Fate/Corruption Justic 作:らららい
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後、後書きに今構成を練ってる作品の予告を書いてあるので、そちらの作品が出来上がったら、良かったら読んでみてください。
フェムトを召喚した次の日の朝、俺は自然と早朝に目が覚めた。時計を見ると、4:00。
二度寝するかどうか迷ったが、昨夜の事もあるし今日は多めに鍛錬する事にした。
庭に出て、ボンヤリと白んできた空も見上げながら伸びをする。早く起きるというのもなかなかいいものだ。普段とは違う気分で蔵に入れる。
そんなことを考えながら、俺は鍛錬を始めた。
「—————
俺は、手に持った鉄パイプの設計図を頭に描いた。
「—————基本骨子、解明」
次に、この鉄パイプの
「—————構成材質、解明」
その隙間に、俺の魔力を流し込む。
「—————くっ、基本骨子、変更」
パキンという音とともに鉄パイプに入っていた魔力が抜け落ちた。
間違いない。失敗だ。ハァ、とため息をついて肩を落としていると、いつのまにか蔵の中に入っていたフェムトが話しかけてきた。
「どうしたんだい?そんなに落ち込んで」
「ん、フェムトか。いや、昨日の夜は強化が結構上手くいったのに朝になると失敗したからな。少し落ち込んでた」
それを聞くとフェムトは、ふむ、と顎に手をついてからこう続けた。
「昨日の共通点を探してみたらどうだろう」
「?」
「昨日の夜は強化が結構上手くいったんだろう?なら昨日どういうふうに考えてやっていたか思い出してみたらどうだい?」
昨日の夜の強化は生き残るのに必死でただただひたすらに戦っていただけだ。
ポスターや鉄パイプを両手で構えて、振るっていただけ……
ん?一つ思いついたことがあるのでそれを試してみることにした。
「—————
—————基本骨子、解明
—————構成材質、解明
—————基本骨子、変更
—————全行程《トレース》、
今度は鉄パイプに入った魔力が抜け落ちる事はなかった。これは誰がどう言おうと成功だ。フェムトはニヤリと笑いながら
「上手くいったようだね。一体何を想像したんだい?」
「ああ、俺は戦う時に剣をイメージして強化してたみたいなんだ。だから今この鉄パイプを剣だと思って強化してみんだけど、いきなり上手くいったから俺もビックリしてる」
フェムトは、まぁ、そりゃそうだろう、魔導は本人の心そのものと言っても過言ではないからね、と言うと、おもむろに床に転がっていた電子レンジを拾い上げた。俺はそれを見て言う。
「それは俺が暇つぶし、というか強化が失敗した時の憂さ晴らしみたいな感じで作ったもんだぞ。設計図は何もないから中身が空っぽの張りぼてだし」
「それを本気で言っているっていうのがほんと面白いよ」
そういうと、フェムトは蔵から出て行った。
俺はフェムトが言った言葉の意味を考えながら鍛錬をある程度続けてから家に戻った。時計を見ると5:00。
確か今日は弓道部の朝練があったはず。なら必要な朝食の数は俺とフェムトの分だけでいいわけだ。
じゃあ、少し早くに朝食を食べてもいいか。そう思い、俺は朝食を作ることにした。
朝食が完成したのは6:00くらい。メニューは、ご飯と味噌汁と鮭の切り身と卵焼きと納豆。
フェムトがどこの国の出身かわからないので、口に合うかどうか分からないが、まあいいだろう。
朝食の時間だ、とフェムトを呼び出す。するとフェムトは、押入れの中から出て来た。
「どこ行ってたんだ?」
「遠坂邸でくつろいでた」
なんでさ。なんで遠坂の家とウチの押入れが繋がってるのさ。
そう、口をついて出てきたが、フェムトはそんなことよりも、とでも言っている風に食卓についた。席に着くや否やフェムトは
「普通だね」
「悪いか」
フェムトはまず鮭を一口、口に運んだ。
「普通に美味しいね。普通に」
普通、と言う言葉を過剰に嫌っている気がするが、まあ、いいか。美味しいと言ってくれているし。
ご飯を食べて、学校に行く準備をする。それを見たフェムトは、俺に向かって
「ああ、弓道部の朝練?入ってないのに大変だねぇ」
俺の動きが止まった。なぜコイツは俺の私生活を知ってる。昨日きたはずだろ。
そのまま止まっていると、フェムトは、いってらっしゃい、と言った。
多分コイツには俺の常識は通用しないな。そう思ったので、俺は気にせずに学校に行くことにした。玄関を出ると中からフェムトが、
「ああ、今日は早めに帰って来てね。5:00までには。帰ってきたら修行だ」
———————
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———
学校に着くと、少し違和感を感じた。
グランドを走っている野球部も心なしか元気がない。一体なんだろうな、と思いながら弓道場に行くと、美綴が出迎えてくれた。
「おおー、衛宮じゃん。なんでまたわざわざ……」
「いや、昨日見てたらやりたくなってな。……慎二はどうした?」
美綴は、頰を掻きながら、
「あいつ最近朝練来てないんだよ」
「………あいつ部長だろ?」
美綴は、本当、嫌になっちゃうよ。と言うと、練習に戻っていった。
弓道着に着替えている時、藤ねえに報告したほうがいいかどうか迷ったが、いつでも来ていいって言ってたからいいか。と思い、練習に参加することにした。
弓道場に一礼。
久々に射るので呼吸の方法を意図的に思い出す。
他にも、足踏み、胴造り。
弓を構えて、的だけを見る。
弓を引き、一気に矢を放つ。命中だ。同じ動作を後4回繰り返して息を吐いた。それを見ていた美綴は
「やっぱりすごいな、衛宮は。お手本通りだよ」
「そう言ってもらえると、嬉しいよ」
そういう美綴は、どこか疲れているようだった。
俺は、弓道部の朝練が終わるまで練習して行った。
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———
教室に着くと、なぜか遠坂がいて俺の方にズカズカと近づいてきた。
「なんだよ遠坂」
「なんだよ遠坂、じゃないわよ!あんたんとこのセイバーが、今日の朝早くにうちに来たから敵襲かと思って寝不足になっちゃったじゃない!てか、あいつどうやってうちに来たのよ!」
「さあ?」
「さあ?って!!!」
「それより遠坂、そんな大声で聖杯戦争のこと言ってもいいのか?」
遠坂は、しまった、と言うふうに顔を青ざめると、急に声を落として
「じゃ、じゃあ、細かいことは後で屋上で。昼食の時に話しましょう?」
と言うと自分の教室にスタスタと戻っていった。
どうでもいいが、俺の昼食を食べる場所はもう決まっているらしい。
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午前中の授業が終わり、昼休みに入る。
俺は、言われた通り、屋上に行った。屋上の直前の扉で慎二とすれ違ったが、俺には気づかなかったようだ。かなりイラついてたっぽいからな。
ともかく、俺は屋上に行って遠坂と会った。
「慎二はどうしたんだ?すごいイラつきながらかえってったけど…」
「ああ、あいつもマスターだったみたいなの」
「慎二が!?」
遠坂は少し疲れた顔をしながら続ける。
「そ。それであいつ、私と同盟を組もうって提案をしてきたわけ」
「それで、答えは?」
「もちろん断ったわよ。私あいつ嫌いだし」
なんだろう。聖杯戦争に入ってから、俺の抱いていた
ちょっと前まで俺の中でコイツは八方美人の完璧超人で、俺達とは住む世界が違う存在だったのに、今ではおっちょこちょいで少しワガママな女の子だ。
「そしたらあいつ、僕との同盟を蹴ったこと絶対に後悔するぞ〜って。本当、三下感溢れるわね。そもそも間桐の家は魔術回路消え去ってるはずなのになんでマスターになれたのかしら」
「ちょっと待て。慎二の家は魔術師の家系なのか?」
そういうと、遠坂はあっけらかんと答えた。
「そうよ。言ってなかったっけ。間桐がこの学校にいる遠坂以外の魔術師の家系。まあ、冬木に合わなくて魔術回路全部なくなっちゃったけどね」
なん……だと。じゃあ、桜も魔術師の家系なのか。
だからといって何かあるわけではないが……。
「それはともかく!なんであんたんとこのセイバーがウチに来てたのよ!!!」
「さあ?なんかウチの押入れから出て来たけど」
「はぁ!? 空間を繋げたの!?いつ!?」
「俺が帰った時には繋がってたけど」
遠坂は片手を額に当てながら
「ほんと………何から何まで規格外。それはそうと、衛宮君。この学校に張ってある結界に気づいた?」
「結界?ああ、なんか違和感は感じたけど……」
「そう。今はそれで十分だわ。じゃあ、今日の午後結界を解きにいくから、空けといて」
「何時くらいだ?」
確かフェムトは5:00には帰って来いって言ってたよな……
「俺、5:00には帰らないといけないんだけど」
「そう……じゃあ、授業終わったらすぐ始めましょう」
俺は、分かった。と呟くと、弁当を食べ始めた。
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あの後、特に何があるわけでもなくご飯を食べ、授業が終わった。
カバンに教科書やノートを詰めていると、美綴が俺の席までやって来て
「衛宮」
「なんだ?」
「お前、放課後も弓道部に顔出すか?」
「いや、悪いけどもう予定入っちゃってるんだよな」
「そっか。………そうなら仕方ないな………」
美綴は、少し残念そうにしながら言った。
その顔を見て罪悪感が残ったが、今日の予定は詰め詰めなので仕方ない、と自分に言い聞かせる。
遠坂は、図書室に居るらしい。なので、俺は図書室に行った。
図書室に着くと、遠坂が、遅い!!!と言ってきた。
とりあえず謝り、結界の要みたいな魔法陣を探し出す。
遠坂は、本棚の中の本を取り出して探しているが、それよりも俺が探した方が早いだろう。
「
俺は、本棚の中の違和感を探し出す。見つけた。俺はそこを指差しながら
「遠坂。ここにあるぞ」
遠坂は、半信半疑でそこを見たが、魔法陣を見つけた瞬間感心したような顔をして言った。
「へぇー。解析魔術も結構便利ね」
そうだろ。と言うと、遠坂は軽く微笑んで魔法陣を壊す。
その後、次行くわよ、と言って外に出てった。なぜかこの時俺は、昼食を食べている時に感じたことを再び思い出していた。
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その後、いくつかの魔法陣を壊して行ったが、あと2つというところで止まっていた。
「全く、あと2つなのになんで見つからないのよ!!」
「ま、まあ、焦らずに探した方が見つけやすいんじゃないか?」
その時だった。あまりにも残り2つが見つからないのでイライラしている遠坂をなだめていると、突如として空が血の色に染まった。
「っ!!これは」
遠坂は窓から乗り出して空を見ている。俺もそれに続き外を見るが、目に入ってきたのは遠坂とは違うものだった。
先ほどまで声を出してグランドを走っていた野球部が、全員倒れている。グランドの外では帰宅途中の生徒らしき人達が倒れていた。
「遠坂」
「ええ、結界が発動したわ。クソっ!!遅かったか……」
こうなったら術者を倒した方が早い。そう言って遠坂は進み出すが、それは何かに阻まれた。その何かとは、
「なんだこの骨の怪物」
「ああ!もうめんどくさい!
遠坂が投げた宝石が割れると風が吹き荒れ、骨の怪物たちは砕け散った。
これが遠坂の魔術か。当たり前のことだが、俺の魔術とは全然違う。格も、種類も。遠坂の足手まといにはなるまいと、俺も拾った傘を強化して骨の化け物を撃退して行く。
こんな化け物が校内に
「多分大丈夫よ。こいつらは、私達みたいに動けてる人間の所に現れるようになってるみたい。ほら」
と言いながら遠坂が指差した先には、先ほどと同じ骨の化け物が床から湧き上がってきていた。
遠坂は、まあどちらにせよ結界のせいで校内にいる生徒全員危険だけどね、と付け足すと、俺に向かって
「衛宮君、令呪を使ってセイバーを呼んで」
「別にいいけど、それはアーチャーでもいいんじゃないか?」
そう言うと、遠坂はバツが悪そうに
「私は……もう一画使っちゃったから……」
一体何に使ったんだ。という一言を飲み込み、俺はセイバーを呼ぶ。
「来い、フェムト!!」
……………………………………………来ない。
「?」
「ちょっと衛宮君、ちゃんと令呪使ったの?」
遠坂は、宝石を使って骨の化け物を倒しながら振り返って言った。
俺は、右手の令呪を確認したが、たしかに一画消えている。そのことを遠坂に伝えると
「はぁ!?令呪に逆らうってどんなサーヴァントよ!!」
俺にいわれても………とりあえず、もう一度使おうと思って口を開いたが、ちょうどその時声が響いた。
『ダメだよ〜シロウ。令呪の無駄遣いは』
「っ!!フェムト!!」
骨の化け物を倒し終わった遠坂は、フェムトに
「ちょっと!!!来ないってどういうことよ!!!」
フェムトは、何を当たり前のことを聞いてるんだ、とでも言っているかのような声で言った。
『何でって、そりゃあ僕がそっちに行ったらシロウの成長につながらないだろう?ああ、それとねシロウ。なんか忙しそうだから1分くらいなら帰ってくるの遅れてもいいよ』
1分では大した差は無いと思う。
『ということで、赤いマスター』
「それって私のこと?」
『そうだよ。バカだな君は』
「な!?」
遠坂が何も無い空間に宝石を投げようとするのを止めていると、フェムトは続きを言ってきた。
『君がアーチャーを呼べば良い。彼ならオッケーだ』
遠坂は、苛立たしげに顔をしかめながらも、フェムトの言う通りアーチャーを呼んだ。フェムトと違いすぐに来たアーチャーを見ながら遠坂は、
「令呪もこれで残り一画か……」
若干肩を落としている。
『じゃあ、頑張れ』
フェムトは、通信を分かりやすくブツンと切って終わらせた。
アーチャーも遠坂も、その通信の後何も言わずに前に進みだす。
なんだろう。なんだか悪いことをした気分になる。俺もそれに続くが、空気が重い。
先程までと同じように、骨の化け物が床から湧き出てきた。遠坂が小さく
「アーチャー」
と言うと、アーチャーがどこからともなく黒と白の双剣を出してその化け物をなぎ倒す。
遠坂は遠坂で片手を前に突き出してガントを飛ばして化け物を蹴散らしていた。一通り見える範囲の化け物を倒すと、遠坂が
「はぁ、まあ、セイバーが無茶苦茶なのは知ってたけどここまでとは……。まさか令呪にまで逆らうなんて」
ははは、と相槌を打っているそのとき、廊下で誰かが倒れているのを見つけた。
慌てて駆け寄ると、その誰かは美綴だった。遠坂も駆け寄り美綴に触れたかと思うと次の瞬間
「衛宮君、綾子の体解析して」
「は?何を言ってるんだ?」
「いいから早く!!」
鬼気迫る遠坂の迫力に押され、言われた通りに美綴に解析魔術を使う。そこで見つけたのは、
「っ!!魔法陣。ちょうど背中の真ん中だ、遠坂」
「OK、わかったわ」
遠坂は他の魔法陣を解除したのと同じ方法で美綴の魔法陣も解除していく。
解除し終わると同時に、美綴の体が一度ビクンと跳ねた。
「この術者、もう謝っても許さないわ!!まさか一般人のオドをむりやりつかうなんて……文字通り命を削ってる」
遠坂がこの言葉を言った次の瞬間、上の階からすごい音が聞こえた。
ゴンっ!といハンマーか何かで床や壁を叩いたような音。
遠坂とアーチャーは、美綴を俺に任せて上の階に行った。なんでも、今の俺では力不足だそう。
ともかく、美綴を守りながら遠坂を待っていると、窓の外に広がっていた血の色が消えていくのが見えた。
どうやら結界の解除に成功したようだ。一つ安心していると、となりの美綴が、ううんと呻きながら目を覚ました。
「美綴、大丈夫か?」
「え、衛宮!?いや、……そうか、私は倒れたんだったな」
「熱でもあるのか?少し顔が赤いみたいだけど」
俺が美綴のおでこに触れながら言うと、美綴の顔はさらに赤くなった。
……風邪でも引いてるのか?美綴は、プイッとグランドを見た。それからもう一度俺の方を向くと
「え、ええええ衛宮。もう体は大丈夫だから、ぶ、部活に行ってくりゅ」
俺は、そうか。と言い見送った。
ちょうど美綴と入れ替わるような形で、遠坂が上の階から帰って来た。
「状況は?」
「この結界の犯人は慎二。アイツはライダーのマスターだったけどライダーは何者かに殺されていたわ。後、キャスターっぽいのの使い魔的なものにも会ったわ」
俺が、遠坂の報告を聞きながらチラリと時計を見ると、時計の針は4:25を示していた。
「ヤベ。あと25分+1分までに帰らないとフェムトがヤバい。と言うわけで、俺は帰らせてもらう」
遠坂は、明日の昼に細かいところは話しましょう。と言ってきた。
俺はその言葉に甘え、猛ダッシュで家に帰った。
家に着いたのは4:50。まあまあではないだろうか。ともかく。俺はフェムトを呼んだ。
「呼ばれて飛び出てジャジャジャジャーン!!!」
フェムトは、俺の下からニュルっと出て来た。俺がそれにびっくりするとフェムトは楽しそうに笑いながら
「HAHAHAHAHA!!いやぁーあまりに暇だったから君があと10分でも遅れていた時用に全部で72個も地球滅亡の方法を考えていたよ」
今聞き流してはいけない単語が出て来たような気が、まあ置いておこう。今日の本題は
「今日はシロウ、君の修行だ。さあ、庭に出たまえ」
俺は渋々外に出た。そしてフェムトは指をピンと立てると、どこかから昨日の
「こいつは剣を主体とした戦い方の合成獣だ。とりあえずこいつと戦って見て」
俺は棒を拾い上げて強化すると合成獣と向かい合った。
「さて、試合開始だ!!!」
フェムトの掛け声とともに合成獣は剣を振るい始めた。
はじめの方の何撃かは防げたのだが、それからあとは無理だった。
俺の反応速度をはるかに超えている。
どれくらい経っただろうか。俺の持っている棒が折れ、その隙を狙った合成獣が俺に向かって剣を振り落とそうとしている。
その時俺は、何かそれを防ぐために必要なものはないか探したが、なかった。こうなったら何かを投影するしかない。この合成獣の剣を相手にしても折れないような何か。
最初に思い浮かんだのはいつも夢に出て来ていた黄金の剣。だがあれは無理だ。構造が全くわからない。
次にランサーの槍。あれも無理だ。構造自体は、まあ分かるが、俺は槍を使えない。
最後はアーチャーの双剣。これだ、と思った。なぜかは分からないが、俺はこれしかないと思った。
合成獣の剣が俺の体に触れる直前、俺はアーチャーの双剣を作り出す。今までの投影とは違い、中身があるのが分かった。今までの俺の投影は中身がないハリボテだったがこれは違う。これには中身がある。
俺はその剣を振るい、合成獣を倒した。合成獣を倒すと、フェムトがパチパチと拍手をしながら近づいてきて
「明日までに何かカッコいい技名考えといて」
と言って家の中に入っていった。
「サーヴァント、アーチャー。召喚に応じって、お前魔術師じゃないな?」「あはは、すごいの呼んじゃった」「私はランサーのクラスでいいのだろうか」「だから、こいつの狂気は理性を極めた末の狂気なんだよ」「待っていたぞ、比企ヶ谷」「クレオパトラーーーー!!!!!」「魔術将軍?」「その不敬万死に値する」「面白くなって来た」
「サーヴァント、アサシン。召喚に応じ参上した。あんたが俺のマスターか」
Fate/Lonely Assassin近日公開!!