途絶えてません。 まだまだ続きますよー。(笑)
暫く川に沿った道を歩き続けると、木製の柵に、門がついている場所へ着いた。 兵士もしっかり立っている。現在、日の傾き具合から夕時とおもわれる。
きょろきょろと見回していると。声をかけられる。そこそこの体格をした軽装の兵士だ。
「入るのか? 身分証となるものはないか?」
少し訝し気に問いかけて来た。
「ああ、申し訳ない。 無くしてしまって、身分証は持っていないんだ。」
「旅なのにか?」
「そうなんだ、この子を押し車で引きながら各地を回っていたが、賊にあってだな。その時、一緒に置いてきてしまったようなんだ。」
「何か体にあるのか?」
「生まれつき足が不自由でな、その休養もかねて、旅をしている。」
因みに、生まれつきというのは間違っていないと、歩きながらシルヴィに聞いた。
「......良いだろう、後ろの嬢ちゃんも併せて銅貨6枚だ。災難だったな。特に、最近はとある派閥が急成長してな。こっちも大変なんだ。」
「......そうなのですか。門番、ご苦労様です。」
何となく申し訳ないが、シルヴィが住んでいた家から、山賊にばれていなかった隠し金を貰った。
銀貨10枚ほどだが、小銭として銅貨も数枚あり、ローブのポケットをまさぐり、それを手渡す。
「確かに受け取った。 これが許可証だが、滞在するようなら、5日ごとに門にきて、更新するように。」
「有難うございます。 因みに、近くに手ごろな、食事もとれるような宿屋は無いでしょうか?」
少し思案し、思いついたようで、門の中に招かれ、路地を指さし。
「あそこに案内屋がいる。そこに宿屋の案内を頼むのもいいが、その案内屋が宿も経営している。この街を知るには、あそこがいいだろう。価格も手ごろだ。」
「重ね重ね有難う。では。」
遅れて、シルヴィが背中から振り返りつつ、兵士に有難うと言いながら手を振っていた。
ふふっ。と微笑む声が聞こえたのは、兵士が手を振り返したからだろう。つられて顔を緩ませた。
~~~
路地に入り、少しあるくと、案内屋、と掲げた看板を見つける。 ドアを叩き、開くと、「はーい」と言いながら、若い女性が奥の扉から出てくるところだった。
「ええと、街案内ですか? 今日はもうおしまいなのですが。」
「ああいや、宿屋をやっていると聞いてだな、宿として利用しつつ、街の事について聞こうと思ってたのだが。」
「ああハイ、一部屋、お二人使用、夕食込みで、一泊銅貨20枚ですね」
「分かった、夕食はすぐもらえるか?」
「ええ、大丈夫ですよ。 温めますので、少し待っていて下さい。」
入口のすぐ近くの傍らにある、イスとテーブルに招かれ、そのまま女性は扉の奥へと入っていった。
ふう、と溜息をつきながら、シルヴィに座らせると、向かいに腰を掛けた。顔を上げると、シルヴィと目が合う。
「重くありませんでした?」
「んや、そんなに」
「そうですか... ...お夕食、そのまま取れて良かったですね。」
「ああ。 腹が減って倒れる所だった。」
ふふふ、とシルヴィが上品に笑い、「私もです」との一言を聞きながら、店内に目を巡らせる。
カウンターの向こうに扉がある、いま女性が入って行ったところだ。 その左側に、座っているものと同じようなテーブルと、椅子のセットがいくつかあり、右側には、そこそこの幅がある階段があった。 多分宿用の部屋へ続く階段なのだろう。
「そういえば、金、使って良かったのか?」
「良いですよ? 使った方が厄を払えそうですし。」
「?」
~~~
あのあと、硬いパンに、何種類かの野菜に細切れの肉が少し入ったスープ、ピッチャーの水を夕食として出され、何も食べて居なかったので、ガツガツと食べると、「凄いですねー」と驚いたように言う宿の女性がいた。
腹の虫が落ち着いて、食べるペースがゆっくりになったとき、幾つか女性に質問をし、明日の行動を立てた。
そうこうしているうちに食べ終わり、俺だけ手を合わせ、「ごちそうさま」と呟くと、妙に驚いた顔で此方を見る女性に気づく。
「どうした?」
「.......あっ。 えと、普段から手を食前と食後に合わせるのですか?」
「ああ、そうだが?」
「へ、へぇ...」
「部屋案内してもらえるか?」
「あっ、はい。 此方です。」
驚き方に首をひねりつつ、これまた呆けた表情をしたシルヴィをおぶり、後に続くように階段を上がった。
~~~
部屋は簡素だが、寝るには困らない程度のスペースと、二つのベットがあった。
とりあえず、片方にシルヴィを乗せ、向かいあって腰をもう片方のベットに下ろした。
「あの。」
「ん? 何だ?」
「名前を聞いてませんでした。」
「今頃だな。 本当に。」
「はい。 何故か一緒に居ることが自然に思えて。」
「そうか。 まあ、赤の他人な筈なんだがな。」
クスクスとシルヴィが笑う。
「そうだな... 俺の名は...」
考え込んだ。 正直本名を伝えるべきかと。
しかし、初めての親友のようなものなのだ、失望させたくない。
うつむいた顔を上げると、おもむろに言った。
「俺は、達哉。 浅間達哉だ。」
「たつ、や? 達哉さん、ですね...」
シルヴィは、大切なものを受け取ったように手をくみ、胸に当てていた。
「ありがとうございます。助けてくれて。」
「んや、気にするな。」
いつの間にか、膝の上にでたリスが手を上げた。同じように気にするなと言っているようだ。
「あと、もうひとつ聞きたいのですが。」
「ん? 何だ?」
「...水浴び... 出来ないので、身体を拭いて貰えませんか?」
「...自分で拭けよ、そんぐらいできるだろ。」
「ふふふっ...」
楽しそうに笑っていた。 真面目に返してしまい、こっ恥ずかしくなり、顔を背けた。
明日は案内屋の女性から場所を聞いた、冒険者ギルド、というところへ登録にいこうと思っている。宿代が安くなるそうだからだ。
テンプレなら、何か起こるのか? と思いつつ、自分の汗を流すために、部屋から逃げるように飛び出した。 決して、シルヴィのお願いから逃げた訳ではない、決してだ。
特になしです。 書き終わり次第。次話を投下します。
テンプレかぁ... テンプレってなんだっけ。