ハイスクールD×D 永遠の皇帝<エターナル・エンペラー>   作:てこの原理こそ最強

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第17話

 

 

波乱のプール掃除を終えて次の日。オレらはいつも通りのメンバーで登校しいるのだが、朝から学校のある場所から一誠に似た気を感じていた。校門のところに着くと既にその気を発する者と一誠達が接敵していた

 

蓮夜「よぉ、みんな。それとお前は“白龍皇”かな?」

 

一誠「蓮夜!」

 

「ほぉ、さすがは永遠の皇帝。いかにもオレは白龍皇のヴァーリだ」

 

白龍皇が名乗ったと思いきやいきなりオレに何かする気なのか足を踏み込む。が…

 

雪菜「無駄です」

 

ユウキ「ボクの蓮夜に何する気かな?」

 

クロメ「ユウキ、蓮夜は私の」

 

蓮夜「誰のものでもないんだがな…」

 

ヴァーリが動き出す前に雪菜、ユウキ、クロメが既にヴァーリの喉元にそれぞれの剣を当てていた。オレの後ろでもみんなは臨戦態勢は整っているようだ

 

ヴァーリ「…さすが最強の眷属達だな。今のオレではこのうちの1人にも勝てないだろう」

 

蓮夜「よくわかってるじゃねぇか」

 

ヴァーリ「身の程はわきまえているつもりだ」

 

蓮夜「それはいいことだ。3人とももういいよ」

 

オレの声で剣を消して戻ってきた3人には「ありがとな」と言って頭を撫でてやった

 

ヴァーリ「さて、兵藤一誠。君は今何番目に強いと思う?まぁ未完成ではあるが、上から数えて4桁。1000か1500までの間くらいだろう。いや、宿主のスペックからするというもっと下か。ちなみにそこにいる永遠の皇帝はベスト3に入るだろう」

 

蓮夜「…何が言いたい」

 

ヴァーリ「兵藤一誠は貴重な存在だ。十分に育てた方がいい、リアス・グレモリー」

 

一誠「部長!」

 

一誠が振り返った先にはリアスが立っていた

 

リアス「白龍皇…何のつもりかしら?あなたが堕天使と繋がりを持っているなんて。必要以上の接触は…」

 

ヴァーリ「ふん。二天龍と称された赤龍帝(ウェルシュドラゴン)と白龍皇(バニシングドラゴン)、赤い龍と白い龍に関わった者は過去碌な生き方をしていない。あなたはどうなるんだろうな」

 

嫌味な言い方でリアスに言うヴァーリ。それに対してヴァーリを睨むリアス

 

ヴァーリ「今日は戦いにきたわけじゃない。俺もやることが多いんでね」

 

ヴァーリそう言って去って行った。リアス含めてグレモリー眷属のみんなは深刻な顔をしてヴァーリの背中を見続けている

 

蓮夜「おいおい、深刻に考えすぎだ」

 

リアス「蓮夜」

 

蓮夜「一誠、もしあいつがリアスを攻めてきたらどうする?」

 

一誠「決まってんだろ!ぜってぇ守る!!」

 

蓮夜「なら、強くならないとなぁ」

 

一誠「っ!」

 

オレはニヤリと笑い学校に向かって行く

 

 

 

 

 

 

 

授業が始まっても一誠はすぐには来なかった。どうやら保健室に行っていたようだ。そして帰ってきた一誠は現在松田と元浜に殴られていた。一誠が転校してきたゼノヴィアとも知り合いだっていうのが2人には気に食わなかったみたいだ

 

オレはその光景を後にソーナに話があるため生徒会室に来たのだがどうやらリアスに会いに旧校舎へ行ったみたいだからオレもそっちへ向かった

 

蓮夜「あーいたいた。ソーナ」

 

ソーナ「あら蓮夜さん。何か御用ですか?」

 

リアス「蓮夜、私達もいるのだけれど」

 

ソーナにしか声をかけなかったのを怒ったのか、リアスがそう言ってきた

 

蓮夜「あ、あぁ。こんにちはリアス」

 

リアス「えぇ」

 

どうやら機嫌は治らなかったらしい

 

ソーナ「それで、ご要件は?」

 

蓮夜「授業参観の日、オレ授業休みたくてな。先生に助言してもらえねぇかな?」

 

ソーナ「理由によりますね」

 

蓮夜「理由は、うちには親がいなくてな。代わりにみんなの授業をオレが見たいなって」

 

ソーナ「そういうことでしたらお任せください」

 

蓮夜「助かる」

 

ソーナはオレの理由を聞いて承知してくれた

 

朱乃「うふふふ、蓮夜くんはお優しいのですね」

 

話を聞いていた朱乃がオレの腕に抱きついてきた

 

蓮夜「よせ朱乃」

 

朱乃「いいではありませんか♪」

 

蓮夜「でもあっちから全速力で走ってきてるやついるし」

 

オレが指差した方向から涙を流して大声を出す一誠が走ってきていた

 

一誠「蓮夜ーーー!!なんて羨ましいことを!!!!」

 

朱乃「あらあら、うふふ♪」

 

蓮夜「はぁ、勘弁してくれ」

 

 

 

 

 

 

ー翌日ー

 

今日から始まった授業参観には多くの保護者の方々が来ていた。その中オレは今日はみんなの授業を見ることが目的であるからいつもの制服ではなく私服で来ている

 

「まずはアンナ達からにするか」

 

オレはそう決めて小等部に足を進める。助かることにここに通っているアンナ、ティナ、犬千代の3人は同じクラスなので一度で済む

 

3人のクラスに入るとたくさんの保護者のみなさんが教室の後ろにズラリと並んで子供達に目を向けている。既に授業は始まっていて、算数をやっているようだ。オレは頭を低くして親御さん達の邪魔にならない位置で同じく授業風景に目をやった

 

「ではこの問題を、ティナさん。お願いできますか?」

 

「は、ひゃい!」

 

こんな大勢に見られているため緊張しているティナはいつもとは違う姿だった。そして前に出て黒板に書いてある問題を解いた

 

「正解です」

 

\パチパチパチパチ/

 

正解したティナに対し保護者の方々から拍手が送られる。もちろんオレも拍手する。そして自分の席に戻るティナと目が合い、ティナはその瞬間顔を真っ赤にして急ぎ足で自分の席に戻った。それを見たアンナと犬千代は同時に保護者の方を向いてオレに気がついた。オレがガンバレの意味を込めて手を振ると2人は手を振り返してきた

 

\キーンコーンカーンコーン/

 

授業が終わる合図の鐘が鳴り、子供達は一斉に自分の親の元へ行く。犬千代、アンナ、ティナもオレの元にやって来た

 

ティナ「お兄さん!来るなら先に言ってください!」

 

蓮夜「ちょっとしたサプライズだよ」

 

犬千代「ビックリした」

 

アンナ「…でも来てくれて嬉しい」

 

蓮夜「3人とも頑張ってたな。ティナは噛んじゃったけど」

 

ティナ「忘れてください!」

 

ティナはまた恥ずかしくなったのか顔を赤くしてオレの腹をポカポカと叩いてきた。その後3人に他も行かなきゃいけないからと言ってクラスから出た。ちゃんと最後に撫でてあげました

 

 

 

 

 

 

ー中等部ー

 

今度はレムと雪菜がいる中等部だ。こっちも2人は同じクラスだからありがたいな。こっちの今度の授業は社会の歴史のようだ。奇遇なことにその先生が高等部でも授業をしている先生で、オレのことに気がついたのかこっちを見ながら笑みを浮かべた

 

先生「では復習からいきましょう。姫柊さん、1859年に起きた事件はなんですか?」

 

雪菜「安政の大獄です」

 

先生「正解です」

 

先生から指名されて立ち上がった雪菜は悩むことなく答えた。さすが学年主席!

 

先生「では次にレムさん、翌年の1600年に起きた桜田門外の変で暗殺された人物は誰ですか?」

 

レム「井伊直弼です」

 

先生「正解」

 

こちらも雪菜同様即答するレム。さすが学年次席!

 

先生「お二人共さすがですね。皆さん拍手ー」

 

\パチパチパチパチ/

 

拍手の中で先生はオレに目を向けた。さては2人を指名したのはオレがいるからか?すると先生の目線に気づいた雪菜とレムがこちらを見てきた瞬間、2人はビックリした表情を浮かべる。オレは2人に手を振ると2人はすぐに前に向き直って俯いてしまった。その動作は完全にシンクロしていてすごかった

 

\キーンコーンカーンコーン/

 

授業が終わった瞬間2人はこっちにやってきた

 

雪菜「どういうことですか!蓮夜さん!!」

 

レム「そうですよ。来るなら事前に言ってくれれば…」

 

蓮夜「まぁなんだ、黙ってて悪かったよ」

 

雪菜「まったく」

 

レム「蓮夜くんらしいですね」

 

蓮夜「はははは…ていうかクラスの男子からの目線が痛いんだが……」

 

雪菜「あぁ…」

 

レム「それは…」

 

雪菜とレムと話している最中オレはクラスの男子からのずっと睨まれている

 

女生徒「2人はモテますからねぇ」

 

雪菜「なっ!何を言ってるんですか!///」

 

レム「そんなことないですよ!///」

 

蓮夜「まぁ、そうだろうな」

 

雪菜「蓮夜さんまで…///」

 

レム「恥ずかしい…///」

 

2人とも可愛いからな。モテないはずがないな。恥ずかしがっている2人の頭を撫でてオレはクラスから出た

 

 

 

 

 

ー高等部ー

 

いつも通っている時間に私服でいるのはなんだか新鮮な感じだ。最初は1年からだな。そうしてユウキ達のクラスに行ってみると誰もいなかった。そこには男子の脱ぎ捨てられた制服があったので体育なのだろうと思い校庭へ足を向けた

 

案の定校庭ではユウキ達1年生がサッカーをしていた。そこでは丁度ユウキが点を決めていたところだった

 

ユウキ「いぇーい!」

 

ユウキは家でもクラスでも変わらず元気なようだ。そうユウキの元気な姿を見ていると、ふいに腕に誰かが抱きついてきた

 

蓮夜「クロメ」

 

クロメ「蓮夜〜♪」

 

抱きついてきただけでなくオレの腕に頬擦りしてきた

 

蓮夜「どうしてわかったんだ?」

 

クロメ「たまたま見かけた」

 

蓮夜「そうか。クロメは参加しないのか?」

 

クロメ「私のチームは今休憩中だから」

 

蓮夜「離れなさい」

 

クロメ「やーだ♪」

 

話してはくれていても離してはくれないらしい。すると

 

ピー!

「はい、では次のチーム」

 

担当の先生が呼びかけている

 

蓮夜「クロメは行かないのか?」

 

クロメ「…私のチームじゃないもん」

 

そうなのかと納得しそうなところに

 

女生徒「クロメちゃ〜ん!始まるよ!」

 

蓮夜「…嘘をつくなよ」

 

クロメ「…」

 

蓮夜「行ってきな」

 

クロメ「えー」

 

蓮夜「クロメの頑張ってる姿が見たいなー」

 

クロメ「行ってくる」キリッ

 

さっきとは打って変わってめちゃくちゃやる気に満ち溢れているクロメ。そしてクロメと行き違いにユウキと小猫、シノアがやってきた

 

ユウキ「蓮夜ー!」

 

蓮夜「うぉっと、お疲れユウキ。シノアと小猫も」

 

小猫「ありがとうございます、兄様」

 

ユウキは勢いよくオレに突っ込んできて、その後から小猫とシノアがやってきた

 

ユウキ「蓮夜!見た見た!?」

 

蓮夜「あぁ見たよ。ナイスゴールだったな」

 

ユウキ「えへへ〜♪」

 

まだ抱きついているユウキの頭を撫でる

 

蓮夜「小猫も頑張ったな」

 

小猫「〜♪」

 

小猫の頭も撫でてやる

 

シノア「私にはしてくれないんですか〜?」

 

蓮夜「だってお前ずっとベンチだったじゃん」

 

シノア「蓮夜さんが来るって知ってたらちゃんと出てましたよ〜」

 

蓮夜「いやいや、オレがいなくてもちゃんとやれよ」

 

シノア「ふふん、私は大人ですからね。あんな子どもの遊びには興味ないんですよ」

 

蓮夜「そっか。じゃあ大人なシノアには頭撫でるなんて子供にしかしないことできないな」

 

シノア「そ、そんな〜…」

 

蓮夜「うそうそ。だからそんな寂しい顔するな」

 

シノア「ふふっ、やりました〜」

 

蓮夜「あっ、んのやろう。わざとか」

 

シノア「さぁ〜、どうでしょうね〜」

 

ユウキ「むぅ〜。蓮夜、シノアばっか構って!ボクも構ってよ!」

 

小猫「兄様…」

 

オレがシノアとばっかり話してたことに嫉妬したのかユウキと小猫も詰め寄ってきた

 

蓮夜「わかったわかった」

 

 

 

 

 

 

その後ゲームの終わったクロメにも同じことをしてオレは校内に入り、3年生の教室へ向かった。その途中オレは大物に出くわした

 

「やぁ蓮夜くん」

 

蓮夜「リアスを見にきたのか?サーゼクス」

 

サーゼクス「そうだよ。君は授業じゃないのかい?」

 

蓮夜「今日のオレは保護者の代わりだ」

 

サーゼクス「そういうことか」

 

そう、そこにいたのはリアスの兄であり現魔王の1人、サーゼクス・ルシファーだった。しかしこれにとどまらずよりすごい大物がいた

 

「蓮夜殿!」

 

蓮夜「お久しぶりです、ジオ殿」

 

そこにいたのはジオディクス・グレモリー(以後ジオ)。サーゼクスとリアスの父親だ

 

ジオ「全然こっちに顔を出さないからな。ヴェネラナも会いたがっていたぞ!」

 

蓮夜「それはそれは。今度お邪魔いたしますね」

 

ヴェネラナとはジオディクス・グレモリーの妻のヴェネラナ・グレモリーだ。最初会ったときはサーゼクスの姉かと思ったくらい外見が若い人だ

 

サーゼクス「さて父上、リアスのクラスはすぐそこです」

 

ジオ「おぉ、早く行くとしよう!」

 

ホント元気だなぁ。てか親バカと兄バカだな。タツマキはリアスとは違うクラスなのでそこで別れた

 

ー3年生クラスー

 

授業は国語、しかも古文だった。オレも古文は好きなので授業に聞き入ってしまった

 

\キーンコーンカーンコーン/

 

鐘が鳴ってもタツマキは自分の席から動こうとしなかったので大声で呼んでみることにした

 

蓮夜「タ〜ツマ〜キちゃ〜ん」

 

タツマキ「大声で呼ぶんじゃないわよ!」

 

タツマキは勢いよく振り向き大声で叫んだ。どうやらオレがいたことには気づいていたみたいだ。そんなことを考えていると

 

『タ〜ツマ〜キちゃ〜ん!!』

 

クラスの全員がオレの真似をしてタツマキを呼んだ

 

タツマキ「うっさいわよ!」

 

2人ともクラスに馴染んでいるようでよかった。そしてタツマキはプンスカした顔でこっちにやってきた

 

タツマキ「信じらんない!こんなところでそんな大声で呼ぶなんてどういう神経してるのかしら!」

 

蓮夜「悪りぃ悪りぃ。タツマキがクラスに馴染んでるか確かめたくてな」

 

タツマキ「なら別の方法もあるでしょ!」

 

蓮夜「まぁクラスには馴染めてるようでよかったよ」

 

タツマキ「余計なお世話よ!」

 

蓮夜「はいはい」

 

タツマキはクラスでもツンツンしてるんだろうな…

 

 

 

ー2年生クラスー

 

最後に2年のクラス。自分のクラスを保護者として見るってなんか変な感じだな

 

先生「今日の英語の時間は紙粘土で好きなものを作ってください。なんでもかまいません。自分が描いたものをありのまま表現するのです。こういう英会話もあるのです」

 

あるか!!まったく英語と紙粘土なんの関係もねぇだろ

 

「アーシアちゃん、ファイトよ」

 

「アーシアちゃん、かわいいぞ」

 

小声ではあるがアーシアに声をかける女性と男性がいた。男性は片手にビデオカメラを持っている。気的に一誠の親かな。ていうか十六夜は寝てるし。でも成績はいいからムカつくよな!達也は授業はそっちのけでなんか難しそうな計算してるし…深雪はなぜか窓の外を見てて上の空だし…カナリアは鼻歌歌いながら楽しそうに作ってるな。なんだか、うん…みんな違ってみんないい…のかな……

 

先生「兵藤くん!」

 

いきなり先生が一誠を呼んだかと思ってそっちを見ると、一誠は紙粘土でリアスの像を完璧に作っていた

 

女生徒1「あれリアスお姉様じゃない!?」

 

女生徒2「そうよ!すごいそっくり!」

 

先生「すばらしい!君にこんな才能があったなんて」

 

一誠「なんか適当に手動かしてただけで」

 

桐生「手が覚えているぐらい触ってるってわけね」

 

一誠「こら桐生!お前また!」

 

男生徒1「くそ!一誠の野郎!」

 

男生徒「リアス先輩と」

 

女生徒1「ウソよ!」

 

女生徒2「リアス先輩がこんな野獣と!?神崎くんならまだしも」

 

そんな1人の女子クラスメートの何気ない一言。そこで急に場の空気が変わった

 

深雪「うふふ…皆さん、蓮夜さんとリアス先輩がなんですって…?」

 

やばっ!なんでかわかんねぇけど深雪がめっちゃ怒ってる!

 

カナリア「みんな変なこと言っちゃダメだよ…」

 

カナリアもなんでそんな怒ってんの!ていうか十六夜は起きろよ!!達也も止めろよ!!

 

蓮夜「2人ともストップ!」

 

深雪「あ、蓮夜さん♪」

 

カナリア「本当だ!蓮ちゃん♪」

 

蓮夜「ほぇ?」

 

オレが声をかけた瞬間場の空気は温まり、同時に2人はオレの両腕に抱きついてきた

 

深雪「なぜ今日お休みになることをおっしゃってくれなかったのですか!」

 

カナリア「寂しかったんだからね!」

 

蓮夜「お、おう…それは悪かった…」

 

松田「蓮夜!お前もか!」

 

元浜「羨ましい!」

 

いつでもこのクラスは変わらねぇな

 


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