それはきっと始まりで 1
私は、魔力を持たずに生まれた。
私の両親は、この次元世界の安全を守る「時空管理局」のエリート魔術師だった。
多くの難事件を解決へと導いた、執務官の母「マギ」。
巨大な戦艦を操る父「バルド」。
私の将来の夢も、当然のように管理局の魔導師になっていた。
けれども、それは叶わぬ夢。
魔力資質が全く無い私は、「魔導師」にはなれない。
魔導師でなければ、あくまでも頭脳として管理局に入るのは可能だろう。
けれども、私がなりたいのは・・・。
ママやパパが見ていた教導用ビデオに映っていた女性・・・高町なのは一等空尉のような魔導師に、私はなりたい。
ミユ「ねえリア、本当にココやめるつもりなの?」
私の一番の親友であるミユちゃんが、帰りの支度をする私に話しかける。
ココ・・・エレクトロ魔法学院は、第一管理世界、通称ミッドチルダの中でも指折りの名門校だ。
ここの出身の魔導師は、誰もがトップクラスのエリートばかりだ。
リア「私はそのつもり・・・ここは私のような出来の悪い生徒がいるような場所じゃないよ・・・」
ミユ「それ、たった一つしかない特待生枠の生徒が言う台詞?」
リア「だって本当のことだもの・・・私なんかよりも、ミユが特待生になるべきだよ・・・と言っても、まだバルドさんにもマギさんにも話してはいないけどね」
ミユ「だから今日、言いに行くの?リアのところのパパとママに?」
ミユの「パパ」と「ママ」という言葉に反応してしまう。
いつからっだっただろうか、パパとママを「バルドさん」「マギさん」としか呼べなくなったのは?
ああ、あの時だ。
親戚のおばちゃんに「本当にあんたはあの二人の娘かい?」と、そう呼ばれたあの日からだ。
おばちゃんは「私の頭がいい」から、冗談でそう言ったそうだが、当時の私は「魔力が無いから」そう言われたのだと思い、一晩中泣いていた記憶がある。
ミユ「言っておくけど、先生もクラスのみんなもリアのこと一目置いているし、学校中の生徒達もリアのこと慕ってる・・・次期生徒会長として注目されてる・・・魔力が無いなんてつまらない理由で誰も見下してなんかいないし、見下せるはずがない。それに・・・私は、リアが学校辞めるのは、反対なんだから」
リア「ありがとう・・・でも」
私はバックを持って立ち上がる。
リア「私にとって、コレはつまらない理由じゃないから!」
ミユ「あ、待って!」
駆け出す私、後ろから私を呼ぶ声が聞こえてもなお走る。
私は・・・泣いていた。