人理を照らす、開闢の星・序章〜awakening,precious,star〜   作:札切 龍哦

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楽園越後

オルミーヌ「領内のそこらに黒い巨人が出現してます!全員で対応してますけどやっぱり数が・・・!」

信勝「楽園の僕達じゃなかったらもうダメでしたねこれ!倒しても倒しても出てきます!」

与一「弱音は結構。義経様なら笑顔で皆殺しにしろって言いますゲンジバンザイ」

ノブノブ「恐らく中心を止めなきゃどうにもならんだろうがこれ!おい俺!リッカの所に向かえ!」

グランドノッブ【良いのか?】

ノブノブ「どのみち場当たりじゃあどうにもなるまいよ。間違いなく中枢にいるのはリッカ達だ。お前が決着をつけてこい!」

グランドノッブ【そうか。──そうさな。よし
解った!わしも加勢に向かうとするか!】

モブ「ほ、報告!!そ、空に黄金の波紋が無数に展開!並びに、織田の家紋を掲げた旗印の軍が日本各地にて蜂起!!」

ノブノブ「何!?織田の家紋!?」

信勝「黄金の波紋って、もしかしなくても・・・!」

沖田「皆さん!伏せてくださーい!?」

ノブノブ「無差別!?いやそんなん──」

──瞬間。日本各地の黒き巨人目掛け黄金の雨が降り、仏敵なる無双信長軍が一斉に立ち上がる─


引導!神と魔王の降臨!

「馬鹿な・・・此処は、これは・・・神仏だと!?神が、神がこの期に及んで顕れると言うのか!?」

 

神に絶望し、悪魔にすがり世界に浄土をもたらさんとした大僧正の目が見開かれる。目の前に起きた奇跡と見紛う現実を、起こりし事象を信じられぬと口を開く。彼が人生にて諦めた筈の可能性を見せ付けられ、その驚嘆と共に動揺を露とする。摩玖主大本尊に対抗するために現れたとされる神々が、悪魔となりし自らの救いに真っ向から立ち向かい往くその光景を目を見開き見やる。

 

『これがあなたが切り捨てた神様の姿!人と共に生きる神の力を思い知るといいよ!!』

 

将門公の刀が、天照大御神の手により振るわれマックスウェルの悪魔を何度となく叩き切り伏せる。防ぐことすら出来ずに吹き飛ばされ、叩き斬られ、その再生力を上回る斬撃を身体に刻み込まれていく。

 

「毘沙門天ぞ此処に在り!『毘天八相・車懸かりの陣』───!!!」

 

イザナミの展開した神威の陣地にて何倍も力を増した景虎。その身に宿せし毘沙門天の力を後光と顕現させ、宝具を発動させ一斉に攻撃を行う。宝具として顕現させし景虎は八人と増え、それぞれが宝具を手にし怒濤の攻めを見せ付ける。

 

「そ、その後ろに見ゆるのは・・・!」

 

「おや、これが見えるとは腐っても仏門の徒とも言うべきでしょうか。これこそは我を守護せし異形の毘天!数多の宝剣宝槍を手に仏敵を滅す宝具!『刀八毘沙門天』なるぞ!!」

 

それは大僧正だけに留まらず、その場にある全ての者に見えるほどに輝きを増している。それはまさしく天の神の顕現。毘沙門天の化身・・・いや、そのものたる存在である事を如実に示している。毘沙門天だけではない。リッカが招き、彼女に力を貸す神々すらも偽りでは決してない。そのあまりの驚愕に、大僧正は動揺を隠せない。

 

「あ、あり得ん・・・、し、神仏がこの世に現れるなどあり得んのだ・・・!あり得んのだ・・・!!」

 

「現実を前にして、仮定に何の意味がある?これがお前が蔑んだ・・・リッカの旅路の成果だ!」

 

カドックの言葉の通りに、示される人の手を遥かに越えた神威の具現。信じられぬと告げる大僧正に否を真っ向から叩き付ける。

 

「まさに毘沙門天そのものと言える輝きだ。流石は戦国最強と謳われし上杉謙信公・・・リッカ君達と共にとは言え、あの悪魔がほぼ消滅する迄に追い詰められているとは」

 

「神が、神が人を救うだと・・・!そんな事は許されん!神仏などこの世におらぬ!居るとするなら、居るとするなら何故あの時現れなんだ・・・!神仏などこの世にはおらんのだ・・・!」

 

目の前に現れし救い、目の前に在りし神々を見たとしてもその存在を認められぬ大僧正。彼にはかつて、神を誰よりも望みそしてその願いが届かぬ事象を思い知った。救うものがあるのなら、救う神がいるのなら。それは何故自身にもたらされなかったのか。慟哭のままに懐より、救済の光の中核を取り出す。それはまさしく、聖杯の光。万能の願望機たる・・・

 

「まだ儂にはこれがある!さぁ聖杯の力で甦れ!我に聖杯、そしてマックスウェルの悪魔がある限り、何度でも我が神は甦るのだ!」

 

聖杯が輝き、消えかかっていた大本尊が瞬間的に修復されていく。それはまさに奇蹟たる魔力の発露。神々に討ち滅ぼされていた傷がみるみる内に復活するという法外の奇跡。勝ち誇りし大僧正に、一同は構え直す。

 

「死のうとも甦る相手か。・・・だけど問題無いさ。死ぬまで殺せば同じ事だ」

 

「おや、それもまた君の編み出した戦術かい?」

 

「いいや、リッカタクティクスの必須科目だよ。理に叶ってて解りやすいからな」

 

「そゆ事!よーし、これから・・・!」

 

【──いや、これ以上はさせんよ。皆、ようやった】

 

気合いを入れ直し、無限に復活する悪魔に対し殺し尽くさんと気合いを入れしマスター組に、聞き慣れし声音が響く。魔王がごとき威厳に、神のごとき威光を重ね合わせたその姿、その風貌。

 

【待たせたの!神にして魔王、グランドノッブ!此処に推参じゃ!!】

 

『待ってましたー!!ノッブ、遅いよー!』

 

【いやぁすまんすまん!じゃがヒーローは遅れて来ると言うじゃろ?こんな祭りのクライマックスにわしがいないとかあり得んじゃろ?そうじゃろそうじゃろ?】 

 

「信長!?魔王信長だと!?死んだ筈では無かったのか!?どういう事だキャスター!?」

 

「え?死にましたよ。安土のバサラ信長さんはね。こちらは相討ちになった筈の越後のグランドノッブさんです。いやー、こうして見ると似ても似つきませんねぇ」

 

「き、貴様・・・!儂を謀りおったな!」

 

まるでまともな返答を返さぬマックスウェルに、激昂を返す大僧正。最初から正しい報告などしていなかったのだ。マックスウェルは信長が死んだとしか言っていない。バサラ信長は死んだが、グランドノッブが死んだとは言っていないのである。

 

「お、おのれ!かくなる上は貴様ら、まとめて始末してくれる!さぁ聖杯の力で甦るのだ!摩玖主大本尊よ!」

 

神々の力を借りた一斉攻撃により消えかかっている筈の大本尊が瞬時に再生復元されていく。その凄まじい再生能力に、流石の景虎も衝撃を隠せない。

 

「まだ復元するというのですか!?」

 

【ォオォオォオォオ・・・!!!】

 

【成る程。確かにこれは神仏に匹敵する怪物よな。いや・・・無慈悲なまでに強き現象をこそ神と言うべきか。されば、数多の我がここに集ったはこ奴を討つ為であったか】

 

「浄土を阻みし楽園の者共!そしてそれを束ねる魔王信長よ!我が摩玖主大本尊の力で滅ぶがいい!」

 

【ウォオォオォオォオォオォオ!!!】

 

【フッ、我等にたった一人で挑む気概と気骨は認めよう。──ならばその妄念・・・一息に滅してやろうではないか!】

 

瞬間、グランドノッブの全身から紅蓮の焔が噴き上がり、本能寺を焼き払い、辺り一帯を業火にて焼き尽くす。それはまさに、神を滅ぼし魔王を滅する織田信長の本懐にして本領が示される。

 

【しかと見るがよい!これが共に歩みしマスターを得、神であろうと魔王であろうと灰塵に帰すグランドノッブ!!いや──建勲!三千大千天魔王!!織田信長よ!!!

 

辺りを紅蓮に覆い尽くす焔。燃え盛る本能寺。──神と魔王、そして悪魔と人。ぐだぐだ特異点の決着はもう間もなく──




大僧正「ば、馬鹿な!?神であり魔王であるなど・・・サーヴァントの限界を越えたそのような無法、無限の魔力でもなければ・・・!」

マックスウェル「いやー、不思議な事もあったものですねー」

大僧正「・・・!貴様かキャスター!?」

「あ、気付きました?私は楽園と契約を結んでおりますので。私の自前の無限動力にて魔力供給していただいております」

リッカ『!?マックスウェルさん、血が!?』

マックスウェル「えぇ、皆様の活躍のお陰で、いくらか私の元に制御できる領域が戻って参りました。少々破損していますが、まぁ稼働には問題ありません。──えぇ。あのような不完全な炉心を砕けるのなら、無茶の一つや二つを通すに躊躇いなく。私が求めるのは真の永久機関。人類が夢見て止まぬ『無限の心臓』のみ」

リッカ『マックスウェルさん・・・!』

「あなたと同じですよ、リッカさん。私にも譲れないものがあるという事です。──さぁ皆さん。魔力の方はしばらく問題ありませんので、自由にお使いください」

大僧正「お、おのれ!おのれ!おのれぇい!!」

ノッブ【ふはははははは!!では往くぞ皆の者!この一戦にて!全てを滅さん──!!!】
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