Sword Art Online For Dark Souls 作:心折れた男
主人公が持っている武器やアイテム、魔術系統の数々はたしかにチートと言えるものでしょう。
バランスブレイカーもいいところです。
しかし、それを自由に振るうことは、果たして彼にとってはどのようなものなのでしょうか。
それでは。
【先生万歳!】
夜が明けた。
シンダーからすれば、明ける夜など、記憶が磨耗した今では覚えていない。
おそらく不死人になる以前の幸せだっただろう。
輪廻とも言える地獄を経験した『夜』の経験はあれど、すべてが晴れ渡る『朝』など、ロードランにも、ロスリックにもありはしなかった。
だからこそ、今誰かと共に火を囲い、新しい1日を迎えられる『普通』を、強く心より噛み締めていたのだ。
——ああ、しかし闇の王と呼ばれたこともある私が、光を目の当たりに出来るなど...やはり、世はままならないものだな。
ふと、『死んだ』薪を見ながら想いに耽るシンダー。
「おおい、どうしたんだシンダー」
後ろから呼び声がかかる。
その声、寸分たがわずキリトのもの。
「今のうちにレベルを上げておかないと、狩り尽くされるからな...シンダーも、まだレベル1ということだし、忙しくなるぞ」
快活に若い笑顔を浮かべるその目には、優しさと共に、闘いに向けた闘志が垣間見えた。
キリトから聞いた話では、もうしばらくしてから、この『だいいっそう』と呼ばれる場の『ボス』とやらに、集団で挑む企画が、この時代の人々で起こるらしい。
その為に、彼は所謂レベル上げ、というものをここの敵を討伐して行う、そんな魂胆のようだ。
それを聞いたシンダーは、昨日会ったばかりというハンデもあったが、また、心より、キリトに頼んだのだ。
『貴公に、暫く世話になりたい。この世界のこと、『げーむ』とやらのこと、そしてここで生きる術を学ばせて欲しいのだ』
『構わないぜ』
即答であった。
元々シンダー自身に悪意などなく、裏表の無い行動が、キリトに好意を持たせる決め手となったのだろうか。
それは定かでは無いが、『ボス』とやらに挑む前の仕込みとして、まず、シンダーは『ソードスキル』なるものを、学ぼうとしていた。
だが。
「...出ないな」
「...おかしいな」
またしても問題が起きる。
シンダーに『ソードスキル』の適正がないのか、はたまた『バグ』という謎の単語のせいかは不明瞭だが、彼が何度キリトの指示通りに動こうと、一切それは発生しなかったのだ。
しかしながら、それで落ち込むにはいささか早過ぎた。
シンダーには、自らを認める武器が、武器自身を最高に使える記憶を教え、力を最大限に貸してくれる『あの技』がある!
短剣では、目にも止まらぬ強烈な刺突を行い。
長剣では、構えからの一撃により、簡単に防御を跳ね飛ばす致命の切り上げとなる。
そう、その名は『戦技』だ!
キリトからHPバーの概念を学びながら気付いたのだが、技にもよるが、この戦技の方が、普通に攻撃をするよりもゲージの減りが早い。
つまりは、威力が高いということ。
武器が持つ使い方の記憶を読み取るその性質上、気力の消費は避けられないものだが、『ソードスキル』も、同じくらいの気力を要されるらしい。
だが、これは『ソードスキル』には入らないらしく、何頭目かの猪を、アストラの長剣による切り上げで制しているシンダーを見ながら、理解不能とばかりにキリトの頭の中に、クエスチョンマークが踊り子の剣技を踊る。
「...つまり、その『戦技』というやつが、シンダーの『ソードスキル』ってことになるのか...?」
「キリトに分からんのだ、私に分かるはずもなかろう...」
また別の話にはなるが、何度もキリト殿、キリト殿、と呼ばれる内に、『殿付けは慣れない、キリトで呼び捨てでいい』との申し出があったので、素直にシンダーからの呼び名は、彼の要望通りとなっていた。
だが、それは大して重要なことではないだろう。
「シンダーにスキルが無いから、さまざまな武器が熟練度無しで使えるのか...いや、ならそれ自体がエクストラスキルのようなものなのか...?」
彼が呟く言葉も、一通り説明を受けたからこそ理解できるものである。
キリトに指南を頼んだことは、シンダーにとって間違いなく幸運だったのだろう。
ただ、考え込む時はひたすら没頭する悪い癖はあるが。
...いや、それはシンダーも同じだ。
意外と似たり寄ったりなのかもしれない。
閑話休題。
まだまだ謎の事があるとは言え、彼は多くのことを学べた。
この世界での戦術。
パーティという概念。
敵が行動する傾向。
そして、『ソードアート・オンライン』の知識。
事実上のパーティと言える程に、キリトとも親交を深めたりもした。
フレンドリスト、といういわば友人関係の手記?のようなものにも、シンダーを含めてくれたようだ。
そして、彼の『レベル』も少しずつ、同時に上がっていく。
ここで気付いたのだが、元々ソウルを利用して自らを強めていた要素——彼はあずかり知らぬことだが、『生命力』『持久力』『筋力』『技術』『理力』といった能力は、全くの無になったわけでは無いらしい。
キリトに怪しまれない程度に、とても重量のある武器を扱ってみたのだ。
——無論どこから湧くとも分からない懐に、彼が興味を示したのは余談。
話を戻そう。
この世界におけるステータス上では、まず持てないような武器、と言えばまず当てはまるものがあった。
血に汚れた巨人が用いていた、大鉈。
これを振るのにすら相当の腕力を要し、初めて拾った時には持ち上げることすらできなかった代物。
だが、ソウルを純粋な力へとそこそこ程度に変えていた、火継ぎの終わり前のシンダーの筋力なら持つことは可能。
果たして結果は、持ち上げることもでき、武器として扱うことも充分に可能だった。
それにより、持っていた武器の数々は、満遍なく使える事が判明する。
また、キリトが休んでいる夜の最中、指輪、防具に魔術、呪術、奇跡のようなものも出来るかと試したが、全て可能であった。
だが、良い話には裏がつきものである。
この時代には魔法、などといったものが無いらしく、そんな奇跡といったものを振るえば、どんな風に見られるか。
まず、人目につく場には居られなくなるだろう。
不死人の身には慣れていることであり、それだけならばまだ済む話。
だが、問題はまだあった。
この世界であまり、篝火を生みたくは無いのだ。
あれは、地獄の世界での産物である。
それによるもしもの侵食を、シンダーは望まなかった。
特訓の最中にも出会った、何人かの人々へ、そして今の師であるキリトへ、その影響を与えたくもない。
その世界を知り、悩んで欲しくもない...
...耐久度の問題も、以前は篝火に当たればどんなものも癒えたものだが、篝火を使わないともなれば話は変わる。
エスト瓶の使用も、全く篝火をつけない、というわけではないものの多少は制限して使うことを強いられるし、神代の武器や、邪悪などと言った特異な武器達は、それ相応の存在の鍛冶屋でなければ修理するどころか、目の前で発狂することすらあり得る。
無論魔術などと言った類も連発はできない。
それらもまた、かつての世界の産物なのだ。
故に、鎧貫きやアストラの長剣などと言った、まだありふれていそうなシンプルな見た目の武器、一般的な鍛冶屋でも修理できるものを選んでいる、というわけである。
まだ少々幸いだったことは、そんな使える獲物の一部が、『愚者』としての変質をしていたことだ。
持つだけで魔力と集中の気力を少しずつ得られるソレは、武器の記憶を読み取ることにそれらを使う『戦技』を重要視すべきこの時代では、きっと今までにない愛武器になることだろう。
そして、まるでシンダーにしては一瞬の時間である特訓の期間は過ぎ。
一層、そこでの決戦の時は迫っていた。
『戦技』に関しての事は、気力...いわばFPを食われるということ以外は全くのでっち上げです。
そして、ダクソ世界でのステータスは、sao世界で低レベルの今でも、ある程度は引き継がれている、故に武器に認められてはいますが、使い込めば耐久度もダメージは受けるし、ダクソ3では神代の鍛冶屋であるアンドレイだからこそ鍛えられたソウル錬成などで作られた怪物クラスの武器を、一般的な鍛冶屋程度で修理できるとも思えず、このような付け足しもあり。
成長したリズさん程のレベルなら、あるいは...?
武器達は全て意思を持っているという八百万の神理屈も、これまたフロム脳の産物です。
...正直、ソードスキル禁止、ポーション禁止、エスト瓶制限、なんてことになったら無理ゲーですし。
ならば、戦技を活用してやろうかな、なんて考えです。
あと、お気に入りも現在で20近く、感想もいくつか頂いて感謝に絶えません。
読まれてくれる皆様、本当にありがとうございます!
では。
【強敵!】