Sword Art Online For Dark Souls   作:心折れた男

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ランク49になっても赤城さんが出ない...3-4はロスリック時代やヤーナムにも負けない魔境だぜ...聖杯結晶...うっ頭が。

さて、戦闘シーンは今回短め?いや元々短め...?

まぁいい、そんなことはいいんだ、重要なことじゃない。


いつのまにか感想を頂ける方まで見ていただいていて、誠に感謝の意に絶えません。

今回の作品は、SAO成分が薄いのでお許しいただきたい。

ダクソからの方々も、独自解釈の塊なので、突っ込まれることは心しております。


さて、今回も小満足していってね!



【宇宙は空にある
そして、憐れな亡者】






覚醒

 

 

 

 

 

 

肉が裂ける感覚は、時に人を滾らせ、心躍らせる快感を与えてなおその殺意を強める。

 

裂いた肉が敵のものであれ、自身のものであれ。

 

痛み、撒き散らされる血液、むせる鉄の薫りと、ドス黒い濁った感情の発露。

 

 

 

 

この時代に『当てはめられてから』シンダーが長らく感じられていなかった、忌々しくも身体は求めていた戦いの本能が、欲求が次々と芽吹き、あまりに醜い花を咲かせていく。

 

 

散らされた氷の花弁達の真逆にすら及ぶだろう、彼の『灰』の本能の奥底に陣取る花々の禍々しさは、白竜の返り血を浴びせられて、枯れかけていた身体を震わせる。

 

 

 

 

 

忌まわしい快感を奥に押しとどめる理性を削りながらも、シンダーが振るう竜狩りの一撃は極めて鋭い。

 

 

それは返しに振るわれた白竜の爪の先へとぶつかり合い、真紅の血液と火花が舞い散って。

 

 

稲妻は白竜の肉と骨を内側から食い破り、余波はシンダーの血肉に千切れんばかりの衝撃を叩きつけ。

 

 

 

 

 

「...流石」

 

 

 

 

 

一つの決め手を外したと解した彼の跳躍手段の確保は早く、前にも使った鬼切と姥断に切り替えると、すぐ様武器の記憶を元手にふわりと飛び立つ。

 

 

その直後に白竜の尾から成る薙ぎ払いで、彼がいた場の地面が、雪と氷を粉々にしながら掘り抉られた。

 

 

 

狂うように荒れながらも、攻撃は至極冷静で、確実に殺しに来ている。

 

それは、曲がりなりにも『竜』である威厳とも言える恐ろしさであった。

 

 

 

 

憐れなものだ、これが白竜の末路と言うならば。

 

どこまでも、一片たりとも救われないではないか。

 

 

 

勝利の先にある白竜の魂の強奪に飢えた、四肢の一撃はあまりにも重く、穂先の一閃にすら及ぶほどに鋭い。

 

だが、これの根元が過去の否定など、あまりに『存在』が報われないではないか。

 

 

 

 

 

 

 

薙ぎ払いを回避したシンダーに隙は無く、無防備である空中に浮いた状態、老いた茶の布を燃ゆる太陽の光の下に翻しながら、鋭く白竜の背後を取り、一番上の翼を右から左に、まずは利き手に最早時が経ち『姥断か鬼切か判別の付かなくなった片割れ』を逆手持ち、横一文字に引き裂く。

 

血飛沫が噴き上がり、白竜の悲鳴を他所にもう片方の翼も、残りのもう一本の刀を回転しながら引き裂いて、まるで幽鬼の如くゆらりと、そして返り血に塗れた亡霊のような姿で輝く地面へと降り立った。

 

荒れた白竜の攻撃を全て避けることはままならず、回避したはずの布はところどころ避け、砕け散った鎧の部分も垣間見えるが、シンダーの致命的なカウンターは成功と言える。

 

 

 

 

 

 

しかし白竜も流石は『竜』、二つの翼を引き裂かれてなお怯みの姿は見えず。

 

喉元は膨れ、頭部は天を仰ぎ。

 

 

 

 

 

 

あと数瞬の後に何が起こるかを予見した彼の次の武器は、『ロンドールの白い影』という『暗殺者』が好んで使用した暗器、『傀儡の鉤爪』。

 

左手で使えば武器を弾く恩恵を、右手で使えば身軽なステップを踏む手段を教えてくれるこの武器を持った方向は、果たして右手。

 

 

 

 

 

まるで、かの黒の剣士にも勝るとも劣らない連続の地面蹴りは、白竜の視界から忽然と消え去ったかのように速く、そして隠密の動きを見せる。

 

名も知られず、いつのまにか敵の命を刈り取る腕利きどころか神がかった暗殺者の如く。

 

気づかぬままに白竜は、誰もいない氷の地面に、彼の代名詞とも言える結晶の吐息を吐き出した。

 

 

そのブレスは、まさしく呪怨の結晶に満ちている。

 

 

巻き込まれれば精神の須くを破壊し、肉体の機能を喪わせ、命ごと奪い尽くしてしまうほどの強烈な呪いが篭っているのだ。

 

見た目には純白の煌めきが無造作に光り輝く聖なる吐息、しかし中身はといえば、口に出すことすら悍ましい怨念の塊。

 

 

 

その圧もさるもので、近くにある氷の柱は、無慈悲な暴風にたまらず砕け散り、その無垢な剛圧の一員と化してしまった。

 

 

しかしシンダーの身は、多少ボロ切れに結晶を纏うだけで済み、白竜の視界にはあらず。

 

 

油断したのだろう、少し警戒の溶けたその背を。

 

 

助走をつけ蹴り飛ばすことにより上へと勢いよく飛び立ち、瞬く間に白竜の頭部へとたどり着いたシンダー。

 

その背後の陰に気付いた時は既に遅し。

 

 

 

 

彼の両手には、既に、別の武器が。

 

数々の混沌のデーモン達と対峙し、皆殺しにしてきた黒騎士の振るう強力無比な特大剣、『黒騎士の大剣』が握られていて。

 

 

首筋辺りに、その剣の切っ先は突き刺された。

 

 

 

 

悲鳴どころではない、急所を貫徹された竜の叫びは悲痛に満ちている。

 

だがこの程度では白竜は終わらない、よくて『少し弱った』くらいだ。

 

 

それを知っているシンダーの思考は、さらなる猛攻のプランを叩き出す。

 

 

 

突き刺したまま、なんとほぼ垂直の背中を駆け下りて、吹き出す真っ赤な体液に塗れながら深く一筋の切れ込みをいれてしまったのだ。

 

 

 

こんなことをされては白竜も敵わない。

 

狂えど生物が持つ痛覚の警笛にこてんぱんにのめされ、もんどりうって地面にうつ伏せとなる形で倒れ臥す。

 

 

 

 

だが、弱々しく嗎を立てるも、しかし目から滲み出る戦意は尽きることが無い。

 

爪は未だ血を求めて地面を穿ち、残った四つの翼は砕けた氷を吹き飛ばし、尾は今にも敵を打たんと風切り唸る。

 

 

 

 

 

 

 

一方、血が纏わり付いた黒騎士の大剣を懐にしまって地面に降り立ったシンダーは、心の奥で一息ついていた。

 

 

 

 

 

——白竜シース、やはり貴公は恐ろしい存在だ...

 

 

 

 

 

 

 

 

いつのまにか彼がつけていた呪い咬みの指輪は、ドス黒い怨念に悲鳴をあげて軋み、血の盾も若干に薄暗く変色している。

 

 

 

それは、前よりも遥かに呪いの質が増し、ただシースに近付いただけでもその地獄をその身で受けねばならない、ということを証明していた。

 

 

さらなる証拠として、ブレスの結晶が残るだけでも鎧の布、その端々は更に暗色へと変わり果てていて。

 

あともう少しで、保護の効果を貫いて呪いがシンダーの身に届きそうだった、故に彼は手早く勝負を決めねばならなかった故、これ程までに無茶苦茶な突撃を行ったのだ。

 

 

 

結果は成功とはいえ、血の盾は兎も角、この呪い咬みの指輪は使い物にならないだろう。

 

普通のものより質のいい(+値の高い)同種の指輪を拾っていたことが功を奏したか、などと今までの輪廻に感謝せねばならないとは中々の皮肉である。

 

 

 

 

 

 

「さて」

 

 

 

 

 

 

自身の後始末が終わった彼は、壊れた指輪を懐に収めつつ、また別のものを右手の内に収めていた。

 

籠手の隙間からは輝く程に生命力を感じる光が漏れ、その『炎』の心の内が見えるようだ。

 

 

光を浴びた途端、白竜の眼の色が変わり、先程暴れ狂っていた時以上に『飢えた』叫びをあげて、動けぬ身体で悶え始める。

 

 

 

 

 

 

「...返そうか、ずっと借りていたものを」

 

 

 

 

 

 

もはや言うまでもなくお分かりだろう、その手の中にあるのは彼のソウル。

 

憐れで、愚かな『竜』擬きの残り香。

 

 

 

ゆっくり、しかし威風堂々と武器や盾すら持たずに、吠える白竜の頭部へと歩んでいくシンダー。

 

するとどうだろう。

 

 

光が近づいていくのと共に、御伽噺に出て来る『勇者を待つ正義のドラゴン』のように、静かに待ちながらかつ理性に満ちた眼で、近づく『仇』を見つめているではないか。

 

元々の『白竜シース』という心が戻っていっているのでは、と錯覚するほどに、その歪んだ暗闇しかなかったはずの眼に、限り無く澄んだ、誇り高き光が宿っていく。

 

 

 

 

ああ、狂っていたはずの白竜が、堂々と『その時』を待っている、などと誰が信じられようか。

 

 

 

 

 

 

だが、この淡い氷と、白竜の翼を通して七変化する太陽の煌めきと。

 

仄かに香る黒い血潮の香りの中で。

 

 

他の誰にも見られることが無く。

 

他の誰にも邪魔されることも無く。

 

 

 

 

 

 

「...貴公がやったことは知っているさ、それも許されることが無いほどの事だ」

 

 

 

 

 

 

本当に近く、掌を太陽に向ける形でソウルの受け皿を作った右手を突き出し、白竜の顔へと近づけるシンダー。

 

 

 

 

 

 

「だが、かつて『借りたもの』は返すべきだろう...」

 

 

「貴公のソウルも、それを求めているようだからな...」

 

 

 

 

 

 

その途端、まるで命を持ったかのように焔は彼の掌を離れ、ゆらりゆらりと、『抜け殻』へと入り込んでいった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「借りは返したぞ———」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「——シース公爵」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その『名』を告げた時。

 

 

 

 

 

たしかに白竜は動けない傷を負っていた筈なのに。

 

稲妻で肉を焦がされ、骨は砕かれ、刃でところどころ深々と引き裂かれていた筈なのに。

 

そして、『あの時』も、『先程』も狂える化け物であった筈なのに。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「公爵、か」

 

 

 

「懐かしい名だ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

シンダーに陰が出来るほどの巨体を持ち上げ、立ち上がり。

 

 

その眼には、『竜』としての威厳を本来の意味で待ち合わせた『支配者』の猛りながらも冷静で、王者の風格を持つ光を差し込み。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「そうだ、人の子よ...我を今、二度...いや、『数える事すら億劫になるほどに』討ち破った子よ」

 

 

 

「かのグウィンの『火』の欠片を持つに相応しい貴公」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

理性的に、静かで、心を落ち着かせる堂々とした声で。

 

深手を負い、今にも燃え尽きそうな命であることを感じさせないその偉大な姿は。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「感謝する、貴公のおかげで、我は『我』へと戻ることができた」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「そうだ、我が名は白竜シース」

 

 

 

 

 

「探求の竜であり、かつてはじまりの火を継いだ王、グウィンの同胞となった者なり」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

——まさしく、かつて『闇の世界』の支配者であった存在であった。

 

 

 

 

 







行動はイカれてても話せる時はシースさんは話せたという妄想。

ソウルを返せば甦るのはロザリア姉さんより。



喋り方とかは捏造でしかありません。

もしかすると『なんでや!なんでワイのウロコ見殺しにしたんや!』とか言うかもしれませんが根本的な解決になってません。





ここだけの話ですが、きっとこの時間中は『あの二人』はドラゴンさんに『騙して悪いが』されてる頃でしょうとも、ええ。




ああ...あとは。


この作品のキリトくんとアスナさんは、たしかに仲の良い二人ではあるのですが『史実ほどに親密ではありません』。

つまりそういうことで。




【悲しみの予感...】

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