オベリスクは必要ない!   作:蓮太郎

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デュエリストとDホイール

 リアス・グレモリーは駒王町の管理を任されている上級悪魔である。

 

 何度も町にはぐれ悪魔が侵入して後手に回ることが多く、たいていのはぐれ悪魔を駆除しているコナミ君(仮)からの信頼はない。

 

 今の悩みの種はフェニックス家の三男坊との婚約もあるが、町に謎の人物が居座っていることも入っている。

 

「部長、決闘者(デュエリスト)について何か情報はあったんですか?」

 

「向こうに連絡して聞いたのだけれど噂話ばかりで正確な情報はなかったわ。でも、おそらくはこの町に住んでることだけははっきりしているわ」

 

 謎の人物が勝手に領地を荒らしまわっている、そんな認識をしているが実際は尻拭いをしているだけだ。

 

 悪魔なのに妙な正義感があるせいで甘いところもあるため人気はある…………経営者としてはイマイチだが。

 

「でも、決闘者(デュエリスト)をどうやって見つけるつもりなんです?相手は天使を使うと言ってたし…………」

 

「問題はそこよ。どんな形であれ『神』を称するのを操るなんて放置しておけないわ。まだ外には漏れてないでしょうが、もし知られたらどれだけの陣営がここに乗り込んでくるか分からないわ」

 

 決闘者(デュエリスト)に助けられた男の話を聞くと『じかい神』と呼んでいた謎の機械(?)を召喚してはぐれ悪魔を倒したと聞いた。もちろんその男はアーシアによる治療と記憶操作をして家に帰した。

 

 それでもはぐれ悪魔をたった2回の攻撃で焼き払った『じかい神』は侮れない。

 

 なお、『時械神』の『じかい』の部分が平仮名なのは口頭だけで聞いた話なので漢字に変換できていないだけである。

 

「次にいつ現れるか分からないわ。いつでも出れるように備えておきましょう」

 

「「「「はいっ」」」」

 

 その翌日に突然の来訪者によって結婚をかけた戦いがあったのはコナミ君(仮)が知ることでなかった。

 

 

 

 

 

〜●〜●〜●〜●〜

 

 

 

 

 

 一方場所は変わってコナミ君(仮)はと言うと。

 

「待てぇ!それを返せ!」

 

「……………………」

 

 バイクに乗って冥界を爆走していた。

 

 簡単に説明すると、罠に嵌められて冥界に強制的に連れて行かれた挙句、なんか不良っぽい悪魔に眷属にされそうになったが返討ち、ついでになんか近くにあったバイクを盗んだという訳である。

 

 あの悪魔に上手く言い訳されると不法侵入かつ窃盗として指名手配されるのだが、魔法に関してさっぱりなため帰る道すら分からない。

 

 よって、ただ爆走しながら逃げている。あと、このバイクはアンチノミーのD・ホイールそっくりじゃないかと心の中で思っていたりする。

 

 爆走していたらいつの間にか街に出てしまった。道路を走っているとはいえ奇妙なバイクに乗った赤帽子の姿を目撃されてしまった。

 

「……………………」

 

「どこまで逃げるつもりだぁ!」

 

 しかも追ってくる悪魔が魔法をバンバン撃ってくるため道路がボロボロになっていく。後始末は大丈夫なのかとコナミ君(仮)は敵地にも関わらず心配になってきた。

 

 だが、流石にコナミ君(仮)とあの悪魔は暴れすぎた。警備隊っほいのが集まってきた。

 

 流石にまずいと思いスピードを上げ…………彼はふと思いついた。

 

 スピードを上げまくったら次元突破して人間界に帰れるんじゃないか(まるで意味がわからんぞ!)

 

 そうと思えばすぐさまスピードを上げる。障害物は避けつつ出来る限りまっすぐな道を探していく。

 

「貴様止まれ!なぜあんなに暴走してるんだ!?」

 

 制止の声を聞かずにどんどんスピードを上げていくコナミ君(仮)。バイクから何か変な電気が走ったのは気のせいではない。

 

 何だか次元を飛び越えられそうだ。あと、バイク、いやDホイールに乗ってこんな事するならあの台詞を言うべきだろう。

 

「シンクロフライトコントロール!リミッター解放!ブースター注入120%!」

 

 そう口にした瞬間、前方に輪っかが五つ現れDホイールがその中に突入した。

 

「行くぞ!クリアマインド!」

 

 Dホイールと共にコナミ君(仮)は冥界から姿を消した。名状しがたい光の線がつなぐ道を爆走し、気づけば最初に罠に嵌められた位置に着いていた。

 

「(マジで出来たという驚きの表情をしている)」

 

 ここで一つ言わせてもらう、彼のデッキにはシンクロモンスターは何一つ入っていない…………

 

 だが、成功したのは他者からの干渉があったからに過ぎない。

 

 空気が変わる。何かおかしいと思いDホイールに乗ったまま辺りを見渡す。

 

「やあ、久しぶりと言うべきか」

 

 コナミ君(仮)を転生させた存在がいた。確か、この世界の神という存在ではなく別世界の存在の神だったはず。

 

 そして、世界が壊れない程度に人を転生させて様々な世界に降ろしてるとかなんとか。

 

「君の活躍もこっそり聞いている。まあ、当然と言えば当然と言うべきか、絡まれる事多いもんね」

 

「……………………」

 

「ああ、イタズラ感覚で神のカードを君のデッキに混ぜたのは謝るよ。神のカードはもう返品できないよ?僕の手にも負えなくなるなんて思いもしなかった…………」

 

「……………………」

 

「…………うん、全面的に僕が悪いね。もし、君がオベリスクの巨神兵を使ったらさらに君が狙われやすくなるだろう」

 

「……………………」

 

「まあこの話は置いておこう。実はね、君とは別の転生者がこの世界にいるんだ」

 

「……………………?」

 

「うん、君の想像通りだよ。君と同じ決闘者(デュエリスト)だ。デッキも僕が与えたよ」

 

「……………………」

 

「…………そりゃあデッキ内容が気になるよね。先に謝ろう、本当に申し訳ない」

 

「……………………?」

 

「……………………SPYRAL待った一瞬で方向転換してエンジン蒸すのやめて!本当に悪いと思ってるから!」

 

 コナミ君(仮)は激怒した。この悪逆極まりない神を打ち倒さんとDホイールの車体の先を神に向けた。

 

「実は僕もデッキカードの効果とかよく知らずに渡しちゃったんだよ!改めて調べてみたけどあの盤面なに!?全体除去魔法を二回使わなきゃダメってキツイよ!それに渡しちゃったからには今更無しっていうのも威厳が…………」

 

「……………………」

 

「き、君も一応対策はしてると思うけど本当に運次第なんだね。僕もちょっと遊んでみたけどSPYRALは本当にダメだ。神のカード以上にダメだよあれ」

 

 事の重大さに気づき本気で謝罪している神を許す気はないが轢く事はやめた。

 

「こんな事を任せちゃって悪いんだけど、君には抑止力になってほしい。あれが暴走するのは目に見えるんだ…………」

 

「……………………」

 

「しかも主人公サイドにいるから本当に君しか止められないんだ。それに運命力もかなり強い…………と、いう事でさっき話してるうちに1デュエル中に五回までディスティニードローをできるようにしておいたよ!」

 

「……………………デュエル」

 

「ちょっと待とうか、一回落ち着こう、ね?デュエルディスクをしまわないと話が、待って待って待って初手ドローにディスティニードロー全部使っちゃう?」

 

「手札から覇王眷竜ダークヴルム、覇王門無限(インフィニティ)をペンデュラムゾーンにセット。ペンデュラム召喚、時械神メタイオン、ザフィオン、ラツィオンを召喚」

 

「淡々と進めないでくれるかなぁ!?今帰るから許して!」

 

「ターンエン」

 

「ごめんね帰る!」

 

 デュエルを中断して神は逃げていった。まあ、ここで下手を打ったらこの世界の神が勘づくかもしれないので見逃した。

 

 しかし、やってくれたと彼は思った。全ての敵であるSPYRALが敵に回る可能性が高いとはどのデッキでも最悪の相手だと思った。

 

「……………………」

 

 起きた事は仕方ないと思いつつ、その時はその時で何とかしようと考え、このDホイールをどうしようか困ったコナミ君(仮)だけが月に照らされていた。




特殊ルール8・中断について、コナミ君(仮)のやる気がない&相手もやる気がない場合にデュエルを任意で中断できる。今回はコナミ君(仮)が悪ふざけ的な要素もあったため中断が出来た。

特殊ルール9・ディスティニードローについて、神から別の転生者に対しての抑止力として与えられた能力。5回の回数制限を持つがそのターンのドローフェイズで1番欲しいカードを引く。元々、天性の引き運があったのだがこれにて確固たるものとなった。D-HERO関連のカードじゃないよ。

不備があれば逐一修正します。

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