オベリスクは必要ない!   作:蓮太郎

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 皆さんお久しぶりです(超放置マン)

 筆をとったのはいいですが気づけば魔妖とかいう京都にピッタリなテーマとか出てきたり新しい不知火が出てきたりとどうしようか超悩みました。

 では小狐ちゃんのデッキはどうなっているのか(多分あんまり見せられないだろうけど)どうぞ。


覇王と小狐

『突如現れた謎の巨大生物により駒王町が破壊されました!もはや残っているのは火と瓦礫ばかりです!たった今、自衛隊が巨大生物に攻撃を仕掛けましたが、えっ、嘘こっち向いてない!?えっ、あ、いやあああ!!』

 

 日本はパニックになっていた。突如現れた怪物が数々の都市を壊滅させていく姿をテレビで見させられたことで恐怖した。

 

 それは平成ゴ〇ラの復活とかネット上で言われておりそこにいない、もしくは目撃していない人々にとってお祭りの種であった。

 

 これに頭を抱えたのが裏側を知る勢力達である。まず覇王龍ズァークを名乗る怪物を始末しなければカバーストーリー(という名の洗脳)を作ることはできない。

 

 現状でも何もしていないわけではない。上級悪魔、天使など様々な勢力から兵を派遣しているが全く歯が立たない。

 

「どうした!その程度で我を止められると思うなぁ!」

 

 神器持ちであろうと瞬殺されるため此度は各勢力トップクラスが出撃しなければならないと判断した。

 

 しかし、その判断を下すまで5時間かかっているという事実に気づいているのだろうか?すでに覇王龍は京都まで侵攻していた。

 

「こんなにもろいのか!こんなに弱いのか!想像よりも想定よりもこの力は凄いなぁ!」

 

 破壊と殺戮の限りを尽くすズァークは人間の住む場所や観光名所を破壊し、ついに妖怪達の本拠地まで踏みこんだ。

 

 ここには個人的かつ身勝手な恨みがある。あの狐の頭領に見向きもされずさっさと追い出されてしまった。それどころか搾りカスと正体不明のデュエリストが気に入られてしまったのだ。どう考えても彼らの功績からそうなるのは必然なのだが単なる逆恨みと言っていいだろう。

 

 むしろ逆恨み以外で何があるというのか。

 

「そこまでじゃ!」

 

 ズァークにとっては小さな声だったがしっかりと声が聞こえた。

 

 覇王龍となったこいつにとって無視すればよかったが聞き覚えのある声だったためほんの少しだけ足を止めてみるつもりだった。

 

「お前は小狐!はっ、矮小な分際で我の前に立ちふさがるか」

 

「妾が矮小なら貴様は図体がでかいだけの化物だな!」

 

「ほざけぇ!貴様程度簡単にひねりつぶせるんだぞ!」

 

 小狐こと八坂九重があのズァークと口喧嘩している、あの図体で口喧嘩とかおかしいと思うものは悲しいことにいなかった。

 

 もちろん、九重の力だけでは止めることはできない。

 

 だが友人から託されたカードがある、それだけでも九重は心強かった。

 

「おぬしは言っていたな。デュエルで我を倒せと!望み通り妾が倒してやる!」

 

「ふはっ、ふははははは!貴様が?笑わせてくれる。やれるというならやってやろうではないか」

 

 明らかな侮蔑を込めてズァークは何もないはずの空間からデッキを取り出す。

 

 それに対し九重は木の板でできたデュエルディスクを構える。

 

「「デュエル!」」

 

 ズァークLP8000

 

 九重LP4000

 

「我のターン!手札から『覇王眷竜ダークヴルム』をペンデュラムゾーンにセット!効果によりデッキから『覇王門無限』をもう片方のペンデュラムゾーンにセット。そしてカードをセットしてターンエンド」

 

「たったそれだけか?口ほどにもないの。妾の番じゃ!」

 

 僅かな行動しかしなかったズァークを怪しみながら九重はカードを引いた。

 

 この二倍あるライフ差は九重のデッキではそう簡単に埋められるものではない。

 

 しれでもこの少女は勝たなければならない、自分の故郷を守るために!

 

「進んでいるのは一誠だけでない!妾も常に進化し続けてるのじゃ!手札から『不知火の隠者』を通常召喚!」

 

 

 不知火の隠者・効果モンスター

 星4/炎属性/アンデット族/攻 500/守 0

 このカード名の(1)(2)の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。

(1):自分フィールドのアンデット族モンスター1体をリリースして発動できる。

 デッキから守備力0のアンデット族チューナー1体を特殊召喚する。

(2):このカードが除外された場合、「不知火の隠者」以外の除外されている

 自分の「不知火」モンスター1体を対象として発動できる。

 そのモンスターを特殊召喚する。

 この効果の発動時にフィールドに「不知火流 転生の陣」が存在する場合、

 この効果の対象を2体にできる。

 

 

 

「効果により自身を自主的に墓地に送ることによって山札から『ユニゾンビ』を特殊召喚!」

 

 

 ユニゾンビ・チューナー・効果モンスター

 星3/闇属性/アンデット族/攻1300/守 0

 このカード名の(1)(2)の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。

(1):フィールドの表側表示モンスター1体を対象として発動できる。手札を1枚捨て、対象のモンスターのレベルを1つ上げる。

(2):フィールドの表側表示モンスター1体を対象として発動できる。デッキからアンデット族モンスター1体を墓地へ送り、対象のモンスターのレベルを1つ上げる。

 この効果の発動後、ターン終了時までアンデット族以外の自分のモンスターは攻撃できない。

 

「なんだと?日本の妖怪の癖にゾンビに手を出すか」

 

「煩い、『ユニゾンビ』の効果発動じゃ。手札から札を一枚墓地に落とす。『馬頭鬼』を墓地に送り『ユニゾンビ』の位を1つ上げる!」

 

 ここでズァークが無意識のうちに舌打ちした。

 

 このコンボは彼の前世から使用されており出てくるモンスターは大体予想がついていた。

 

「墓地の『馬頭鬼』の効果によりこのカードを除外して現れよ『不知火の隠者』!」

 

 墓地に眠っていた『不知火の隠者』が炎を上げて場に舞い戻る。

 

 フィールドにはレベル4のモンスターとレベル4のチューナー、ここから何が出てくるのは分かりやすい。

 

「『不知火の隠者』よ、『ユニゾンビ』よ、同調せよ!同調召喚!現れよ『PSYフレームロード・Ω』!」

 

 

 PSYフレームロード・Ω シンクロ・効果モンスター

 星8/光属性/サイキック族/攻2800/守2200

 チューナー+チューナー以外のモンスター1体以上

(1):1ターンに1度、自分・相手のメインフェイズに発動できる。相手の手札をランダムに1枚選び、そのカードと表側表示のこのカードを次の自分スタンバイフェイズまで表側表示で除外する。

(2):相手スタンバイフェイズに、除外されている自分または相手のカード1枚を対象として発動できる。そのカードを墓地に戻す。

(3):このカードが墓地に存在する場合、このカード以外の自分または相手の墓地のカード1枚を対象として発動できる。そのカードと墓地のこのカードをデッキに戻す。

 

 

 アンデットとは無関係と言っていいほどの容姿をしたモンスターがフィールドに現れる。

 

「妖怪風情がサイキックに頼ってんじゃねぇ!」

 

「ふん、今の時代は『ぐろーばる』よ!それすら分からんとは時代遅れな奴よ。攻撃じゃ!あの愚か者に直接攻撃!」

 

『PSYフレームロード・Ω』が巨体のズァークに恐れずに念動波を放つ。

 

「ぐっ…………この程度で我を倒せると思うな!」

 

「やせ我慢じゃな、妾は三枚伏せて終了じゃ」

 

「生意気な狐が………我のターン、ドロー!」

 

「待機時間に『PSYフレームロード・Ω』の効果で『馬頭鬼』を墓地に戻す!」

 

 明らかに厄介なものが残っているが、九重は止まらない。

 

「そして更なる効果を発動!『PSYフレームロード・Ω』とおぬしの手札一枚を除外じゃ」

 

『PSYフレームロード・Ω』が消えるのと同時にズァークの手札も粒子となって消滅する。

 

「おのれ、だが貴様の場はがら空きだ。我は手札からフィールド魔法『天空の虹彩』を発動!」

 

 

 天空の虹彩・フィールド魔法

「天空の虹彩」の(2)の効果は1ターンに1度しか使用できない。

(1):このカードがフィールドゾーンに存在する限り、自分のPゾーンの「魔術師」カード、「EM」カード、「オッドアイズ」カードは相手の効果の対象にならない。

(2):このカード以外の自分フィールドの表側表示のカード1枚を対象として発動できる。そのカードを破壊し、デッキから「オッドアイズ」カード1枚を手札に加える。

 

 

 そのカードが発動したと同時に空間が突如変わり始める。

 

「『天空の虹彩』の効果を発動、Pゾーンのダークヴルムを破壊しデッキから『覇王眷竜オッドアイズ』を手札に加える」

 

 効果により破壊されるダークヴルムには感情という物どころか道具の様に破壊されていく。

 

 この男はモンスターを道具としか見ていないということに九重は怒りを感じる。

 

「お主、やはり自分のことしか考えていないようだな?」

 

「自分本位で何が悪い!我は、この世界で思うように生きるのだ!我の場のカードが破壊されたことにより手札の

『アストログラフ・マジシャン』を特殊召喚する!」

 

 アストログラフ・マジシャン 効果モンスター

 星7/闇属性/魔法使い族/攻2500/守2000

(1):このカードが手札に存在し、自分フィールドのカードが破壊された場合、その破壊されたカードを対象として発動できる。このカードを手札から特殊召喚する。

(2):このカードがこのカードの(1)の効果で特殊召喚に成功した場合に発動できる。このカードの(1)の効果で対象としたカードを、そのカードが破壊された時に存在していた元々のゾーンに表側表示で置く。

(3):このカードをリリースして発動できる。自分のデッキ・エクストラデッキ・フィールド・墓地から、

「スターヴ・ヴェノム・フュージョン・ドラゴン」「クリアウィング・シンクロ・ドラゴン」

「ダーク・リベリオン・エクシーズ・ドラゴン」「オッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴン」を1体ずつ除外し、

 エクストラデッキから「覇王龍ズァーク」1体を特殊召喚する。

 

 

 この時点でコナミ君(仮)がいれば異常性に気づいていただろう。

 

 この『アストログラフ・マジシャン』の効果は本来のOCGのものではなくアニメ効果という何でもあり状態だということに。

 

「我は『アストログラフ・マジシャン』をリリースし四種の我がドラゴンを墓地に送り…………」

 

 ここで一度黙り込み、醜悪な笑みを浮かべ最高の愉悦と共に叫ぶ。

 

「我を、『覇王龍ズァーク』を統合召喚する!」

 

 覇王龍が名乗りを上げた瞬間、京都は破壊の嵐に見舞われた。

 




 冒頭であんなこと言いつつ初動だけはガチガチのアンデシンクロしか見えなかったし分かることにしてしまった()

 そしてここで転生者(笑)がまさかの『ア ニ メ 効 果』

 いや、言い訳させてもらうとそれくらいじゃないとラスボス(笑)の風格は出ないだろうし噛ませだといけないと思ったから…………(震え声)


 破壊の嵐が京都を包み込み妖怪達を絶望の淵に陥れる。だが、彼女は諦めていなかった。カードを渡してくれた人との友情を信じ、九重は全力で立ち向かう。

 次回、『小狐と絆』

 私はあの人を信じている、デュエルスタンバイ。

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