インフィニット・ネクサス   作:憲彦

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何の変鉄もないただの授業風景です。


1組の授業

昨日の夜。一夏はアリーナでメフィストと戦った。なんとかダメージを与えることは出来たが、結果は惨敗。体に負ったダメージの影響で、変身が解除されると気を失ってしまった。後少しで、溝呂木に取り込まれるところだったが、巡回の教師が来たことで命拾いした。そして今、彼は保健室にいる。

 

「一夏。何故消灯時間を過ぎたにも関わらず、部屋を出てアリーナに居た?その傷はなんだ?」

 

「いや~。最近夢遊病が酷くてね。朝起きたら変なところに居るなんてしょっちゅうだよ。傷はどっかから落ちたんじゃないかな?」

 

考えていた嘘だ。思い付きで言ったわけではないので、スムーズに伝えることが出来た。夢遊病かどうかは、千冬は見たことがないので、嘘と決めつけることは出来ない。怪我も夢遊病で意識の無いときに負った物と言われれば、そうだと納得できる。一夏の答えに、千冬は深く聞くのを止めた。何度聞いても同じ答えが来ると分かっているからだ。

 

「さ~てと、朝ごはん食べに行こ~っと」

 

「あ、おい!怪我が治ってないんだぞ!」

 

「んあ?もう大丈夫だぉ」

 

そう言うと、腕や頭に巻かれている包帯や、絆創膏を剥がした。傷の中には深いものもあり、すぐに治る物ではない。しかし、一夏の言うように傷が治っていた。それだけではない。完全に消えていたのだ。

 

「本当に傷が無い……大丈夫なのか?」

 

「もう。心配しすぎだって。見ての通り、僕は大丈夫だよ」

 

それを言うと、医務室から出ていき食堂に向かった。

 

「一体……どうなってるんだ?」

 

不可解な事ではあるが、いつまで悩んでいても仕方無い。千冬も朝食をとりに行った。そして、いつも通りにSHRを始めた。1組では、何故か2つほど席が空いていた。この前、オルコットの発言に乗っかり、女尊男卑に染まっていることが判明した生徒の席だ。

 

「では、SHRを始める。連絡は、このクラスの生徒全員に関係することではないが、この前、女尊男卑と判明した生徒は、1週間の自室謹慎処分となった」

 

何故今なのかと言うと、一夏とオルコットの試合があったからだ。本来なら、判明した直後に決定する物だが、試合の結果を見てからと言う事になったのだ。学園長は退学させるつもりで居たがな。学園入学の第1条件「女尊男卑ではない」が満たせていないからだ。しかし、1年生と言うことで、考えが改まる可能性もあるとして、1週間の自室謹慎処分が下った。

 

「この場で言うのは不適切かもしれないが、あえて全員に伝えておく。次にオルコット」

 

「はい……」

 

「お前には学園からではなく、イギリスから処分が下った。非常事態を除く4週間のIS搭乗禁止処分だ。織斑に感謝するんだな。アイツが私達を説得しなかったら、お前は本国に強制送還。代表候補生の資格と専用機の剥奪。イギリスは国際的な立場が弱くなる。そして格子付きの部屋で一生暮らす所だったぞ」

 

「はい……先日の非礼。この場でお詫び申し上げます」

 

「では、1時間目はISの実習だ。着替えてグラウンドに集合するように」

 

これがまた意外と時間がかかる。規模の大きい学園だから仕方無いが、グラウンドに行くだけでも休み時間がほとんど持っていかれる。その為、今回の様に1時間目に実習がある前は、SHRを切り上げることが良くある。

 

あぁ、因みに自室謹慎処分になった生徒だが、授業に遅れがでないように、毎日補修担当の西村先生が来る。今回の生徒にいたっては、道徳の授業を中心的に行うそうだ。そしてこの人の教育を受けた人は、趣味が勉強、尊敬する人は二宮金次郎と言う理想的な生徒へと変わっている。中にはげっそりして帰ってくる生徒も居るがな。補修と言うより洗脳に近い。

 

「では、これよりISでの飛行実習を行う。織斑、白式頼む」

 

「ふぁ~い!」

 

『かしまりました』

 

みんなの前に出ると、白式を展開した。すると機体が突然光りだし、白式の姿が変わった。突然の現象に、1組の生徒や先生2人も驚いている。

 

「んあ?みんなどうしたの?」

 

『マスター。おめでとうございます。無事第1次形体移行が出来ました』

 

「え?本当!?やったー!!」

 

乗っていた本人ですら気付かなかったようだ。白式に言われて気付き、スゴく喜んでいるが、千冬と真耶は何故このタイミングなのを不思議がっている。

 

「何故このタイミングなのか聞きたいが……まぁ良い。2人とも飛んでみてくれ」

 

千冬に言われると、とんでもないスピードで飛び出した。第1次形体移行でスペックが底上げされている。しかし、スピードと機動力に関しては底上げどころの話では無かった。恐らく、現存するISの中では最速だと思われる。

 

『マスター。第1次形体移行で全スペックが上がっています』

 

「スピードもっと出る?」

 

『はい。まだまだ加速できます』

 

「よし!最大のスピードで行こう!!」

 

『了解!』

 

一夏が白式に命じると、更にスピードが上がった。機動力も高くなっているので、急に直角に曲がったり急停止したりと、変則的な動きをしている。

 

「どうなってるんだ……?」

 

「織斑くん、本当に初心者ですよね?」

 

「本当にあれが第1次形体移行の性能なのかも怪しい……」

 

「ウオオォワァァ!!速~い!!!」

 

普通なら、無言になったり怖がったりするスピードなのだが、一夏はそれを楽しんでいる。かなり珍しい反応だと思われる。

 

「それにしても速いですね~。まるで流星の様ですね」

 

太陽に反射して銀色に輝き、とんでもないスピードで飛んでいる白式を見て、流星の様に見えたのだろう。

 

「よし。織斑!急降下と急停止だ。目標は地上から10センチ!やってみろ!」

 

「了解!」

 

『マスター。停止の位置は私が指示します』

 

「なら安心してスピードが出せるね。思いっきり行くよ!」

 

『流れ星にならないようにお気をつけください』

 

白式の忠告を頭にいれながら、全力で下り始めた。言葉通りに全速力だ。見ている者は全員ハラハラしている。

 

『今です!』

 

白式の指示で、上手く急停止をかけることが出来た。計算してくれていた様で、ピッタリ10センチで停まることが出来た。

 

「織斑、ヒヤヒヤするから、全速力は辞めてくれ。わりと本気で」

 

この日、一夏は千冬に「白式を使った全速力での急降下禁止命令」が下された。結構限定的だな。




織斑千冬

一夏の姉。初代ブリュンヒルデで現在も世界最強と言われている。一夏が誘拐されたことを境に、国家代表を降りて、教員免許取得後にIS学園の教師として就職。一夏誘拐の時のドイツ軍への借りを返すために、1年間教官としてドイツに留まる。原作よりも年齢相応の冷静さ等を身に付けているが、一夏があんな風になってしまい、少し心配性になっている。が、常識はずれの行動はしない。
束のメールを読んで、ある程度ではあるが状況を把握。束以外に可能な人物や組織を調べている。

次回もお楽しみに!感想と評価もついでによろしくお願いします!!
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