人理を照らす、開闢の星・序章〜awakening,precious,star〜   作:札切 龍哦

1135 / 3000
オフェリア「・・・・・・」

ペペロンチーノ「あら、オフェリア?浮かない顔ね、どうかした?」

オフェリア「ペペ。・・・実は・・・」



「あらぁ~、成る程ね。そういうお悩みかぁ。いいわぁスッゴく乙女!私そういうの大好きよ!イイ!」

オフェリア「なんとかして馴染みたいけれど、距離感というか・・・彼女達にも交友関係があるから。新参としての触れ合い方は難しいわね・・・」

ペペ「成る程ねぇ・・・ふふ、ならとびきりの相談相手がいるわよぉ?」

オフェリア「あなたじゃなくて?」

ペペ「ふふ、力になってあげたいけれどせっかくカルデアにいるのよ?いつもの面子で終わらせたら勿体ないじゃない?こ・こ・はぁ。ごにょごにょ・・・」

オフェリア「ふむふむ、解ったわ。いつもありがとう、ペペ!」

「いってらっしゃーい♪さぁて、素敵なインド英霊はどこかしら~♪」


戦乙女のコミュ活動

「えっと・・・ドクター・ロマン。ちょっといいかしら?相談があるのですが」

 

時刻は昼下がり、いつもの仕事を終え御決まりのスイーツタイムに勤しもうとスキップを行う彼に掛けられる声が一つ。所帯持ちとして無敵になった彼に声をかけたのは女性。最近仲間になったけれど見知った顔の・・・

 

「やぁ、オフェリア。やっぱり眼帯が無い方が綺麗だよ。知っているかい?オッドアイは貴重で重宝されるチャームポイントなんだよ。ボクもそう思うんだ、間違いないさ!」

 

オフェリア・ファムルソローネ。マシュとコンラが行うアイドルユニット『マシュ☆コン』のマネージャーを公言する女性である。魔眼を有し戦乙女と名高い彼女に、ロマンはいつものように気楽なトークを投げ掛けた。ますます人間性が高まっている証拠である。軽薄一歩手前だとしても。

 

「ありがとう。あなたってそんな人でもあったのね。とても意外・・・まぁそれはともかく。相談があるのですが、よろしいですか?」

 

「もちろん構わないよ。キアラちゃんとボクはメンタルカウンセリングが本職だ。なんだって相談してほしい!かつての知己にして同僚の君なら、尚更ね!立ち話もなんだし、スイーツじゃんぬでもどうかな?」

 

流れるように約束を取り付け、共にスイーツを食べる。これこそがロマン式ゆるふわ警戒引き下げダウン術。父親譲りですねなんて言ったら本気で泣くので止めてあげよう。

 

「ふふっ、わかりました。それでは早速。相談の内容は歩きながらで・・・」

 

こうして、何処にでもあるやり取りを行う今再び集った仲間との交流。だが、再び集まったからこその悩みがあるようで──

 

 

「マシュとコンラちゃんに遠慮してしまいがち?君がかい?」

 

ケーキを崩し頬張りながら、ロマンはオフェリアに問いかける。どうやら彼女、随分と繊細かつ慎重な振る舞いを信条としているらしい。小さく溜め息を吐き、オフェリアは告げる。

 

「とても明るく、慕っては貰えているわ。でもそれに甘えて、ついつい馴れ馴れしくし過ぎていないか不安なの・・・。マネージャーとしてなら、スケジューリングとかの義務的なものは出来るのだけど、個人として仲を深めるとなると・・・」

 

「成る程ねぇ。過度な干渉になりすぎていないか、なまじいい子達だから気を遣わせ過ぎていないか不安になってしまうわけだね?」

 

「そうなの。あるじゃない『あの人マネージャーだけどプライベートに踏み込んでくるよね』『キモーイ』とかいう本音トーク。万が一にでもあんないい子達にそんな事を言わせてしまった日には私は私が許せない・・・!これは人として当然のつきあい方のルール!悲しいかな私はかつてのカルデアでマシュに一度も声をかけられなかった女!そんな私が、パーフェクトコミュニケーションなんて・・・(ハードルが)高い・・・あまりにも・・・!」

 

「あはは、成る程ぉ。仲良くなりたいけど嫌われてしまうかもしれない、かぁ。ヤマアラシのジレンマみたいな感じなんだね?そうだなぁ・・・」

 

その悩みは、好ましいものとロマンは思う。オフェリアはマネージャーとしてだけではなく、確かな友人の関係として彼女らと接していきたいと言ってくれているのだ。長らくマシュの親代わりであったロマンからしてみれば、交友の輪が拡がるのはとても素晴らしい事だと思うのだ。最近のマシュは無農薬かつ太陽の下でのびのび育てすぎたなすびみがあるとしても、である。

 

「じゃあここは趣味と実益を兼ねてみたらどうだい?マネージャーとしてのレッスンの後、手作りのお菓子を作ったり行きつけの店でパンを買ったりしたりするんだ。空腹やお菓子の誘惑には勝てないものだよ?コンちゃんやマシュはまだまだお子さまだからね、行けるはずさ!」

 

「な、成る程・・・マネージャーとしてのアフターをも担当するのね。策士・・・策士・アーキマン・・・」

 

そうだろうそうだろうフフンとロマンは調子に乗る。これは実体験だ。仕事終わりにシバの差し入れが待っている毎日はそりゃもう幸せだし、仕事終わりにゴルドルフやオルガマリーと行く楽園食べ歩きは何にも代えがたい時間だ。まだ全然把握してない店がある辺りギルの本気に戦慄しながらも、ロマンはそれが最適解だと告げる。何故ならば。

 

「そう!何故ならば!ボクとマシュ、そして多分コンラちゃんの間の精神的年齢に!そう差異はないからさ!!」

 

「えぇ・・・」

 

それはどうなの・・・と若干冷たい目線を受けてもロマンは気にしない。マシュとコンラちゃんはスイーツ好き。ボクもスイーツ好き。其処になんの違いも無いはずだ。きっとボクの願いは通じているはずである。嫌なことは人にしても嫌なら、嬉しいことは他人にされても嬉しい筈である。

 

「わ、解ったわ。じゃあ早速自作の差し入れを作ってみようかし」

 

「話は聞かせてもらったわ・・・私の店でスイーツの話をするとはいいセンス・・・ハイセンス?ハイセンスね。こういうのがおすすめよ、オッドアイなんてキメキメなあなた?」

 

白き髪、射殺すような金色の瞳。『じゃんぬ』と書かれた白エプロン。リッカのベストサーヴァントにしてスイーツじゃんぬの店長、じゃんぬ・だるく・おるたである。彼女からもたらされたとあるスイーツは、二人の目を輝かせた

 

「マシュ!それにコンラの・・・キャラケーキ・・・!」

 

「女の子はこういうのが好きって相場が決まっているわ。可愛らしくデフォルメされたケーキやパンの差し入れで篤い友情をゲット!絆は洗脳やビームで作るもんじゃないわ。幾多の試練と困難の打撃を受けながら育てる植物よ!さながらこれは・・・肥料と言ったところかしら・・・(フフン)」

 

「凄い!流石は店長だ!どうかなオフェリア、これを持っていけば必ず喜んでくれる筈だ!ボクも欲しい!」

 

「あ、ありがとうございます店長!あの、御代は・・・」

 

「今回は結構よ。これを皆で食べて、良かったら皆でお店に来なさい。そして其処で私に捧げなさい。『美味しかったです!ありがとうじゃんぬお姉さん!』という賛美を!ふふふ・・・あーっはっはっは!見たかバグった白いの!心は洗脳するものじゃないわ!こうしてふわっと手繰り寄せていくものよ!地道にね!」

 

しっかりお持ち帰り用にラッピングされたキャラケーキをオフェリアに渡し、店長は笑う。魔女っぽく笑ってはいるがやっているのは百パーセントの善意ギフトである。また店の評判が上がるだろう。

 

「ありがとうございます!二人ともありがとう、早速渡しに行ってくるわね!」

 

「行ってらっしゃい。ここの料金はボクが持つから気にしないでおくれー!」

 

「ありがとうございました。またのご利用御待ちしておりまーす」

 

じゃんぬとロマンに見送られ、走っていくオフェリア。年相応のはしゃぎような彼女を見て、満足げに厨房に戻っていくじゃんぬ。

 

「君がこんなに優しいのは知っているけれど、ますます以て完璧な助け船だね!流石はリッカちゃんのベストサーヴァントだ!」

 

「ふふ、当たり前の事を誉め言葉にしたって・・・え?知れ渡ってるの?・・・まぁそれはともかく。彼女、リッカの同僚なんでしょ?じゃあ私の同僚でもあるの。簡単な話よ」

 

マスターの助けになるのがサーヴァント。ならばリッカの同僚が困っていたなら助けるのは当然。あとついでに常連も増えるし。そうよ、これがベストよと頷くじゃんぬ。

 

(まずはリッカちゃんの助けになる!から入る辺り、本当にリッカちゃんの事が大好きなんだなぁ・・・)

 

「何か言った?」

 

「いや何も!じゃあボクも、シバの分を作ってもらっていいかい?」

 

【(ヒョコ)】

 

「えぇもちろん。そこのとびきりキュートなビーストの分の御代も持ちなさいな、ドクター様?」

 

わぁ!アジーカちゃんじゃないか!楽しそうにじゃれはじめるリアル年齢十歳なドクターとリッカの幼少の姿のビーストに向けるスイーツを作るため、店長は笑顔で厨房に引っ込んでいくのでしたとさ──




そして。

コンラ「わぁ!とっても可愛いケーキです!コンラです!ちっちゃいコンラです!」

マシュ「スゴいです!スイーツじゃんぬの新作、オーダーメイドでしょうか?オフェリアさん、よく作ってもらえましたね!」

オフェリア「そうなの。いつの間にか・・・キリシュタリアとオルガマリーからの紅茶とコーヒーもあるから、これからおやつタイムにしない?」

コンラ「わはーい!皆で食べるおやつタイムですー!」

マシュ「ふふふ、先輩見ていますか・・・!私は交友関係を広めています!なすびが出荷されていく姿を見て先輩の心は穏やかで・・・いられますか・・・!(モシャァ)」

オフェリア「ふふっ。・・・これ、作り方を教えてもらえたりするのかしら?」

コンラ「皆で行ってみましょう!じゃんぬさんは優しいので作り方を教えてもらえるはずです!」

マシュ「お菓子作りで女子力をアップし、先輩を超越してしまう作戦ですね・・・?フフフ、なすびは昨日のなすびより進化していくんでしゅ!(ムシャァ)」

「パワフルな食べ方ね・・・そ、それじゃあ」

「「?」」

「次の、日曜日に・・・一緒に、遊びに行きましょうか?」

「「はいっ!!」」

オフェリア(──。ありがとう、ドクター。ペペ。優しい店長さん・・・)



アジーカ【・・・(まるまり)】

ロマン「それ、防御姿勢なのかい?あはは、それじゃあなすがままじゃない」

【(ころがり)】

「アウチ!?」

じゃんぬ「コンボ技!やるわね・・・!」
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。