オベリスクは必要ない!   作:蓮太郎

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 そこまで滅ぼしてないbyコナミ君(仮)


デュエリストと未来を滅ぼす(導く)時械神(デウス・エクス・マキナ)

「ま、和平は俺にとっちゃついでだ。元々、争うつもりなんてないしな。俺が今1番聞きてぇことは全く別のことだ」

 

 天使、堕天使、悪魔のトップであるミカエル、アザゼル、サーゼクスとその部下たち、コカビエル襲撃時に居合わせたグレモリー眷属とシトリー眷属、そして白龍皇がその会合に参加していた。

 

 元から本人達は争うつもりはなく下が勝手にやってることだと言い、こうして同盟という形で拘束力を持とうとしているのだ。

 

 その事はあっさりと決定した。しかし、ここで起こっている問題は一つある。

 

「兵藤一樹、お前が使うその力はなんだ?神器らしい反応もない上に赤龍帝の小手と共存している。長いこと生きてきたがその力は見たことがねえ」

 

「噂によれば、その力を使うのはまだ二人、いやそれ以上いるかもしれないと」

 

 注目の的になった一樹はアザゼル、ミカエルに言われてビクッと体を震わす。いつか言われることだったが、ここで聞かれるとは思ってなかったらしい。いや、なぜ思わなかった。

 

「その力について、扱ってる彼本人もよく分からないようです」

 

「分からない?そりゃ嘘だな。まだ悪魔に、神器使いに目覚めてから数ヶ月も経ってない奴がフェニックス倒せると思うか?俺たちの知らない何かを知ってるだろ」

 

「そ、それは言いがかりです!だって使い方はなんとなくでしか分からないし」

 

「三男坊のレーティングゲームの映像を見させてもらったが、なんとなくしか分からない奴がああもカードゲームを回せないだろ。時間があったとはいえあれはやり方を分かっている」

 

 リアスからのフォロー、一樹の事をしらばっくれてるだけどバッサリ切り捨てたアザゼルの目は真剣だった。ああしてフェニックスを完封できるわけがない。

 

 実はアザゼルは人間がするカードゲームもやっていた。地元の少年に教えてもらったが、どのカードゲームも戦略性も富んでいて本当に頭を使う。パワーカードを並べても一瞬の隙で逆転されたシーンも多々あったのだ。

 

 一樹のカードゲームもまさにそれだ、とアザゼルは睨んでいた。炎を吹き飛ばした二体のドラゴン、力を一時的に0にした玉のような生物、再生能力を止めた魔法使い、機械に乗って二連続で三男坊を破壊した大男…………間違いなくあれは完封状態であり、揃えばチートと言われるレベルだった。

 

 弱点は本人自身が弱く、カードを並べてる間に攻撃されたらアッサリ止まってしまうことである。

 

 弱点はさておき、これらを踏まえてきちんと過程と能力を理解せずに出来ることじゃない。この事についてほとんどが一樹に疑いの目を向けていた。

 

「それに決闘者(デュエリスト)とアンチノミーと名乗る男も同様だ。ヴァーリは見ただけだが、特にお前だけに敵意を向けてたらしいじゃねえか」

 

「俺はあいつらを知らない!気のせいだろ!」

 

「一樹君、取り乱しちゃいけないけど白龍皇が嘘をつくとは思えない」

 

「お兄様まで!」

 

「リアス、彼らも一樹君と同じ力を使うんだ。この時点で無関係とは思えない。一樹、君はーーー」

 

 一体何者なんだい?最後まで言葉は出なかった。時が止まった、どうでもいい、結界をすり抜け多数の魔術師の気配が現われた、それもどうでもいい。

 

 では、結界をぶち破ってきた者は誰だ?

 

 

 

 

 

〜●〜●〜●〜●〜

 

 

 

 

 

「しっかり捕まれ!突入するぞぉっ!」

 

「……………………!」

 

 コナミ君(仮)とアンチノミーに扮した一誠が駒王学園の前で爆走していた。

 

 こうなった経緯を言うと、会合中に結界破って突入しよう→なんだこの結界思ったより硬え→クリアマインドで突入しよう→突撃ー!という事だ。まるで意味がわからんぞとか言わない。

 

 一応、冥界製のDホイールなので傷つきもしなかった。何故あの悪魔がこれを保有していたのか分からない。

 

 ともかく、結界を突破したのだ。だが、突入した光景は異様とも言えた。少なくとも天使や悪魔のような人外ではないローブの集団がいたのだ。

 

「何者!」

 

「我らの邪魔はさせぬ!」

 

「……………………」

 

 まずコナミ君(仮)を警戒する者、すでに殺意を剥き出しにしている者、どうでもいいような、諦めた目を向ける者…………反応は様々だった。

 

 それでもこれだけは言える、こいつらは敵だ。

 

「……………………」

 

「…………ここを任せていいのか?」

 

「……………………」

 

「よし、分かった!あいつをぶっ飛ばしてくるぜ!」

 

 コナミ君(仮)はDホイールから降り、それを確認した一誠は即座にDホイールを発進させる。

 

「ここから先は進めさせん!」

 

「邪魔だ!…………あっ」

 

 一誠に立ちはだかったローブは突如現れた中型のドラゴンが横を高速で通った風圧で軽く吹き飛んだ。

 

 下手人は分かっている、『覇王眷龍ダークヴルム』を通常召喚したコナミ君(仮)だ。

 

「サンキュー!」

 

「……………………」

 

 ダークヴルムが道を切り開いてくれたため一誠はDホイールを走らせローブの集団を突破した。

 

 だが、コナミ君(仮)は取り残された。

 

「貴様…………決闘者(デュエリスト)だな?」

 

「………………………………」

 

「貴様の存在は我々の邪魔になる。境に破滅と混沌を!」

 

「……………………!」

 

 デュエルディスクを構えて来る攻撃に備える。ダークヴルムは既にコナミ君(仮)のところに戻っており魔術師共を威嚇していた。

 

「…………デュエル!」

 

 改めてデュエルの宣言を行う。魔術師共は中型のドラゴンを従えてるとはいえたかが魔術も知らなさそうな人間に負けるつもりはなかった。中型のドラゴンを倒すまでは彼らは調子に乗っていた。

 

 時械神(デウス・エクス・マキナ)に焼き払われるまでは。

 

 水を放たれて魔法が使えなくなった、大地を返されて重傷を負った、暴風に吹き飛ばされてまた重傷を…………

 

 隙を見て攻撃しようとも時械神(デウス・エクス・マキナ)が立ちはだかり傷の一つさえ与えられない。

 

 絶望、敵になってしまった魔術師の頭にその二文字が思い浮かべられた。時械神(デウス・エクス・マキナ)を呼び出す男の姿はどこか神々しく、よく分からない涙まで出てくる者までいた。

 

 こうして、時械神(デウス・エクス・マキナ)に殺された者以外で辛うじて残った魔術師はローブを脱ぎ全てを投げ捨て投降した。

 

 コナミ君(仮)はこう思った。泣きながら降伏されても困る、と。

 

 こいつらは放置して一誠が向かった方へ顔を向ける。既にデュエルは始まっていた。

 

 一誠と転生者、この戦いどちらが勝つかと聞かれたら先行を取った方が勝つと言う。

 

 SPYRALが酷いのは一誠に教えた、先行を取られたら余程の事がない限り負けるだろうと教えた、だからメタカードを教えた、というよりいつの間にか該当するカードを拾ってきていた。一体どこから拾ってきたんだ。

 

 土下座までし始めた魔術師から目を逸らして一誠の様子を見に…………

 

「また会ったな決闘者(デュエリスト)

 

 行けなかった。

 

 はあ、とため息をついて目の前にいる人物、いや白龍皇に意識を向ける。

 

 コナミ君(仮)の戦いはまだ始まったばかりだ。




 今回も特殊ルールはなし。

 遂に彼の全てを奪った転生者と対峙した一誠。転生者は一強と言われるSPYRALデッキ使いだった。拾ったカードと何も書かれていないカードで一誠はどう挑むのか。今、赤き龍同士の戦いが始まる。

 次回、『一誠vs転生者+α』

 彼らは人外を敵に回す、デュエルスタンバイ。

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