先代巫女と行く幻想郷生活   作:篠崎零花

48 / 69
多少の戦闘要素およびに流血などの残酷描写があります。

描写が下手くそでも想像してしまってダメだ、というような方にはブラウザバックをおすすめいたします。

それでも平気というかたは…



どうぞ


第47話 幻想郷の裏側

それから森の方を探しにふらふら歩いてみたけど、やっぱりすぐに見つけられないみたい。

仕方ないっちゃ仕方ないんだろうけど…。

 

 

「あんまりむやみやたらに探しても妖怪は見つからないものよ?……それにあなた少し歩む速度を速めてるでしょ。見ていて危なっかしいのよ、あなた。本当に、本当の本当に平気なのね?」

 

…さっきも同じこと聞いてきたのにまた聞くのか。

あぁ、でも…ニュアンスは違うのかな…?

 

「平気よ、平気…。なんとかなるわ…」

 

(そうは言ってもあなた…表情が見えにくい上に、危なっかしい雰囲気がすごく出ているのよね。今の状態の霊夢をほうっておけないわ)

 

 

なんかさっきからこっち見てるけど…私になにかついてるのかな?

まあ、いいや…。あとで聞けば分かるでしょ。

 

それよりも………件の妖怪はこっちかな?

 

 

「霊夢、あんまり行きすぎると私がサポートしづらいからもう少しゆっくり歩いてくれないかしら?」

 

「―――……退治するなら早い方がいい。そうでしょ?」

 

甘い考えだろうけどさ…妖怪による被害をあんまり増やしたくないしね。

それに記憶にもある限り人間と妖怪は均等じゃなきゃいけないらしいし。

 

妖怪は人間におそれられて存在してるらしいから。

それにスペルカードルールなんて、吸血鬼のレミリア達がきて、紆余曲折(うよきょくせつ)あってからできたものみたいだし。

 

 

…いや、今はそんなのより討伐することに意識を向けないと…。

 

(この子、本格的に危なっかしくなってきたわね。いよいよ幽鬼のような歩き方になってきたし。…でも、幻想郷に彼女のメンタルによいところなんてあったかしら…)

 

 

 

 

 

 

 

多分こっち、という勘を頼りに進んでいたら洞窟みたいなのを見つけた。

この中にでもいるのかな…。

 

 

その洞窟に入ろうとしたとき、とてつもなく嫌な予感がしたから前にジャンプすることに決めた。

素人なりにパッと浮かんだ行動だから大丈夫かn……っつぁあ!?

 

「…ぐるるぅぁ…」

 

「――…っ。嘘、でしょ?」

 

背中がとんでもなく痛い。筋肉痛の比じゃないぐらいに痛い。

でも、背後にいるであろう低いうなり声を出す“ナニカ”の正体だけでも見ておかないと―――

 

 

…え?…く、クマ?

しかも、とても大きい…。

なんか2メートルあるって言われてもおかしくないほどに大きいんだけど…。

 

 

「――ぐるるぁ!」

 

「……ヒッ!?」

 

お、思わず悲鳴をあげてしまったけど、仕方ないよね?!

だって叫びながら、その鋭そうな血のついた爪を振りおろしてきてたんだよ!?

 

いや、むしろとっさに横へ避けれられた私自身をほめるべきなのか!?

 

ど…ど、どうしようか…。

とりあえず、持ってきたお札を何枚かなんとか出して一応霊力こめておけば…魔封針とやらに変えれるから…。

うん、あとはどうやって当てるか、なんだよね…。

 

 

 

ただ一番の問題点は、といえば……

 

「ぐるるぁ…!」

 

目の前にいる、巨大な熊の攻撃を背中の痛みを我慢した状態でいつまで避けれるかって話なんだよね。

すり傷とか包丁で少し指を切るとかはやったことあるけど、それとは訳が違うし…!

 

 

「……でも、あんたなんかにやられたくなんてないわ!こんな場所で死にたくないもの!!」

 

振り下ろしていた腕を戻すなり、すぐさまこちらに横なぎするように振ってきたのを空を飛ぶことで辛うじて回避。

実戦経験がないからなんだ!素人だからなんだ!

ここで無い知恵ふるって相手を退治するか戦意がなくなるまでやるっきゃない!

 

「――博麗の巫女の新米をなめるんじゃないわよ!」

 

最近ようやく自分のものに出来たばかりの能力を総動員して封魔針へとお札を変化させて―――目の前の巨大なクマもどきに投げつけた。

3本もって投げたから1本は当たったでしょ。

 

 

「……ぐぁあ?!…ぐるる……!」

 

1本が胴体に、もう1本はどっかをかすめたらしくて傷が出来ていた。

やった、とは思ったけど殴りかかってきた。

 

 

油断した。

とっさに霊華から教えてもらった両手を胸の前で交差させて防御するって方法をとってみたんだけど、結果は吹き飛ばされ、余計に痛い目をみただけだった。

 

殴られた、というか人でいうパーの状態で下から手を振られたようなものだから両腕なんて結構痛いし、木に思いっきり背中をぶつけたもんだからかなりズキズキする。

 

 

 

正直言って、もう怖い。

もしかしたら、死ぬかもしれないのに妖怪退治をするなんて馬鹿げてる。

いっそのこと、逃げ出したいよ。

でも、ここで逃げたらまた里の人達が襲われるかもしれない。

あんまりそういうのはよくないって霊華から聞いたし…。

 

…だから…

 

 

再度、お札を投げる。もちろん、封魔針にして。

針状にしたお札(それ)を攻撃を避けつつ当てる。

弾幕より難しく感じた。

避けるのがいよいよもって大変になってきたし、クマもどきの鋭い爪やらなんやらが当たるようになってきた。

 

 

 

―――やっぱり、無理だったのかなぁ…。私には。

 

 

 

 

 

いや、スペルカードの遊びを抜けば、封魔針より威力は増すんじゃないか…?

 

「…ぐるる。………!?…ぐぁあー!」

 

私が準備し出したらこっちにきた。

な、ならカウンター狙いで神技「八方鬼縛陣」の方を使えば動きぐらいは止められるか吹き飛ばせるはず…!

 

「し…神技「八方鬼縛陣」!!」

 

「ぎ、ぎゃあぁっ!?」

 

 

あ、あの巨大なクマもどきが腕を振りおろせば届く距離にいたもんだから焦ったけど、間に合った…!

しかも、うまいこと吹き飛ばせたし、傷も負わせたはず!

 

なにせさっきのは遊びなしのスペルカードで、本来なら自身を中心に一定の範囲のある結界をはり、ダメージを与えるカウンター技のようなものだけど、どうにかなってよかった。

 

 

 

「ぐるぅるぁ…!」

 

―あれ、でも…。なんか、すごいやな予感がするよ…?

まさか、本気にさせた?

 

 

 

 

「ぐぅう…。ぐるぅるぁあ!」

 

さっきより速めに迫ってきた!?

い、いや…これは…ま、まず…っ!?

 

 

「……ぁっ?!」

 

い、急いで横に避けたはいいものの、軽くかすめた、か。

多分痛みからしてきっと、左腕。

 

「――……ぁあぁっ!」

 

ほぼ投げやりに投げた封魔針数本をあっさり避けられた。

あ、あいつ…まさか、封魔針を避けるようになった?

それとも、私が疲れてきただけ?

 

もう分からないよ…。

でも、私1人でも……!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

―――あれから、どれくらい戦ったかな。

そもそも基礎練習とかばかりして、応用までいったものが少なかったせいか、徐々に私が劣勢になっていって…。

 

……今、木に背中を預けるようにして座り込んでしまっている。

巨大なクマもどきにも封魔針やら遊びを抜いた一部スペルカードを当てたからだいぶ体力はないだろうけど…こっちも、もう立てない。

 

 

少し前の方にいるのは私より少ないものの、傷だらけの巨大なクマもどき。

私が睨みながら見上げていても動じもしない。

どういうつもりなのか、聞き出したいところだけど…

 

「ぐるるぅ……」

 

そんな低いうなり声とかしか出さない相手とどれだけ会話ができるか…って話になりそうだし、なあ…。

 

いざとなれば、まだ私には扱いきれない「夢想天生」を使うしかないのかな…?

 

 

 

 

あ、腕を振りあげた。しかも、両手ときた。

 

―――あ、これ、死んだな。

 

 

「…させないわっ!」

 

目の前に巫女装束のようなものが見えたと思ったらなにかを張り、攻撃を防いでいた。

キィン…みたいな音が出ていて、どこから出てるんだと思ったけど、ツッコミをいれる体力は残ってない。

と、いうかする気力もないし、たとえあったとして、するような場所じゃないでしょ。

 

でも、そんなことより気になる点が1つある。

どうやって私の居場所を突き止めたか。

 

 

「――ふっ!」

 

ってちょ!?い、いきなりしゃがんだら…ってえ?!

今度はクマもどきが後方に距離をとられてる?!

 

「ぐ、ぐぎゅあ…!?」

 

「…霊夢!まだあなた、平気よね?!」

 

(むしろ間に合ったかどうか、微妙なところだけどもね!)

 

「…ま、まあ…なんとか…。…その、すごく足手まといになってしまったのは…その…」

 

「今はいいわ!なにも言わないから、できる限り後ろから援護してちょうだい!それならできるわね!?狙いは雑でも構わないから!」

 

叫ぶようにして、そう言ってくれた。

狙いが雑でもいいなんて、霊華にも当たるかもしれないのに…。

 

でも、なにかあるのかもしれない。

私にはよく、分からないけど…。

 

 

 

「……っ。…ふぅっ!」

 

クマもどきがさっきと違い、霊華につっこんで腕を下から振りあげようとしているのを霊華がバックステップで避けている。

そんな様を見つつ、木を使って立ってみた。

はっきり言って、痛い。爪で切られたところが。その周辺が。

 

でも、私でも役にたてると言うのなら――私は投げる!

 

 

 

(……なるほど。返事はしてこなかったけども、狙いがまだまだ素人当然で、とても甘いけども針状のお札が飛んできたってことはまだ意識がちゃんとしていたのね。なら、これ以上長引かせたらまずそうだわ。短期決戦といきましょうか)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

霊華が入ってからそんなに時間もかからずに巨大なクマもどきを退治した。

なんていうかすごく焦ってたのはなんでだろう…?

 

「……あー、霊夢。まだ平気よね?自力で立てるかしら?」

 

「ちょ、ちょっと辛いけども…多分、平気よ」

 

(そうは言うけども、あなたさっきから木に思いっきり寄りかかってるわよね。大丈夫そうにふるまってるつもりでも、そんなに無理をしたことのないような少女が(あら)を出さないでし続けると言うのは難しいでしょうし)

 

 

「とりあえず、報告は私がやっておくから先にある場所へ行きましょうね?」

 

ち、近づいてくるのはいいんだけど、笑顔が怖いって…!目が笑ってないし…!

 

「そ、そんなに急がなくてもだいじょ―――わっ!?」

 

…い、いきなり横抱きしてきたんだけど!?

あとさりげなく頭を木にぶつけたからそれなりに痛い…。

 

 

「…ねぇ、木に頭を軽くぶつけたから痛いんだけども」

 

「痛覚がまだあるなら平気ね。でもそれだけ怪我をしてるんだから、紫から聞いておいた永遠亭とやらに行くわよ。拒否はさせないから」

 

「わ、分かったわ…」

 

っていうか安定感がとんでもないんだけど。

伊達に全身を鍛えてないって雰囲気だもんね。

 

……でも、落ち着いたらぶつけた頭より全身の方が痛くなってきた。

と、いうかこれは…!?

 

「――ね、ねぇ?!なんかすっごく痛みを感じるんだけどもぉっ!?」

 

「あら、ようやく落ち着いたのね。んじゃ、痛いからって暴れないでジッとしてもらえるかしら。あなたにとって、我慢しがたいとは思うけども」

 

いや、その、我慢とかどうとかってレベルじゃないんだけどー!?

ってまってまって!

 

「だからって抱く力を強めないd……ってぎゃあぁー!?」

 

 

痛すぎるんだってばー!!

おろ…おろしてぇえー!!

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。