オベリスクは必要ない!   作:蓮太郎

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はい、長らく放置してすみません。多分次もかなり間隔が空くと思います。あと若干タイトル詐欺。


デュエリストと結婚志願者

「……………………」

 

「待った!本当に待った!通報しようとしたのは謝るから少しずつにじり寄るな!」

 

 身内から通報されかけたため、まずはじめに一誠をしばき倒して携帯電話を持っているゼノヴィアににじり寄るコナミ君(仮)。

 

 原因は後ろにいる幼女ことオーフィスを連れ込んだから。連れ込んで真っ先に「こいつ、やりやがった!」と言われた。心外である。

 

 ひとまず事情を説明して内容を理解してもらう。意地でも、最悪物理に頼ってでも理解させる。

 

「……………………」

 

「な、なるほど、そんな事情があったのか。無限龍(ウロボロス)に頼られるとはやはり大物だな」

 

「神の力、我と共にしたらグレードレッド倒せる」

 

「……………………」

 

 ぶっちゃけどう倒せというのだ。話によればグレードレッドとは次元にとって必要とされるらしく居なくなれば崩壊待った無しとか。リアルにZ-oneになるつもりはない。

 

 そういえばと思い禍の団について聞いてみる。こんな幼女でも大きな組織の頭領だったりするのだ。対価はなくても恐らく純粋であろう彼女(?)は何か言うはずだ。

 

 その考えが甘かった。オーフィスは良い意味でも悪い意味でも純粋だったというのが分かってしまう。

 

「それで蛇とやらが、ふむ、厄介なものを渡してるな」

 

「それって、ただ利用されてるだけじゃ?」

 

「使い使われる関係、何か間違ってる?」

 

 一方的に使われていることに気付いていない。そのビッグネームだけで威圧でき、そして戦闘力を上げる『蛇』とやらを渡している。

 

 本人曰く、グレードレッドを倒したいから協力しろ、その代わり蛇をやるとの事。いや、素の状態で神クラスの力を持ってない奴らがグレードレッドと戦えるか?

 

 そもそも目もくれないだろう。弾かれて終わりの未来が見える。

 

 ともあれ、上手くいけは敵戦力を奪いこちら側に引き込むことも出来る。しかし、引き込んだら最後、無理難題を言ってくるので困る。

 

 どうしたものかと黙って頭を悩ませているとインターホンが鳴った。

 

「……………………」

 

「ああ、分かった。とりあえずもう少し話を聞くよ」

 

「汝からドライグの残り香がする、ドライグと知り合い?」

 

「ドライグって誰だよ」

 

 オーフィスの対応は二人に任せて来訪者がいると思われる玄関へ向かう。

 

 この気配だと間違いなく人間だ。悪魔の魔力のような闇っぽいエネルギーや天使のような光っぽいエネルギーが感じられない。堕天使はそれの中間くらいのエネルギーを持ってる感覚がするとコナミ君(仮)は言う。

 

 玄関を開けた。

 

 日本の結婚衣装、神前式と呼ばれるらしい、スタイルの女性がいた。

 

「初めまして、そして結婚してくだ」

 

 そっと扉を閉めた。鍵をかけた上にチェーンもして入らないようにした。

 

「さあ、って待って!ちょっと話を聞いてよん!」

 

 めっちゃ扉を叩いてくる。ガンガンガンガンうるさくてかなわないと思うが、もしかしたら周りの住人に聞かれているかもしれない。もし、そこから何か怪しいと漏れたら…………

 

 そう勝手に結論をつけて仕方なく、本当に仕方なく家に上がることにした。この男、割とチョロいのかもしれない。

 

「……………………」

 

「そんな嫌な顔をして欲しくないですわん。貴方の妻になりたいんですから♪」

 

 もう嫌な予感しかしない。コナミ君(仮)の目は彼女の目的が自分自身ではなく力の方に目をつけていると見た。

 

 もしや、神の力をどこかで見ていた?そう勘ぐってしまうのも無理はない。

 

「ふふふ、そう緊張しなくていいのよん?」

 

「……………………」

 

 不信感丸出しのためそう言われてしまう。少しも隠す気もないが、不審なものは不審だ。そう簡単に拭えるものではない。

 

 部屋の中に入ると、そこはお菓子だらけだった。

 

 一瞬、コナミ君(仮)も理解していなかったが一言で言うと餌付けである。

 

「もぐもぐ」

 

「松田あたりなら喜びそうだよなぁ…………」

 

「マツダが誰かは知らないが、結構可愛らしいところもあるのだな」

 

「……………………」

 

 和んでいるところに笑いが爆弾を投下する羽目になるのは辛いが、仕方なく爆弾を投下させる。それもとてつもない爆弾を、だ。

 

「お初にお目にかかります決闘者(デュエリスト)の方々、ヴァルブルガと申しますのん。これから末長く此の方と共に生きて生きますわん♪」

 

「え、美人だけどなんかキツそうな性格してそうで嫌だ」

 

「性根が腐ってそうだからお断りだ。早く追い出したほうがいいぞ」

 

 この10秒後、ヴァルブルガは追い出された。

 

「流石に酷すぎじゃありませんのん!?その力に惚れたんですぅ!全て見下せそうな力の側にいさせてくださいのぉぉぉっ!」

 

 外には誰もいないし何も聞こえない、いいね?

 

決闘者(デュエリスト)、答えは?」

 

「……………………」

 

 そしてこの問題に直面する。しかし、答えは未だに出ていない。

 

 こうなったら先延ばしにさせるしかない。しかし、敵に回したくもない。∞の力なんてそう簡単に倒せるものではないのだから。

 

 逆に言えば倒せると言うわけだが、遊戯王の世界観はある意味すごいと改めて認識した。

 

 コナミ君(仮)が何か言おうとしたところ、一誠がそれを遮る。

 

「だったらさ、しばらくここにいればいいんじゃないか?ほら、カードもあるし静寂だっけ?次元の狭間とかに行かなくても見つかるかもしれないぞ」

 

「ここにも静寂?それはどんなところ?」

 

「ああ!ところでそのカードケースは?」

 

「拾った。あとエジプトの知らない人に一枚渡された」

 

「……………………!?」

 

 この一言で何かの伏線が張られた気がする。エジプトといえば心当たりがいくつかある。あの『名もなきファラオ』がこの世界にもいたのかもしれない痕跡があるのだ。

 

 けれども今は深く探ってはいけない気がする。事件は向こうからいつも来るのだ。コナミ君(仮)の出生とかに関わってたりとか両親が行方不明だから云々みたいな展開になりそうで恐ろしい。

 

 そのカードとは一体なんなのか、聞いてみた。

 

「後でわかる」

 

「………………………………」

 

 はぐらかす気満々だった。無理に見ようなら一瞬でライフポイントを0にされかねない。コナミ君(仮)のライフは8000でも流石に素で∞は耐えられない。

 

 流石に不満な顔を晒していたのでフォローが入る。

 

「いいじゃないか、その時の秘密兵器みたいな感じで。そもそも簡単に手を見せびらかすことは三流だろう?」

 

「そ、そうだな。俺だって全部見せてないだろ?ほら、拾ったカード全部教えてるわけじゃないし」

 

「……………………」

 

「ちょ、そんな目で見ないでくれよ!こ、これ譲るから!」

 

 他にカードを隠し持っていたことに不満の目を向けられた一誠は易々とカードを渡す。

 

 今回の拾ったカードシリーズのテーマは『真竜』だった。枚数は2枚だったり一枚だったりと数は少ないが、それでも他のテーマと混ぜたら十分機能する程度の数だとコナミ君(仮)は思った。

 

 か、最後にあったカードを見て動きが止まる。

 

「わざと一番下に置いたけど、これって使ってたテーマだろ?あれ、どうした…………死んでる」

 

 あまりのショックにコナミ君(仮)の意識はどこかへ飛んでいた。それは喜びなのか驚きなのか、はたまた両方なのかは彼しか知らない。

 

 なにせ、そのカードの名前はこう書いてあったからだ。

 

 『時械神サンダイオン』、と。




 時械神サンダイオン実装で大歓喜な作者とコナミ君(仮)。多少の弱体化してるけど個人的には構わない。もっと実装しろ。


 幼女な無限龍とストーカーが増えたコナミ君(仮)の日々が続くが一誠に進展があった。一樹が表向き行方不明になり何かしでかすのではないかと危惧する。そんな中にかつての友と再会する。

 次回、『デュエリストと昔の親友』

 久々の再会のところ悪いが喧嘩を売らないで欲しい、デュエルスタンバイ。

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