本当、ありがとうございます。
誰得ですが、こちらを先に投稿してみました。
適当にゆっくり読んでもらえれば嬉しいです。
あのあと、紫の説明によってそもそも幻想郷は博麗大結界によって隔離されていること、月から使者とやらが入ってこれないことを知ったらしい永琳がその秘術を解いた、と本人から聞いた。
そして、しばらくした後…どうやら永遠亭として里との付き合いをしているようで鈴仙が――
「…なるほど。あなたにとって初めての異変解決はどうやらスムーズに終わったようね」
「ぶっ!?」
驚きのあまり飲んでいたお茶を吹き出してしまった。
あー…一応服が濡れないようにしたのはいいけど、境内にやっちゃった…。あとでなんとかしないと。
…にしても足音がしないとかなにをどうすればそうなるの。
「あら、お茶飲んでたのね。よく見てなかったわ。…それで、異変解決はどうだったのかしら?」
湯呑みを左横に置いて、そのまま半身だけ振り返ると霊華がいた。
服装は巫女装束なんだけど、その上から体つきのよさが分かるってどれだけ鍛えたんですか、本当。
「一応解決はしてきたわ。内心焦りまくりだったけどもね。あ、もちろんスペルカードルールにのっとって、よ?おかげさまできれいな弾幕を見れたわ」
そういうと我が子を見るような微笑ましい顔で見てくるのは何故?
血縁関係かは分からないけど、先代である以上関係のない人じゃないだろうしなぁ…。
「そう、そうだったのね。それでこれから里におりるんだけども、一緒に来る?」
「あ、いいわね、それ。ついでに里からこの神社に行ける道をどうするかって話がしたいから歩いていってくれないかしら」
歩けば鍛える分より大して体力はつかないけど、そういう話をするんなら嫌とは言えないだろう。多分。
「あー、別にいいわよ。神社についてあんまり知らないあなたがそうやってなんとかしようと頑張ってくれるなら教えるわよ。あと帰ったら体鍛えるわよ」
あ、忘れてないのか…。
惜しいな。忘れてたらやらずにすんだのに。
まあ、体力がつくから別にいいか。
……ごめんなさい、半目で見ないでください。
「ま、霊夢。前より軽くしてあげるから安心してちょうだい。とりあえず急須とか湯呑みとか片付けるわよ。ほら、立つ」
「あ、悪いわね。言葉に甘えさせてもらって手伝ってもらうことにするわ」
そういって立った時、苦笑いしてきた。いや、なんで?
うーん、まさか霊華が手伝うって一言も言ってないことのに手伝ってもらうことにするとか言ってるから?
んまぁ、いいや。考えなんて読めないし。
「…別になんでもないわ。とりあえず洗って行くわよ」
それからそれなりに経った今。
獣道の方を通って里に向かっている。
それにしても…
「これじゃあ参拝客も来づらいわね。若干視界が悪くて危ないし…」
「でもここは外の世界とは違うのよ?それにどうするつもり?」
「でも電気は通ってるわ。そこをどうにかすればなんとかなるんだけども、通る方法よね。結界…だと疲れるし、式神とか…?」
「あら、意外ね。真面目に考えられるとは思わなかったわ。あなたのことだから外の世界にいた時の常識とか知識とか出してくるものだと思っていたんだけども…」
(精神は肉体に引っ張られるとかとも確か聞いたような気はするけども、ここまでだなんて。私もそういうのしっかり聞いておけばよかったかしら?)
人が真面目に考えたらそれか!
それに外の世界で出来たことが幻想郷で実現できる保証はないんだよ!?
そりゃ
「そりゃ真面目に考えるわよ。ただ問題は祀っている神様がいるか…よね。呼んでもよさそうなんだけども、もし中に神様がいたら大変だし同居しても平気な人を探さないとね」
「…そ、そう。なんかあなたなら簡単に探せそうな気がしてきたわ」
そういうのはいいけどさ、何故ゆえ頭を抱えるの?
そんな頭痛くなるような話はしてないはず…。
「そんなことはないわ。だからこそ、里の様子を見て決めるのよ。その上で信仰してもらいたいんだけどなぁとかそう考えてる人に決める。安全祈願でもよさそうだけどもね」
今度は驚いた顔で見てくる。
なに一人で百面相してるの?って思えてきたけど…もしかして私?
……そんなまさかね。
「まあ、とにかく里でも巡ってなにが必要なのか知っておきたいわね。学業関係は多分幻想郷にはいらなそうだし」
外の世界みたいに学校があれば話は違ったんだろうけどね。
「まさか霊夢の方に精神がある程度引っ張られて…」
「ん?霊華、なにか言った?全然聞き取れなかったのだけども…」
そういうと「なんでもないわ」と言われてしまった。
本当になんでもないならいいんだけどなあ…。
そう考えていると里の入り口が見えてきた。
ふむ、今はまだ朝だから道とかが見えたんだろうな。
だとすると夜になったら文字通り獣道と化すんだろうな。
里は見た感じ、多少は広そうだった。
それなりに人もいるし…。あ、でも子供の方の割合多いな。
早起きなのかな?…あ、でも私もどっちかって言えば子供か。
「一応あなたも知らない場所があるでしょうから、案内するわよ。ただ……私と一緒だって言うことを忘れないようにね」
「それってどういうことよ」
そういって半目で睨むとなんかついてくれば分かるみたいなジェスチャーしてきた。
はいはい、ついていきますよ。
それからしばらくして。
里をくまなく案内してもらったのはいいんだけど、凄い。
『巫女さん』とか『博麗の巫女』とか色々な人に呼ばれていた。
まあ、そんな風に呼んでたら名前も忘れ去られちゃうわな。
因みに私は『霊夢』が多かった。
…うん、これ、忘れる忘れない以前に名呼びじゃあないか…。
「あんた…霊華って名前を今度から名乗った方がいいんじゃないの?多分少しは呼んでくれるでしょ」
「それもそうね。一応考えておくわね。…ただあなたは巫女とすら呼ばれてないわよ?」
「いいのよ、別に」
といって唇を尖らせる私。
拗ねてるわけじゃないんだよ?
ほら、博麗霊夢って名前と博麗の巫女だって覚えてもらえてればまだワンチャンあるかもでしょ?
そう考えていると霊華が微笑ましそうにこっちを見ている。
ど、どういうつもりなのかな…?
「あっ、そうだわ。お昼の前に寄ってほしいところがあるのだけども…いいかしら?」
「ええ、構わないわよ。まだそれなりに時間があるはずだからね」
よく大体の時間が分かるなぁ。
私にはいまいち分からないのに。別に困らないんだけどさ。
とりあえず行くか。ちょうど霊華もいるんだ。紹介がてらにはいいだろう。
なんか見ておかなきゃいけない気がするし。
ということで私達は鈴奈庵の前に来ている。
鈴仙がなにをしているのかは永琳から予定を聞いてるし、やってるんだとしたらそれしかない。
分かるものよりこっちを見ておきたくなったからこそ来た。
なんでかは私自身よく分からない。
「目的の場所はここよ。因みにどうでもいいでしょうけど、小鈴んちでもあるのよ」
「……そうなのね。その中に用事があるというわけね」
なんで一瞬間があいたんだろう。
疑問には思うけど、別に大丈夫…かな?うん、きっと大丈夫。
「とりあえず中にはいるわよ」
「分かったわよ」
そう話して中に入る私達。
そこへ
「あら、いらっしゃいま―――あ、なんだ霊夢さんですか。一緒にいる方は初めて見ますけど…」
「ええ、どうもね。あ、こっちは私の前の代の巫女をしていた霊華よ」
「ふふ、宜しくね」
と霊華が言ってニコッと人懐っこい笑みを浮かべると小鈴ちゃんが驚いていた。
まあ、そりゃいきなり先代の巫女が現れたらビックリするわな。本来いないはずの人間なのだから。
「あっ、は、はい。えっと、私は本居小鈴です。今回はどうしてこちらに…?」
「ああ、それは霊夢が来たいって言ってね。ついでに私の紹介ができるからいいみたいなことを言ってたわよ」
「霊夢さん、そうだったんですか?」
間違えてないんだけどさ…。
小鈴ちゃんが驚いたように私を見てるのは何故?っていうか今回の小鈴ちゃんは表情が忙しないね。
多分私のせいなんだろうけどさ。
「ええ、そうよ。そのついでのついでに私がちょっと本でも読ませてもらおうかしら」
「読書なんて珍しいですね、霊夢さん。なにかあったんですか?」
ある意味的確な質問に苦笑いを浮かべる私。
中身が変わってるからそりゃ前の霊夢と違うし…。
「まっ、まあね。なんとなくそんな気分になったからよ」
そういって適当な場所から1冊本を取り出す。“背表紙に書かれていた字”もろくに見ずに。
「あ、それ…外来本ですよ?凄い気の変わり用ですね」
「いや、まぁ、その」
「へぇ、外来本なんてあるのね。鈴奈庵って他になにがあるのかしら。教えてくれたりする?」
言葉をつい濁らせて曖昧な笑みを浮かべた私だったけど…霊華がそう言ってくれたおかげで注意がそっちにいったみたいだ。
んじゃあ、軽く中身を……あれ、アポロ?
ずいぶんと前の本だな、これ。
今じゃそれについていろんな説が飛ぶ現代になっていたはずなんだけど。
幻想入りってこういうもんなんだなぁ…。
ってお?あっちはあっちで話が盛り上がりつつある。
霊華も博麗の巫女といえどやっぱりそこは人間の女性だね。
先代の博麗の巫女とかそういうのを気にせず話する機会でも作ってあげるかな。
「そうだ、霊夢さん。見てほしいのがあるんですけど、いいですか?霊華さんも一緒に話を聞くだけでもどうです?」
と笑顔で聞いてくる。
なんかこの笑みは見ていて守りたいというより心配になる感じがする。
なんでかは知らないけど、首を突っ込んでおいた方が安心かな。
「はいはい、私はいいわよ。霊華は?」
「私はあなたが話をしている間、この中でもうろついてるわ」
そういってそのまま離れていった。
小鈴ちゃんの方を見ると気にしてないのか笑っている。
うん、なんか嫌な予感がするんだけど気のせいかな。
「まあ、仕方ないですね。色々と気になってたんですけど…。それはさておき、霊夢さん。話したいのは実は―――」