※追記:悪い方へは【https://syosetu.org/novel/165110/】へ、本編はそのまま次へ進んでください。
後書きにも悪い方へ進むのがありますので、読んでないという方で、二次創作などが平気というような方はどうぞ
そろそろ霜月か師走のいいとこまできたでしょ、というぐらい寒くなってきた。
寒くなってきたのは冬だからいいんだけどさ、なんかちらほら生まれたての神霊が見えるようになってきたけど、大丈夫なのかな?
とりあえず、怪我も治ったし、雪でもおろすか。
昨日の雪降ろしとやらでだいぶつもっちゃったし。
「んで、私が手伝うことは前提なのか?」
「当たり前でしょう?霊夢の好意で泊めてもらってるのよ。あの子なんて守矢神社のもしっかりやるようになったのよ?まあ、その分私がやる境内の範囲を増やしたのだけども」
(あぁ、だからそんな余裕が…。霊華の体力が霊夢と違ってかなりあるし、自身と比べられてた節もあったから、説得するのも大変だったろうな。そもそもあそこまで真面目に説得したのは雪降ろしがあって初めてだろうしな)
「そうだったのか。それで、昨日の雪降ろしはああやって避けるんだ。覚えたか?霊夢」
「雷が起きたら吹雪が起きる現象なんて、驚きすぎて忘れられそうにないわ」
ふつーにそういうのがない場所で過ごしてたのもあるんだけどさ。
今までそんなことなかったし。
「ふふっ。仕方ないわ。他にも色々あるけど、魔理沙やあなたにはまだ分からないでしょうから。…反応が楽しみね」
「反応…ってお前も案外意地悪だな。教えてくれてもいいじゃないか」
「そう思う暇があったら手を動かした方がいいわよ?あったまるから」
「雪は重いんだからそんなはやくおろせるわけないじゃない!」
「こんな重い雪、そんなはやくおろせないぜ!」
「……わ、悪かったわよ。あなた達は自由にやっていいわ」
あ、すねたみたいに顔をそらしてきた。なんか新鮮かも。
ちなみに朝からやってそろそろ約にじk……
それでようやくこれか…。
多分かまくらとかなんて作らなきゃはやく終わったんだろうけどね。
それからもうしばらくして、ようやく雪を全ておろしおえた。
いやぁ、長かったもんだ。雪かきってこんなに大変だったっけ?
「なあー、霊夢。かまくらで休憩しながら声をかけるのもあれなんだが、里で占いが流行りつつあるのは知ってるかー?」
「あー…占い?うーん、最近も里にはおりてるんだけど、知らないわね。そもそも耳にすらしたことないわ。本当に最近なの?」
あれ、かまくらで腕を組んで悩むようなものかな。
とても不思議なんだけど。
「2人共、そもそもの話を聞くのだけども…占いって、なにかしら?」
「「えっ?」」
え、嘘。
霊華ってまさか必要な物ができた時以外は里におりないの?
いや、依頼とかもありえるんだけどさ。それ以外はおりないの?
(マジか。こいつ、私よりは里におりてるから知ってるかと思ったんだが…。そうでもないのか?)
「……な、なによ。そんなに知らないことがあるのが不思議?私だって、知らないことの1つや2つはあるのよ?」
「なるほどね。なら、仕方ないわ。…そ、それで悪いんだけど、魔理沙が説明してくれないかしら。その、私は占いのこと、人に教えられるような覚え方をしてないもんだから言えないのよ。ダメかしら?」
大体の人に言えることを占いとして言っているにすぎない、とかそんなことを説明として教えられるわけないもんね。
と、いうより適当すぎるでしょ。
「しょうがないな。霊夢は雪だるまの続きでも作ってろ。んで、霊華。占いってのはだな、方法のことだ」
うん、まぁ…雪かきは終わったし、妖怪退治依頼とかはしばらく私のところに来ないし、遊ぼうかと思ってたらつい雪だるまを作ってしまっていたんだよね。
魔理沙や霊華から見えるのは当たり前だろうけど。かまくらは鳥居から見て右側の森と神社の間だし、霊華なんて縁側付近でなんかやってるし。
「んでな?占いってのは文字どおり、相手の運勢を占ったりするんだ。必ず当たるかどうかは知らんが、色々と調べられるらしいぜ。本当は霊夢もそういうのを占えると思うんだが…」
いや、こっちをチラチラ見られてもなあ。
「うーん…私は占いとかする気は起きないのよね。ほら、占いなんて大体の人間に当てはまることしか言わなそうじゃない?」
「夢がないな、お前は……。と、ともかく。私でもやれるかもしれんことだ。それが里で流行っててな?確かやってるのは…小鈴、だったはずだぜ」
……えーと、小鈴?
「小鈴ちゃんが?魔理沙は受けてないの?」
「受けたよ。一昨日にな。だからまた博麗神社に来てるんだろ?」
(なるほど、つじつまがいったわ。でも、占い、占い…ねぇ)
「ねえ、悪いんだけど、その占いについて分かる限りでいいから話してくれないかしら?もしかしたら、なにか分かるかもしれないし」
「えっ?で、でもな…」
占いを知らなかったとはいえ、いいんじゃないかな。
霊華だし。
「分かった分かった。霊夢も自信ありげに頷くんなら話せば分かるんだろうな。んじゃ、やり方なんだが―――」
「……って言う感じだな。でも、これに似た占術を使った易者が不審な死をとげてるらしいんだよな」
「ちょっと!それを先にいってちょうだい!霊華、魔理沙をお願いね!」
「れ、霊夢?!」
「ちょっ!?そ、そんなに急いでどこへ行くのよ!」
簡単に準備をした私は大急ぎで里におりた。
と、いうか急ぎすぎて誰かとぶつかった。
「ご、ごめん!前を見てなかったわ」
「まったく……って貴方は霊夢じゃない。しかも、評判がよくなった方の」
ん、んん…?評判がよくなった方の?
「そ、そう。とりあえず小鈴ちゃんは今どこかって知らないかしら?」
「ええ、知ってますよ。それにしても、なんか“今の”霊夢になってからと言うものの、博麗神社に妖怪だけでなく、人間も来ているようなのでよかったですね」
な、なにその言い方…。
え、私とかしか知らないことを知ってたりするの?
「あ、申し遅れました。私は
へ、へえ…なるほど…?
「な、なるほどね。まあ、要するにやってることは慧音の上位互換ってことでいいのかしら?」
「貴方に分かりやすく言えばそうですね。代々そのようにしてやってきたので。…あ、小鈴はこっちにいたはずですよ。ついてきてください」
「なるほど、大体分かったわ。…っと、悪いわね」
里の方を少し歩くと人だかりができているのが見えた。
と、いうかまだ朝なのにそこそこの人が並んでるね。
「はい、また来てくださいねー。………あ、あれ?霊夢さんに阿求じゃない。どうしたの?」
ちょうどある程度占い終えた頃に近づいたら驚かれたのは何故?
「私は特にないわ。用があるのはそこの霊夢よ。んじゃ、私は先に帰ってるわね」
「ありがとね、阿求。助かったわ」
「そうだったんだ。阿求、またね。……それで、霊夢さんはどうしたの?」
ま、魔理沙から小鈴ちゃんとよよく似た占術で不審な死をとげた人がいるから心配で来たとか言っても…大丈夫なもんなのかな…。
「え、えー…とー…そうね、魔理沙からあんたが占いを始めたって聞いて気になって来たのよ。どうなのかなー、ってね?」
「あぁ、そういうことですか。…結構いいですよ。他の人にも教えたんですが、私が編み出したこの方法は結構当たるって人気なので」
(本当は見つけた書物に書いてあったんですけどね。それを私なりに多少アレンジを加えたりしてやってるだけですし…)
「なるほど、ね。その、悪いんだけど、読んだ本…ちょっと訳ありだから捨てた方がいいわよ。もしかしたら、身に危険がおよぶかもしれないから」
「え、ええー…そうなんですか?うーん、考えておきますね」
「そう、分かったわ。でも、できれば捨ててちょうだいね」
直接的には大丈夫なんだけどね。
まあ、こう言えば捨ててくれる…はず。
さて、私はその易者とやらに会いに行くかな?
しばらく里の郊外を探していたらようやく見つけた。
すっごく分かりやすい見た目をしているから見つけやすかったんだけどさ。
「ねえ、そこのあんた。“元”易者よね?」
「ん?ああ、巫女か。しかも、現代の方の。いかにもそうだが、話を聞いてくれ」
「話って言われてもあんたから妖怪のような気を感じるから退治したいのだけども…」
魔理沙から不審な死をとげた易者がいるって聞いたばかり…おや、もう時間はたってるんだけどさ。
今日聞いて忘れるような記憶力はしてないし。
「待ってくれ。俺は占いで世界の外側を見たんだ。そしたら、妖怪に支配されてないときた。お前は分かるだろ?それに里から離れた場所に家を作り、他の奴には危害を加えない。どうだ?」
どの世界をかいまみたんだか知らないけど……。
う、うーん…。
「そんなに首をひねることか?妖怪だって近くにいるんだろ?…それに、幻想郷で前に流行したサッカーについて知っていたってことはお前は妖怪側で、かつ世界の外側を知る巫女なんだろ?…なあ、頼むよ。俺のこと、見逃してくれないか?管理される側で惨めな思いをもうしたくないんだ。でなきゃ人間なんぞ辞めない」
「そう言われても、ねえ?」
「なら、さっきから言うように危害は加えない。だから、俺と敵対する意味なんてないはずだ。…頼むよ。見逃してくれ…」
そ、そう頼まれても…私…私はどうすれば…。
……困ったなあ。