オベリスクは必要ない!   作:蓮太郎

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デュエリストと決別

 

 

「へへっ、仕返しの時だ!俺のターン!ドロー!」

 

 バギャァッ!

 

「……………………?」

 

 『超弩級砲塔列車グスタフ・マックス』を召喚してヴァーリと戦っていたコナミ君(仮)はほんの少しだが走らせてる途中で何かを轢いたような音が聞こえたが、一誠は普通にDホイールを走らせているので気にしなかった。

 

「機械の神を2体出したと思ったら列車になったか!やはり貴様は面白い!」

 

「……………………」

 

 コナミ君(仮)としては面白くはない。白龍皇の神器の効果が半減であり、1ターンに1度、どれでも半減にするとかいうやばい効果で時械神ではろくにダメージを与えられなかったのだ。

 

 そろそろ決着をつけたいのだが、たとえ半減された砲撃一発当てたところで倒れてくれないのだ。もう学校の被害を考えずに砲身振り下ろしてハンマーにしようかと考えていた。

 

「ちょ、ちょっと聞いてくれ!」

 

「……………………?」

 

「その、今、君が轢いたの…………」

 

「…………………………………………!」

 

 そしてようやく気付いた。一誠の相手であった兵藤一樹、グレモリーにその眷属らを轢いたことを。

 

 

 LP300→−1200(『超弩級砲塔列車グスタフ・マックス』の攻撃力を半減されていたためこのダメージ)

 

 

 彼の不注意で一誠が倒すべき相手を倒してしまったのだ。多分、死んだと思われる。

 

「一樹さん!皆さん、お願いです、生きてください!」

 

 金髪シスターが治療すると傷が治っていることから辛うじて生きているようだ。

 

 まるでゴキブリみたいにしぶといなと感想を述べるが、すぐにヴァーリに視線を戻す。

 

「やはり期待外れだったか。コカビエルの時とまるで変わってない。主人を率いた状況で、不完全とはいえ禁手の状態で敗れるとは」

 

「……………………」

 

「バイクの彼を侮辱はしてないぞ?むしろ逸材だと思えるな。」

 

「……………………」

 

「もっと楽しみたかったぞ決闘者(デュエリスト)。カテレアもやられたようだし、俺にも迎えが来たようだ」

 

「……………………?」

 

 首を傾げていると空間が歪み新たな人物が現れた。ヴァーリが迎えといったあたり、少なくとも味方ではなさそうだ。

 

「おーう、ヴァーリめなんか面白いのと戦ってるじゃねぇか!俺っちも参戦したかったぜぃ!」

 

「美猴、お前にはお前の役目があるだろう。それで、奴らは何と言っていた?」

 

「おう、北のアース神族と一戦交えるから早く帰って来いってよ」

 

「なるほど、決闘者(デュエリスト)、しばらく勝負はお預けだ」

 

「……………………」

 

 正直もう戦いたくないです、とコナミ君(仮)は言ってる気がする。ただ、そういう気がするのは一誠だけで他はただ黙ってるだけにしか見えていない。

 

 白龍皇はそのまま美猴とやらと共にあっさりと帰って行った。

 

「くそっ、ヴァーリの奴こんな時に禍の団に寝返るか!いや、こんな時だからこそか…………」

 

 堕天使の総督が片手で頭を抱えてる姿が見えた。片腕は戦ってる間に無くしたらしい。

 

 禍の団も掃討し終わったようで、残るは和平を組んだ三陣営と一誠とコナミ君(仮)だけだった。

 

「では、そろそろ俺たちの目的も果たそうか」

 

「……………………」

 

 その言葉に三陣営に所属する者達は構えるが一誠もコナミ君(仮)も構えていない。コナミ君(仮)は『超弩級砲塔列車グスタフ・マックス』に乗ったままだが。

 

「禍の団の団員を始末してくれたことには感謝する。だが、君たちの目的がわからない。人外が嫌いなら勝手に潰し合うのを眺めるだけで手を出す必要がなかったはずだ」

 

「……………………」

 

「俺たちが来たのは警告だ」

 

 サーゼクスが問いかけ一誠が答える。なぜ彼は必要な時に喋らないのか、と聞かれても一誠が先に喋ってしまったからとしか言えないコナミ君(仮)。

 

「もうこれ以上人間の世界に干渉するな。俺たちはそれを言いに来た」

 

「干渉、ですか。我々は人に害を与える事はしてないはずですが」

 

「しらばっくれるな。和平締結後に悪魔の駒をモデルにし転生天使を作る計画を聞いている。ただでさえ悪魔の駒で人生が狂った人間が多々いるのに何故そのようなことをする」

 

「…………我々も苦肉の策なのだよ、アンチノミー君。先の大戦で我々の種族は減ったんだ。それを繁栄させようと…………」

 

「繁栄?無理矢理誘拐して眷属という奴隷を増やすことが繁栄か、子孫を残さず他種族を減らして自分の種族を増やすのが得意なんだな」

 

 一誠は明らかな嫌悪感を出して皮肉を言い放つ。コナミ君(仮)はウンウンと頷いている。

 

 そもそも、コナミ君(仮)が一度冥界に連れて行かれなければ一誠も嫌悪感はそこまでなかった。彼が連れて行かれた先に酷いものを見たことを聞いて嫌悪感が湧いたのだ。

 

「そんなに増やしてどうする?繁栄という名を掲げて人間への侵略に等しいじゃないか」

 

「私たちはそんな事のために悪魔の駒を使ってるのではないよ」

 

「そうよ!私の子達だって良い子だしみんな自分から望んで眷属になったもん☆」

 

「それはお前達だけの話だろう。さっき言ったはずだ、無理矢理誘拐して眷属という名の奴隷を増やして繁栄している、お前達だけが綺麗事を言ってるだけでコソコソとやってるやつは人間を食い物にしてるだろう」

 

 もはや怒りどころか呆れてしまった。トップが綺麗事しか言わないから裏で動く害悪共が自由にしている、それすら分かってないと理解してしまった。

 

 何故かアザゼルだけが苦い顔をしている。まだ何も言ってないのにその顔をするという事は心当たりはあるのだろう。直せるかどうかは別として。

 

「そして、悪魔の駒のシステムを利用した新たな転生を考えているんだろう、大天使ミカエル」

 

「っ、何故それを…………ええ、もう既に交渉する旨は伝えましたがそれが何か?転生天使を増やし人々を救うのが我々の…………」

 

「人間同士の殺し合いを推奨してる奴が何を言ってるんだ?その天使とやらが魔女狩りや宗教戦争を勃発させたんだろうが」

 

 何度も言うが、大体の事はコナミ君(仮)から聞いた話であり、一誠は直接見ていない。それでもコナミ君(仮)の熱意が真実を物語っていた事は分かった。

 

 コナミ君(仮)も本当に偶然だが海外旅行に行ったら魔女狩りの場面を見てしまった、しかも宗教的な話も含まれていた。

 

 この時、ただそいつらと別の宗教だったから異端、そいつらと違う術式を使ったから異端などもはや当てつけのような罵倒にコナミ君(仮)は耐えきれず戦ってしまったのだ。

 

 その時の凄惨さもコナミ君(仮)には忘れられない思い出になったが、これはまた別の話。

 

「……………………」

 

「……………………」

 

「……………………(帰るぞと一誠に言ってる気がする)」

 

「いや待てよ、この流れは俺に何か話くるんじゃないのか!?いや、絶対に心に刺さるやつだろうけど」

 

「え?とりあえず部下の制御と神器保有者の強制連行くらいしか思い付かない。神器保有者に関しては保護と制御を教えてるし、部下の制御さえどうにかしたら別に良いんじゃないかと」

 

「こんなこと自分で言うのもなんだが、一番悪とされる堕天使がなんで妙に評価高いんだ…………?」

 

 実際、部下の暴走さえなければ少しマッドサイエンティストは入ってても人間に対して神器の扱いを教えてそのまま何かされないように軟禁、と言ってもほぼ保護されているような状態だったから特に言う事はない、とコナミ君(仮)は言う。

 

 聖書では悪とされるが人間に憧れて堕ちた事もあって同情的な部分もあるのをコナミ君(仮)は知っている。ただ、愛が変な方向に向いて上司のための殺人や戦争を起こそうとするだけで、かなり致命傷である。

 

 妙に評価が高いのは堕天使デッキがいい感じに強いからという理由も含まれていたりする。コナミ君(仮)の偏見である。

 

 何故か堕天使以外の人外がアザゼルに向ける視線を鋭くしているが二人は気にしない。

 

 ようやく『超弩級砲塔列車グスタフ・マックス』から降りてDホイールに二人乗りした状態でコナミ君(仮)達は現場から離れていった。

 

 警告はしたものの、直すつもりはないと確信めいたものを持っているが、今日来たことは無駄ではないと思いつつ走る。

 

「…………なんか拍子抜けだった。ライフが増えていたとはいえあそこまで弱いものなのか?」

 

「……………………」

 

「まあ、そりゃあ妨害系張れば簡単に対処できるけど…………赤龍帝ってあんなに弱いのか?」

 

「……………………」

 

「そうか、やっぱあいつが弱すぎるだけか」

 

 何故追跡をしなかったのか疑問は残るがコナミ君(仮)達は家の前まで来た。

 

 …………そして家のDホイールを仕舞う車庫の前で止まることになった。

 

「う、うぐぐ…………空腹で斃れるとは…………主よ…………そうだ、もう居ないんだった…………見放されるのも当然か…………」

 

 コカビエルと戦った時にギリギリで立っていた青髪の教会の戦士らしき女性が家の前で倒れていた。

 

 コナミ君(仮)は思った、一誠と出会った時と似たシチュエーションだなぁ、と。この先の未来が何となく想像できるのは何でだろう、と遠い目をしていた。




 特殊ルールは無し。

 活動報告にてアンケートを取ってます。よろしければそちらの方もお願いします。


 教会から追放された戦士は倒れ、決闘者に拾われる。彼女が語る教会の裏切りを聞く。忘れられた者は怒り、家主は黙り込む。そして明かされる聖書の神の不在、詐欺を行う天使に落胆を見せるも、彼女もまた第3のコナミ君だった事に気づく。

 次回、『デュエリストと元聖剣使い』

 もちろん第2のコナミ君は一誠である、デュエルスタンバイ。
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