Sword Art Online For Dark Souls   作:心折れた男

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評価に0とかじゃなくてなんとも微妙な2が叩きつけられてるんですけど、どういうところを直すべきなのだろうか、と少々首を傾げている作者です。

キャラの扱いがひどいなんつっても作風だし、ダークソウルがクロスしたらしたで、どっか原作からは良くも悪くも捻じ曲がるのは仕方ない鬱ゲーな気がするから、人を選ぶ作品ってことなのかなぁ...なんか少し悲しいです...

勿論、そこは不快な描写があるようならば謝罪しますし極力改善しますが、そこは笑いありというよりフロム作品漬けの非力な私を許してくれとしか言いようがないのがなんとも...

今回はいつもの半分程度の短さでお送りします。


追記:感想で『わからない!わかりにくい!』との言葉を頂いたので追記修正したら結局3000文くらいになりました。

さっさと書こうとした私の卑劣な行為を許してくれ...



【仲間の予感...】







 

もはや目の前の数センチしか見えない程の濃霧と化した19層の空間で、重剣と重剣が重なり、弾け、何度も火花が散る。

 

その度に剣は疼くのだ。

 

もっと、もっと荒れ狂え、かつて彼自身が行なっていた虐殺の如く、目の前の敵を惨殺しろ、と。

 

 

この霧の内では、どんな動きですらも死角としかならない程に暗く、また敵の姿も捉えることなどできない。

 

故に、敵の剣の動き、いわば風を切る、土を踏む、息をする、などといった、視覚をおまけとしか作用する価値がなくなり、他の五感を活用しなければまともな戦いすら出来ない、そんな戦場へと変わり果てていた。

 

 

しかし、かたや暗殺に塗れた陰の者、かたやありとあらゆる場所で死に、殺してきた陰の者。

 

 

そんな薄汚れた世界の住人である二人しか、今ここでまともに戦うことができない程の悪場なのだ。

 

 

キリトも、アスナも。

 

この二人は『純粋に最高峰の戦いの才能』に秀でてはいるが、『暗い部分』としての戦いの経験は全くといっていいほどなく、手を出すことができない。

 

 

そんな霧中、PoHの付き添い、かつキリトに先制の一撃を防がれたフードの男の姿は付近にはなく、どこかに『隠れた』ようで、今どこにいるのかすら定かではなかった。

 

 

 

「貴公...貴公は殺人を楽しんでいるわけではないな」

 

 

 

やがて剣舞は語る。

 

『PoH』と呼ばれる男の本質、その一欠片。

 

 

 

「貴公が楽しむのはもっと非道なもの、そう見える」

 

 

「なにごちゃごちゃ言ってんだ、避けねぇとてめぇが死ぬぜ!?」

 

 

 

言葉すら不要。

 

また新たに暗闇の中、種火が付近へと撒き散らされる。

 

蛍のように美しくも、人々を焼き払う却火のように禍々しいそれが連続で照る空間で、なおも、流刑人の呪われた刃は求めるのだ。

 

 

『いつものように斬り殺せ、いつものように叩き伏せろ、いつものように...』

 

 

否定する、そうでもなければ、手に届く範囲にある『光』を喪いそうだから。

 

不死人としての本能に振り回されるのではなく、『シンダー』としての理性のまま、『敵』を殺す。

 

 

そうでなければ、彼が生まれ変わった意味などありはしない。

 

かつての同じ事をすれば、それは『不死人』、『灰』としての行為の繰り返しでしかない。

 

 

火継ぎの再現を、命の延長のように行った忌むべき『王狩り』の時のように。

 

 

 

「貴公の剣は...剣筋は歪んでるよ」

 

 

「正真正銘の狂人だ」

 

「だからどうした?」

 

 

 

鼻で笑い飛ばす男の光景は、やはり歪んでいるのと共に、壊れ、狂気に呑まれた者の、亡者化した不死人よりも変質したもの。

 

産まれながら持った狂気というより、植え付けられて歪み、それが自身の『誠』として曲解し、本当に自分の感覚として纏わり付いてしまったと言った方がいいのだろう。

 

 

 

「てめぇも他人にとやかく言えるほど『まとも』じゃあねぇだろうがぁ!」

 

 

 

壊れた笑みを浮かべながら、全身全霊での振り下ろしの構え。

 

 

楽しいのだろう、PoHとシンダーは似ている、そんな者と出逢い、こうして殺しあう刺激が純粋に。

 

 

どちらも世の狂気に縛られ、殺人の人生に縛られた者。

 

 

そこからの派生が、彼ら二人の道を別っただけだ。

 

世界さえ同じなら、シンダーはPoHの殺人者の同僚に、PoHは闇霊としてシンダーに襲いかかったりとしたのかもしれない。

 

 

しかし、そんなことは彼にとって、シンダーにとっては最も忌むべき現実。

 

 

化け物、悪魔狩り、殺人者。

 

 

「貴公ほどでもないッ!」

 

 

故に否定する、その宣告の剣を、先ほどの『狼の剣技』を逸らされた時のように、見事な傾け方による受け流し。

 

 

「ぬおっ...てめぇ!」

 

「眠れよ貴公、いずれ私もそっちへ行く」

 

 

絶好の機会としてのこの一瞬。

 

それを見越して断罪を振り被る彼の斬りおろし、どうしようとも避けられるものではない。

 

 

 

だからこそなのだろう、この時、見えない霧の中で、『隠れていた人物』が姿を見せたのは。

 

そのまま、男はのけぞったPoHの背後からとびだした。

 

目は決死の意思を示しており、その手に持つ短剣から、きっとそのまま、現在決まると油断しているように彼からは見えたらしいシンダーの懐に入り、刺し殺すつもりなのだろう。

 

 

もしくは、それを恐れたシンダーの剣が止まることにより、PoHの来るべき死を防ごうとしたのか。

 

 

 

しかし、シンダーの目は彼の事など眼中にない。

 

ただ、目の前の『自身』の断罪を前にして、たかが一つの、自分の『死』など、恐るるに足りぬ有象無象。

 

 

歯牙にもかけず男を無視し、ただ、かつての自分に似た『男』を切り捨てることにより過去への決別...いや、それは逃げなのかもしれない。

 

だが、だからといって今更剣を下ろさぬ理由もなく。

 

 

 

祈るように瞑目し、それは絶対に決まるという彼の余裕の表れ。

 

 

 

目覚めを、この悪夢から。

 

夜明けとしよう、この一太刀で。

 

 

死ではなく、目覚めの餞として、シンダーは心より、自身に似て非なる狂人へと終わりのギロチンを振り下ろした。

 

 

 

「こんなところで終わりとは、ついてねぇ、ほんとについてねぇよなぁ」

 

 

 

それを前にし、PoHは『嗤う』。

 

その剣を恐れていないかのように。

 

 

何故かその表情は嘲笑に満ち、先の見えぬ霧に呑まれた手には、武器は持っていないらしい。

 

彼なりの、最後の置き土産の光景とでも言うのだろうか。

 

 

だが、そんなところで避ける事など叶うはずもない。

 

 

ざっくり、と。

 

肉に入る感触が、彼の手に渡る。

 

 

 

 

HPバーはそのまま赤から0へと行き...正真正銘の終わりを告げた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あーあ、可哀想になぁ...」

 

 

 

しかし、果たしてPoHの笑みは、情けない負け犬の置き土産のようなものでしかないのだろうか。

 

否、否。

 

狂人の足掻きは、人の道理など関係なく。

 

ただ本能の赴くまま進み、非道を行うことに一片の憂いもありはしない。

 

 

 

 

シンダーが確実に仕留めた獲物を看取る為か、静かに目を開けた光景は。

 

 

 

 

「!」

 

 

 

「なんで...PoH...さん」

 

 

 

PoHを助けようとしていたフードの青年が、首を掴まれて彼の盾にされ、頭から下半身にかけて、一文字の袈裟斬りの傷を残して死ぬ瞬間だった。

 

表情は絶望と驚愕、そしてあまりにも色濃い悲哀に満ちており。

 

 

砕け散るその数秒、ずっと、ずっとその面持ちを続けていた。

 

 

 

「...な」

 

「...ひどい」

 

 

 

固唾を飲んで見守っていた正気な人間である黒と白の目から見ても、それはあまりにも酷いもので。

 

 

 

「...貴公...貴公は...」

 

 

 

剣を振るった彼の背は震えた。

 

斬り殺したものの表情と遺言を聞き届けながらも、怒りに狂いそうに。

 

 

「てめぇが殺したんだろ?」

 

 

 

だが、彼は嘲笑う。

 

今の瞬く惨劇の中、霧に全身をやつして既に逃走を図ったPoHの声だけが、この悪『霧』の主であるかのよう。

 

 

 

「まだ誰一人殺してねぇうちの新人君をあんな残酷に殺すなんて、なにが【青の騎士】だ、てめぇの方がうちよりも血濡れだろうが」

 

「夢に酔うのはいいことだがよ、『黒の剣士』なんてメじゃねぇ、てめぇがきっとこのゲームの中で一番狂ってるだろうよ」

 

 

 

 

 

 

 

「哀れだよ、『ドン・キホーテ』」

 

 

 

 

 

 

 

妄想を信じて生き、最後には正気に戻ったと言うある狂人の逸話、それがシンダーだと嘲り、そのまま笑い声と共に霧散して行くPoH。

 

 

「貴公は...そういう男なのだな」

 

 

ようやく理解したとばかりに、舞い散る死の破片が纏う霧の中、悲鳴のように叫んだ。

 

 

 

「貴公は!貴公は絶対に許されぬ!私と同じ、ロードランかぶれの狂人めがッ!」

 

 

 

霧は散れど、そこにあるのは眩しく暖かい光にあらず。

 

その温もりは、今の彼には、かつての自身を『殺せ』と囁きかける、呪いの種火のようにしか感じられなかった...

 

 

 

 




PoHさんがこんなところで死ぬ訳がないなんて今明かされる衝撃の真実のレベルですらないよね...

さてはて、後書きに書くようなことは...特に今回は無し。

次は、黒と白の男女が求めた『真実』を得ることにはなりますが、史実ではこのまま二人は手を繋いで幸せに終了エンドだった六話とはかけ離れたものとなるでしょう。

アスナさんはキリトくんの闇を目にし、どういった答えを返すのか。

まぁキャラアンチをしないって決めた時点で結果はスケスケだぜ


少々シリアスが染み込んでくるので、ほのぼの要素が薄くなったらすまない。


【この先、悲しみがあるぞ
そして、希望】
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