないのも当たり前だと思うわ。それこそ私をスキマから見ていなきゃ、ね」

 

それに私が持っていかなかったのは早苗達守矢神社も協力的なんだから、大丈夫だろうと思った私の独断なんだよね。

悪いね

 

「そりゃ分からないわけだわ…。とりあえず、話してちょうだい。地底はどうなったわけ?」

 

「簡潔に言えばもう放っておいても平気ってことね。なにせあれは守矢神社の方が山の産業革命として行っていた常温核融合の結果だったようだし」

 

「ま、待てよ霊夢。それだとあの間欠泉はどうして出来ていたんだ?それに核融合?とかする場所ないだろ」

 

ん?ああ、魔理沙はあの地霊殿から奥には進んでないもんね。

んなら仕方ないか。

 

「それが地霊殿より更に奥の方に中庭があるのよ。そこからもっと奥へ進めばちょうどいい場所があるみたいでね。しかもちょうどいい人材…いえ、妖怪だったけども、それもいた。そこに目をつけたのが守矢神社だったようよ」

 

もちろんあの間欠泉で地底に行った後、守矢神社にも行きましたとも。

ちょっとした話も聞けたしね。

 

 

「なるほどね。…続けて」

 

「はいはい。んで、当初は河童達に外の世界に存在している核は危ないって話はちゃんとあがったそうよ。だからそこはいいんだけども、問題はそうした後だったわね」

 

それで間欠泉が出てたんだよね。

あの2柱?が空にやった能力が…っていうのもあるけどね。

 

「あ、もしかしてあの間欠泉のことか?ほら、怨霊コミコミで吹き出ていたあの…」

 

「ええ、それよ。あれの原因は能力を与えられた空の吐き出す余剰分のエネルギーだったってこと。怨霊は恐らくさとりじゃないわ。あいつは考えを読むことはしてもそういうのはしないでしょうし。…まあ、結局…もういいわ」

 

「地底も凄かったもんな。その奥なんて相当蒸し暑かっただろうぜ。いや、ここも今は充分暑いんだけどな」

 

今確か大体梅雨辺りでしょ?

そりゃ暑いよ、魔理沙。

 

「……なるほどね。それならもういいわ。間欠泉が止まらないってことはよく分かったのだから」

 

「今のでよく分かったな、紫。誰も話してなかっただろ」

 

「そうね、私も話してなんかいないわよ?…そもそも私は間欠泉までのことしか知らないもの。それは紫だって知っているはずよ」

 

そこはもう紫だからってことでいいんじゃないのかな?

 

 

 

 

「相変わらず紫は紫よね」

 

「あら、霊華。もう戻ってきたのね。……まあ、せっかくお茶を淹れてもらったのだし、いただいてくわ」

 

(紫の愛想笑いみたいなのは初めて見たな。しなくてもいい気がするんだが…まあ、霊華も気にしてないようだし、別にいいか)

 

 

「でもここまで来ると霊華と霊夢がやっている茶屋みたいね。神社ではないみたいだわ」

 

「うちはそういうとこじゃないのよー?」

 

しかもこれっぽっちもあってないしさ。

神社はそういう場所じゃないですよー?

 

「お、それよさそうだな。紫は材料を調達するんだろ?」

 

「幻想郷と外の世界で、でしょう?違う意味ではよさそうね。今のところ勝手に布団を一組増やしたことなどしかしてないし、それ以外もよさそうだわ」

 

「あんたって本当スキマで色々とするのが好きね。いやまぁ、布団とかそういうのは凄く助かるんだけども」

 

そういうのを買いにいくのも大変だしね。

そもそも里においてるかどうかも問題なんだけどさ。

 

「そのうち魔理沙が泊まりにきたりしてね」

 

「えっ?もう何回か来てるわよ。でしょう?魔理沙」

 

「まあな。ほら、やっぱり今の霊夢の方がからかってて楽しいしな」

 

「なによ、それー…」

 

私はそういうのじゃないんだぞー…?

 

 

「ふふ、でも賑やかなのはいいことよ?私の時なんて、そんな友人あまりいなかったのだから。森近さんとかは違うけどもね」

 

「そりゃ貴方は霊夢よりしっかり仕事をしていたんですもの。そうなるのも当たり前ですわ。……ところで霊夢にもいい加減妖怪退治を少しさせたらどうかしら?彼女も簡単なものなら出来ると思うのだけれども」

 

「ああやって魔理沙とじゃれている霊夢を見るのが楽しくってつい受けちゃうのよ。いやぁ、1人だった時よりいいわー」

 

(…それ、なんか違う気がするわね。霊夢なら『それとこれは違うわよ?』とかって言いそうね。それに魔理沙が『いつものことなんだけどな。そんなに楽しいのかね』とかっね不思議がりそうね。…ふふ。私も見ていて飽きないわ。今度人形劇でもして驚かしてやろうかしら)

 

 

 

「……あー、もういいわ。博麗霊華。そのうち霊夢にも妖怪退治を少しはやらしてあげること。仕事熱心なのは分かるけども、今代の彼女にもさせないと今後大変になるわよ?まあ、スペルカードルールがあるから早々ないわけだけども、ね」

 

「紫も諦めるのはやいわねぇ」

 

「そう思うならあの2人止めてきてちょうだい。ついには弾幕ごっこまでやりだしたわよ」

 

「あらま。こりゃ大変ね。止めなきゃ」

 

(とか言ったけども、私は混ざることにでもしようかしら)

 

 

「……紫。あの子、多分止めないわよ?」

 

「―――もういいわ」

 

 

 

 

 

 

なんかアリスが弾幕ごっこに混ざってきた。

なんか凄い見づらいけど…なんか楽しいからいいか。

 

 

――そのあと、魔理沙とアリス共々紫から呆れたような眼差しを送られていた。

何故かと聞いても分からなかったんだけど、どういうことだったのだろうか。

 

「不思議なこともあるものね」

 

「んだな」

 

「ふふ、なんででしょうね」

 

 

なんかアリスだけ知ってる感じだったのはきっと気のせいじゃない。……多分。


▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。