SCHOOL IDOL IS DEAD   作:joyful42

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TVアニメの放送が始まる前まではCDのドラマパートくらいしか各キャラを深く知れる物が無かったっていう話は前もしましたが、初期のドラマパートの千歌ってだいぶヤバい奴なんですよね。
平気で常軌を逸した事をして、まあそこまではラブライブ!のドラマパートのお決まりみたいな物なんですが、千歌は何も悪びれたり動揺する事なく、ずーっとへらへらしてるんですよ。
当時ドラマパート聞きながら、ヤベえなコイツって思って。

でも、そういう千歌が好きで、アニメが始まってしまったらアニメの千歌のキャラ像に塗り替えられていくので、せめてそれまではこのキャラを楽しんでようと思って、高海千歌はどんな時でもへらへらしてるっていうキャラ付けで遊んでたんですよ。

それでやってたのが「高海千歌って〇〇〇〇〇の時でもへらへら笑ってそうだよな」っていう定型の文章を作る遊びだったんですね。
これがめちゃくちゃ楽しかったんですが、大体こういうのって数を重ねていくと段々頭がおかしくなって行って、ヤバい文章が出来上がるんですよね。
今回はここで、その一番ヤバい所まで行った文章を貼っておこうと思います。



"遅刻しそうになって街を走ってたら曲がり角でぶつかったパン咥えた女子高生が全身が強力な電流で包まれている電撃人間で、自分が衝撃で弾き飛ばされると同時に感電して死んでしまっても、その電撃人間が高海千歌だったらニョポポニョポポって電撃人間特有の音を発しながらへらへら笑ってそうだよな"








第4話 負の衝動

 放課後、曜は一人、海沿いを歩いていた。生徒会室を出た後、教室に辿り着くまで、梨子との間には何も会話が無かった。やがて午後の授業が始まったが、教師の言葉は全く頭に入ってこなかった。帰りのホームルームが終わり、今日は水泳部の練習もあったが、出る気にはなれなかった。

 

 

 

 ベタつく潮風を体に受けながら、目的地も無いままに道を歩く、歩く。やがて視界の端に、黄色い何かが映った。今居る道から横に逸れる形で続く細い道が、黄色いテープで封鎖されている。無意識に曜は、あの現場に来てしまっていた。千歌が転落した、あの公園。

 

 慌ててぶんぶんと頭を振り、曜が走り出す。家とは逆方向だったが、ただひたすらに目の前の道を走った。徐々にスピードが上がっていく。心の中から、頭の中から、何かを振り払うかのように、曜はただガムシャラに走り続けた。体力には自信がある方だったが、やがてすぐに限界が来た。息が上がり、肺が苦しくなり、足が思うように前に進まない。それでも曜は走るスピードを落とそうとはしなかった。道沿いに砂浜の入り口が見える。唸るような声を上げながらその砂浜に駆け込むと、曜はそのまま砂の上に突っ込んでいった。

 

 荒い呼吸を繰り返す。綺麗な制服は砂にまみれていた。だがそんな事は気にもせず、起き上がる事もしようとせず、その場で曜は、また泣いた。走っても走っても、心の中から千歌は消えなかった、両手で顔を抑えながら泣いていると、何となく、誰かが近づいてくるのが感覚で分かった。

 

「大丈夫?」

 

 男の声だった。曜は恐る恐る、手を開いて声を正体を見た。そこには、心配そうに曜を見下ろす男が一人。ボロボロのシャツを着ており、手にはスコップ。あの男だった。ここは、あの崖からはそれなりに離れた場所にある砂浜だったが、間違いなくあそこで穴を掘っている男がそこに居た。曜の頭を、様々な事が駆け巡る。この男は水泳部の練習場に居た事、警戒すべき人物である事、でも千歌は男と仲良くしようとしていた事……やがてそれらが、曜の中で一つの感情へと変化する。

 

 曜が男をキッと睨み付ける。そしてようやく砂浜から起き上がると、男に掴みかかった。

 

「お前が殺したんだろ!!!!!!」

 

 握っている襟元をぐっと引っ張ると、男の大きな体がよろめいた。

 

「どうして!!!!!どうして千歌を!!!!!!」

 

 男は何もしなかった。曜の言葉に対して反論する事もなければ、掴んでいる腕を振りほどく事も無かった。曜は言葉にならない言葉を叫びながら、溢れ出す感情をひたすら男にぶつけた。なぜあの日千歌はあの公園に行ったんだ?それはこの男が居たからだ。きっとそうだ!きっとそうだ!

 

 ……違う。曜は気付いていた。頭にふと、説明に訪れた警察官の姿が浮かんだ。警察官は言っていた。死因は崖から転落した事によると。そして何者かに突き落とされた形跡も無いと。あれはおそらく事故だ、そしてこの男は関係ない。もしこの男が犯人なら、なぜお前が犯人だろ!と詰め寄られているのに、ただ困惑して立ち尽くすだけなのか。殺人鬼であるなら、今この場でスコップを使って曜を殺す事など容易いのだ。

 

 八つ当たりだった。それを認めたくなかったのだが、こういう時ほど妙に頭が冴える、やがて自分が何も根拠の無い事を言っていると気付き、曜はその場でまた泣きながら崩れ落ちた。深い絶望に包まれ、昼間なのに辺りが真っ暗になる。

 

 しばらくして、男が去って行くのがわかった。そしてそれと同時に、遠くから自分の名を呼ぶ声が聞こえる。

 

 顔を上げると、遠くから走ってくる梨子の姿が見えた。

 

 

 

 


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