所変わって、外にある訓練施設。
今回は飛行ではなく、地上戦を想定した外での模擬戦です。
市街地を想定しての訓練場・・・8年前のJS事件時のデータを元に再現されたフィールド、当時のミッドチルダ市街地・・・の、瓦礫の中に来ていました。
なのは「それでは、模擬戦を始めます。3、2、1、スタート!」
上空にいるなのはさんは、スタートの合図と共に、3つの光球を発生させる。
それを見た私は、とりあえず瓦礫の奥、とあるビルの中に逃げ込む。
今回は指定された時間を逃げ切ればいいし、砲撃でビルごと打ち抜くのも無しになっている。
レイがいない状態での魔力の使用は、まだ一度も試していない。
不安だ。
という訳で、とりあえず視界もさえぎれるし、障害物も多いこのビルならなんとか・・・あ、駄目っぽい。
なのは「しっかり避けるか防御してね!」
前から一つ、後ろにも一つ。
正確な光球の移動・・・直接私の姿を視認できなければ、ここまで正確なコントロールはできないはず。
なのに、なのはさんはまだ上空で待機している。
外から、建物の中にいる私を正確に狙っているのだ。
何故そんなことができるのか、理由はよくわからない。
ここにある全ての建物の内部構造を覚えているのか、あるいはどこかに監視カメラでも・・・?
と、そんなことを考えているうちに、前後の光球が襲ってくる。
だが、まだ速度は遅い上に、タイミングもバラバラで、わざと避けやすくしている。
リア「・・・!」
それを避けた時、レイジング・ハートと同系色の飛行ユニットが、窓の外からこちらを見ているのがわかった。
やはりそうだ、この飛行ユニットが監視カメラと同じ役割を果たしているのだ。
リア「どこか窓の無い部屋・・・」
そんなものは無かった。
最初、このビルを選んだ時に、既にその策は使用できなかったのだ。
いや、窓から見える範囲では、窓が無いような部屋は・・・あるいは全く壁が崩れていない部屋などなかった。
つまりは、このフィールドそのものが、隠れるという選択肢にあっていない場所なのだ。
おそらくは、ここがあくまでも魔法戦技による解決策を見つけさせるための場所であり、魔法を使用することを前提として設計された場所なのだろう。
リア「あ、しまった!」
また前後に光球が現れ、それが再び襲ってくる。
しかもその光球は、魔法を使用しなければ、確実にある一点に移動しなければ避けられないものであり、その目の前は・・・。
リア「だよね・・・」
光球。
魔法のガードがギリギリ間に合う距離。
リア「プロテクション!」
レイがいた時と同じように魔力を練る。
・・・だが。
リア「発動・・・しない?」
方法は何一つ間違ってはいない。
いつも通り、魔力を練り、魔法を形作る。
いつもできていた、さっきもできていた、その当たり前の行為。
けれども今回は、その魔力すら感じ取れていない。
まるで、レイに出会う前の時のように。
リア「あ・・・」
光球が、私の頭に直撃した。
ガードも、防壁も一切無しで直撃した魔力による一撃は、一瞬にして、私の意識を奪うのであった。