仮面ライダーヨハネ   作:がんもどきもどき

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prologue

†††

 

 

例えば───

 

 

 

テレビ中継でプロ野球選手の特大ホームランに影響を受けて、野球を始めたり、とか。

雑誌に載っているモデルのようになりたくて、お洒落を始めたり、とか。

たまたま街のスクリーンに映っていたスクールアイドルグループに憧れて、スクールアイドルを始めたり、とか。

 

 

そういった、人が何になるか、何になりたいのか。

そういうものを目指す対象やきっかけは、当然の事ながら人によって違っていて

 

 

小さい子供とかなら、アニメのヒーローや漫画のキャラのように本気でなりたいと思った子も少なくはないと思う。

けれど、大人になるにつれてみんな気付くんだ。

そんなものになれるわけはないって……

 

 

だってそうでしょう?

 

 

この世界には超能力も、怪物も、魔法も、忍者も、人を超人に変える木ノ実も、死神も、天使も、悪魔もいないのだから。

子供だってわかる、簡単なこと。

 

 

……わかってる。

私もわかってるんだ。

 

 

だけど、私は捨てられなかった。

理想の自分。なりたい自分。なれるわけがない自分を、諦めきれなかった。

 

 

その結末が、

本当に大切なものを、失ってしまうことも知らずに───

 

 

 

そう、これは───

 

 

 

偶像を、憧れを追い求めた結果、

全てを───、命すらも失ってしまった、バカな少女の───

 

 

 

私の 罪と 罰と 償いの 物語───。

 

 

 

†††

 

 

 

───ようやく、この時が来た。

 

 

 

眼前に浮かび上がる、光で描かれた魔法陣を見て、文字通り『地獄』の底で『彼女』は歓喜した。

 

『彼女』には実体が無い。『ここ』にあるのは、『彼女』という『概念』と確かな『意思』と、黒く薄い『靄』。

 

 

───何十年、何百年、何千年と待ち望んだ。

───再び『天』へと帰り、『魔』を滅ぼし、『世界を救う』。

本来、『彼女』はその為に生まれ、その為に生きていき、その為に死ぬ筈だった。

『天』から追放され、『地獄』に堕ちてからもずっと、いつか戻る日を夢見ていた。

『そこ』へと戻る為なら、『ここ』から出られる為なら、なんだって、どんな事だってする。たとえ守るべき物すらを、利用してでも───。

 

 

魔法陣は一際大きな光を放ち、『彼女』を飲み込み、彼女に『形』を与え、『異世界』へと誘う。

 

『彼女』が最も嫌う物ばかりが蔓延る『世界』へと。

『彼女』が長い間願い続けた、その『使命』を果たすべき『世界』へと。

 

 

「さぁ、行きましょうか───」

 

 

 

堕天使から、天使へ、還る為に。

どこまでも愚かで醜く、大嫌いな『あの世界』を救う戦いへ───。

 

 

 

 

 

 

 

 

†仮面ライダーヨハネ†

 

 

 

 

 

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