Fate/Corruption Justic   作:らららい

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感想6件、お気に入り17件、しおり2件ありがとうございます。正直、予想していたよりも反応があり、びっくりしています。ご感想でフェムトについて色々と書いてくださり、ありがとうございました。今後の物語の参考にさせていただきます。これからも、Fate/Corruption Justicの応援をよろしくお願いします。


規格外

「は?」

 

 今この男はなんと言った。マスター?なんのことだ。ポカンとその男を見上げていると、フェムトと名乗った男はニヤニヤ笑いを顔に戻すと

 

「ほー、自覚なしの召喚か。珍しい事もあるもんだね。面白い」

 

 と言い、そのまま外に向かって歩き出した。

 

「ちょ!!」

「大丈夫大丈夫。殺さないから」

 

 心配しているのはそっちでは無いのだが、フェムトは気づかないで外へと出て行く。俺も続いて外に出ると、フェムトは青い男と会話をしていた。

 

「やあ、ランサー。元気かい?」

「テメェは、セイバーか?剣を出せ。マスターの指示で全サーヴァントと戦わなきゃいけないんでね」

「いいよ。君程度なら剣を出すまでもない」

 

 ランサーは、フェムトとの距離を一気に詰めて、槍で攻撃した。

 フェムトはその槍を人差し指をピンと立てて防ぐ。フェムトが次々と突き出される槍を全て人差し指だけで防ぎきると、ランサーは、後ろに大きく飛んで距離をとった。

 

「テメェ、なかなかやるな」

「君も本気じゃないだろう。まったく、この堕落王相手に手加減なんて

、本当にnonsenseだ。つまらない方のね。君は、僕が相手するまでもないよ」

 

 そう言うとフェムトはランサーに背を向け、土蔵に向かいだした。

 

「なっ!!!」

 

 ランサーは、フェムトに向けて槍を投げたが、それは黒い影に阻まれた。

 

「それは、かつてその身一つで世界を滅ぼしたと言われている魔王の小指だよ。君の相手はそいつで十分だ」

 

 フェムトは土蔵の中に入ると、おもむろに転がってあった電子レンジを手に取った。その電子レンジをペタペタ触ったり、パカパカしたりしている。

 

「へえ、世界の修正を受けつけないほど精巧な贋作か。これ、マスターが作ったのかい」

「マスター……っていうのは俺だよな。ああ、俺が作った。でも、それ失敗作だぞ。中身が空っぽだ」

 

 俺がそう言うと、フェムトはどこか興味を持ったような笑みを顔に浮かべて俺の体をペタペタ触ってくる。

 頭の先からつま先まで、あまるところなく触ると、フェムトはふむ、と顎に手をつけ黙った。そのあと2秒ほど黙った後、ポンと手をつくとニヤニヤ笑いを顔に戻した。

 

「召喚も特殊だったら、本人も特殊か。いいね、僕の忌み嫌う『普通』と真逆の存在だ。僕が知ってるけど知らない魔術を使ってるみたいだし、僕たち案外相性いいのかもね」

「お、おう。ところで、召喚ってなんだ?」

 

 フェムトはふらりと蔵の入り口まで行くと、顔だけこちらを向きながら

 

「そういうことは、あとでお茶でも飲みながら話そう。それよりもアレをみてみろ。思ったよりもランサーは強いらしいね。まだ小指ちゃんと戦えてるよ」

 

 外を見て見ると、ランサーと呼ばれた青い男が、魔王の小指の攻撃を防いでいた。

 目で終えないほどの速度の攻撃を出している魔王の小指も、それを全て防いでいるランサーも、どちらも化け物だ。

 ランサーは、防ぎながらも、魔王の小指に近づき大きく弾き飛ばした。ランサーは、その隙に即座に槍を構える。

 

「その心臓貰い受ける!!!」

 

 ランサーの周りに濃厚な魔力が満ちて行く。

 なんだアレは。人間が出せる魔力をはるかに超えてる。

 俺はゴクリと唾を飲み込み、その後どうなるか、その槍に釘付けになった。

 

突き穿つ死翔の槍(ゲイ・ボルグ)!!!」

 

 ランサーは大きく跳ぶと、槍を全力で投擲した。

 魔王の小指は、その槍を素早く避けたが、槍は進路を変え、再び魔王の小指に向かって行く。

 何回かそのやり取りをした後、槍は魔王の小指の中心部に命中し、魔王の小指が爆散した。

 

「ったく、あの魔王の小指?ってやつに心臓があるかどうか微妙だったが、幸いあったらしい。セイバー!!!本気を出せなくてすまなかった。マスターの命令で今は帰らなくちゃあならないが、次会った時は全力で戦ってやる。その時まで死んでくれるなよ」

 

 ランサーはそういうと、塀を越えてどこかに消えていった。

 俺は、ランサーの消えていった方向をしばらく見た後、フェムトに向かって言った。

 

「なあ、今のってなんなんだ。魔王の小指ってやつも気になるけど、あのランサーって男やお前のことの方が気になる。なあフェムトって言ったよな。教えてくれ。今どういう状況なんだ」

 

 フェムトは人差し指をピンと伸ばして

 

「そのことは、あとでお茶でも飲みながら話すと言っただろう。それとね、マスター。もう一体サーヴァントが近くにいるけど、見に行くかい?」

 

 サーヴァント、というのはさっきのランサーや、フェムトのことだろうか。

 あの化け物みたいな強さを持つものがもう一人。見に行きたいという本能と、危険だという理性が俺の中で戦った結果、理性が勝った。

 

「いや、危険だし、見に行くのはやめよう。それより、今は中に入って色々「どちらにせよ連れてくけどね!」

 

 というと、フェムトは俺を小脇に抱えて、塀を飛び越えて外に出た。外に出ると、そこには遠坂と赤い服を着た浅黒い肌の男がいた。おそらくさっきの赤い男だろう。

 

「やあ、敵サーヴァントに敵マスター。こんばんわ〜。僕はセイバーのサーヴァント、堕落王フェムトだよ」

 

 フェムトがそういうと、遠坂は驚いたような顔をして

 

「真名を名乗った!?いや、でも、聞いたことのない名前だし、あんまり有名な英雄じゃないのかも・・・・・でもセイバーのサーヴァントだし」

 

 とかブツブツ言い出した。遠坂がブツブツ言っている間、一緒にいた男を観察する。

 浅黒い肌に銀色の髪のオールバック。何故だろう。この男はどこか気に入らない。

 男と目があった。じろりと睨んでくる。目をそらしたら負けな気がして、こちらも睨み返していると、遠坂が話しかけてきた。

 

「衛宮君、ええと、これはどういうこと」

 

 そんなの俺が知りたいくらいだ。

 なんと答えていいかわからず、口を開いた状態で固まっていると、フェムトが答えた。

 

「この子は僕のマスターで、僕はセイバーのサーヴァント。マスターが僕を召喚したんだよ」

「うん、それは見たらわかるわ。問題は、衛宮君、が召喚してるってこと。衛宮君、明らかに聖杯戦争知らない風だったし、それに魔術師でもないのに」

「いや、俺は魔術つかうぞ」

 

 遠坂は、俺を見て固まる。俺も固まる。

 なんとも言えない気まずい雰囲気がこの場を支配して行く中、フェムトはそんなの御構い無しに

 

「よし、立ち話もなんだ、とりあえず中に入ろう。ボカァ立ってるの飽きたよ」

 

 俺と遠坂、それに例の男もフェムトのいうことに従い、家の中に入っていった。

 フェムトは、リビングに行くと、座布団に座りパチンと指を鳴らす。すると、何もない空間からイギリスのアフタヌーンティーに似合いそうなクッキーセットと紅茶が現れた。

 

「さ、これでも飲んでくつろぎながら説明を聞きたまえマスター」

 

 一口フェムトが出した紅茶を飲んでみる。

 う、うまい。紅茶に最適な温度、素人にもわかるくらい高級な茶葉を使っている。このクッキーも絶品だ。紅茶の間に食べることによって紅茶の味わいが一段も二段も深まってくる。

 紅茶とクッキーに夢中になっていると、フェムトはやや呆れながら

 

「マスター、その紅茶とクッキーが美味しいのはわかるけど、話はいいのかい?」

「ああ、悪い。それと、マスターっていうのやめてくれないか?なんか変な感じだ」

「んん、なるほど。その感覚が戦闘中に邪魔になるかもしれないね。じゃあ、マスターの名前を教えてくれ」

「衛宮 士郎だ」

「じゃあ、シロウって呼ばせてもらうよ。それではシロウ。なにがしりたい?」

 

 フェムトはどこまでも軽い口調でいった。

 

「全部だな。さっき遠坂が言ってた聖杯戦争ってやつも、お前の言ってたサーヴァントってやつも、全部だ」

 

 俺がそういうと、フェムトではなく、遠坂が答えた。

 

「聖杯戦争っていうのはね、なんでも願いを叶えてくれるって言う聖杯を求めて、七人のマスターとサーヴァントが戦う戦争なの。それで、サーヴァントって言うのは、マスターの代わりに戦ってもらうために呼び出した、世界中の英雄の、幽霊みたいなもの。有名なサーヴァントほど力は強いんだけど、ウチのは名前思い出せないって言うし、あんたのとこは私も知らないような英雄でしょ?ほんと、どうしたものかしら。・・・・・・そうだ、ちょっとあんたのとこのセイバーのステータス見てみて」

「ステータス?」

「そ、自分のサーヴァントに向かって目を凝らすと見れるわ」

 

 言われた通りにフェムトに向かって目を凝らしてみた。すると出てきたのは、

『筋力:A+++

  耐久:A+++

  敏捷:A+++

  魔力:EX

  幸運:A

  宝具:???』

 と言ったものだった。それを見たまま言うと、遠坂は信じられない、と言って口をあんぐりと開け、フェムトは

 

「かなり弱体化してるなぁ、まさかランクに表せるくらいになるなんて、特に魔力、本当ならEXでも表せないくらいなんだけどなぁ」

 

 と言いながら、頭をかいた。それを聞いた遠坂は、EXでも表せないほどの規格外、といったきり喋らなくなった。

 その数値がどのくらいすごいのかわからないので、遠坂にそれがどのくらいすごいのか聞くと、遠坂はなぜか少し怒りながら返してきた。

 

「すごいなんてもんじゃないわよ!!!EXっていうのはね、ランクに表せないくらいの規格外なの!!それでも表せないなんて……そんなのが敵にいたら勝ち目ないじゃないの!!!」

 

 どうでもいいことだが、遠坂ってもっと落ち着いた雰囲気のやつじゃなかったっけ?俺の中の遠坂像が、今日180度変わった。

 ところで、本来ならフェムトはどれくらいの実力なのだろうか。好奇心を抑えきれず、フェムトに聞いてみた。

 

「なあ、フェムト。お前、本当ならどれくらいの実力なんだ?」

「えーと、家で測ってきた感じだと、

 筋力:■■

 耐久:■■

 敏捷:■■

 魔力:■■

 幸運:A

 宝具:???

 って感じかな。でも安心していいよ、そこの赤いマスター。僕は今回思いつきだけできたからなにをするか決めてなかったけど、さっきシロウの蔵を見て何をするか決めた。僕は、今回の聖杯戦争でシロウを育成する。題して」

 

 フェムトはそこで言葉をきり、スッと立ち上がった。ドゥルルルルルルルルルというドラムロールが聞こえてくる。

 

「衛宮士郎育成計画!」

 

 ドンドンパフパフ、という音が、どこからともなく聞こえてきた。

 おそらく、フェムトが鳴らしているのだろう。・・・・・どうやっているか分からないが。

 その言葉に、俺も遠坂も、遠坂のサーヴァントもなにも言えずにいると、フェムトはどかっとその場に座って紅茶をグイッと飲んだ。

 そこで遠坂は、ハッと我に帰り、俺に向かって提案してきた。

 

「衛宮くん。私はアーチャーのサーヴァントのマスター。私と、同盟組まない?」

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