私、フェイト・T・ハラオウンは、新しく割り振られた自分のデスクで、はやてから渡されたその資料に目を通していた。
この新しい6課にて、新しく自分が指揮する部隊「ライトニング」。その人員の資料だ。
ライトニング1:フェイト・T・ハラオウン
ライトニング2:アリサ・バニングス
ライトニング3:高町ヴィヴィオ
そして...
ライトニング4:リア・アルバーナ
なのはに似た飛び方をする少女、なのはに渡るはずであったデバイスを持つ少女、天才の名を欲しいままにする少女...。
別の資料に目を向ける。
5年前、とある学会にてされた論文。
現在ではデバイスの主流となった5世代端末の機能、それまで魔力結合が不可能な状況下において魔力結合を可能とする技術の、その礎の一つとなった論文。
その共同研究者の中に、彼女の名があった。
リア・アルバーナ
幼少期から、彼女は数々の論文を発表し、名だたる研究者の一人として名を連ねていた。
もっとも古い論文は7年前、JS事件直後に発表されたものである。
その全ての論文が、私はおろか、その道に精通している者ではない限り、内容を理解できないものばかりであった。
そして、数々の記者が彼女の取材を試みている。
しかし、それでも開示されていない情報がいくつか存在していた。
その一つが、彼女の出生に関わるもの。
一般的に公開されている情報には、それらしきものは無かった。
だが、管理局の保有するデータベースの一角に、彼女に関するデータが存在した。
そもそも、一個人に対するデータなど、管理局でも把握しているはずがない。
だがしかし、彼女が発表した全ての論文、彼女が通ってきた学校のどの情報がびっしりと書かれていた。
一般には公開されていない情報を含めである。
そしてその奥、彼女の出生に関する情報にアクセスしようとするのだが、ここでエラーが発生した。
機密情報に触れようとしたのだ。
執務官の私ですらはじかれる機密情報、それも一個人に関する情報が機密情報になるなど、いままであったためしがない。
仕方なく、私はそこから情報に触れるのを諦め、はやてから直接渡された資料に目を向ける。
「人造魔導師製造計画」
という題名がつけられた資料、そこにあったのは、その昔、管理局が行った非人道的な研究の数々の記録と、その果てに完成した一つの「研究成果」。
「プロジェクトF」「戦闘機人」といった、クローン技術によって生み出されたソレとは違う、全くの別物。
ルーツの存在しない命。
DNAの情報から全て、人工的に造られた存在。
「ホムンクルス」
それが、リア・アルバーナの正体であった。