イシュタル「び、美人な方ね・・・声はカッコいいのに・・・」
アマテラス「彼は男性なのですよ。タケル?私達は都市にておもてなしの準備を。案内をよろしくお願いいたします」
タケル「その為に来た。お任せを」
ツクヨミ「ぁ、う、た、タケちゃん。よろしく・・・」
スサノオ「オレ達は温泉街にいる!あぁ、そうそう!銀河警察の民達も今じゃ毎日温泉に浸かっている!殺す前に、魂が疲れはてていたからな!」
エレシュキガル署長『はぁぁあぁ!?』
ツクヨミ「ブラックで・・・死んでるように、生きていて・・・イザナミママが・・・介抱を・・・」
アマテラス「人に優しくされたのは遥か昔より久し振りと、今ではすっかり八百万スタッフに。どうか会ってあげてくださいませ。ささ、道へどうぞ?」
イアソン「道?」
アマテラス「はい。虹に乗り、天空に在りしイザナミ大天満宮へと赴きくださいませ──」
マンドリカルド「皆生きてたか・・・あ、まっツクヨミさん!」
ツクヨミ「(ビクッ)」
マンドリカルド(!!・・・お、俺が大声で話し掛けるとか・・・萎縮させる陽キャみたいな事を・・・なんてこった・・・!)
ラクシュミー「ど、どうした・・・?」
リリィ「・・・マーリン・・・」
マーリン(・・・いやまさか。眼って、まさかね・・・)
「吾らZIPANGの一員は、母イザナミの提唱する癒され空間、ヒーリング・・・リラックス・・・緊張弛緩施設を目指し宙域の方針を定めた。本来サーヴァントユニヴァースのシーズン毎に役割は大抵決まっているものだが、我等が母、イザナミはその特性上、宇宙における自らの領域を自在に設定、決定が出来る。宇宙に蔓延るストレスや理不尽、現実の不条理を一時でも癒してほしい。その理念の下、このZIPANGに満ちる愉快な設備は産み出されていった。吾もまた、その意向に従っている」
案内役のタケル・・・上品な織物を着流しで着こなす絶世の美男子が、楽園のメンバーを天空に懸かる虹色の通路にて久遠の御殿へと案内する。下界に拡がる施設と喧騒は凄まじいまでに活気に満ちており、神が通る道から見下ろすだけでも心奪われる絶景であった。
「す、凄いぞ・・・!山や森、レジャー施設に山々!河川や峡谷も観測できる!かといって文明レベルが低いかと言えば全くそんな事はなく、風力、火力、電力発電の施設も見える!温泉や市場もあるし!どうなってるんだ!?ユーラシア大陸が丸々日本領土みたいな肥沃さじゃないか!?これが創成神の力なのかい!?」
ロマンが驚愕する通り、極めて高度な自然と科学の発展がZIPANGには為されている。キャンプ場、八百屋、魚市場、温泉設備にホテル街に牧場。人が思い描く自然のイメージが全てそこに在り、そしてそれらが癒しとレジャーに繋がっている。ロープウェイに広大極まる畑の集合地。地球全ての領土を日本文化に染めたかのような豊潤、潤沢ぶりだ。下界にいる者達が、忙しなく施設に点在しているのが読み取れる。
「吾らが母、イザナミの力の一端だ。かの御方は原初の女神、太古の創造神。誰かから奪う必要など何処にもない。彼女の大切な者に行き渡らせる富は、全てあの御方が創成の矛から産み出せる」
「あの、当たり前のように魔獣や神獣も見えるのは気のせいじゃないですよね・・・?」
「かの御方に出来ぬ事、それは落ち着く事と争いのみ。それ以外に出来ない事は無いのだ。我等・・・ZIPANGの創造神は、理を産み出す側なのだから」
リリィの問いにタケルは返す。今のZIPANGの方針はイザナミが考え、望んだ事。それはただ人々とZIPANGの安寧。来る人は拒まず、来てくれた人をもてなし、飛び立つ人を笑顔で見守る。鎖国していなかった時期には地理があまりにも辺境だった為訪れる方は少なかったが、イザナミはいつだって辛く、苦しい思い人の拠り所になりたいと願い。子々孫々を自分なりに考えてきたのだと。
「まぁ、我々が及びもつかぬ結論を極めて解りにくく端的にアバウトに慌てて捲し立てる為、八百万の神々が総出で支えねばならぬわけだが」
リゾートやホテル街を作ります!理由はもちろんお分かりですね!宇宙が安らぎを、人々が癒しを求めているからです!徹夜の準備はできています!・・・などと言い出し、子供を驚かせたいと張り切るおばあちゃんなので、八百万の子供達がどうにかこうにかして高次の天啓を関西のおばちゃんな実行力で執り行う祖母をZIPANG総出でカバーし、今に至るZIPANGが出来たとされる。先の三貴神もまた、このZIPANGにて自らの役割を所持しているのだとタケルは説明する。
「アマテラスは環境、エネルギー系列の元締め。高天ヶ原の生活基盤を支えるZIPANGの纏め役。ツクヨミはネット回線、情報統制、外界の情報収集。スサノオは侵略者の撃退、保護、警備を担当している。私有旅館も構えている、母への謁見が終わり、ギルガメスを打倒した暁には見て回るといいだろう」
「あれ?イザナギとかいうのはいないのか?確か夫婦だったろ、イザナミおばばのよ」
汎人類史では悲しい離別で終わったイザナミの相手、イザナギ。サーヴァントユニヴァースでも名前を聴かぬ存在であるのかと訪ねるが、その理屈は単純明快である。
「イザナギは未開領域を開拓に出掛けている。ほぼ戻っては来ぬ。長期出張、単身赴任というヤツだ。・・・ここだけの話、カグツチを斬り殺した事で夫婦仲は冷えきっていてな」
サーヴァントユニヴァースのZIPANGの成り立ちは微妙に異なり、イザナミはカグツチを産み、アツゥイ!となる大火傷を負った。一命は取り止めたものの重体で昏睡状態となったイザナミが寝ている間に、絶望したイザナギが癇癪でカグツチを斬り殺してしまう。サーヴァントユニヴァースは皆サーヴァント。死なないためおばちゃんパワーで復活したイザナミはその事実を知り大激怒。カグツチが復活しても怒りは収まらず、そのまま絶縁一歩手前の別居へと相成った。ZIPANGから飛び出したイザナギは、宇宙を股にかけZIPANGの領土を探す旅をしているらしい。
「我が母が唯一怒りを向けた相手だ。恐らくイザナギと出逢うことはなかろう」
(うわぁ・・・!実質別居状態なんだ・・・!)
(ナイア!あなたには関係ありません!ありませんからね!)
(なんと・・・おいたわしい・・・)
イザナミも絶縁を言い渡すレベル。どれだけ怒りと哀しみが深かったか推して知るべきというものだろう。一同は数々の情報から、イザナミは全く変化していない、よく知る女神である事を確信する。そして、イザナギとは顔合わせが叶わないと言うことも
「母として、子に手を出す者を認めないという一線を持つのが我等が母だ。・・・有り得ぬとは思うが、我等が母を哀しませてくれるなよ」
「勿論だとも。イザナミ神には馴染みが大いにある。バツイチハイテンションナイスバディ人妻だなんて属性てんこ盛り女神を泣かせるだなんてとんでもない!是非とも温泉で背中を流してもらったり」
マーリン、言葉を紡ぎきる事なくアルトリア達にフルボッコされる運びとなる。怪訝そうな顔で首を傾げるタケルに、一行らがフォローを入れる。
「マーリンの言葉はお気になさらず!いやぁ、いい場所だなぁここは!次は絶対シバを連れてくるよ!」
「気持ちのいい環境だ。実に効率のいい仕事が出来る」
「・・・エレシュキガル署長、あなた大分苦労していたのね・・・部下共々・・・」
「ちょうどいい!アルゴノーツの奴等になんか買ってやるか!土産や特産品、あるんだろジャパン!日本はいい国だってリッカから聴いてるからな!」
「我が愛、全てが終わったならば」
「シグルド様!いけません、其処から先は別離の運命です!」
「フラグって言うんだよフラグって!」
「えぇ。・・・待っています。だから、言わずとも良いのです。あなた・・・」
「日本かぁ!ウルクに負けず劣らずの魔境で綺麗な場所なのは解釈の一致だよ。行こうイシュタル!生首ストラップとか無い?」
「あるわけ無いと思うんだけど・・・!?」
「エレシュキガルさん!ラクシュミーさん!俺達、やるべき事は決まりましたね!」
「えぇ!ツクヨミ様を・・・仲間に入れるのだわ!」
「親交を結ぶのはいいが・・・陰のものと言われて喜ぶのだろうか・・・」
「──。・・・愉快な者らだな」
思い思いの所感を漏らす、楽園一行。その痛快な喧騒ぶりに、タケルは一人笑みを溢す。
──流石は、試練を乗り越えし者達であると。認めるになんら相違無く──
イザナミ大天満宮
イアソン「でっけぇ神殿だなオイ!?」
ロマン「見上げるばかりの大社だぁ・・・!ここにイザナミおばあちゃんが!?」
タケル「基本的にはな。これはイザナミを愛する八百万の神が、自主的に創った社で──」
イザナミの声『あっ待って!待ってください!切らないで!あなたも是非!ああっ待って!あなっ、あなやぁー!?』
タケル「・・・・・・」
イシュタル「・・・今の声・・・」
イザナミ(ジャージ)「くすん、しょんぼり・・・あ、タケちゃんお帰りなさい。今、金ぴか様とお話をしようとしていまして。皆様は──」
一行「「「「「・・・・・・」」」」」
イザナミ「あばやぁあぁあぁあぁ!!?」
何処かに控えさせていますかなーと油断していたイザナミおばあちゃん、オフ姿をバッチリ見られ社から転げ落ちるのでしたとさ──
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