Sword Art Online For Dark Souls   作:心折れた男

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やった!評価が8もついたぞ!と子供のように喜びながらミコラーシュさんの、謎のオペラみたいな且<『ウワアアアアアア!!』に吹き出した今日。

僕が一番上手くエブリたそを使えるんだ!


こほん、今回はディアベルさんにスポットを当てた回になりますね。

実際、目の前で形だけ『救えた』事は、ダクソ無印から、3に到るまで幾らでもあったことでしょうけれど、今回、本当に『救えた』のかを語るものとなるでしょう。

例えば、ソラールさんの太陽虫の末路は...


【希望!
勇気万歳!】







決着

 

 

 

 

番人の首は、ここに落ちた。

 

一層の、先への阻害となる門としての役割は、これにて終わりとなる。

 

だが、勝利を収め、最高潮となった喜びも多少静かになってきた辺り。

 

 

「なぁ...ディアベルはんは...なんで最後に一人で戦おうとしたんや?」

 

 

ぽつり、と。

 

誰でも疑問に感じるであろう事が、しばらく時を経てこの場に浸透した。

 

周囲の考えも、その疑問に満ちていく。

 

 

その理由がわかるのは、キリトに、それを行なった本人であるディアベル、ここにいる中でも一握りの察しのいいβテスターくらいだ。

 

 

よもや、表示されていないものの存在を知れるものなどいるわけがない。

 

キバオウが呟いた疑問は、キリトにもしっかりと聞こえていたようで、前にβテスターを罵った時のような渋い表情を生み出させている。

 

彼が、最後のトドメを刺す、『ラストアタック』を成し遂げた者。

 

その過程でどれだけ頑張ろうとも、トドメさえ刺せば貰えるような代物。

 

 

無論、キリトの貢献はこの小隊の中でも抜きん出ており、周囲の兵士の掃討の要、かつ彼がいなければ死んでいただろうシンダーとディアベルを救出し、更に致命の一撃を入れて倒す、という安全策と戦術、両者を兼ね備えた功績を叩き出したのだ。

 

しかし、人は汚れているものである。

 

個人しか手に入らないものを否定し、欲し、『不公平』だ、と口にする。

 

それが自分にも等しくチャンスがあったものなら、尚更だ。

 

あの時、諭される前のキバオウのように。

 

 

本音として、ラストアタックボーナスの存在を彼らに告げることが正解なのか。

 

知らぬ存ぜぬとして隠し通すことが、誠の幸福であるのか。

 

切らねば悪化、切れども悪化、まるで両手にジョーカーのカードを持つかのような厳しい状況。

 

これは欲に溺れた統率者、いや元々欲のあったかもしれないディアベル自身の愚行がもたらした『道』を塞ぐ壁なのだ。

 

 

今現在、一部を除く『部下』達からは訝しい視線を刺し込まれ、ここで問いを違えれば、まず自らの評価は下落する、それだけでなく、善良なはずのβテスター達までに悪影響が及ぶ。

 

始まりから味方内での疑惑が広がるなど、戦いにおいてはこれ以上とない下策だ。

 

それに、死ぬ事なく、またどうにもならぬ程に拗れるまで至る『史実』から辛うじて流れたこと自体、凄まじい僥倖。

 

ならば、助けられた命を無駄にすることなく、『壁』を乗り越えるべきではないか。

 

死ねばすべてが終わるのだ、だが、そのくるべき終わりを払われ、そして求めていた忌まわしいシステムの束縛から解かれた今、彼の統率者としての才覚は、最高の形で目覚めようとしていた。

 

そんな彼がとる選択は。

 

 

「俺が...この戦いに人を募った理由は確かに、一人では勝てない一層を、攻略するためだ」

 

「それは、間違いない」

 

 

より正しく、例え自身が憎まれようとも。

 

 

「けれど、俺には、もう一つの目標があったんだ」

 

「ディアベルはん...あんた、何を...」

 

 

「...ディアベル...」

 

 

その成り行きを見つめ、おそらく『そうなるだろう』という事柄を頭に浮かべるキリト。

 

そんな彼の視線を受けながらも、なお『リーダー』としてあるべき男の目は、闇を拭った輝きを持つ。

 

語る、そのかつての胸の内を。

 

 

「俺は、第一層で、きっとほとんどの人が知らないであろうシステム...その一人しか手に入らないレアアイテムを手に入れられる『ラストアタックボーナス』を、確実に手に入れるためにみんなに黙って、狙っていたんだ」

 

 

それは、今では思わぬとはいえど、裏切りの証。

 

周囲の空気はより険悪な闇が浸透していく。

 

まぁ、当然のことだろう。

 

自らの利益の為に動き、挙句死に目にすら逢ったなどといった人の醜い欲の姿など、見て不快に感じない者などいない。

 

いるならば、それは不死人や灰よりも、人として『果てた』存在だ。

 

罵声はない、しかし狼狽え、次々につぶやく音のみが、ディアベルを囲う空間を支配する。

 

 

「すまなかった」

 

「俺は、みんなに隠れて、そのラストアタックボーナスを得ようとしていたんだ」

 

 

深く、深く頭を下げる。

 

雰囲気、目、姿勢全てにおいて、今の彼の意思が、強く現れていた。

 

 

しかしながら人というものは厄介な生き物。

 

このような状況、彼がしたことは簡単に許されることではないとはいえ。

 

もし、彼の見せる誠意が本物ならば、無闇に攻撃する気にもならない。

 

 

言葉の通り、膠着の形へと陥ろうとしていた。

 

 

 

——貴公、それが貴公の誠意か。

 

 

 

それを遠くで見やりながら、ディアベルの行動を一瞬の見落としすらなく目に刻むシンダー。

 

一言たりとて発言することなく、彼の目は、『リーダー』の行く末を見守るかのように静観する。

 

 

嫌われる事を恐れて然るべき。

 

それを隠して然るべき。

 

穢らわしい自分の部分は、他人に知られないようにして然るべき。

 

 

だが、彼はその事を一切していない。

 

ならば、この先どういう風に進み、どういう風に『認められる』のか。

 

 

周囲の『人間』すら見定める事を望むかのような『残り火』が見られる光景は、果たして。

 

 

 

 

 

 

 

「ディアベル...確かにアンタがやった事は、許される事じゃあないな」

 

 

その膠着に一手を申したのは、会議の時に『βテスター』に対するキバオウの否定を諭し、論を立てた褐色の大男、エギル。

 

何を言われるのか察しているのだろうディアベルは観念しているらしく、じっとエギルの目を真摯に見つめ、言葉を受け止めようとする。

 

だが、残念だ。

 

 

「だが、ちょっと別の風に見てみりゃあいいんじゃないか?」

 

「今回アンタがリーダーを買って出なきゃ、きっと俺たちははじまりの街で燻ってるだけの末路だったろう」

 

 

「ま、ちょっとアンタに肩入れするような言葉になるかもしれんが、一層攻略の『切り口』となってくれたアンタの行動は評価してるんだ」

 

「だからよ、アンタが次から『知らない奴』なんか出ないように、『ラストアタックボーナス』の知識を広めてやれば、今回の償いになるんじゃないか、ってな」

 

 

それは、ある種の助け舟のようなものだったのだから。

 

 

 

 

 

もし、この行為が適当なリーダーを務めたものだったり、悪質な人間性ならば、『ふざけるな』の周囲の一言で切り捨てられただろう。

 

だがしかし、その前に、当のディアベルは、自身の誠意を示したのだ。

 

姿勢は模範的に、かつ彼自身の心がこれでもかと詰まった動き。

 

 

その上で周囲から一人でも事実上の『許し』を告げられれば、きっと、優しく、そして強い人達ならば。

 

 

 

「まぁ...そうやなぁ...そのラストアタックボーナスっちゅーやつも、結局ディアベルはんが持ち逃げしたって訳でもあらへんし」

 

「僕達も、ちゃんとディアベルさんが謝ってくれたのを見てるし」

 

「...うん、それで私も良いと...思う...君はどう?」

 

「俺もそれで良いと思うぜ。ラストアタックを取った俺が言うのも...その、あれだけど」

 

「いやいや、君は危なかった二人を助けたし、周りの相手をしていた上にあんな綺麗な兜割も決めてたし...」

 

 

 

この通りだ。

 

 

「ありがとう...みんな」

 

 

彼は噛み締める。

 

 

自分が今おける境遇の幸福さを。

 

そして、ここまで頼れる者達に自分がしようとした裏切りの重さを。

 

それに対する、償いの意識を。

 

 

 

 

——貴公、いやディアベル殿。

 

貴公は正しく、そして幸運だった。

 

共に戦った存在達も、また素晴らしい人々。

 

こんな強き者達が多ければ、かつて私を手助けしてくれていた太陽の騎士や、白霊のような存在も、誠に『強い』者達が主だったのだろうか...

 

 

 

 

かつての憂いに韻を踏みながら、今広げられた、ある人から見れば『茶番』、しかし別のものからは『誠意万歳!』とでも刻まれそうな光景の結末を見届けて、その優しさの残滓と化してしまった彼はとても満足そうだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

ここにようやく、真の意味での『第一層の攻略』に終止符が打たれる。

 

悪意や憎悪といった邪魔者もなく、また、そのディアベルの罪をかぶるはずであった『史実』を乗り越え、それらとは別次元の感情である『希望』を轟々と心のうちに燃え盛らせた冒険者達は、また、止めた足を、大勢の人数により歩んでいく。

 

そこに待つのは、灰がどれだけ求めても、手に入ることがなかった救いか。

 

それとも。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「すまない...貴方のおかげで、俺は目が覚めた...その上、命まで助けてもらって...」

 

 

話題が落ち着いた頃か、先程と遜色ない、しかし今度はかんしゃのものである深い礼を、静観していたシンダーに向けるディアベル。

 

 

「いや...ディアベル殿、貴公が道を違えなかった、それだけで私は充分だ」

 

 

小さくクスリと笑い声を零しながらも、ディアベルの誠意に答える。

 

彼に取っては、それが今回の戦いにおいて、最高クラスの憂いだったのだ。

 

その心配が杞憂になった上に、最上として返ってきた彼の機嫌はとても心地良いもの。

 

その笑みもまた、中々の会心だった。

 

 

周囲からの反応も、どことなく微笑ましい。

 

 

「...ところで」

 

「なんだ?」

 

 

「貴方が、あの強大な一撃を弾いた技...武器が光っていなかったが、あれは『ソードスキル』なのか?」

 

「いや、あれはただ相手の攻撃を捌くだけの芸当だが...ディアベル殿は知らないのか?」

 

 

不思議そうに聞くシンダーの気持ちも分からなくもない。

 

敵によれば、犇く不死人なら大体の者は当たり前のように使用する、ある意味シンダーには親しみのある、隙を作り出し活路を切り拓く技能、『パリィ』。

 

両手で特大の剣を振るわれたりでもしない限り、ほとんどの一撃に有効打となるそれは、彼が持つ盾の極々一部とはいえ魔法すら跳ね返す。

 

その代わり、失敗すれば間違いなく相手の攻撃を深々と身に刻むこととなる、最強にして最弱の、諸刃の剣なのだ。

 

 

『ソードスキル』劣等生の彼にとって、その問いは微妙に悔しい気分にさせるものだったのは内緒である。

 

 

 

 

 

「いや、俺も『パリィ』なら知っているんだが、俺はあんなものをパリィできる自信がなくてな...」

 

「それは違うぞ貴公、どんな物にも弱点がある世の摂理の通り、どういう風に力を入れ、どのように敵の力を削ぐか、それを判断すれば、人理を超える理不尽な一撃でもない限り、防御は出来ずとも受け流すことは不可能ではない」

 

 

経験者はかく語りき、地獄を乗り越えてここにいる彼の言葉の説得力は、実演も込めて更に重い。

 

 

(そうか...自分から無理矢理に攻撃を押し通すのも一つの手だが、相手の渾身の一撃をどのようにして利用するかを考えれば、ダメージを抑えて、前者より更に効率的なDPSが見込めるかも...)

 

 

二人の雑談に周囲が耳を傾け、ある者は苦笑し、ある者は目を輝かせる中、ラストアタックボーナスで得た防具の事は空の彼方にいってしまったキリトの目はかなり真剣。

 

そのスタイルもまた一つの手か、と自身の可能性を模索していく。

 

 

こんな人と人が和やかに語り合う空間もまた、シンダーがあの世界で得る事のなかった細やかな幸せの一つだろうか。

 

 

 

 

 

 

 

 




どんな人にもそれ相応の理由があり、狂人と言えるPoHさんも、彼なりのイカれたなりの信念がある。

一人としてのアイデンティティを確立しているキャラなら誰でも好きだよ、オレは(無銘並感想)


さて、この回が、今後のターニングポイントとなるでしょう。

キリト君が『黒の剣士』という強さを認められ、かつ不名誉な名前で呼ばれる事が無く、周囲の憎悪を一点に受けることもなく、誠に『勝利』として一層を制しました。

その上で、目の前でディアベルさんの死を背負う事もなく、それはキリト君の精神にも影響があるかもしれません。

『ビーター』という言葉も生まれる事はなく、キリト君やアスナさんの立場は『極めて技術の高い強プレイヤー』という認識になってます。

また、キバオウさんとかも、原作のようなヘイトを向ける立場で無くなってるところも違いでしょうか。


まぁ、黒の剣士呼ばわりはともかくとして、いずれ彼ならば黒衣は着る事になるでしょうが。

ステータスも良いでしょうし。

そして、ここの彼等にパリィ熟練フラグ。

捨て身のように見えながらHPをほとんど減らす事なく敵の攻撃で活路を見出し、通常の殴りも然るべきというキリト君やアスナさんのコンビとかそんなんチートやチーターや!盾蹴りも覚えたら神聖剣完封やんけ!


【よくやった!
そして、頑張れよ!】
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