インフィニット・ネクサス   作:憲彦

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9を書いて10も書いて……そもそもここまで来たら総集編かと聞きたい。以前からずっと言ってるけど、これ総集編じゃないね。

まぁそんなことはブラックホールにでもブチ込んでおいて、読み終わったら感想お願いします!前回の総集編9のもよろしければお願いします!まぁ0時半過ぎに更新した自分が悪いんですけどね笑


再編集10

溝呂木にとっては久し振りに与えられた殺しの依頼。ターゲットはデュノア社の社員全員。データを見た限りでは1人として救える人間はいない。正真正銘地獄に落ちても問題のない人間ばかりだ。分かりやすく言えば、100回殺されても自業自得としか言えないヤツしかいない。依頼主であるデュノアからも特別誰かを助けてくれと言われたわけではない。

 

そして実行したのは2日後だ。何故この日を選んだか、それは社長夫婦が揃って会社におり、尚且つ社員も全員出勤する日だからだ。残しておいたら何をするか分からない。1つでもリスクとなる芽は残しておくわけにはいかない。それが溝呂木のやり方だ。

 

「……警備は手薄。監視カメラの映像を一応見てみたが、この会社には危機管理と言うものが全く無いのか?それとも警備用にISを2機配備しているからか」

 

現在溝呂木はデュノア社の電圧コントロール室。電気系統を破壊してから仕事を開始する様だ。本来なら町の変電所を破壊した方が速いが、それでは意味無く他の命までも奪ってしまう。それは主義に反する為、絶対に行わない。溝呂木からしてみれば、それは三流以外の素人のやり方だそうだ。

 

「さてと。始めるか」

 

用意したナイフでコードが集中している場所を切り裂く。その瞬間会社全体の電気が全て落ちてしまった。夜と言う事もあって、社内は真っ暗闇になり何も見えない。

 

「非常電源にすぐ切り替えろ!何をやっている!手の空いている者は原因を探れ!!」

 

誰かが大声で指示を周りに飛ばす。しかし、すぐにその声は消えてしまった。

 

「ん?ウォアッ……!」

 

「おい!どうした!?何がアッ!……」

 

周りから響いていた声が次々に消えていく。何かが鈍く光を反射し、その直後に生暖かい液体が周りに飛散する。そしてドサリと何かが床に倒れる音。これだけ耳や膚で感じれば分かる。襲撃されていると。

 

「ッ!?襲撃だぁぁぁぁあ!!!警備員!早くっ!」

 

「大声を出すな。死ぬのに苦痛を覚えるぞ」

 

「ヒィッ!?だ、誰かァァァァっ!!……」

 

「苦痛なき死は死神からのプレゼントだ。素直に受け取らないから死ぬことに恐怖し悶え苦しむ。来世では死ぬときに声を上げない事をお勧めするぞ」

 

使用しているものは銃ではない。ナイフだ。大型のサバイバルナイフ。それを使って1人1人確実に殺していく。気づけば1フロアが既に全滅していた。その直後に非常電源が動いたのか、電気が点き辺りが照らされる。しかしそこはいつもの様な白い床や壁で覆われた空間ではなく、真っ赤な血で濡れていた別の空間が広がっていた。そしてその中心に、死神を彷彿とさせる黒く丈の長いジャケットを羽織った男が1人立っていた。

 

「襲撃者発見!射殺しろ!!」

 

銃を構えた人間が複数溝呂木の襲った部屋に入ってきた。姿を確認するなりすぐに射殺の命令を下す。それを聞いた部下たちは引き金を引いて銃弾を溝呂木目掛けて一気に射出する。だが、

 

「いい判断だ。あと0.5秒速かったらな」

 

「ッ!?」

 

うるさいほどに響いていた銃声が鳴りやんだ。そして綺麗に首の動脈を斬られた死体がそこには転がっている。銃弾を全て避けた上で、警備員を斬殺したのだ。その後は速かった。事態に気付けていない一般社員たちを流れるように斬り殺し、一気に社長室まで向かっていく。

 

「止まれ!殺されたくッ!」

 

「人の前に立つな。死ぬぞ」

 

別の警備員らしき男が銃を構えて溝呂木の前に立つが、壁になることなく切り裂かれた。既に1階、2階、3階と上がってきているが、外に気付かれることなく溝呂木は目標を殺していった。そして社長室も目前になってきたとき、ISスーツをきた女が2人出てきた。腕には待機状態にしているラファールらしきものがある。

 

「あれが襲撃者?1人なんていい度胸ね」

 

「ISがあるのを知らないのかしら?」

 

「「死になさい!」」

 

ISを展開して溝呂木を迎え撃とうとする。しかし何故かISが展開されなかった。それどころか目の前に居たはずの溝呂木の姿もない。

 

「お喋りが長いぞ。腕の1つや2つ、簡単に落とせた」

 

そう。ISは展開できなかったのではない。そもそも展開する直前に体から離れていたのだ。体から離れていたら、展開も何もできるはずがない。

 

「ウワァァァァア!!!」

 

「う、腕がぁぁぁ!私の腕がぁぁぁ!?」

 

「抵抗しなければ、苦痛は無かっただろうな」

 

「「ッ!?」」

 

溝呂木のその言葉を最後に、ISを持っていた2人の意識は闇の中へと落ちていった。

 

「くっ!一体どこの誰だ!私の会社を無茶苦茶にしおって!責任をとって貰わなくては気がすまん!」

 

「全くね。こんなバカな事をやるなんて。一体どこの人間よ」

 

社長室では夫婦揃って襲撃者に対しての文句を言っていた。しかし、誰が襲っているのかまでは気付いていない。更に言えば、自分達のすぐ後ろに居ると言うことにも。

 

「お初にお目にかかります。デュノア社社長、そして社長夫人」

 

「ッ!?誰だ!」

 

「おや?誰とは?あなた方は既に知っている筈ですがね。死神の名を」

 

「ッ!?み、溝呂木……信也……何故、ここに」

 

「な~に。お前ら2人の招待に応じただけですよ。……少し明るいようですので、電気は消させて貰いますよ」

 

電気のスイッチがある場所まで歩いて移動する。2人には無防備に背中を見せているが、溝呂木は全く警戒する様子を見せない。そしてデュノア社長はこれを好機と見たのか、自分のデスクまで移動。そして隠してある拳銃を手に取り、溝呂木に照準を合わせる。

 

「おっと、その銃は使わない方が良い。腕が吹っ飛びますよ」

 

「ふん!そんなハッタリに乗るか!」

 

「オートマチック拳銃の構造は熟知してるんでね。何をすれば簡単に腕を吹っ飛ばす細工になるのかはよく知っている。リボルバーにすれば良かったものを……撃ちたければどうぞ。ただし腕は無くなりますけど」

 

その言葉に嘘偽りはない。そう感じて、拳銃を床に捨てた。そして溝呂木から距離を取るようにして部屋の隅に移動していく。

 

「目的はなんだ!お前の目的はなんなんだ!」

 

「目的?殺し屋がここに来る目的なんて1つしか無いだろ?ある人から依頼されてな。この会社を潰しにきた。せめてもの慈悲として、苦痛なき死をプレゼントしたいところだが、俺に対する無礼の数々。そんなお前らに慈悲をくれてやるのは勿体ないな……」

 

酷く冷たく低い声。しかも言葉1つ1つに確かな殺意が籠っている。どの道、目を付けられた段階で生きていける可能性は殆んど0。目の前にいる絶対的な死に、2人は震えるしかなかった。

 

「ま、待ってくれ。私たちが一体何をした?悪いが私には一才覚えが無いんだ。な!教えてくれないか?!」

 

「ほう。俺をデュノア社の傀儡にするために動いていたと言うのに、覚えが無いか。どこで手に入れたかも分からない写真と、写真に写ってる死神になるための道具。これを奪わせておいて知らないのはおかしいだろ」

 

「ッ!?わ、分かった。騙そうとして悪かった。わ、詫びにと言ってはなんだが、む、娘をやろう。どうせアイツはIS適性が高い以外価値のない女だ!す、好きに使ってもらって構わない!だ、だから私達を見逃してくれ!ほ、他にも金が欲しいと言うなら望むだけ出そう!だ、だから助けてくれ!!」

 

「はぁ……お前、今まで食ってきた物を覚えてるか?」

 

「は?」

 

「使った金の額は?買った高級品の数は?外食に行った回数は?」

 

「な、何を言っているんだ!?」

 

「今まで浮気してきた女の人数は?中絶させた回数は?殺してきた女と子供の人数は?」

 

「そ、それは……」

 

「夫人。お前もだ。お前は覚えているか?」

 

「そ、そんなの覚えてないわよ!あ、貴方はまず私を解放しなさい!男の癖に、女である私にこんなことして良いと思ってるの?!貴方に私を殺す権利があると、本気で思ってるの?!」

 

この返答は最悪手。これ以上になく溝呂木を不快にさせる言葉だ。元々死ぬのは決定していたが、より苦痛のある死へと変更された。

 

「それがお前たちの答えか。ハハハ、教えてやるよ。俺がお前らを殺すのは、何気ない日常の動作の1つでしかない。お前らが食事をし、買い物をし、女を、男を抱き、そしてそれを繰り返す。それと同じさ。権利?聞く必要があると思うか?俺がやっているのは、お前らと同じ自然の摂理にそった動きだ。弱者は強者に食われる。お前たちが1番知っている事だろ」

 

この時、社長夫婦は悟った。目の前の男は、決して自分達が傀儡にできるような存在ではないと言うことに。そして、如何なる交渉も無駄で死と言うものに揺ぎがないと言うことに。

 

「お前らの命はここで終わりだ。その薄汚い存在を!この世界から抹消してやる!」

 

懐からダークエボルバーを抜き取り、両サイドに引き伸ばす。その瞬間、溝呂木は闇に包まれて社長室から消える。2人は安心したように息を吐いたが、窓を見た瞬間絶望と恐怖に顔が歪んだ。

 

「あぁ……」

 

黒い目が自分達を覗き込む。その目には自分達のしてきた事が映し出され、そして苦しめてきた人間の声が聞こえてくるような錯覚を覚えさせる程に暗かった。その中には、一筋の希望もありはしない。




うん。短いけどここまで。溝呂木がどのようにデュノア社を落としたかを書きたかったので、これにて終了とします。次回以降もよろしくお願いします!

あ、総集編ですけど、再編集版に名前を変更しますね。
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