初投稿ですので、試しにというわけではないのですが、pixiv小説と同時投稿させていただきます。
当カルデアのトップエースであるマタ・ハリちゃんでちょこちょこと……
初投稿ですので、試しにというわけではないのですが、pixiv小説と同時投稿させていただきます。
問題などございましたらご教授願えると幸いです。
パンッパンッパンッパンッ
閉鎖された室内に規則的な破裂音が響き、キンキンと甲高い反響音を響かせる。
音の主はスライドが後退したままの拳銃を操作し、テーブルの上に並べられた弾倉と入れ替えたかと思うと、再び破裂音を響かせた。
まるで楽器のように規則正しく響いていた銃声が鳴り止んだ時、拳銃は先ほどと同じく弾切れを示していた。
「凄いわ、お上手ね」
拳銃をテーブルの上に置き、ため息とともにイヤマフと呼ばれるヘッドホンのような耳あてを下ろした人物、カルデアのマスターは驚いたように振り返った。
「マタ・ハリ?」
「ええ、マスター」
マタ・ハリは小さく拍手をしながら近づくと、マスターのかけていた射撃用のゴーグルを外し、自らの腕にかけていたタオルを首に回した。
「随分と長い事篭っていたみたいよ。 耳は大丈夫かしら?」
そっとマスターの耳へと細く美しい指を這わせ、心配している。 とアピールするマタ・ハリに肩をすくめて見せてからマスターは首を振った。
「最悪、自分の身は守れないとね」
マタ・ハリは「そう」と頷くと耳から頬へと緩やかに滑らせるよう手を動かし、マスターの顔を固定するように両手で挟む。
「……マタ・ハリ?」
「はぁい?」
彼女のダンサーネーム。 マタ・ハリの示す通り優しく輝き、引き込まれるような瞳に導かれるように、マスターは瞳を閉じると、ゆっくりと抱き寄せて唇を重ねた。
永遠のように長く、どこまでも深い、蕩けるようなキスの合間、自然な動作で彼女の手は豊満な胸を押しつけるようにマスターの背後に回されーー『硬いもの』を握っていた。
「えっと、どこからだしたの?」
マスターが名残を惜しむように離した唇から困惑した声色を絞り出し、マタ・ハリが怪しく微笑んで返すと、片手でマスターを優しく後方へ押しやり、マスターが今まで立っていたポジションと器用に入れ替わり、パーテションで仕切られた射撃ブースに収まった。
「秘密。 それより見ていてね、マスター」
その手にいつの間にやら握られていたのは、独特のフォルムのドイツ帝国製の自動拳銃。
マタ・ハリは慣れた動作でトグルと呼ばれる装填装置を操作し、スッと右手で構え、表情を引き締める。
バンッ、バンッ、バンッ !
マスターが慌ててイヤマフをかぶったのを確認してから、マタ・ハリは10メートル先に設置された木製の人型の胴体の急所を続けざまに撃ち抜いた。
鋭い表情を崩さないまま、流れるように銃を左手に持ちかえ、同じく3発を今度は頭に撃ち込む。
最後に両手で構えて2発をより遠く、22メートルほど離れた目標の頭部に寸分の狂いもなく叩き込んだ。
「どうかしら?」
銃をマスターの拳銃の隣に置いて、あっけにとられたような表情のマスターに微笑みかける。
数秒前まで研ぎ澄まされたナイフのような目をしていた美女は、まるで魔法が解けたかのようにふわりと柔和な笑みを浮かべていた。
「いい、マスター?」
そっとイヤマフを外して首にかけさせると、両腕を腰に回し、マタ・ハリはマスターを再び射撃ブースへと引き寄せてから、そっと背後から手のひらを重ねた。
「そう、力を抜いて……上手」
背伸びをするようにマスターの耳元で囁くと、重ねていた手に力を込める。
「バンっ」
耳に息を吹きかけるように告げると、反動を表現するようにマスターの腕を引き上げ、踊るように脇の下を潜ってその腕の中へ飛び込んだ。
「ねぇ、マスター? どうだったかしら、貴方の銃の撃ち味?」
そう言ってマタ・ハリはねだるように再び首に腕を回し愛しい人の唇を引き寄せた。
マスターは求められるままに唇を重ねながら、ゆっくりと美女の身体に手を滑らせ、わざと官能的に乗せられた脂肪に隠された意外と筋肉質なダンサーの腰を持ち上げてテーブルの上に座らせる。
溶けるほど深くお互いの舌を絡ませながら、もともと透けそうなほど薄く肌触りのよいダンサーの衣装を持ち上げると、慈しむように双丘に指を這わせ……
「おや、どうしたんだい? 確か訓練の申請が来ていたと思ったけど」
今現在のカルデアを預かる長、レオナルド・ダ・ヴィンチはわざとらしく驚いたようなジェスチャーで、手持ち無沙汰にたむろするカルデアの警備担当者達を見回した。
「あぁ、それがー」
彼らの長である職員が肩をすくめて見せ、言葉を濁しながら射撃場の扉を暗に示す。
「なるほど、使用中かい? よしっ、なら予定を休憩にするとしようぜ。 全員装備をしまって食堂に集合したまえよ」
ダ・ヴィンチも納得したように頷くと職員らを促し、先頭に立って歩き出した。
「いやぁ、まったく若いと言うのは素晴らしい! とは言ってもそこらじゅうで盛られても困ってしまうけどねぇ」
真剣な顔でなにか一計を案じつつ、足早に去っていく天才の背中を見つめながら、職員達がやれやれと立ち上がる。
吹雪に閉ざされたカルデア。
その射撃場の扉はまだ当分固く閉ざされたままになりそうだった。
さて、うちのカルデアのエースであり、唯一の絆10サーヴァントであるマタ・ハリさんなのですが、彼女の記録は2~3年前からMI5がオンラインで一般公開しています。
それによるとWW1のさなか諜報員としての勧誘を受けて受け入れた際、ドイツ帝国のセクション3と呼ばれる諜報員養成施設である程度の軍事訓練を受けたそうです。
教官の評価は「それなりに優秀」であったそうですが、このSSに出てくるような近代CQBのようなことができたかは……
最後となりましたが、少々性的な描写があるのでR-15をタグ付けいたしましたが、大丈夫なのでしょうか、問題等ありましたらお教えください。