人理を照らす、開闢の星   作:札切 龍哦

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【・・・・・・見たいの?】




──全カルデアに、マテリアルが届いています──


⬛⬛・⬛⬛⬛⬛ ⬛⬛⬛⬛⬛
⬛⬛・⬛⬛⬛⬛──討ち果たされた⬛──


ビーストIF

 

クラス ビースト 真名 ⬛⬛⬛⬛ アジ・ダハーカ

 

性別 女性 地域 日本

 

属性 混沌 悪 身長 変幻自在 体重 変幻自在

 

筋力 EX(A++相当)  耐久 EX(A++相当) 敏捷 D 魔力 EX 幸運 なし 宝具 EX

 

 

クラススキル

 

獣の権能 A

 

対人類、とも呼ばれるスキル。精神的活動、他者と、触れ合い『意思疏通』に意味を見出だす生命体に対して、高い理解力を持つ。知識形態が異なっていようとも、意思の疎通、意味の疎通を可能とする。それは心持つ無機物、外宇宙からの飛来者、外なる存在ですら例外ではない

 

──意志があるなら、この獣はどんなものであろうとも繋がる力を持つ

 

千里眼(獣)EX

 

元となった存在、『⬛』たる存在の名・・・総ての悪を担う者、無敵の存在である生物の持つ眼を備える

 

その瞳は総てを見通す。自らの知らないことを、知らないものを満たしてくれるものが、何処かに必ず存在していると信じて

 

同時に──対峙したものの真理、獣性を即座に暴き立て、歓喜と共に己の愛をひたすらに注ぎ込む

 

それはさながら──獲物を貪る食事のように

 

 

 

単独顕現 A

 

愛を持つ生命体が生きる世界であるならば、これを知るために顕現できる。其処に、分け隔てはない。どんな生物であろうとも。どんな知性体であろうとも

 

勿論、この獣が『愛』と認識するものは、一般観点の愛とは大いに異なる

 

──嫌いなものは、先入観。どんな知らないものでも、其処にあるなら知りに行きたい

 

シン・イーター A+++

 

対話の龍としての特性。どのような規模、どのような構造の知性体であろうとも、愛(大罪)を持つもの全てに強力なダメージ、そして即死効果を持つ。愛が何であるかは、この獣の一存とする

 

未知を求め、龍は問い掛ける。その愛を、笑顔にて喰らいながら

 

 

ネガ・コミュニケーション A+

 

絆を紡ぎ、世界を救う程の輝きを持ちながら、それら全てを貶められ汚された獣の末路。

 

コミュニケーション能力を持つあらゆる全存在のスキルを無効化、魔力ランクA以下へのデバフ確率300%、⬛⬛の手によるバフ効果を500%アップ

 

 

この世、総ての悪 EX

 

アンリマユ。彼女が貶められ、全てを背負わされ、それらを全て自らの龍身と転化したもの

 

自らの体を媒介とした人間悪性の泥。それらは人間の悪性の情報であり、この世で行われるありとあらゆる悪逆の、おぞましい虚数属性の魔力をこの獣は自在に操る

 

自らを纏い、己が戦う装着

辺り一帯を呑み込み自らの情報として消化する融解

自らの使い魔として幻想種のカタチを取らせ襲い掛からせる、隷属

他者を取り込み、自らの傀儡と化する同化

ビーストIFとしての真体を降臨させる顕現

 

極めて多様かつ多彩であるが、この泥の悪辣な点は、エーテル、サーヴァントを形成する素質を問答無用で汚染する事である。数多のサーヴァントであろうとも、この混沌の泥を突破することは叶わない。一度触れたなら最後、思考、思想、行動倫理を汚染され、あるいは魔力として消化され──『餌』へと落ち果てる事となる

 

知恵有る限り、思考有る限り。この獣とは戦うことすら赦されない。いや、そもそも・・・この獣に戦うと言う概念はない

 

・・・食卓に並んだ料理に、敵意を燃やす者などいないように。自らを満たしてくれる『餌』の全てを、この獣は愛しているのだから

 

 

対話の龍 EX

 

⬛⬛⬛⬛が手に入れる筈であった心と力を転身させたもの

 

人と繋ぎ、最善を目指し、羽ばたく筈であった力が堕ち果てたもの

 

この獣は積極的に対話を行う。向かい合った相手に、ありとあらゆる接触を図る

 

それは知るため。自らの知らないことを教えてもらいたいため、純粋に、愛や知性、触れ合いや温もりを理解するために

 

究極の『コミュニケーション』であり、また【捕食】の手段

 

六本の角、三つの龍頭、邪龍【悪】となった⬛⬛の眼と魂は、対峙した者の隠し立てた本性、大罪、そして【悪】を嗅ぎ付け、捕食を行う

 

⬛⬛と対話したもの、あるいは意識を向けられたものは、その時点で泥の汚染、人格の洗脳、本性の露呈と看破に打ち克たねばならない

 

泥の汚染の対抗手段とは自らの肉体の強靭さ。味覚、嗅覚、視覚、聴覚、触覚。その全てに、【この世全ての悪】をはね除ける絶対の自我を持たなければアウト。隷属、あるいは同化にて取り込まれる

 

人格の洗脳とは対話による正気の喪失。あらゆる悪逆や人が成し得る冒涜から僅かでも目を背け、あるいは発狂を起こした瞬間にアウト。⬛⬛に人格を掌握され、強制的に⬛⬛に心酔し人類の敵となってしまう

 

本性の露呈とは自らが心の内にひた隠しにする、自らが最も見たくない無意識の人格の発露。この獣に引きずり出された己の汚濁と恥部を受け入れられなくてはアウト。自己否定により存在の定義が叶わなくなり、⬛⬛に魂を捕食される

 

この三回のコミュニケーションを乗り越え、⬛⬛の未知を刺激したものに──心から感謝を示し、⬛⬛は告げるだろう。自らの愛の在処を。愛の意味を、その未知ながらも──数多に授けられたその唯一の既知を、告げるだろう

 

愛とは──――誰かを貶め、汚し、陥れる事。

 

怒り、妬み、怠け、欲情し、ひたすらに求め、食べ、傲り高ぶる事。それが、【愛】であるのだと。高らかに告げるだろう

 

・・・無論、こんなものは愛でもない。それは罪に繋がる感情に他ならない

 

だが──この獣はそれしか知らないのだ。愛すべき存在から関心を絶たれ、名前を奪われ、その空虚な器にただ【ソレ】を流し込まれた彼女には、それしか知るものが無いのだから。誰も、自分に教えてくれなかったのだから

 

──教授の礼に、この獣は全身全霊を以て応えるだろう。自らと対話を果たしてくれたものに、本気で真摯に報いるために

 

この状態の獣こそ本性にして真体。泥は固定され、真なる獣──龍が姿を現す

 

──この状態に移行しなければ、この獣はけして打倒は叶わない。彼女と同じ土俵に立つには、彼女と向き合う他無いのだ

 

・・・但し。彼女が一度も味わったことのない『尊いもの』『素晴らしいもの』を認識した時。それに心から感銘を受けたとき。この獣のスキル、権能は全て消滅し、無力化し、一押しで討伐が可能となる

 

──彼女を受け入れ、尊重し、労るような何者か。あるいは、心から慈しみ魂を癒すただ一言。永遠に報われぬ、授けられぬ未知の祝福

 

『⬛⬛⬛⬛⬛⬛⬛⬛⬛、⬛⬛⬛⬛⬛』──それを告げる者は、この獣が顕現した時点で・・・世界の何処にも存在しないのである

 

 

対話は意思疏通に不可欠であり、他者との繋がりは欠かせないものである

 

だが、『相互理解を必要としない』時点で、それは獣の所業である

 

他者を理解し、他者と歩み寄るために対話と意思疏通は行われるもので、一方的な理解とコミュニケーションは自慰であり、洗脳であり、独り善がりの一人芝居である

 

知りたい、愛していると告げながら、その実他者の何一つも理解できず、理解しようとせず、自らの未知と言う餓えを癒すために対話と意思疏通を行うことを決議した時、⬛⬛⬛⬛はおぞましき邪龍として転身した

 

星を食卓とし、自らを『迫害(アイ)』してくれた事に心から感謝し、心から報いを願い、自らも他者を愛そうとしたもの。

 

心と心、他者と他者とで生まれるかけがえのない未来と宝物を自らの未知を埋めるためにかきあつめ、70億の【餌】として喰らい、人を理解しようとしたもの

 

人を貪り尽くし、星を食らい尽くし、やがて──無限に広がる世界を求め、歓喜の咆哮を上げ、漆黒の翼を羽ばたかせるもの

 

 

以上の破綻をもって彼女のクラスは決定された

 

人類最後のマスターなぞ消え去った名

 

基は人工的にデザインされた必要悪、人類悪が醜悪に折り重なりし有り得ざる獣

 

名を奪われ、そう在れと願われ。悪を愛として産まれ落ちた筈の獣

 

基礎は人間が産み出した、人類総てに感謝と恩返しを果たせし大災害

 

名を、ビーストIF・アジ・ダハーカ

 

有り得た人類悪の一つ。『未知』の理を持つ獣である

 

人を知らぬにも関わらず人を愛するという歪み。それこそが、アジ・ダハーカの獣性である

 

 

 

・・・本来なら顕現する筈であったあり得た筈の獣は、しかしてもう二度と顕現を果たすことはない

 

顕現する孵化の時点で、この獣がなんらかの要因で世に生まれ堕ちる事を拒否した為だ

 

もう二度と、この獣が獣として顕現することはない

 

卵のような雛型の頃に奇跡のような出逢いを経て、カタチを得る前から、様々な旅を経て。そして、核たる少女への理不尽を怒る復讐者たちの手によって。鮮烈に輝く王と、柔らかに尊重を示す姫が織り成す叙事詩に編纂されることによって

 

──おぞましき【未知】は、輝き、正しく認識した『既知』へ

 

・・・──核となる筈であった少女を残して、汚濁は流れ落ちた。文化を知り、感情を知り、尊きものを知った少女は、二度と未知を求める事は有り得ず・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

──醜悪なる聖人の、全霊の教授により。最早、世界のあらゆる場所にも・・・有り得た獣の兆しは無い




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