ギル「名もなき星にて矮小な略奪にて生計を立てるとは。海賊に相応しき狡いやり方よな。しかし、我等が総出で降りるまでもない弱小組織ではないか。さてどうしたものか・・・」
ダ・ヴィンチちゃん『こちらケイオス・ボーダー!たった今あの惑星から宇宙船団が発進したよ!どうやらブロンズ宙域の別惑星を略奪しにいくみたいだ!スキャンしてみたところ、首領は乗っていないみたいだけど・・・』
ギル「ほう?ならば都合がよい!リリィ、イシュタル、マンドリカルドは地上に降り手薄なアジトを攻め落とし首領を討ち取れ!我等はあの船団を相手にし物資とバッチ、宇宙船を纏めていただくとしよう!」
エルキドゥ「そうだね。ちまちま一人を始末するより、空のゆりかごたる宇宙船を落とす方が効率的だ。航行の際のエネルギーや食料を纏めて確保しようじゃないか」
──はい!侵略の出端を挫きましょう!
X「リリィ、行けますね?あなたが星を救うんです!」
リリィ「はい、師匠!」
エルキドゥ「下は任せたよイシュタル。ヘマをしないようにね」
イシュタル「解っているわ。悪に善が負けてはならないもの」
エレシュキガル「マンドリカルド、大丈夫?まずは生き残ることを優先してね?」
マンドリカルド「は、はい。大丈夫っす。ありがとうございます。頑張るっすよ」
ギル「話は纏まったな!では行くぞ!ゴージャス艦隊!出撃の時だ!!」
~テリブル船団
クルー「艦長!!こちらに熱源接近!」
「なんだと!?村の用心棒が帰ってきたか!数は!?」
「そ、それが!スペースシップクラスが小数!そして、人間サイズが四つです!・・・こ、これは・・・!」
「どうした!?」
「え、エルキドゥです!!船落としのグリーン・モンスターエルキドゥ!!む、向かってきます!!」
船長「な、何ぃいいぃ!!?」
エルキドゥ「ねぇエア、なんで僕はこんなに怖がられるのかな?」
──そ、そうですね・・・。例えば。エルが敵を誘き寄せるとしたらどうします?
「一人を捕まえて誘き寄せて一網打尽かな?あぁ、捕虜を磔にしてアピールするのもいいよね」
フォウ(そういうところ!そういうところだよ!)
ギル《うむ。我など可愛いものよな・・・ユニヴァースのヤツめ、どれほど暴れていたのだ・・・》
エレシュキガル「やりすぎは!やりすぎは良くないのだわエルキドゥ!?」
エルキドゥ「はーい。エンジン破壊の爆破はしないよ。半殺しに留めようか」
「あなたたちー!はやく降伏するのだわー!?」
とある、名もなき辺境の惑星。名アリのセイバーもいないが、その代わり恐ろしい原生生物もいない惑星。適度に環境が整い、それでいて平穏なネームレス・プラネット・・・。其処には普段なら、昨日と変わらぬ平和が溢れ、静かな明日が待っている筈だった。そのとある星・・・其処は今、混沌の体を擁する宇宙の様相に巻き込まれ・・・
「来た・・・ついに来ましたぞ海賊好みのカオスなユニヴァース・・・何か始まる度に『存在自体が犯罪』と牢屋にぶちこまれ涙を飲んできた拙者でござるが・・・!今此処に自由は死に!拙者の夢に向かって羽ばたく時が来たのでござーる!」
「「「「ヒュー!!イェーイ!!」」」」
何処かで見たような黒ひげと、それに類する数多の子分達が村の一つを完全制圧し、ブロンズセイバーバッチが詰まった宝箱を溢れ返らせ乾杯の宴を行っていた。彼らもまたサーヴァント。セイバーバッチを集める資格を持つ海賊ヴィラン、テリブル黒ひげである。
「いやぁ流石船長!あんまりセイバーがいない宙域を選び、其処にいる村の奴等を纏めてセイバーバッチにして歩くとはやることがえげつねぇや!」
「殺した分だけセイバーバッチが集まる!自分等に使うもよし、適当に売り捌くもよし!適当な虐殺と略奪が何十倍もの倍率で帰ってくるのいいっすよねぇ!」
そう、このテリブル黒ひげ達は上を目指すことをせず、また平和を取り戻すこともしない。ただ弱い輩をセイバーバッチに変え、売り捌き、力をつけ星をまるごと乗っ取っていく。ゆくゆくはお姫様がいるような文明レベルが高い星を制圧し、自身らだけのスペシャルリッチな生活を送るのだけが目的なTHE・海賊思考により行動していた。だからこそ今はブロンズ宙域に留まり、非戦闘員を襲いセイバーバッチへと変えていっているのである。どこぞのヴィランが開発した、サーヴァントをセイバーバッチに変える機械を中古ショップで手に入れた為である。
「これで拙者の夢、白い一軒家にエロい新妻、一日中ネットサーフィンの偉大なる夢が近付いてくるでござるよこれは素晴らしい!やだ、セイバーであるならどんな虐殺略奪もオールオッケーとかヘブン?ヘブンなの?」
「一般モブには地獄ですが関係ねぇや!素敵なシーズンになりましたね船長!」
「うんうん、そうだよね・・・いよいよ拙者らの時代が来たって感じだよね・・・大分制圧した惑星も増えてきたし、ていうかそもそも武器持ってない村しか狙ってないもんね。拙者陸でもいけちゃうとかばんのーう!カギ爪のセイバーとかすっごくカッコいいヤツじゃーん!順風満帆!後は良さげなお嫁さん候補がいてくれたりしたら完璧でござるなぁ!」
上昇志向のないその日暮らしにろくでもない夢。宇宙がセイバーのすべてを赦すユニヴァースにて、夢を語るテリブル黒ひげ。だが、人の夢と書いて・・・儚いと書く。
「あーあ!拙者の悪名もっともっと広まって、村の一番美しい娘さん差し出すレベルにまでいかないですかなぁー!もう左うちわでこのユニヴァースを制する領域になりたいですなぁー!今にも美人の可愛い娘がそこの扉を開け──」
「ぎゃあぁあぁ!!?」「うぎゃあぁぁあ!」
次の瞬間、瞬く間に扉が蹴破られ、白き華のような剣、黒き無慈悲な剣。硬く適当な木刀が、辺りに蔓延る黒ひげ子分たちを叩きのめす。
「開け──」
酒の入ったちゃらんぽらんなセイバー擬きなど、敵ですらなかった。アジトの戦闘可能なサーヴァントは、あっという間に黒ひげ一人。
「や、すいません。陰キャもいるんすよね。・・・村と、カレーショップを襲った海賊の首領。テリブル黒ひげで合ってるっすよね」
「非戦闘員ばかりを狙う悪逆のブロンズセイバー!もはや赦すことは出来ません!迅速に、確実に成敗致します!」
「テリブル黒ひげ・・・シーズンの初期で大抵牢屋の厄介になるヴィラン。生き残りがいたのね。まぁ、すぐに倒すことになるけれど」
セイバーリリィ、マンドリカルド、スペースイシュタルがアジトへと殴り込む。狙いは当然、変えられてしまった民達と、自然発生したアルトリウム製のセイバーバッチ。奪われた自由と平和を略奪しにやって来たのだ
「あら、可憐に凛々しいタイプのセイバー・・・!嫁候補に相応しいタイプのヤツが来てくれちゃった!?拙者現実改変しちゃったの!?あれ、でもなんか其処の黒いツインテ娘ってなんかどっかで見たことあるような、無いような・・・」
「絶賛記憶喪失中よ。・・・でも、きっとロクな記憶じゃないんでしょうね。あなたみたいな連中に顔が売れているなんて」
「記憶喪失!?なら拙者と始めるでござる!君とボクの、甘いスイートユニヴァースハネムーン・・・財宝目当ての愛人軍団にサヨウナラ。白いマイホームで始める、スイートな新婚生活。甘酸っぱい記憶で!そのちっちゃな胸をいっぱいにしましょうぞーーー!」
「御断りよ」
瞬間、イシュタルの剣・・・腰に帯刀した刀が閃いた。悪を許さず、悪を滅ぼす女神の刃。一切の慈悲を見せずに、一瞬の間に何重も重なった太刀筋が閃き──
「いやぁあぁぁんエッチぃいぃい!!」
テリブル黒ひげの衣服を一瞬で細切れにし、パンツ一丁の悲惨な有り様へと変貌させる。万が一、住民を元に戻す機械を持っていた場合の為の服狙い。ついでに胸毛と脛毛も剃った気遣いの刃。
「ダメージ受けてそれとか、鋼の心臓っすね・・・どうします?トドメいっときます?頭蓋骨めり込ませるくらいなら出来るっすけど」
「怖いよ!?そこの陰キャ恐いよ発想が!だ、だが待つでござる!トドメならせめて──可愛らしいセイバーの礎になりてぇ・・・ッ!!」
マンドリカルドの介錯をはね除け、リリィを指差す黒ひげ。・・・しかし、それには狙いがあった。
(見たところ、セイバーとしては彼女が一番の未熟!具体的には宝具レベル一!パワーを蓄えた拙者ならば十分に堪えらます!鍛え抜かれた肉体で耐えてリュパンダイブにて抱きしめ頬擦りしちゃいますぞーッ!)
「あ、じゃあセイバーバッチに加工しとくんで。行くっすよ」
「空気読んで話聞いてぇ!?」
「わ、解りました!介錯ですね!未熟者ではありますが苦しませないように──」
マンドリカルドの木刀を受け止める黒ひげに、魔力を高めカリバーンを構えるリリィ。そして──
「リリィ、ここよ」
「え!?はい!──邪悪を絶て!カリバーン!!」
「うわっと!?」
宝具発動の合図を聞き飛び退くマンドリカルド、位置を調節するイシュタル。そして放たれるリリィのカリバーン。その黄金の軌道は真っ直ぐに──
「ンギモヂィイーーーーッッッ!!!???」
「うげっ・・・!」
呻き声を上げるマンドリカルド。カリバーンは邪悪を撃ち抜き、断ち切る。黒ひげの──股間に注がれる、輝かしき選定の光。
「あぁダメ!ダメでござる!死んじゃうにござる!こんな激しい、オフゥン耐えられない!二万ダメージが常に股間にぃ!?」
「次のシーズンでは真っ当になりなさい。悪とは無様に果てるものなのだから」
「ヌッ!!ヘッ!!ヘッ!!逝くでござる逝くでござる──あぁああぁあぉおぉおぅ逝くゥウゥウゥウゥウゥウゥウゥウーーー!!!!」
股間から浄化されていく黒ひげ。顔面蒼白のマンドリカルドを余所に、最大出力のカリバーンを放ち膝をつくリリィ。
「や、やりました・・・!私、上手くできましたか・・・?」
「えぇ。見事な善の執行だったわ。・・・これで、少なくとも理不尽な暴力は減った筈よ」
(・・・男として同情するぜ、黒ひげさんよ。・・・また次のシーズンでは真っ当にな)
静かにマンドリカルドは、シルバーセイバーバッチを拾う。黒ひげの形見たる、男として遠慮したい死に様を晒した黒ひげが変化したセイバーバッチを──
数時間後
村人「ありがとうございます!こうしてまた、村に帰ってこれるとは・・・!」
「皆様は命の恩人です!本当にありがとうございます!」
マンドリカルド「や、その・・・俺はただの広告塔っすから。カレーショップが開店するんで、気が向いたら行ってやってください」
村人「どうでしょう?御礼の歓待をさせてはもらえませんか?」
イシュタル「御気持ちだけ受け取っておくわ。見返りを求めては、それは善とは言わないから」
リリィ「イシュタルさん・・・で、でしたらその!リサイクルショップはこの星にあるでしょうか!」
「セイバーに使えるショップですね?残念ながら、私達の星には・・・辺境も辺境なので・・・」
リリィ「そ、そうですか・・・エルキドゥさんには悪いことをしてしまいましたね・・・」
エルキドゥ『そうでもないよ?』
イシュタル「エルキドゥ・・・?」
『さっき攻め落とした黒ひげの宇宙船の座標に、セイバーバッチを取り扱い、売り払っている惑星があるという情報を掴んだんだ。売買するという事は、ショップがあるということだよね?さぁ早く向かおうじゃないか!戻っておいで!』
リリィ「は、はい!それでは、私達はこれで!」
マンドリカルド「あいつらのセイバーバッチは回収しておくし、侵略には目を光らせておくから安心してくださいっす。それじゃ、御元気で」
村人「ありがとうございます!御元気で!」
村人「お気をつけてー!」
マンドリカルド「・・・うん。まぁ、悪くないっすね・・・」
セイバーバッチ ブロンズ×25000 シルバー×1
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