リリカルなのは ANOTHER LOCUS   作:ウルフ中隊

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今回はちょっと足踏みです。


INTERLUDE 1

 そろそろこのアジトも離れないと。

 数ヶ月滞在していたこの世界は中々居心地がよかった。ドクターの研究に邪魔が入ることもなく、自身が行う手回しなどもほとんどないおかげでドクターの研究の補助ができた。しかしここ最近、この世界に魔力反応がちょくちょくうろつくようになっている。時空管理局に潜入している妹に問い合わせたところ、どうやら時空管理局ミッドチルダ地上本部の部隊が嗅ぎつけたのか、動きを見せているという。

 

「さすがに厄介ね」

 

 最高評議会にはすでに伝えているとのことだったが、動きは遅い。レジアスに止めさせるとのことだったが、『止めさせる』という返事をするということは、その部隊の動きを知らなかったということ。ということは、その部隊がレジアスさえ知らないうちに動いていたということだ。

 

「どうしたの、お姉様?」

 

 そばで計器を弄っていた別の妹が独り言に反応して声をかけてきた。空間モニターのキーボードを、こちらを見ながらも止めることなく、まるでピアノでも弾くように打ち続けつつ。興味があるとそちらにすべて意識を向けるので、おそらくは大して関心はないのだろう。そのあたりが、この妹はドクターに一番似ていると思う所以だ。

 

「ミッド地上の首都防衛隊がこの場所を嗅ぎつけた可能性があるわ」

「あら、そうですか」

 

 素っ気ない返事。やはり興味がないらしい。欠片ほどの関心も今のやり取りで完全に失くしたらしく、顔を戻して計器に再び向き合ってしまった。

 

「また移動ですかね~。面倒くさい。トーレ姉様とチンクに迎撃させればよろしいのではなくて? 戦いたがってますし」

「戦ってどうするの。相手を全滅させても生きて返しても、ここにドクターがいることを喧伝するようなものでしょう」

 

 場所がバレた時点で駄目なのだ。少しでもドクターの影がちらつけば、今の時空管理局は必ず動いて大規模で徹底的な捜査を行う。そうでなくても首都防衛隊のストライカーが率いる部隊を迎撃すれば、結果が勝利だろうが敗北だろうが時空管理局は捜査を行うことになるだろう。

 

「脳みそたちは何をしてるんですか。伝説とやらの爺様婆様たちのことを『世界も人も動かせない』とか何とか言っておきながら、自分たちこそ満足に動かせも止めもできてないし。やっぱり脳みそだけ残しても劣化していくだけなんですかね~」

「その伝説の3人が原因よ。最高評議会の真実に気付き始めたか、警戒が増しているようね」

「あら、そうなんですの。老いて閑職に飛ばされて、もうお飾りでしかないとばかり」

「クアットロ。貴女のすぐ油断するところは悪い癖よ。前から言っている通り、早めに直しなさい」

「はいはい。申し訳ありませ~ん」

 

 レオーネ・フィリス法務顧問相談役。

 ラルゴ・キール武装隊栄誉元帥。

 ミゼット・クローベル統合幕僚長。

 公開意見陳述会などで姿を見る3人は、肩を並べて一見のほほんとしている。が、その実は裏で着々と味方を作り、一大勢力を築き上げている。

 最高評議会は基本的に時空管理局の運営に口を出さないが、それはあくまで表向き。裏では自らの手足となっている者たちを動かしており、3提督のことを邪魔な存在として閑職に追い込んだり、それでも諦めない3提督に対してその権限を少しずつ削ぎ落とすなど、権謀術数に余念がない。テロなどに対応するため臨時に編成される特務隊についても、設置できる権限は本来が統合幕僚長、つまりミゼットの権利なのだが、それを本局局長や地上本部長に臨時に認めるなんて特例措置を出しているように。

 だがそうすればするほど、3提督は最高評議会への疑念を強めており、ちょっとした動きさえも見逃さないよう時空管理局内外に情報網を張り巡らせている。もしかすると首都防衛隊のこの動きもすでに関知しているかもしれない。

 

 

 

「いやいや。わざわざ来てくれるお客人をお迎えしないのは失礼というものだよ、ウーノ」

 

 

 

 すると、スライド式の自動扉が開いて、部屋に1人の男が入ってくる。

 ウーノはすぐに作業の手を止めて彼に向き直る。クアットロもそれまでの興味の薄さなど嘘のように、彼が来たというだけで関心の全てを彼に向けて笑顔さえ浮かべるではないか。

 

「ドクター、しかし……」

「さすがドクター! やっぱりそうですよね~!」

 

 クアットロが彼――ウーノたちからはドクターと呼ばれる男、ジェイル・スカリエッティの腕に飛びつく。その変わり様にウーノは頭を押さえた。この変わり身の早さには、ドゥーエもトーレもチンクも呆れている。ジェイルとてそれは知っているが、別段彼はそんなクアットロを怒ることも避けることもない。いつものことと言わんばかりのすまし顔で受け入れ、そのままウーノのそばへと歩いてくるのみ。

 

「……向かってくる者たちに興味がおありなのでしょうか?」

「さすがウーノだ」

 

 すまし顔はすまし顔なのだ。だが面白いものを見つけたと言わんばかりに爛々と輝くその金色の目はまったくすましてなどいない。ジェイルはそのままウーノが使っていた端末を手早く操作し、画像を空間モニターに表示させる。それは今話題にしていた、首都防衛隊のストライカーとその部下だ。

 

「局から回してもらっていた遺伝子情報を解析した結果、このゼスト・グランガイツとメガーヌ・アルピーノにはレリック兵器の素体になれる可能性があることがわかったのだよ」

「ホントですの!?」

「ああ、本当だとも。ならばわかるね、ウーノ、クアットロ?」

「承知いたしました。トーレとチンクに迎撃を指示します。他の者はすべて抹殺でよろしいかと存じますが、この2人の捕獲について生死のほどは如何いたしましょう?」

「どちらでもいいよ。すぐその場で処置を行う。処置が済み次第、この施設を放棄して移動だ」

「うふふふふふふふ。来ましたわ、鴨がネギを背負ってきましたわ~。うふふふふふふふ」

 

 人としては壊れていると称すべきなのだろう。クアットロの気味が悪い様子は無視してジェイルに軽く頭を下げる。人としての倫理観や常識などは通じない。それはウーノも他の姉妹も同様である。元より、人ではないのだから。

 それにしても、とウーノは表示された2人を今一度見る。

 

「面白い偶然もあったものだね」

 

 するとジェイルも2人の画像を見つめながら呟いた。

 すでにクアットロは妹たちに迎え撃つ準備を指示し始めており、その手順や注意事項を伝えている。映像の先ではトーレとチンクが久しく来た実戦の機会、それも腕のあるストライカーたちとあって気を引き締めると同時に、隠せぬ高揚を見せていた。

 そんな彼女たちを尻目に、ウーノはジェイルが自分と同じ感想を抱いたと知り、頷きを返す。横合いから端末を操作し、もう1人の画像を追加して。

 

「クイント・ナカジマには戦闘機人の素体となる才能が。そしてゼスト・グランガイツとメガーヌ・アルピーノにはレリック兵器としての。その3人が揃って同隊に所属しているなんて、どのような要素が絡めばこんな偶然が出来上がるのか」

「フフ。こういうときは神にでも感謝すればいいのだろうか。いや、ここは聖王陛下に、かな?」

「生憎と聖王教の信者ではありませんし、何より私たちのやっていることは聖王陛下への不敬ですが」

「はっはっは! 違いないね!」

 

 タイプ・ゼロとジェイルやウーノたちが呼ぶ2人の戦闘機人は、クイントの遺伝子情報を基にした素体で生み出され、機械と融合させている。現在は当のクイントが引き取って子として育てているらしい。時折内密にメディカルチェックを行っており、そのデータは最高評議会とドゥーエを通してジェイルたちの下に届いている。

 

「タイプ・ゼロについてはこのままでよろしいのですか?」

「まあ、私の理論が使われた技術で作られたとは言え、他者が作製したわけだしねえ。構わないさ。人の世で人と変わらぬ暮らしをした場合のいいデータだ」

 

 ドゥーエも人の社会の中で過ごしているが、あくまで隠密としてだから、普通の人の日常とはかけ離れている。ジェイルの命令もなく生きている戦闘機人のデータは、タイプ・ゼロの2人しか集められない。それはそれで貴重なものだ。

 それに。

 取り返そうと思えばいつでもできる。

 だからこそ、ウーノも特にジェイルに反論するようなことはなかった。

 

「それでドクター。聖王の器の方は如何でしょう?」

 

 今現在、ジェイルが最優先で取り組んでいる課題の方が気になった。実はジェイルの姿を見るのは2日ぶりなのだ。緊急時以外は呼ばないでほしいと言われていたので、食事など最低限のこと以外は一切話しかけもできなかったし、研究室に立ち入ることもできなかったのだ。

 

「聖骸布からの遺伝子読み取りはできているが、構築がこれまた難航しているよ。いやはや、取り組み甲斐があるね」

 

 聖遺物盗難事件として世に知られた聖王教会の前代未聞の大事件。問題となった聖骸布は、まさにこの研究所内に厳重保管されている。

 聖骸布に付着した聖王の遺伝子から、記憶転写型クローン技術を用いてクローニングしているところだ。この2年、クローニングを続けているがなかなか成功しない。聖王の遺伝子が自らの複製を作られることに反発しているかのようで。常人ならば聖王の呪いだとでも言いそうなものだが、生憎とそんな『つまらない』ものに振り回されるジェイルやウーノではない。

 だが2年で進展もあった。時空管理局から得たある人物のデータが役立ったのだ。

 フェイト・テスタロッサのデータが。

 そしてもう1つ。別の犯罪組織から得たデータも。

 

「フェイト・テスタロッサ。エリオ・モンディアル。ともに我がプロジェクトFの落とし子。彼らもそうだが、プレシア・テスタロッサ女史にも感謝しなくてはいけないな」

「ドクターでしたら、独自に完成させることもできたでしょう」

「それはそうだが、手間を省いてくれたのだ。彼女には感謝しなければならない。彼女が私の基礎理論を応用して研究をしていたのは知っていたが、それを完成させたのだからね。おかげで戦闘機人の研究に必要な人造魔導師について、今一度研究せねばならなかったところを、彼女が完成させた理論を使うだけで済んだのだ」

 

 ウーノが推測するところはおおよそ2年くらい。そのくらいあれば、ジェイルは基礎理論からプロジェクトFを完成させたことだろう。プレシアも天才ではあるが、ジェイルには及ばない。そうウーノは結論付けていた。ただジェイルが感謝しなければならないと言うから感謝はしておく。

 ジェイルは静かに目を閉じて胸に手を置く。プレシアに黙祷を捧げているらしい。死者といっても、正確には生死不明のなのだが、実質的に死んだと見なされている以上、黙祷を捧げるで正しいのだろう。ジェイルがこうする以上、プレシアはジェイルにとってそうするだけの価値ある人物と見做されているようだ。

 

「ところでウーノ」

「はい。何でしょう、ドクター?」

「気まぐれとは言え、ジュエルシードの情報を教えるよう指示したのは私だが、輸送船を攻撃した者についてはまだ何もわからないのかい?」

「はい。時空管理局からは何も情報を得られておりません。特に重要な案件でもないと判断しましたので、それ以上の調査はしておりませんが……調査の要がありますか?」

「そうだね。暇があればで構わない。調べておいてくれるかね?」

 

 ジュエルシードの情報をプレシアに教えるよう指示したのはジェイルだった。ジェイルとしてはプレシアへの謝礼代わりだったのかもしれない。基礎理論を独自に完成させ、人造魔導師の研究の手間を省いてくれたことへの。

 だが、ジュエルシードを輸送していた次元航行船への攻撃は命じていない。あくまでジュエルシードのことと、現在の在り処を教えたに過ぎない。

 

「承知いたしました。ただよろしければお教え願えませんか?」

 

 いったい何が気になっているのか。それがわかれば調査するにも方向性が具体的になる。ウーノ自身の判断としては相変わらずそれほど優先度は高くなかったが、合理的な観点から理由を求めた。

 

「なに。ジュエルシードも闇の書もあの世界に行き着いたわけだが、あんな一級のロストロギアがわずか1年の間に2度も同じ世界、同じ惑星、そして同じ地域に落着ないし転移してきた。これは果たして偶然なのだろうか――そんなふうに思ってね」

「確かに。指摘されてみると偶然とは思えないものがありますね」

 

 闇の書については無差別転移の結果としての偶然の産物と言えるかもしれない。

 だがジュエルシードは違う。

 輸送船が攻撃されたわけだから、その攻撃は偶然でも何でもない。狙って輸送船を攻撃したのだ。そこには意図がある。

 仮にその第三者の意図が介在するとして。その第三者はその後、一切の手出しをしてこなかった。P・T事件を傍観していたということになる。ジュエルシードが目的ならば介入したろうし、回収された今も狙っている可能性がある。だがそうではないとしたら、いったい何が目的だったのか。

 いろんな推測は立つが、あくまで推測。単にジュエルシードが散らばってプレシアやフェイトが介入したことで面倒になったので手を引いただけの可能性もある。

 

「そうそう。あと4点ほどご報告しておくことが」

「ずいぶんと多いね?」

「ドクターが籠もりきりでしたので」

「それもそうだ。すまなかったね。それで?」

「ゆりかごについてですが」

「見つかったかね?」

「いえ、残念ながらまだ。ドゥーエが続けて最高評議会から聞き出すべく動いていますが、なかなか」

「まあ、彼らにとって切り札だろうからね。そう易々と口にはしないだろう」

 

 聖王のゆりかご。かつてベルカ聖王家が保有した戦略兵器。アルハザードの遺産とも言われ、聖王だけが動かすことのできたとされる戦船。

 聖王のクローンを求めるのはこれのためだ。

 歴史上では幾度も物語や史書の中に出てくるのだが、実際に確認されたことはない。多くの発掘家や探検家、歴史家に考古学者たちが探し求めているものの、発見には至っていないし、存在しないという説も根強い。

 が、その実はすでに最高評議会が保有して隠蔽しているのである。聖王のクローンを求められればジェイルたちがそれを察することができるのも当然の成り行きだ。

 とにもかくにも、バレては元も子もない。ジェイルが聖王のゆりかごを欲していることは知られてはならない。ジェイルは研究開発にしか興味がない。そういうふうに思わせておかなければ。だからジェイルは、ドゥーエに事を急かないように改めてウーノから伝えておくよう指示する。

 

「次に、フェイクの施設がまた1つ落とされました」

「どこの連中の仕業だい?」

「……おそらく『フッケバイン』かと」

「目的はわかるかね?」

「生憎と。特に何かを盗っていったわけでもないようです」

「ふ~む。配備していた機械兵器は?」

「すべて破壊されておりました。所属の戦闘要員も研究者も例外なくいつも通り皆殺しです」

「レーザーは効いたかね?」

「当たりはしましたが、基本的に避けていましたし、効きはしますね。ただすぐに再生するのですが」

「魔法が無効化できても質量兵器が通じることは立証できたわけだ。ふむ……あとは我が戦闘機人の魔法とISが通じるのかどうかと、如何にして再生能力を抑えるかだが、これについては実際に戦わせてみないことにはわからんね」

 

 すでにジェイルは対『エクリプスウイルス』を見越した研究開発も同時並行で進めており、最も力を注ぐ戦闘機人研究には当然ながらそれを反映させている。

 ただどうしても情報が少ない。時空管理局も『エクリプスウイルス』の解析は進めているが、ジェイルに分からないものを時空管理局の技術部にわかるはずもない。だから時空管理局に求めるのは、実際に『エクリプスウイルス』に感染した者との戦闘の詳細だ。ただ感染してしまうと殺人衝動にかられるのか、正気を失っているのか、全員が殺されてしまう。生存者がいないので話を聞くこともできない。

 

「連中は何の目的で私たちを狙うのだろうね?」

 

 実は『フッケバイン』によると見られる施設殲滅は今回だけではない。明らかに狙っているかのように何回か続いているのだ。

 『フッケバイン』は『エクリプスウイルス』に感染した者たちだけで構成されている。その構成員数は不明。移動手段や本拠地などもわかっていない。ただリーダーらしき人物がいて、感染者にしては珍しく正気を保っていて、統制がとれた動きを見せている。『世界を殺す猛毒』を合言葉のように使用しているらしい。

 

「独自の目的を持っているかはわかりません。とりあえず犯罪組織などの間では、金さえ詰めばどんな犯罪行為だろうとやってくれると広まっております」

「『世界を殺す猛毒』を謳いながら、稼業としてのみ動くということはないだろう。何らかの独自の目的があり、そのための資金稼ぎか、世界を震撼させる悪名の喧伝か……そんなところかと思うがね」

「確かに、広域次元犯罪者として高名なドクターを狙えば、悪名は高まるでしょうね」

「私としても『エクリプスウイルス』には興味がある。魔力の結合を阻害するだけのAMFとは違い、魔力そのものを断ち切り無効化することができる。できればそれを戦闘機人に組み込みたいのでね」

「空気感染や傷口からの接触感染、血液などによる体液感染でもないようですので、戦闘を行っても感染することはないと思われますが」

「100%そうではないとも言い切れないか」

「接触した対象がすべて殺されておりますので」

 

 すでに何度か『エクリプスウイルス』に感染したとみられる者たちが起こした事件の現場にトーレたちを派遣している。だがめぼしい発見はなく、死体を調べても感染した跡もない。感染が確認された範囲も次元世界全体に広がっているが、感染が広がっていく理由もわからない。普通のウイルスとは何もかもが違う。

 

「3つ目は今のことに関することでもありますが、エクリプスウイルスについてなかなか興味深い情報が得られました。こちらをご覧ください」

「どれどれ…………ふむ…………ほう」

 

 ウーノは端末を操作し、ジェイルの前に空間モニターを表示させる。ジェイルはそれを見下ろしていたが、ややあって顔を近づけ、顎に手をやりながら興味深そうにじっくりと読んでいく。

 

「いやいやいやいや、これは素晴らしい。ウーノ、これはいったいどこから得た情報だね?」

 

 ウーノも驚いたのだが、ジェイルもこの情報には驚いたらしい。彼が目を丸くするというのもなかなかないことだ。ウーノはそんな稀なジェイルの顔を見せてくれることになったこの情報の提供者に礼を言いたくなった。もちろん、提供者はジェイルやウーノに対して情報を提供したわけではないので、知ったところで不本意に顔を歪めることだろうけれど。

 

「無限書庫とのことです」

「ほう」

 

 無限書庫と聞いて、ジェイルは面白そうに笑った。

 外部の人間が無限書庫と聞いても何のことかわからない。そのくらい、外部には無限書庫など知られていない。内部でさえ無限書庫と聞いても首を傾げられ、物置と聞いて理解されるくらいの部署なのだから当然と言えば当然だろう。

 しかしジェイルは違った。

 

「やはり無限書庫は知識の宝庫だね。無限の欲望たる私からすれば、無限の知識が埋もれるこの場所は堪らない場所だが、時空管理局の内外問わず、それがわかっていない。情報の重要性を理解しない者たちはまったくを以って愚かだ。情報を軽視した結果がこれまでどういうものだったか、過去に学ぼうともしない。いや、慣れとは怖いものだね。私たちはこうなってはいけない」

「だからこそ、ドクターは第一の戦闘機人として私を、そしてさらにクアットロをお生みになられました」

「その通りだよ」

 

 ジェイル・スカリエッティが生み出し、現在稼働している戦闘機人は5名。ウーノ・ドゥーエ・トーレ・クアットロ・チンク。そのうち、戦闘機人と呼称されながら、実際に戦闘を主任務とする機人はトーレとチンクだけ。ドゥーエも戦闘はできるが、正面切って打ち合うタイプではなく、あくまで暗殺や隠密工作が主任務なので、戦闘は二の次。そしてウーノとクアットロに至っては戦闘はむしろ考慮の外に置いていた。

 そう、ジェイルは実際に武器を打ち合って戦う戦闘よりも、情報戦を行うという意味での『戦闘』を重視していた。もちろん、これ以後は本来の戦いを想定した戦闘機人を量産していくが、実際の戦闘の前に情報戦があるというスタンスは崩さない。

 

「エクリプスウイルスを違法研究開発の一環として報告している。医療部ではなく、技術部に。つまりこの報告者は、エクリプスウイルスを『生物兵器』の類と見做している。もちろん通常のウイルス疾患という観点でも捉えているがね。ロストロギアの可能性も含め、医療・兵器・生物・魔法と多面的な物の見方を忘れていないその姿勢、素晴らしいね。いやいや、凝り固まった管理局にこんな柔軟な考え方ができる者がいるとは驚きだね。ウーノ、この報告者はいったい誰なんだい?」

「無限書庫の司書でユーノ・スクライアというそうです」

「ふむ。どこかで聞いた憶えがあるな……にしても『スクライア』か」

「はい。スクライア一族で間違いはないようです」

「過去の探究者。発掘家……確かに、無限書庫は情報が埋もれた遺跡のようなものだ。ここで情報を得ようと思えば、情報『収集』というより、情報『発掘』と言った方が適当だね」

「加えて、情報を的確に整理し、まとめる情報担当官としての資質も必要かと」

「ユーノ・スクライア。憶えておこうじゃないか」

「子供のようですが」

「それは関係ないよ。むしろこれほどの報告書を上げることができてまだ子供ならば、これで成長したときが楽しみじゃないかね」

 

 ところで、とジェイルは続けた。

 無限書庫はかつて幾度かくらいは時空管理局も利用を試みていた。探せば見つからないものはないとされるくらいなのだから、何とか情報を得ようと藁をもすがる思いで。だが結局、欲しい情報を探すために少なくとも数ヶ月から半年、長いと年単位が必要で、しかも1つの情報を探すのに大規模な探索チームまで組まねばならず、過去には深部に潜って行ったきり戻って来ないという事件も起きている。

 発掘家であり、情報官であり、さらに空間を捻じ曲げている以上は空間に影響を及ぼす魔法が使われていると見なすべきだから、結界魔導師でもなければならない。

 だからジェイルは子供でありながらその全ての資質を備えたユーノを褒めたのだが、そんな子供がこれだけの報告書をまとめるのにどれだけの時間を要したのか、それを知りたかった。

 

「……記録では、2週間です」

「2週間?」

「はい。いくらなんでもと思い、ドゥーエについででいいからと調査させたところ、どうも整理や他の依頼にも対応しながらだったらしいとのことで」

 

 余計驚く情報が上がってきたので、ウーノも一瞬、ドゥーエに聞き返したくらいだ。ジェイルでさえそうなるのだから、ウーノならそれが当然の反応だった。

 

「……素晴らしい……!」

 

 ジェイルは深く頷きながら称賛の言葉を口にした。

 ウーノが見ても報告書はわかりやすい。無限書庫という場所は見たことがないが、ドゥーエが報告時に驚いていたのだから、あの冷静沈着な妹がそうなるくらいの広大さなのだろうことは想像がついていた。ジェイルの秘書であり、知能を加速させるISを持つウーノにとって、ただの人間の、しかも子供が、これだけの情報をそんな広大な場所の、しかもほとんど未整理なところから探し出し、挙句の果てには2週間という短期間でまとめて報告書を仕上げたとくれば、とても信じられない。これについてはクアットロも知っているが、彼女は何かの冗談だと笑い飛ばしたくらいだ。

 

「ウーノ、今後も無限書庫の動向は調べておいてくれたまえ」

「そう仰ると思い、すでにドゥーエには伝えてあります。私個人としても興味がありますので」

 

 このユーノ・スクライアという少年。無限書庫の司書として、現在は書庫の再編のために動いているらしい。ひどい扱いを受けているようだが、執務官の協力を得ており、多少の進展も見受けられる。ドゥーエによれば、警戒魔法が仕掛けてあり、以前のような自由な出入りももしかすると難しくなる可能性があるとのこと。必要な情報があれば今のうちに指示しておいてほしいようだ。必要があればドゥーエにはIS『ライアーズ・マスク』がある。魔法でも科学でも警戒を越えていけるのだが、やけに複雑なプログラムが組まれた警戒結界なので、隠密としては慎重を期す意味でも可能な限り避けたいらしい。

 

「最後に、このところドクターのことについて調べ回っている執務官がいるようです」

「うん? 私を追う執務官はすべて最高評議会の息がかかっているはずだが?」

「それが独自のようで。数日前にゼスト・グランガイツとも接触していたとの報告が挙がってまいりました」

「最高評議会に言って止めさせたまえ」

 

 ジェイルはまだユーノの上げた報告書を読んでおり、つまらないことを聞かせないでくれとでも言いたげだった。本当にこのあたりはクアットロそっくりである。いや、正確にはクアットロの方がジェイルそっくりだと言うべきか。

 時空管理局はジェイルを追っているが、ジェイルは最高評議会が生み出した存在であり、最高評議会にとっての最高機密とも言える。だからジェイルを追跡する時空管理局の部隊や部署については常に把握しており、違和感を抱かせないように細心の注意を払って管理している。

 ジェイルは広域次元犯罪者として指名手配されている。戦闘機械なども有しており、危険度も最高レベルとしており、それ故に対処する部隊は限定される。相応の魔導師ランクを有する魔導師がいる部隊であり、基本的にジェイル・スカリエッティ逮捕のための専任部隊が設けられているのだ。

 というのが建前であり、専任部隊のみを監視していればいいようにしているのだ。誰もが好き勝手にされると管理が大変になるのだから。

 ただ、単独で動くこともある執務官はその中でも厄介な存在だ。自由が利きやすく、部隊のように指揮系統が煩雑でもないため、単独で動かれるとその動きを掴みにくい。そのため、最高評議会は法務部の方で受け持つ執務官を指名させ、必ずその執務官たちに報告を上げるように他の執務官に厳命させていた。

 

「それが……最高評議会はしばし静観する、と」

「なぜかね?」

「3提督がこの執務官の動きに警戒しているようで」

「やれやれ」

 

 そこでようやく空間モニターから意識を外したジェイルが肩を竦めた。

 

「その執務官、3提督と手を組んででもいるのかね?」

「今のところ、3提督と彼に直接の繋がりは認められません。ただ、彼の師とされる者がギル・グレアム元提督であり、母親がリンディ・ハラオウン総務統括次官ですので」

「ほう。『英雄』の弟子と後方の高官の息子かね。なるほど、ならば3提督との関係を疑っても当然だね。ちなみに、その執務官の名前は?」

「クロノ・ハラオウン執務官です」

「……その名前にも憶えがあるね」

「先ほど少し話題に上がりました闇の書事件。その総指揮を取ったのがリンディ・ハラオウン総務統括次官……当時は次元航行隊の提督であり、そして現場指揮を担ったのがクロノ・ハラオウン執務官です」

「ああ、ああ、思い出したよ。『アースラ組』とやらか。そうかそうか、ユーノ・スクライア。憶えがあると思えば、彼もそうだったねえ」

 

 P・T事件と闇の書事件。ロストロギアが絡んだ2つの大事件を解決に導いた次元航行隊所属の艦船『アースラ』。そこに所属していた当時のメンバーが、艦名にちなんで『アースラ組』と呼ばれている。

 高町なのは。

 フェイト・テスタロッサ・ハラオウン。

 八神はやて。

 クロノ・ハラオウン。

 ヴォルケンリッター。

 リインフォース。

 リンディ・ハラオウン。

 主たる面子はそんなところか。そこにアルフやユーノが後方支援として、良く知る者は並べて語る。その辺りに魔法至上主義と後方軽視や情報軽視の風潮が表れていると言えよう。ジェイルは逆に主力組よりもユーノ、そして例外としてフェイトの方に意識が向いているようであるが。

 

「しかしそうか。3提督の影が執務官の周辺にちらついているとなれば、最高評議会もそうそう容易く手が出せまい」

「執務官を餌にしているということでしょうか?」

「それもあるのだろうねえ。フフフ、さすがだ、3提督。いや、厄介な相手だよ」

 

 クロノを『警戒』と報告した意味を、ジェイルはしっかりと理解したらしい。

 そう、護衛ではない。警戒だ。

 

「今までも勘のいい者たちはいたからねえ。最高評議会が止めさせたり消されたり……3提督が護衛に動いても護衛者諸共だったこともあれば、寝返る者も現れる始末。警戒するのはもっともだ」

 

 3提督は別にクロノを守っているわけではない。彼らもまた疑っているのだ。ジェイルを追っているのではなく、ジェイルを追いかけている者たちを探し出し、その者たちに害意を加えるつもりではないかと。だから警戒しつつ今は泳がせているのだろう。最高評議会と3提督、その両者に警戒されているとも知らず、このまだまだ歳若い執務官は動き回っている。

 

「……存外、この執務官も警戒されていることに気づいているかもしれないね」

 

 と、そこでウーノの考えとは違うことをジェイルは口にした。

 

「そうでしょうか?」

「このクロノ・ハラオウン執務官。経歴を見てもなかなかのやり手だ。フェイト・テスタロッサが自滅に近い動きをした際も敢えて動かずにいたことが報告書に記載されている。まあ、ユーノ・スクライアと高町なのはの命令違反でその策も水泡に帰したようだが。なかなかに強かじゃないか」

 

 自らのそんな強かで冷淡な行動も、きっちりと報告書に書いておく辺りが馬鹿正直で真面目と言えるが。

 闇の書事件においても現場指揮は見事なものだし、闇の書事件以降は情報の重要性に気づいてユーノと無限書庫を再編しようと奔走している。世知辛い組織の冷たさの前に苦戦しているようだ。それでも報告書を見る限り、クロノとユーノに再編を諦めたような節はない。厄介な理事官などの上層部を相手に、失敗を重ねつつも段々と強かな手を次々に打ち出して対抗している。良くも悪くも、清濁併せた手法を身に付けているようだ。それもまた、強かと言えよう。

 そんな彼が独自に動いている。馬鹿正直で真面目なだけだった過去の彼ならばきっちりと報告を担当の執務官に上げているだろうに、今の彼はジェイルを追っているのではなく、違法開発研究絡みで動いているだけという理由で報告を逐一は上げていないらしい。言い訳もまた、強かなことだ。

 気づいていても、おかしくはない。時空管理局の裏に。

 

「ところで、ハラオウン執務官を警戒するというが、誰かが彼について回っているのかね?」

「そのようですが……ドゥーエでも掴めないようです」

「ドゥーエに掴めない?」

「はい」

「それはまた……驚いたね。その追跡者にも興味が出てきたよ」

「ドゥーエも隠密としての沽券に関わると思ったようで、若干気を害していました。ムキにならないよう念を押しておきましたが」

「そうかそうか。まあ、追跡者はともかくとして、ハラオウン執務官については現段階では私を追うことは不可能だろう。最高評議会とて私のことは知られたくないのだから、行き過ぎれば多少強引でも動くだろうしね」

「承知いたしました。ただ、ドゥーエに指示して情報の収集は行わせます」

「おいおい、ドゥーエの仕事を増やし過ぎだよ?」

「情報の選別までせよとは言いません。噂でも何でもいいから送らせ、真偽の判断、選別は私が行います。それなら問題ないかと」

 

 クアットロもいますし、と付け加えると、ジェイルも納得した。

 クアットロは電子や魔力を介しての捜査が得意なわけで、実地での情報収集はドゥーエ、電子や魔力によるネット上の情報捜査はクアットロが担う。

 

「報告はそれだけだね。なら私は戻るよ。クアットロ、素体の彼らの扱いはくれぐれも丁重に頼むよ」

「お任せですわ、ドクター」

「トーレ、チンク。相手が相手だ。君たちを疑うわけではないが、決して油断しないでくれたまえよ?」

『承知いたしました。吉報をお待ちください』

『トーレ姉様もおります。ご安心を』

 

 彼らの返答に満足し、ジェイルは部屋を出て行こうとする。そこでふと、ウーノはもう1つ報告しておくことを思い出した。あまりにも優先度が低いため、報告する必要がないと判断していたのだ。ただ先ほどの輸送船に関して調査の必要はないと判断していたことに対してジェイルが調査を求めたということもある。念のため言っておいた方がいいかと思い直し、ジェイルに声をかけた。

 

「ドクター、もう1つだけお伝えすることがありました」

「なんだい?」

「昨日の、聖王のゆりかごに搭載されている戦闘機械の結果報告についてお伝えしておこうかと」

「……ああ、そう言えばそんなことをしていたか」

 

 やはり必要なかったか。

 何のことだとでも言いそうになったジェイルのまったくの無関心な表情に、ウーノは声をかけたことを少し後悔した。ジェイルの貴重な時間を潰すことはウーノにとって非常に心苦しいことなのだ。とは言え、一度声をかけてしまった以上は言わねばなるまい。

 聖王のゆりかごに搭載されている古代ベルカの多脚の戦闘機械。正面から戦えるのが今のところトーレとチンクだけしかいないため、AMFが搭載されていることもあり、彼らが率いる兵としての駒が必要だろうと、ジェイルが暇潰し程度に解析し、量産していた。

 これまでは別の戦闘機械を使用していたが、現在のところ初のAMF装備ということもあり、一番性能がいいため、今後はこの戦闘機械を使うことになった。その前にとりあえず実戦で使えるかどうかを試そうと、近くの世界で演習を行っていた時空管理局の部隊に対してぶつけてみたのだ。

 

「量産したうちの2割、30機を、時空管理局武装隊第3方面隊第6師団第306魔導師隊第4中隊と、同方面隊航空武装隊第5航空師団第1321魔導師隊第7中隊に対して差し向けました」

「それで?」

「こちらの戦果としては、AMFにより、敵魔導師のほとんどの攻撃を無効化。ただ、うち2名の魔導師がAAAランクであり、この2名によってすべて撃破されました」

「魔力に物を言わせた力押しかい?」

「一方は物理攻撃が効くとわかると岩塊を加速させて攻撃してきましたが、仰る通り、撃破のほとんどは砲撃魔法の連発による力押しでした。もう1人の方は古代ベルカ式の使い手だったようで、近接戦闘による物理攻撃です」

「そうかい。もういいかな?」

 

 さっさとこの会話を終わらせたいようだ。手に持っている端末には、先ほどのユーノの報告書が映し出されている。

 

「もう1つだけ。この2名のうち、1名を撃墜したようです」

「ん? AAAランクなのだろう?」

「はい。いちおう『アースラ組』の主戦力でありエースとして名を上げている、高町なのはだったようですが」

「はあ。そんなエースが、たかがAMFを装備しているだけで、あとは他の戦闘機械とそう大して変わらない、あんなガラクタ如きに堕とされたのかね?」

「はい」

 

 まぐれでも偶然でも、自らが解析し、量産したものが戦果を上げたというのに、ジェイルは躊躇なく『ガラクタ』と称した。ジェイルは自らの生み出したものを『作品』と呼ぶが、あの戦闘機械は『作品』にはカウントされないようだ。ウーノとしてもあんな戦闘機械如きと自分たちを同列に並べられたくはないので、まったく文句などないのだが。

 

「不注意なのか不調だったのか知りませんけど、つまらないわねえ~。エースと呼ばれて調子にでも乗っていたんじゃないのかしら~?」

「それはわからないけれど。とにかく、管理局の名のあるエースを落としたとあって、さっそく多くの問い合わせが来ております」

 

 ウーノの独断ではあったが、この映像はいくつか取引のある組織に流しておいた。ジェイルは最高評議会から資金はたんまり入ってくるので別段資金の心配はしていないのだが、ウーノは資金源が最高評議会からだけというのが不安要素であると判断していた。それに、資金源が複数あることで、その資金源の組織や個人が時空管理局の目を眩ませるフェイクになってくれると思ったのだ。実際、もう取引を止めたいと思ったところは、上手く情報を操作して囮に使わせてもらっている。

 まさかエースを落とせるなんてウーノも期待などまったくしていなかった。AAAランク以上なんてそうそういるものではない。AAでも充分だと言われるのだから、大部分はそれ以下なのだ。だからその大部分に対して通用すればいいし、重要なのはAMFの作動具合である。それも今回の時空管理局部隊のほとんどの魔導師の攻撃を無効化できたので、全機撃破されたところで充分な戦果であると言える。

 が、結果としてエースとして名を上げている高町なのはを撃墜するに至った。これにより、多くの犯罪組織や反次元世界・反時空管理局の政府が興味を示している。

 

「まあ、資金はあった方がいいからねえ。その辺はウーノに任せておくよ」

「承知いたしました」

「さて、今度こそもういいかい? そんなつまらないことより、今はこの『エクリプスウイルス』に関する報告書をじっくりと読みたいんだが」

「失礼いたしました。後のことはすべてお任せを」

 

 さっさと背中を向けて去っていくジェイルに、頭を下げるウーノ。クアットロは簡単に会釈して、すぐに自分の作業に戻っている。ウーノは1つ息を吐き、言うんじゃなかったわと内心で後悔しきりだ。

 

「……まあ、データ取りとデモンストレーションのご協力に感謝だけしておきましょう」

 

 それだけを言って、ウーノは手元の空間モニターを消す。

 

 

 

 

 

 消される前に映っていたのは、半壊したデバイスを取り落とし、雪の降る中で倒れている血に染まった白い魔導師と、泣きながら医療班を呼びつつ彼女に必死で呼びかける紅の魔導師だった……。

 

 

 

 

 

 




なのはに対するジェイルとウーノの態度が悪いことで気を害された方もいるかと思います。
申し訳ありません。

なのはが嫌いなんてことはありません。
ただジェイルはガジェットをガラクタと称していたのは事実ですので、そんなガラクタに落とされたら、ジェイルなら失望したようにこれくらい言うのではないかと思ったので。

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