Fate/Corruption Justic   作:らららい

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今回は戦闘なしの短めな内容となっております。
引き続き、この作品をよろしくお願いします!
・・・・できれば、感想と評価をしてくださるととっても嬉しいです。


霧の夢

 夢を見た。

 霧が深い町の夢。その町は、遊園地のように騒がしく、それでいてスラム街のように無法地帯な町だった。

 空を飛ぶ異形の生物、町を歩いている超巨大なナニカ。どうやって支えているのか分からないほど細い地面の先には大きな病院がある。

 そんなにも現実感がない町のはずなのに、どこか懐かしい。

 ここに居たいとは思わないけど、ここから出たいとも思わない。

 そんな時、俺は一つの人影と目があった。

 くすんだ金色の髪に、軍服の上から白衣を着ている人物。

 その人物は、俺に向かって

 

「まだ君には早いよ」

 

 俺はこの人を知っている。なのに、なぜ思い出せない。

 その人物は、くるりと背を向けると人混みに紛れてみるみる遠くに行ってしまった。

 待ってくれ。そう言いたいのに、言えない。

 追いかけたいのに動けない。

 だんだんとその人物は遠ざかっていく。それに連動するかのように世界がだんだんと崩れていく。

 待って、まだ俺は○○○○○○○

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「っ!!!」

 

 目がさめると同時に身体が起きた。

 なんだろう。何かとても大切なことを夢で見たような気がする。が、思い出せない。頭に霧がかかっているかのように、思い出すことができない。

 クソ、それにしても汗がすごいな。凄い悪夢でも見たのか、それとも体でも壊したのか。

 まあ、どうにせよシャワーでも浴びるか。

 この汗吸ってるシャツを脱がないと風邪引きそうだ。そう思い、シャツを脱いだところで

 

「入るぞー衛宮」

 

 美綴が入って……美綴!?

 

「なっ!衛、ごめん!!」

 

 美綴は、部屋の外に出て

 

「目、覚めたんだな」

 

 安心した、という風に言い俺が服を着たかどうかを確認してきた。

 

「衛宮、服、着たか?」

「ん?ああ、ちょっとだけ待て」

 

 俺は、なぜか枕元に置いてあった着物に袖を通し

 

「着たぞ」

「そっか、じゃあ入るぞ」

 

 入ってきた美綴の顔は、茹で蛸のように真っ赤だった。

 何かあったのか?

 

「あの……お粥作ってきたので、食べてください!」

「ありがとな。あとなんで敬語なんだ?」

 

 それは……と顔をさらに赤くしながら口をモゴモゴさせて押し黙る美綴。

 本当に変だな。風邪でもひいているのか

 

「まあ、言いたくないならいいけど」

 

 お粥を口に運ぶ。

 上手い具合に出汁が効いて居て、とても美味しい。

 ここ最近色々と大変でボロボロになって居た俺の体に染み渡っていく。

 

「やあ、シロウ。目は覚めたかい?」

 

 ……こいつはいつもなんの脈絡もなく出てくるな。

 

「フェムトさん。ありがとうございます。お見舞いさせてくれて」

「いやぁ、いいよ。僕も保護者としてシロウのことを想ってくれてる人がいるだけで嬉しいから」

 

 お前がいつ俺の保護者になった。

 

「あ、衛宮。お粥食べ終わったか?じゃあお皿貰うな」

 

 と言いながら俺からお皿を受け取り

 

「シロウ。知ってるかい?」

「何を」

 

 フェムトは俺の背後に立ち

 

「着物ってね、簡単にはだけるのだよ!!!」

 

 俺の帯を引っ張った。

 

「なっ!!ッ!!!キュ〜〜〜」

「大丈夫か!?美綴!!!」

 

 俺は、駆け寄って倒れた美綴を抱えたのだが、

 

「ッ〜〜〜」

 

 何故か美綴は美綴は気絶してしまった。

 

「ダメじゃないかシロウ。ミツヅリは君の上裸を見ただけで即倒ものだったのに、直接触れるとか」

 

 なんの話だ。俺は、とりあえず美綴をさっきまで俺が寝て居た布団に寝かせ、シャワー浴びに行った。

 

 

 

 

 

 

 

 ザーザーとシャワーを浴びながら、昨日の出来事を考えていた。

 昨日のこと、と言ってもアサシンと戦った事くらいしかないが……

 そのアサシンだ。彼の剣技は、人知を超えていた。

 俺が戦った時も十分手強かったのだが、その次、フェムトとの戦闘の時にはさらに上を行っていた。

 アサシンの三つの攻撃を一つに重ねていた技。俺がいくら修行したとしても相殺することはできないだろう。

 正義の味方になるには、もっと強くならなくてはいけない。

 それこそ、アサシンの剣を止められるくらいには。

 

 できるのか?俺に。

 

 ふと、始まりの夜にフェムトが言っていた事を思い出した。

 

 

『僕は、これから君を強くする。それが僕の目的だからね』

 

 俺は、すぐにシャワーから上がり、フェムトの元へと向かった。

 

 

 

 

 

 

 

「フェムト、俺を強くしてくれ」

「だが断る」

 

 予想だにしなかった答えだった。

 

「なんでさ……」

 

 フェムトは、ニヤニヤ笑いを消して言う。

 

「シロウの言う強くしてくれって、今すぐにって事だろう?それじゃあなーんの今も無い。僕はね、君の成長の手助け、いわば師匠みたいなことをしたいんだよ。それに、君は僕の力で強くなっても納得しないだろう?安心しなよ、シロウ。君は異常なスピードで成長して行っている。だからきっと大丈夫だよ」

 

 でも、それだったら救える人も救えなくなる。俺が強くなるまで、不幸な人は増え続ける。

 それくらいなら俺は、自分が納得できない力だろうが使う、使ってやる。

 俺が拳を握りしめていると、押入れがガラッと開いて

 

「衛宮君目覚めたの!?」

 

 ……なんだろう。ツッコミどころが多くて驚く暇もない。

 

「待ってたよ、赤いマスター。要件はなんだい?」




薄暗い部屋の中で、一際目立っている人物が一人。
黄金のごとく輝いている髪に、燃えるように赤い瞳。ライダースーツに身を包み、ソファーに身を任せていた。
その青年に向かい、部屋に入ってきた神父は語りかける。

「聖杯戦争が始まった」

青年は、興味ありげな笑みを浮かべながら続きを待った。

「すでにライダーのクラスが敗退している。それと同時に、ちょうど良いものが手に入った」
「ほう。(オレ)を愉しませることができるほどのものか?」

神父は、愉悦の笑みを掲げながら

「さあな。ただ、私が知っている中では最大の道化だ。どうだ。お前もそろそろ暇をしていた頃だろう」

青年は、フッと息を吐き

(オレ)に参戦しろと」
「それはお前が決めることだ」

青年は立ち上がり

「いいだろう。この(オレ)自ら戦いに赴いてやろう」

その青年はどこまでも人を見下しながら、どこまでも人を愛し、

「ちょうど退屈していた所だ」

今ここに、人類最古の王が聖杯戦争に参戦した。
その存在がどう影響するのか、はたまた影響しないのか。
知っている者は、()()しかいない。
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