グドーシ「ヘラクレス殿の渾身の胴上げでグラウンドから屋上に行った際はどうしようかと思いました」
じゃんぬ「人気者って…辛いのね…」
リッカ「ふふっ、でも幸せなんだよこの疲労感は!皆が想ってくれている…それって素晴らしい…ん?」
マシュ「あ、あ、あの!リッカ先輩!」
じゃんぬ「あんた…同じクラスのシールダーだったかしら」
マシュ「よ、よろしければこのタオルと水筒を!」
リッカ(あれ!?私の名前書いてある!?)
グドーシ(きっかけの後押しですな。乗りましょうぞリッカ殿)
リッカ「うん!…ありがとう、マシュ」
マシュ「は、はい!…ぁ…」
リッカ「……うち来る?」
マシュ「は、はいっ!!」
じゃんぬ「そこを言えるかで変わってくるわよね…(しみじみ)」
グドーシ「ボクサーが左で世界を制するが如しですなぁ(しみじみ)」
このあと皆でリッカの部屋に行くことになった
「お帰り姉ちゃん!あれ、その人達って姉ちゃんの友達?」
学園での大フラグ建築跳躍を終え、リクの挨拶に迎えられたリッカ。グドーシ達の存在に声をかけるリクに肯定の意をリッカは示す。
「そうそう!グドーシに、じゃんぬに、マシュ!私の学園での友達なんだ。放課後遊ぶ約束してたの!」
「こんばんは、グドーシにござる」
「じゃんぬよ。よろしく、お坊ちゃま」
「ま、マシュと言います!よろしくおねがいします!」
「あ、こちらこそ!藤丸リクです。やっぱ姉ちゃんは男友達とはあんまり縁が無いんだね!」
ぐっ、と胸に刺さる一言を残しながら自室へ引っ込んでいくリク君に父さんの血筋を感じながら、三人を自室へと促すリッカ。立ち話もなんだから、というヤツである。
「おやつもって行くからさ、先に行ってて?つもる話もあるだろうしさ!」
「それでは、お言葉に甘えて。二方、参りましょう」
「他人の家って緊張するわよね…壊したりしちゃいけないものとかあったりするじゃない?」
所感を漏らしながら自室へと向かう三人を見据え、自身ももてなしの準備に取り掛からんとした時──
【帰ってたのか】
「うわぁビックリしたぁ!?父さん!?」
声をかけられ、振り返ってみればそこにはウルトラマンベリアル。光の国終了五秒前な状態だがこの場所ではそんな事はあり得ることはなく。
【ライコウが作った来賓用の茶菓子だ。全員で食え。あの紫色の髪のガキは深刻な顔をしてやがったからな】
「父さん…」
【門限は護れよ。なんなら俺様が送ってやる。学生時代にアホやらかすと人生そのものがおしまいになるパターンもあるんだからな】
まぁ、俺様の娘に限ってそんなバカはする筈無いだろうが…とリビングに引っ込む陛下のあったかい背中に、リッカはつくづく優しい世界の意味を痛感するのであった──
〜リッカ自室
「あ、この桜餅美味しいわね…!日本の食事ってなんでこんなに手が込んでるのかしらね。芸術よ芸術」
「日本人は凝り性故、突き詰める性分であり先祖代々受け継がれた潜在能力がその特化を許してしまう故の技術革新なのでしょうなぁ。まぁそれはともかく。マシュ殿でしたかな?ささ、リッカ殿に想いの丈をぶつけられよ」
桜餅とお茶に舌鼓を打つじゃんぬとグドーシが促す。マシュは言葉を伝えるためにここにやってきた。ならば彼女には、想いがあるのだろう。言葉にすべき想いが。
「スキャンダルのインタビューでもなし、気楽にでいいよ気楽に。どったの?」
「は、はい。その…あの…」
促すも、しどろもどろで視線があちらこちらに飛ぶ萎びたなすびの姿にリッカは感慨深げに頷く。あぁ、本来はこういう消極的な女の子だったんだっけ。いつからあんな天然無農薬栽培なすびになっていったのかもう思い出せない…でもまぁどっちも可愛いからいいよね…などと彼女の二の句を待ちながら思案を続けると、ぽつりぽつりとマシュは語り出す。
「あの、私は…自分に自信が持てませんでした。デミ・サーヴァントという、亡くなった兄の力を偶発的に受け継いだサーヴァント未満の存在として在籍していて、力もそれほど強くなくて」
「えぇ、シールダーとして彼女は稀少さを認められ特待生扱いを受けておりました」
「ずっと考えていたんです。私にとっての生きる意味とはなんだろうと。兄の人生を代わりに生きることになった自分がすべきことは、なんなのだろうと」
(桜餅もう一個欲しいって言ったらダメかしら…)
「ずっと悩んでいました。でも…リッカ先輩のあの高跳びを見て、勇気を貰えました!見る人全てに、乗り越えられない壁なんてない。心が一つになれば乗り越えられない困難なんてない…そんなメッセージを込められた跳躍は、凄く凄く鮮烈で、カッコよかったです!」
そんなメッセージ籠もってたのあの高跳びに…?リッカ殿顔に出してはならんでござる。あんこが…あんこがいいのね。私に作れるかしら…。走り高跳びに込められていた想いを知った三人と桜餅に夢中な一人の心が一つとなり、マシュに一歩踏み出す勇気を授けている。彼女は決心し、そして決断を果たしたのだ。
「ですから、私は恩を返したいです。リッカ先輩の、サーヴァントとして一生懸命頑張りたい…!自分自身の困難を、先輩みたいに飛び越えてみたいんです!そしてその姿で、私みたいに挫けそうな人達に勇気をあげられる存在に私はなりたいんです!」
ですからどうかお願いします!そう頭を下げるマシュに、リッカは変わることのないマシュの本質を見た。彼女はいつだって、勇気を奮い立たせ盾を何よりも硬く強くしてきた。その向上心と克己心は何者にも穢せないものだと、誰よりも知っている。
(うん。今のマシュになら、伝えられそう!)
見ると、頭上に先には無かった攻略可能のマークが屹立している。エミヤ先生の言うとおり、それが彼女の本心であり偽らざる勇気であることを示している。ならば次は、自身が応える番である。意を決して浮かぶ選択肢を選び──
〜
一緒に頑張ろう!
私に付いてこい!
おいで、私の可愛いなすび…
〜
(一番下を…一番下を選んでみたい気持ちが強い…!)
(リッカ殿抑えられよ、そこは禁断の花園ルートにござる。何か歪んでしまうでござるゆえご自重を)
トゥルーエンドなのかバッドエンドなのか非常に判断に苦しむ選択肢をスルーし、残した2つの選択肢を鉄山靠で選択し、マシュにかける言葉を選ぶ。
「もちろん!一緒に頑張ろうマシュ。あなたの人生を生きるのはあなた自身。あなた自身が変わりたいと願うなら私はそれを全力で応援する!」
「先輩…!」
「先輩として、しっかり道を見付けてあげる!だからドーンと──私に付いてこい!」
「はいっ!よろしくおねがいします、先輩!」
きっかけさえあれば、あとはトントン拍子のスピーディー。巻き込まれ体質どころか巻き込みハリケーン体質なリッカを主人公に据えてしまえばこの通り、あっという間に二人目のパートナーサーヴァントの出来上がりである。マシュと硬く挨拶を交わすリッカを見て、グドーシのアルカイックスマイルは後光を増す。
「それでよろしいのでござるよ、リッカ殿。そなたは良縁に囲まれるべき御方。因果があるならばそれは、ガンジス河のように穏やかであるべきなのでござる…(まぁ生活排水を兼ねておられるので、現地人以外の使用はやや危険ではありますが)」
「やっぱり学生って自分の存在意義に悩むものなのねぇ…親近感湧いたわ。同じリッカのパートナーとして頑張りましょう?なすびちゃん?」
「は、はい!じゃんぬさん!よろしくおねがいします!」
「それと私…目指すもの決めちゃったわリッカ!」
「茄子農家?」
「違うわよ!?まぁ老後の生活としてはありか…まぁそれはともかく!私は菓子職人!要するにパティシエになるわ!!」
「「!?」」
「私も自作でこういう美味しいお菓子作りたくなっちゃったわけよ!皆で作るもよし、食べるも良し!完璧よね!ふふん、期待しててねリッカ!私は炎のパティシエになってやるわ!地獄の業火を使いこなす、魔女パティシエとしてね!いやホント美味しいわね桜餅…」
マシュが一大決心をした横で、自身の進路も一大決心するじゃんぬ。例えどんな世界でも、刻まれた絆や決心は消えないということを痛烈に示してくる頑張り屋のじゃんぬであった。そしてこれで一件落着──となる瞬間。
「あら、誰かのライン通話鳴ってるわよ?」
一つの着信が、一同の耳に響く。それは、新たなステージへの警鐘──
エミヤ『マシュ君とはうまくいったかね、リッカ君』
リッカ「エミヤ先生!タイミング凄くない!?」
『鷹の瞳だよ。それより君は今、単純にパートナーサーヴァントを三体ほど有せている。そこで君の力を借りたい。夜の学園に来てもらえるかな?』
「夜の学園…?」
『あぁ。──学校の、エミヤさんだ』
「学校の…エミヤさん…!?」
奇々怪々なフレーズを投げかけられ、リッカは困惑を隠しきれないのであった──
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