学校の友達(仮)とノリで書いたので出来は悪い。
反省はしてないが後悔はしてる
羅生門の上で老婆から引剥ぎをした下人は東へと歩を進めていた。
老婆から奪った着物をわずかばかりの金に換え、それを旅の資金とし東に向かう。
下人が東に向かおうとした理由、それはただの偶然だ。たまたま立てた棒が倒れた先が東だったからだ。
下人の旅は極めて順調だった。特にあてがあるわけでもなく、ただ東に向かうだけだったが、下人は一度も食うものには困らなかった。旅の資金が尽きかけてもたどり着いた町や村で老婆にしたように引剥ぎをするか、老婆が髪をむしった女がやっていたように蛇を干し魚のように見せかけ、それを売り金を稼いでいた。
ある日、下人は星が望める野原で野宿をしていた。いつもならこんな場所で寝ることはない。しかし今日は空が荒れる気配もなく、いつもは騒々しい虫の声も不思議と聞こえてくることはない。下人は不思議に思ったが満天の星空の誘惑に負け、野原の上で寝てしまった。それが下人の運命を変えるとも知らずに……
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日ごろから眠りの浅い下人ではあったが半覚醒状態であった下人の意識は自分の目の前から聞こえるゴォォォォォという異様な音で完全に覚醒した。下人の意識を覚醒させた音の正体は巨大な岩――否、隕石である。下人は隕石を見た瞬間、もう逃げられない、すぐに死ぬ、ということを悟った。そして下人はいつの間にか目を閉じ、近頃は思い出すこともなくなっていた昔の出来事を思い返していた
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下人は捨て子だった。小さいころに親に捨てられ一人で生きてきた。そんな下人にも一人じゃない時があった。
下人は食べ物を得るために盗みを繰り返していた。ある日下人が盗みをしてから寝床にしていた場所に戻る途中で一人の下人よりも幼い少年と会った。会った、いや、少年を発見したという方が正しいだろう。その少年は憔悴した顔、やせ細った体で倒れていたのだ。その少年を見た下人は気まぐれに盗んだ食べ物を与えた。もともとその時に盗んだ量は一人では少し持て余す量だった。気温がもう少し涼しいようであれば保存できたがその時の気温は一日でも食べ物を放置すればすぐに食べられなくなってしまう。だから下人としても少年に分け与えたところで何も問題はなかった。しかし問題だったのは少年のその後の行動だ。それから少年は下人の後ろをついて回るようになった。初めはうっとおしいと思っていた下人だったが、その少年は下人が盗みをしようとしたときには店先で騒いだりと、なんとも優秀な少年だった。そんな少年に下人は次第に心を開いていき、いつしか本当の家族のようになっていた。ところがある日、いつものように盗みをしようとしたときに事件が起きた。店主が騒いでるやつがいるときに盗みが起こっていると気づいた。最近は下人と少年、二人で盗む担当と騒ぐ担当を交代しながらしていたが、騒ぐ担当の経験は少年の方が多い。そこで顔を覚えられてしまったのか少年が店に近づいた時に少年が捕まり、検非違使の庁に連れて行かれてしまった。下人は何度も少年を助けようと侵入しようとしたが警備が堅く、侵入することができずにいた。そんなときに下人はある話を聞いた。警備をしていた門番がこの前捕まえた子供が自殺をしたと、そして遺書があり、自由に生きてほしいを書いてあったと言っていたことを聞いたのだ。下人はすぐに少年のことだと分かった。下人はひたすらに声を押し殺して泣いた。三日三晩泣き続けて涙を拭いてまた歩き出した。これから長年使えることになる主人と会ったのはその一週間後だった
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久しぶりに昔のことについて思い出した下人は気づく、自分がまだ死んでいないことに。目を閉じてからすでにそれなりの時間は経過しており、すでに下人は死んでいてもいいはずだった。しかしながらまだ下人は死んでいない。恐る恐る目を開けると、そこには
「ふぇふぇふぇ。やっと起きたかえ。」
「お前は!」
下人が引剥ぎをした老婆がいた。その老婆が纏っていたのはこの世のものとは思えないほど美しい着物だった。
「その着物を売れば一生金には困らなかったんだじゃないのか」
「一番初めにそれを言うのかえ!?もっと先に言うべきことがあるじゃろうに」
「あ、ああ。ばあさんちょっと若くなった?」
「なっとらんわ!お主の目はどこに着いておる。この状況が目に入らぬのか?」
「ばあさんが大きな岩を止めてくれてる。助かった、さんきゅ。」
「軽いわ!お主の危機の助けてやったのに軽いわ!」
「どうも、ありがとう、ございました」
「……のう、神よ。もうやっちゃっていいよね。こいつを殺してわしも死んでやる」
老婆の言葉と同時に今まで止まっていた隕石が少しずつ、だが確実に動き始める。どんどんと近づいていく下人と隕石の距離。そしてあと10センチで隕石に触れるとなったとき下人と隕石の間に入るものが現れた。そしてその人物は老婆と同じように隕石の進行を停止させた。
「ちょっとー勝手しないでよ君にはその彼を連れてくる役目があるんだから」
「しかし神よ。本当にこいつにするのかえ。わしのような女からも引剥ぎをするようなクズじゃよ」
「死体から髪を抜いてかつらにしようとしてた君が言わない。それにいいの?君には彼しかいないんだよ」
「だがの…」
「おいお前らは何の話をしている。俺にもわかるように話をしろ」
「あーうん。まだ何も言ってなかったね。簡単に言うと君にはこれから異世界転生をしてもらいます」
異世界転生。その言葉に下人は聞き覚えがあった。
「先日、ここから南の町で帯刀の主婦どもが、ある家の次男坊がその言葉を残していなくなったと言ってたのを聞いた。その男もその異世界転生とやらをしたのか。それに異世界転生とはどういうことだ」
「そうだよ。その男は君の前の異世界転生者だ。異世界転生っていうのは簡単に説明するとこことは違う世界に生まれ変わってもらうってことなんだ。君はそれに選ばれた!」
「悪いが俺はそれをする気はない。他を当たれ」
「…ふーん。過去に戻れるとしても、かな?」
「どういうことだ」
「転生をし、あることを成し遂げてくれればなんでも一つ願いをかなえてもらえる。そこで過去に戻りたいと願えば過去に戻ることができるんだ。さあどうする」
「…あることは一体何をする」
「魔王、悪いやつの親玉を倒すこと」
下人は少し考え決めた。
「…俺を異世界に転生させてくれ」
「わかった。最後に手続きをしよう。よろしく」
「わしと契約して異世界転生者になってくれるかのう」
「ああ。異世界転生者に俺はなる!」
下人と老婆の体が光に包まれる。
「よき転生者ライフを」
下人と老婆の異世界生活がこれから、始まる。