それは偶然だった。天使や悪魔が現れ「庇護してやるから眷属になれ」的な事を言われて「言うこと聞かないから殺して蘇らせる」的な事を言われたのでそいつらを焼く日が続くことだった。
午後4時、まだ日も暮れておらずコナミ君(仮)がケーキ食べたいなと思って下校中に寄り道をしている。
もちろん一誠達に黙って向かっている。狙われているなら連絡の一つはしておけと言われてもおかしくはないが、逆にコナミ君(仮)を倒せる者が堂々と現れるか、と聞かれたら否である。
現在行方不明のルシファーのやべーやつも来るとしても念入りに計画を立ててから来るだろう。
そんなコナミ君(仮)は偶然見つけてしまった。
「かー…………へぶしっ!かー…………」
「……………………」
ベンチでグースカ寝ている見覚えある神父を。
前は敵対していたし、見つけたところでどうしろというのだ。明らかに敵意むき出しだったのだがあの時はすぐ逃げられたので何もできなかった。
しかし、今ここにいる奴は警戒心は全くなくまるでホームレスに見える。
そして遠慮なくその神父の腹の上に座った。
「ぐへぇっ!?」
「……………………」
流石に起きた。
「ちょ、どちらさんですかいってあんた
「……………………」
「ちょ、黙りですかい」
初見との印象が違う。あの時は狂ったように殺すことを楽しんでいたのに、今は気の抜けたお兄さんにしか見えない。
「おーい、聞こえてますかー?耳ダイジョーブ?」
「……………………」
うるさいので腰を上げた。そしてそのままケーキを買いに行く。
「ちょ、そこ放置なの?俺泣いちゃうよ?通報されるくらいに泣いちゃっ!?」
無言の腹パンを決めて神父を地面に沈める。これ以上喚かれたら本当に通報されそうなので静かにしてほしいものだ。
気絶したことを確認して今度こそケーキ屋に向かう。一誠達にも何か買おうと思い、神父は無視して徒歩で行った。
〜●〜●〜●〜●〜
「……………………?」
帰宅したのに誰もいなかった。別に襲撃されたわけではなく家で争った訳でもなさそうだ。だが、慌てて出て行った形跡が残っている。
まだ5時にすらなってないのにどうしたのやら。
「ここが旦那の家ですかい?いやー、ボロっちいとこに住んでるかと思ったらふつっ!?」
二度目の無言の腹パンを食らわせる。何故こいつがナチュラルに家に上がってるんだ。ちゃんと靴を脱いでるところは評価するが。
しかし、今度は倒れずフラフラと歩きソファにどっかり座り込む。
とりあえず顔面に蹴りを入れるかどうか少し迷うコナミ君(仮)。
「敵にゃ暴力的なのは本当っぽいの認めるからその足下ろしてくんさわらばっ!?」
やっぱりうるさいので蹴ったがそこまでダメージは入らなかったようだ。
「イッテェ口切った…………ちょ、二撃目はやめろって!俺も仲間なんだからさ、な?」
「……………………」
「え?前に殺しにかかってきたじゃんって?いやー、昔の話は水に流してさ、ほら『昨日の敵は今日の友』って言うし?あんたらと微妙な赤龍帝が持つカード拾ったし?」
「……………………」
見せびらかすようにカードの束を出した。間違いなく遊戯王のカードだ。
なぜどいつもこいつもカードを拾うのか理解できない。コナミ君(仮)もこっそり探しにいったが一枚も見つからなかった。サンダイオンが欲しかったと愚痴をこぼしたとか。
しかし、それを持ってるから味方というわけではない。あの転生者のこともある、何考えてるかコナミ君(仮)分からないが…………
「……………………」
何も言わずテーブルを挟むように座る。そしてコナミ君(仮)は自分のデッキを机の上に置いた。
「おっ?一回やろうって?効果は読み切ったし俺ちゃんの超絶コンボ見せてやりまりょうや!」
敵が味方か、引き込むにしても相手がどんなデッキを使うかは一度
「「
〜●〜●〜●〜●〜
「かーっ!旦那強すぎるぜ!なんすかあの破壊耐性、俺ちゃんのデッキの天敵じゃないですかやだー!」
「……………………」
結果的に言うと神父、フリードが自爆して終わった。本当に色んな意味でヤバかった。
2ターン連続で『強欲で貪欲な壺』を使用して除外されたカードと手札を増やし、『命削りの宝札』を使用して手札を一気に墓地に送りと大量のドローソースを使用してさらに墓地を肥やし、最初に並べた『紅蓮魔獣 ダ・イーザ』や『カオス・ネクロマンサー』の攻撃力を底上げしてきた。
紅蓮魔獣 ダ・イーザ
効果モンスター星3/炎属性/悪魔族/攻 ?/守 ?
このカードの攻撃力と守備力は、ゲームから除外されている自分のカードの数×400ポイントになる。
カオス・ネクロマンサー
効果モンスター星1/闇属性/悪魔族/攻 0/守 0
このカードの攻撃力は、自分の墓地に存在するモンスターカードの数×300ポイントの数値になる。
相性が合わないように見えるが、肥えた手札を『命削りの宝札』で墓地に送ったりして墓地を肥やせたりするので打点は非常に高くなった。
ただ、デッキ枚数が足らなかった。聞いたら44枚と中途半端な数字だった。
もちろん打点だけでは時械神を倒せない。そう、フリードのデッキはゼノヴィアに劣らないほどの脳筋だった。
だが、彼はまだ何か隠してる気がする。必要なカードが除外されただけで下手したら負けていたのではとコナミ君(仮)はみた。
除去には弱いがこのパワーインフレが酷い世界だと何とかなりそうだ。
召喚方法も通常召喚のみなので簡単に並べられる。オベリスク以外で攻撃力∞が現れない限り負けになることはないだろう。
と、コナミ君(仮)の携帯電話が鳴った。そういえば連絡すらなく一誠達がいなくなったので彼らかと思ったが違うようだ。
画面を見ると『妖怪連絡担当 サラマンダー・富田』と表示されていた。名前はともかく協力関係なので電話番号を教えていたのだ。
ロキを倒した以来かかってこなかったが、何かあったのだろうかとコナミ君(仮)は電話に出る。
「……………………」
『
「……………………!」
ガタッと立ち上がり驚きを露わにする。詳しく聞くと須弥山の神々との会談に向かう途上で襲われたと護衛だった烏天狗が息絶える前に伝えたらしい。
なぜ彼女が攫われたのか理由は不明。もちろん嫌な予感しかしない。
ふと、コナミ君(仮)は気づいた。八坂が攫われたら九重嬢はどうした、と。
『先にアンチノミー殿とパラドックス殿と連絡してましたが…………』
「……………………」
「旦那、何か面白いことでもあったんですかい?」
この事にコナミ君(仮)は頭を抱えた。せめて報告してくれたら寄り道なんかせずにすぐ帰宅して準備を素早く終わらせて向かったのに、と。
説教は向こうで話を終わらせてからにする。すぐにいつもの赤服に着替えて帽子をかぶる、デュエルディスクもちゃんと持ち京都に向かう。
…………公共機関で。
「なんか面白そうな予感!俺もついてこーっと」
「……………………」
「えー、俺ちゃんいい子にしてるからお願〜い☆」
「……………………」
本日三度目の無言の腹パンでフリードを沈めてからコナミ君(仮)は京都に向かった。
着いたとしても早くて深夜になるだろう。
そして、この日は駒王学園2年生の修学旅行前日であった。
最後の要約・面倒くさいのと鉢合わせする。
先に京都に着いた一誠は九重を泣かせる敵は許すまいと心に決め、ゼノヴィアと一緒に彼女を慰める。捜索に協力し京都各地を探し回るがよりによって彼らの天敵と遭遇してしまう。
次回、『デュエリストと正体』
知られてしまったなら開き直れ、デュエルスタンバイ。