「征くぞ
転送されたどこかの荒れ地にて、いきなり近いの火蓋は切られた。
敵は悪神ロキに加えて始めから待ち構えていた神殺しの狼フェンリル。一番頼りになりそうなコナミ君(仮)はいない、一誠とゼノヴィアで対処しなければならない。
「アンチノミー!準備はいいか!」
「もちろんだ、いくぞ!」
「「デュエル!」」
コナミ君(仮)のようなデュエルディスクは無いがカードを宙に浮かせる一誠の力を借りてゼノヴィアも参戦する。
「私の「俺のターン!ドロー!」」
ロキとフェンリルは動かなかったが舐めてるわけでは無い。トリックスターたる者、既に仕込みは済ませてあるがあえて動かなかったのだ。
遊戯王で例えるなら先攻で伏せカードを数枚セットしただけでターンエンドしたとなる。なお、何故かフェンリルにやる気は見られない。
「手札から『惑星探査車』を召喚!そしてこのカードをリリースしてフィールド魔法を手札に加える」
効果モンスター
星4/地属性/機械族/攻1000/守1000
(1):このカードをリリースして発動できる。
デッキからフィールド魔法カード1枚を手札に加える。
「私が加えるのは『Sin Wrold』!そしてそのまま発動しエクストラデッキから『サイバー・エンド・ドラゴン』を除外、現れよ『Sin サイバー・エンド・ドラゴン』!」
世界が突如塗り替えられ拘束具が付けられた三つ首の機械龍が召喚された。
「ドラゴン!?複雑な召喚法を使うとは聞いていたが所詮ただの噂だったか。我が子よ、あのドラゴンの相手をしてやれ!」
いかにも渋々といった感じでフェンリルが『Sin サイバー・エンド・ドラゴン』に向かって動き出す。
「『Sin サイバー・エンド・ドラゴン』で攻撃!エターナル・エヴォリューション・バーストォ!」
襲いかかるフェンリルに向けて火球を三連打で放つがフェンリルの毛先を焼くだけで大きなダメージは見当たらない。
ここでゼノヴィアはコナミ君(仮)が言っていたことを思い出す。
全ての生き物に攻撃力と守備力はある。遊戯王はそれを極端にして攻撃表示なら攻撃力、守備表示なら守備力と戦う。そして何よりの欠点が攻撃と守備を同時に行えない。
言わば防御せず襲いかかるしかない。だが現実に生きるのは違う。攻撃と防御はほぼ混同されている。たとえ相手のライフが1000でも耐久力、言い換えると守備力が1000あると攻撃力1000で一発で倒せない。
効果ダメージで倒す自分にはあまり関係ないが、と言っていた。
フェンリルの毛先が焼けたことを見ると少々のダメージは入ったのだろう。だがそれだけ、恐らく守備力は3500はあるだろうと見た。
フェンリルは『Sin サイバー・エンド・ドラゴン』に爪を立てる。引っ掻いた時に思いのほか硬かったのか痛みを感じたのかフェンリルの顔が少し歪んだ気がした。
だが『Sin サイバー・エンド・ドラゴン』は傷つきながらも三つ首でフェンリルに炎やビームを放ち噛み付いたりしていた。これなんていう大怪獣決戦なのか。
「我が子に接戦を仕掛けてなお倒れぬとは大したドラゴンだ」
「『スターダスト・ドラゴン』で攻撃!シューティングソニック!」
「ふっ、甘いな星屑のドラゴンとやら」
『スターダスト・ドラゴン』が放った閃光は突如空中に現れた魔法陣によって防がれた。もちろんこの魔法陣はロキが予め防御用に貼っていたものだ。
「私が何も仕掛けていないと思ったら大間違いだ。俺の魔法で燃え尽きろ!」
「『スターダスト・ドラゴン』の効果発動!リリースして破壊を無効にする!ヴィクテム・サンクチュアリ!」
火炎の魔法を放つが一時的に消えた『スターダスト・ドラゴン』の効果により結界のようなものにより弾かれた。
「ほう、そう簡単に防がれるとはな。あのドラゴンは潰せると思ったがそうはいかないようだ」
「ターンエンド時に『スターダスト・ドラゴン』はフィールドに戻る」
一度消えた『スターダスト・ドラゴン』が一誠を庇うように現れる。
伏せカードを置いていないためまさに無防備と言える。このままターンを渡さなければならないため一誠は悩まされる。
「では私の番と行こうか。その白き龍よ、主人を守りたくば耐えてみせよ!」
そこからの猛攻は激しかった。あらゆる魔法が襲いかかり、『スターダスト・ドラゴン』が辛うじて盾となりある程度凌ぐことはできた。
だが、倒されたという事実は変えられない。
「頼りの龍は消えたようだな、なら眠れ人間!」
「くっ、ぐああああっ!」
LP4000→2000
「一誠!くっ、フェンリルめ、頑なに離さないとは!」
フィールドにモンスターがいなくなった事によりロキの魔法によるダイレクトアタックを受けてしまう。
ゼノヴィアも援護に回りたいがフェンリルが『Sin サイバー・エンド・ドラゴン』を離さず、されど破壊しない程度に互いに噛みつきあってる状態で迂闊に動けない。
魔法の着弾地は土煙で様子が見えない。だが、ロキは殺す気で放っておらず死なない程度に昏倒させるつもりで攻撃を放ったのだ。
昏倒させるために2000ダメージを与えるとはいかに。神と人の基準のズレなのかは置いといて一誠が耐える前提で放ったのだ。
「貴様が何に向かって進んでいるのかは知らんが殺すには惜しい人材だ。今は眠れ、終わらせ貴様の居場所が無くなれば受け入れてやる」
ロキが言った言葉は倒れ伏す一誠には薄っすらとしか聞こえなかった。
「(やっべえ…………ここで倒れたらあいつは止まらない…………悪ぶってるイケメンが正しく間違ったことをしようとしてるのは分かるけど…………)」
薄れゆく意識の中、本当に止めるべきなのかどうか分からなくなっていた。
あの悪神も思うところがあり行動に移した。それは今被害を出すだけでその先は本当に平和なのかもしれない。
「(けれど…………今を犠牲にするのは間違っている、今も未来も救う為に俺たちはいる!)」
腕の痣が光る、一誠に新たな力を与えようと伝えるように光る。
手札は『ワン・フォー・ワン』と『グローアップ・バルブ』の二枚のみ。前に拾ったシンクロモンスターは出せるがロキを倒せない。
なら、次のドローに賭けるしかない。
「くっ…………ぅ、ぅおおおおおおっ!」
「まだ立つか!それにあの痣はなぜ光っている?まあいい、今度こそ地に平伏せさせてやる」
「俺の、ターン!ドロォォーッ!」
〜●〜●〜●〜●〜
「……………………っ!?」
買い物に出かけたコナミ君(仮)は感じ取った。
仲間が戦っている事に気付いた。
デートに行ったはずなのに何故戦ってるのかと思った。
嫌な予感がしたがそれより誰かが酷い目に合う気がした。
そして何よりも突然プラ/シド処刑用BGMが頭の中で流れ始めた。ここ重要。
「……………………」
買い物に行ってる場合じゃない。急いで一誠達を探さなければいけないとスーパーに行く事をやめ心当たりがある場所をあたろうとした時だった。
「あーっ!てめぇ
「……………………」
午後4時、日暮れにはまだ早い時間なのに出会ってしまった。
「こんなところで出会うなんて奇遇ね。お久しぶりと言っておきましょうか
急いでいる時にリアス・グレモリー一行に出会うとは、本当についてなかった。
ネタバレ、一誠がドローしたのは死者蘇生。この後の展開は…………なぜ書かないか?バイクに乗ってなきゃ『Clear Mind』流せないでしょ!
知らない誰かが突然のプラ/シドになる予感がして急ぐコナミ君(仮)の前に立ちはだかるリアス一向。この前の事を覚えていたらしく捉えようとしてきたが駆けつけたアザゼルに止められる。そして一誠達がロキに連れ去られた事を知らされる。
次回、『デュエリストと悪魔+α』
我儘姫とは馴れ合えない、デュエルスタンバイ。