「……………………」
深夜の人気のない廃工場に赤い帽子をかぶった男が入って行くのを誰も気付かなかった。否、中にいる人外だけが気づいていた。
男は人外が待っているであろう廃工場に堂々と入る。無論、男もこの廃工場に人外がいる事を分かっている。
「クキャキャ、わざわざそっちから来てくれるとはご苦労さん!」
人外、ここで言うならはぐれ悪魔は餌が自ら来た事を喜んでいた。
上半身は人の女性に似ているが、下半身は鰐のような姿をしているはぐれ悪魔はここに来る前にも人を喰っていた。
そして、次の食事がノコノコとやって来て襲いかかろうとした時だった。
「おい、
男は短い言葉を口にし、はぐれ悪魔は首をかしげるも直ぐに男の正体に気づき戦慄した。
「ま、まさか貴様、い、いや、奴は存在しないはず!」
その男の目撃情報はかなり少ない。それでも『噂』としてほぼ全ての界隈に広まっている。
ある噂では『血も涙もない
この場合、はぐれ悪魔にとっては血も涙もない
「デュエル!」
腕に板のような物を付けた男は宣言し、カードデッキから5枚のカードを取る。
この瞬間のはぐれ悪魔の行動は先手必勝、即座に胃酸を吐く攻撃を仕掛けたのだが…………
「自分フィールドにモンスターが存在しないため時械神ラツィオンをリリースなしで召喚」
放たれた胃酸は召喚された何かによって妨げられた。
はぐれ悪魔の瞳には妨げた物体、いやモンスターは無機質な鎧の胸部にある鏡面に顔が映った天使に見えた。
「な、何だそいつ!何なんだそいつはぁっ!?」
「時械神ラツィオンの効果発動、1ターンに1度、相手が
男を護るように降臨している時械神ラツィオンと呼ばれたモンスターははぐれ悪魔に向けて炎を放つ。
「あっ、あぎぃぃっ!?ぎゃああっ!」
回避しようとしたはぐれ悪魔だが、炎ははぐれ悪魔を追尾してその身を焼く。
悲痛な叫び声を上げてのたうち回るが炎は消えなかった。
「…………ライフポイントはたったの1000か」
そう呟き男は腕につけていた板、デュエルディスクを消し廃工場から去った。男が立ち去った後そこに残ったのは地面に着いた燃え後のみだった。
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「……………………」
はぐれ悪魔を軽く狩った男は転生者である。なんか神を名乗るよく分からないやつが死んだとか言い渡されて何かの力が欲しいかと言われたので生前に使ってたデッキが欲しいと言った。
変に力を手に入れたら後が怖いので普通に生きていくためにあえてお守りとして、と口八丁で無難なのを選んだのだ。
この世界に転生してから両親が行方不明で独り身でありながら幼少期を過ごさなければならないという過酷を極めたような生活をしていたが、慣れてかなりの無口ながらもカードゲームを楽しむ毎日を送っていた。
ただ、不測の事態が起こることは予想していなかった。
先ほどの戦いに使用したデュエルディスクがある日突然現れたのだ。デッキはあったもののデュエルディスクまでは必要なかった。
さらに知ってしまったことに頭をかかえる羽目になる。神のカードである『オベリスクの巨神兵』がいつの間にかデッキに混じっていたのだ。
実は先ほどの初手にもオベリスクが入ってるという事態になっていて、事あるごとに出番を要求するオベリスクに悩まされているのである。
なぜ神のカードがあることが悩みの種になるか?デュエルディスクがモンスターを具現化しなければ悩むことはなかったのだ。
それに加えて悪魔やら何やらが襲ってきたことが余計に戦う道を進まなくならざるを得なくなってしまった。
おかげで住んでた場所にはロクに帰られないわ金も外食で飛ぶわの苦労の連続、いくらなんでも堪ったもんじゃない。
現状は神のカード使わなくても勝てるが、人外たちの噂をこっそり聞いたら機械仕掛けの神を操るとかなんとか。間違ってはいないが、そこまで神性を持ってるわけではない。
それに彼が使うデッキは『時械神』をテーマにしたいやらしいデッキで、ちょくちょく改造して今の形になったものを使用している。
『時械神』をテーマにしたデッキは展開力が他のデッキに比べて低いためペンデュラムとある儀式カードを採用している。
『祝福の教会ーリチューアル・チャーチ』と『
一応、オベリスクも出そうと思えば出せるのだが、こんな世界で原作でZ-oneが造り出した機械仕掛けの神ではなくファラオの僕の三幻神を出したら世界の人外共が飛びつくだろう。
普通にデュエルしたかっただけなのにどうしてこうなったか考え溜息を吐く。彼は人間の味方ポジションに立っているつもりだが、快く思っていないのは多いだろう。
毎日こうと思っている、オベリスクくれるよりもっと平穏な場所に転生させとけよ神様よ、と。
彼は闇夜に姿を消した。翌日のことは考えておらず、夜遅くまで起きていたため昼に起きて学校にはいかなかった。
特殊ルール1・ライフについて、個体によってライフポイントの上限が変動する。
例・下級○○(○○には天使や悪魔が入る)〜1000
中級○○ 〜2000
上級○○ 〜4000
最上級○○ 〜6000
それ以上(超越者など)〜8000
特殊ルール2・ターンについて、コナミ君(仮)は3分に1ターンと数える。ただし、3分以内にターンを放棄すると相手ターンに移り3分後にコナミ君(仮)のターンに移る。
特殊ルール3・ドローについて、コナミ君(仮)の
不備があれば逐一修正します。