桃子(大お祖母様は何を?)
温羅(崇徳上皇様を見習って写経してるんだと。正座で一時間ばかし唸ってるぜ)
桃子(ふむふむ。ああやって我等子孫に寄り添ってくださるのはイザナミ様ならではですね)
ルゥ「ツンツン」
イザナミ「あなやぁ〜〜〜〜〜!!!!」
温羅(足の痺れが限界だったか…)
桃子(いつの間にかルゥ様と仲良くなっていますね)
ルゥ「もっと楽な姿勢でやりなよ〜」
イザナミ「か、形から入るの失敗おばば…あなややや…」
タケル「…(無言の写経)」
温羅(…崇徳上皇様も浮かばれるだろうよ)
『写経本』
(かつて突き返された写経が、日本のトップに大切にされてるんだからな)
桃子(時に温羅、伊吹さんの方には行かないのですか?)
温羅(アタシが出ずっぱりじゃあなんかアレだろ?あとでこっそり二人で飲むんだよ。お前さんもどうだ)
桃子(お供たちも一緒で、奢りで!)
温羅(フッ、へーへー)
「はーい!そういう訳で次は京都でのアレコレの振り返り!参加者もそうでない人も、もう皆全員集まって色々懐かしんじゃいましょー!じゃあそういう訳だからハイ!かんぱーい!」
陽気に音頭を取るは伊吹童子、用意された舞台は高天ヶ原。キャスター…否。英霊剣豪七番勝負にてリッカと深い因縁を持ったアルターエゴ・リンボが用意した地獄曼荼羅。再び行われた京における源氏と日本の大決戦。それらを振り返る場を儲けようとした伊吹童子が盛大な酒宴の場を設けたのであった。乾杯、とは言うが自分は既に飲みに飲んでいる。もしかしなくても自分が飲みたかっただけである。
「いやはや、重ね重ね楽園の皆様にはご迷惑を。わが不徳の居たり、おぞましい悪心めがとんだ狼藉を働き尽くしなんと詫びを申し上げたらよいか…」
申し訳な下げに紫式部、晴明に酌を注ぐは蘆屋道満。晴明への嫉妬、諦観、対抗心、嫉妬心といった一面を抽出し暴れ回ったリンボの大本たる存在。無論自身からしても恥ずべき記憶かつ出来事であるため、その顔には鎮痛たる無念の相が浮かぶ。
「もう終わったことだ。リンボは滅び用意した空想樹はリッカ君の究極の力になった。いつまでもくよくよするな。目障りだ」
「せ、晴明様。そのような言い方は…。は、はい。道満様。晴明様の言うように、万事は上手く収まりました。そう気の病む事のないように…」
端的かつ血の通わぬ物言いながらも道満を労る晴明と、その解りにくい機微を確かに伝える紫式部。そう、晴明は正しい人でなしである冷血漢。その物言いに血の通わぬ様は自身をヒューマギアの女性AIとして活動する程であり、無用な敵を作らぬよう弟子の紫式部が尽力している。
京においても二人の関係性は大きな役割を担っていた。晴明に一度も勝てぬとして外道に堕ちかけた道満を呼び戻したのもまた晴明。彼は自身にはない人心、民草への労りを以て自らに勝利していた事を告げリンボの支配から彼の魂を救ったのだ。
「そんなんじゃ困るぞ、道満。お前くらいしか私に追随する陰陽師はいないのだから。これからも私の二番手として引き続き馬車馬のように働け」
「はは、心得ました。これよりもVtuberの脚本、台本はお任せあれ」
「…者分かりが良すぎても気色悪いな。何か企んでいるのか?お前」
「ふふ…ああ言えばこういう晴明様への触れ合い方を心得たようですね、道満様は」
その物言いは何処までも冷たく淡白ながら、確かに情はあり、想いがある。それを、道満も紫式部もとっくに理解している。
「ンンンンンン!?何をなさる何をなさる晴明殿!?ダイレクトアタックは、ダイレクトアタックはやめなされ!」
「あ、すまない。それはそれで腹が立つから蹴りを入れていた」
遥かな時の果で、こうして共に語り合う。その奇跡をそれぞれの形で噛みしめる二人を微笑ましげに見守る紫式部でありましたとさ。
「おーおー、陰陽師コンビは巨乳美尻の弟子さん侍らせて酒のんでら。まぁ美女ってんならこっちも負けてねぇけどなぁ!アテルイ、鈴鹿!酒注いでくれ!両手に花で飲む酒は最高にうめぇやなぁ!!」
「はいはい、さっさと酔い潰れなさいっての。ったく、アタシらだけだかんね?仲良く酒飲んであげる夫婦ってさぁ」
「ふふ、良いではないですか鈴鹿。田村麻呂の本格的なデビュー特異点、それに恥じぬ勇猛さを見せてくれたのですから」
アテルイ、鈴鹿と共に酒を飲むは大将軍田村麻呂。そう、この驚天動地の大将軍が人理修復の記録に本格的に刻まれたのがこの特異点となる。宿業を埋め込まれた鈴鹿、アテルイを相手取り、制覇した日本人のサーヴァントにおいてもトップクラスに位置する豪快無比な存在は語るに欠かせない存在だ。
「あの時はもどかしい想いさせて悪かったなぁ鈴鹿!その分今、しっかり愛してやるからな鈴鹿よぅ!オレの大事な嫁さんよぉ!!」
「ばっ、今そういうんじゃ、んっ、ん〜〜〜〜〜〜……!!」
押し倒され熱烈に接吻される鈴鹿と田村麻呂を微笑ましげに見やるアテルイ。アテルイからしてみれば、涙に濡れその笑顔を曇らせてしまっていた事実と敵対してしまった嘆きをずっと懐いていたが、それを無事払拭している鈴鹿との団欒はまさに理想の光景なのだ。
「ふふ…改めてお礼を言うわ、田村麻呂。私がこうしてカルデアと縁を結べたのもあなたのお陰。本当に…感謝してる」
「ぷはっ!何言ってんだアテルイ。お前さんはドラランドで八面六臂の活躍を見せたじゃねぇか。楽園に来れたのはオレじゃない、お前自身で勝ち取った功績よ」
「田村麻呂…」
「流石はオレの最高の相棒だぜ。あの時出来なかった約束を、今度こそカルデアで叶えよう。俺達の夢みた平和な世界。素晴らしい日本を護っていこうぜ」
田村麻呂の瞳は、あの日のままだ。敵同士ながら意気投合し、遥かな日本の未来を語り合った頃。まさにあの日の夢がこういった形で現実となった。共に、また理想を夢見ることが出来た。
「えぇ。今を生きる全ての生命のために。私達が夢見た日本の為に。一緒に…頑張りましょうね」
「おう!」
二人は固く誓う。大将軍とアイヌの英雄。悲劇で終えた日本の守護の想いを改めて強く強く結び直す。交わした乾杯の快音は、その決意の現れのように澄み渡っている。
「ふーっ、ふーっ…人押し倒しといて乾杯とか、もうホント無茶苦茶だし…舌まで入れて…ホントあんたってば…」
「ふっははは、オレの熱烈の愛を思い知ったか。悔しかったらやり返してこい!天魔の姫よオレを打ち倒してみろ!さぁオレの胸に飛び込んでこーい!」
「とりあえず酔っ払った頭を冷やせこのバカー!!!」
「あだぁー!!?」
「あ…フルスイング…」
腰の入りまくったビンタのクリーンヒットを受け吹っ飛んでいく田村麻呂を目にし、冷静に状況を判断するアテルイなのであった。
「ははは!実に意気軒昂、日本男児とはかくあるべきだ!」
『些か破天荒に過ぎるが如し。しかし、夫婦仲睦まじきなり』
平将門公、そして俵藤太は先のメンバーとは違い静かに、厳かに酒を酌み交わしている。俵藤太もまた、業を埋め込まれ敵対してしまった者の一人である。
『傀儡、躯と成り果てていようと無二の宿敵たる貴様が堕ちたるを見るは無念なり。故にあの日の貴様を悼み、今在る貴様と平穏の酒を交わさん』
「うむ。先は討った討たれたの関係だとしても、今や共に轡を並べる仲間。そなたにとっては気分が悪い話かもしれんが、俺はそなたと共に戦える事を心から喜ばしく思う!何せ、そなたと二度も戦うなど想像もしたくなかったからな!」
『フ…。その意志、我もまた同じくするものなれば。重なりし縁を有難く受け止め、これより先も勇往邁進せん』
「おうとも!!美味しいお米に新皇の加護!我等が揃えば誰にも負けぬさ!ははは、さぁさぁ将門公、もう一杯!」
『……………───』
普段は圧倒的な威風と風格を醸し出す黄金の甲冑武者たる将門公も、今宵だけは穏やかに目を細める。かつての宿敵と肩を並べ、高天ヶ原の風靡を楽しみ酒を味わう。得難き奇跡を肴に、新皇は頷く。
『この奇跡、甘受し大義を果たさん』
それは新皇の誓い。神たる将門公は、舞い散る桜を感慨深げに見守りながら俵藤太と酒を酌み交わし続けるのであった…。
高天ヶ原・山岳頂上
頼光「…思えば、初めての出会いから遠くに来たものです。あの日のあなたの言葉は忘れられません」
金時「何をすれば愛してくれるか、か。今聞いてもゾッとしねぇや。無償の愛、親御さんの愛をこれっぽっちも与えられなかった子供ってのは、あんなにもよ…」
リッカ「うん。でも…今はそうじゃないよ。母上、金時兄ィ、あまこー」
頼光「リッカ。…今の日々はどうですか?私は…私達は、あなたに…」
リッカ「はい。何度でも、何度でも言います。私は今本当に幸せで…生きていて良かったと思います」
アマテラス「ワフゥ」
リッカ「血が繋がらなくても、生きた時代が違っても。みんなは私の、かけがえのない家族です。私をいっぱい愛してくれて…本当にありがとう!」
金時「へへ…まだまだ、頼光サンの愛情はこんなもんじゃあねぇぜ!もちろんオレっちもな!」
頼光「はい。あなたが私を母と呼んでくださる限り、私はあなたの守刀、源氏の棟梁としてあなたの側に在り続けましょう。もう二度と、あなたを哀しませないように」
アマテラス「ワフ!」
リッカ「はいっ!!これからもどうかよろしくお願い致します、皆!!」
精神世界
アジーカ【ママ上】
丑御前【まぁまぁ、まぁまぁまぁ。私のリッカ。私の大切な愛し子…】
アンリマユ【御手柔らかに頼むぜ〜…?】
巌窟王【フ…】
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