人理を照らす、開闢の星・序章〜awakening,precious,star〜   作:札切 龍哦

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ケイローン「敵方が進歩している、ですか」

ギルガメッシュ「先の戦い、作家めを城塞に送り込んだであろう。ただの木偶にしては中々の読みであった事は認めざるを得ん。選抜した人員が話にならなかったがな」

ケイローン「それは確かに。・・・となると、城塞も決して安全地帯ではないと言うことですね」

ギルガメッシュ「元はと言えば簒奪者が整えた戦場だ。あちらが掲げる法ならば改変は容易かろう。まぁ好きに踏み潰すがいい。必要ならば迎撃機構を使え、改築がてら備えてやったわ」

ケイローン「心遣いに感謝を。──今宵の戦場にはどちらへ?」

ギルガメッシュ「神性を獲得した愚昧の血を我が鎖に啜らせるのも芸が無い。此度は上空に鎮座する安宿でも冷やかしに行くとしよう。──恐らく、彼処に大聖杯の中核があろう。我が攻め落としては話にならん。さっさと雑事を片し突入を果たせよ?」

ケイローン「承知いたしました。どうか、お気をつけて」

ギルガメッシュ「ハッ、我が気を付けるは至宝の体調のみよ。此度も我等の華麗なる共闘、とくと目に焼き付けるがよい!」

──頑張りましょう!おー!

フォウ(おー!慢心と油断を捧げよー!)

ケイローン「えぇ、しっかりと・・・となると。マスターに提案してみましょう。裏の裏をかくことを、ね」


陣営戦闘開始!仲間を増やして次の朝へ!

「さて、始めるとしよう。聖杯大戦・・・!」

 

【レディイィイ!ゴォオォオォーッ!!】

 

再び訪れし、夜の一時。静寂に響き渡るはクラシックなBGMなどではなく開戦の鬨である。今宵も幕を開けるのだ。聖杯大戦・・・大聖杯を巡る、姿なき敵との攻防が。リッカは鎧を身に纏い、ジークも腰に剣を差す。戦いの様相は万全である。美味しいご飯もたくさん食べたので気合いと元気も充分だ

 

「どうかお気をつけ下され。御武運を」

 

「ヤバくなったら是非退避を!あっ、もし意思疏通が可能になったら敗北した気分を訪ねてみてください!」

 

「もう僕らが最前線に出る意味は薄いだろう。大人しく君達の帰りを待とう。勿論ゴーレム達は召喚するが」

 

ミレニア城にて後方支援を担当するリーダーにキャスター二人。十分以上に前面の戦力は整っている。前に出る方が邪魔になるというものだろう。己の力を活かす適材適所という奴である

 

「それじゃあおかあさん、しゅっぱつしんこー!」

 

【おー!さて、今日は誰とファイトするのかなー!】

 

意気揚々と駆け出す三人。そしてそれを合図に各々の為すべき事を為さんが為にサーヴァント達が動き出す。聖杯大戦ならではの、大多数のサーヴァントの運用だ

 

「アタランテ、お願いします」

 

「いいだろう。・・・アルテミスの寵愛を一身に受けたマスターとは。これは遅れを取るわけにはいかんな!」

 

高貴なる決意と共にアタランテが宝具の弓矢を天に撃ち放つ。アルテミス、アポロンの二大神に奉じる弓にして一帯を貫く矢を降り注がせる『訴状の矢文(ポイポス・カタストロフェ)』。ミレニア城の庭園より撃ち放たれたそれが対空防御と化し近付く者を撃ち落とす。──成果はすぐに見てとれた

 

『キュアァアァア!!』

 

姿は見えずとも聞こえし咆哮。何者かの庇護に在りし獣が接近していた事の証左である。矢の雨の中にも墜落する素振りが見えない以上、迎撃が素通りされているのは明白であった

 

『ライダー、アストルフォの宝具だろうな。彼の『この世ならざる幻馬(ヒポグリフ)』はあらゆる攻撃を透過する』

 

邪竜が身体を起こし羽ばたく。どうやら飛行を続ける彼を脅威と認めたらしい。彼個人としても、ライダーには思うところがある様子であり・・・それは、感傷と言うものでもある。

 

「ならば実体化するまで攻撃する!行くぞケイローン!」

 

「承りました。それでは!」

 

「おぉ!圧制者よ!闇夜に隠れ遂に襲来したか!なら私は当然のように汝らを打ち倒すだろう!愛を以て!行くぞぉ!!叛逆(おはよう)!!

 

あちら側のゴーレムが再現され行進されているのを見るや、雄叫びと挨拶を上げて突撃していくスパルタクス。困難がある、行く。そんな思考の彼に迷いは微塵も存在しない。困難の果ての勝利の凱歌を歌うため、今宵も不屈の反逆者は笑顔で敵を粉砕するのだ。その果てに君臨する、黄金の王を目指して

 

「スパルタクスも来たか。じゃあこっちも始めるとするか。いつものように分断を・・・何!?」

 

城塞からスパルタクスが飛び出したのを確認し、大量のエネミーとシャドウ・サーヴァントを分断しようと屈伸していたアキレウスが驚愕の声を上げる。『彼が行おうとしていた分断を、そのまま彼に行われたのだ』。ケイローンが得意とする結界を以て

 

「ちいッ──しゃらくせぇんだよッ!!」

 

だが、大英雄たるアキレウスにそんなものは壁襖以下の効果しかもたらすことなく何の脅威にもなりはしない。放った槍の一振りが無数の軌跡となりて眼前の全てを穿ち貫く。単騎駈け、孤軍奮闘など日常茶飯事。アキレウスの本懐は、窮地にこそ戦場を楽しみ疾走することだ

 

「どうやら王様と先生の読みは当たった様だぜ!城塞への侵入は俺が押し留める!目星をつけてくれ、ジークにマスター!狩りにいく!」

 

「了解した。リッカ、頼む」

 

【ジャックちゃん!敵は見えた?シャドウじゃないサーヴァントはいたかな?リッカママに教えてー!】

 

「はぁーい!ごっつい鎧着たセイバー2騎、えーと、フリフリしてたランサー・・・違うかな?ライダーかも?」

 

偵察を任せていたジャックを呼び戻し、城壁上部にて答え合わせを行う。頭上の空中庭園では爆音と翡翠の軌跡を描く黄金の船が戦闘中だ。神性を持ち出した事により敵以下となったサーヴァントらに見切りをつけ、ギルガメッシュがセミラミスの宝具と戯れているのだ。直角に曲がり反転やワープなど、ゲッターとマクロスを足して二で割らないドッグファイトぶりは驚異的である。

 

【よしよし、渋くてダンディなランサーだった?誰もが振り返るようなイケメンなランサーだった?】

 

「ばかみたいにフリフリしたかわいいランサーだった!」

 

【はい決定!アストルフォ、黒のライダー!ありがとうジャック!有能で可愛くて強いジャック!好き!!】

 

「えへへ、うれしいな。おかあさん、シャドウ・サーヴァントみたいなのもいたの。前回の余りものみたいなの。ばらばらにして解体していい?」

 

【いいよいいよー!バラバラのズッタズタにして壁の飾りにしちゃおうねー!ほい、行ってらっしゃい!】

 

「わぁーい!殺しちゃうんだから!行こ、つぎはぎさん!」

 

「ウゥゥリィイィイ!!」

 

リッカの指示に従い、ジャックが笑顔でフランと共に駆け抜ける。アキレウスに素早く指示を飛ばし、二人に向かってもらい討伐を依頼する

 

【アキレウス!ジークフリートとモードレッドをお願い!特にジークフリートを!私達多分バルムンク喰らったら詰むから!】

 

ゾロアスターの悪龍の名を冠する自分に効果があるのかはともかく、少なくともジークにはバルムンクは効くのは確定事項だ。かすっただけで死ぬだろう。なんとしても、アキレウスに頑張ってもらわなくてはならない相手だ。モードレッドは大丈夫、アルトリアは何処にもいないから。

 

「任せろ!オリュンポスの神々よ、この戦いに──!」

 

【ギリシャの神様人間臭い(精一杯のフォロー)から祈るのはまだやめた方がいいと思う!】

 

「・・・だな!また先生とぶつけられちゃ敵わねぇ!なら何処やにいる我が弟子よ!遠からば音に聞き、俺の勝利を願ってくれ!」

 

アキレウス、疾走。たったそれだけで大地が抉れ音速のソニックブームが生まれ立ちはだかる全てを粉砕し蹴散らした。薄緑の風が巻き起こり、一直線にジークフリート、モードレッドへと向かう。駆け抜けただけでこの規模。ギリシャの誇る大英雄は伊達では無いのだ

 

「よし、リッカ。俺達も始めよう。本体を此方に寄越す。飛行の準備をしておいてくれ」

 

【となると相手は──】

 

「あぁ。・・・理性蒸発、アンポンタンライダー。アストルフォだ!」

 

城塞より飛び出し、邪竜へと変化するジーク、その背に飛び乗るリッカ。今宵の相手たるライダーへ向けて、一直線に飛行する

 

『知っていると思うが、彼は騒がしい英雄だ。再現体は喋らないため違和感が凄いだろうが・・・』

 

【油断せずに行こう!だね!】

 

『そういう事だ。リッカ、君は俺達サーヴァントの柱になってくれ──!』

 

リッカとジーク。かつての大戦の如くに、今宵の障害に挑む──!

 

 




上空

アストルフォ『・・・』

ジーク『・・・正直な所、迷っていた。ジークフリート、アストルフォ。俺には大恩ありし英雄だ。だからこの手で取り戻そうと』

ヒポグリフ『クェー!!』

『だが、ジークフリートは俺には相手が悪すぎる。俺の都合でリッカを危機に晒すわけには』

ヒポグリフ『クェー!!クェー!!』

『だから君を』

ヒポグリフ『クェエェエェー!!!』

リッカ【ヒポグリフくんしー!しー!今シリアス!シリアスシーンだから!】

『クェー』

アストルフォ『・・・・・・』

ジーク『──かつての折、俺を助けてくれたように。今度は俺が君を助ける!行こう!リッカ!』

リッカ【よーし!!あ!相手のアストルフォが勝負を仕掛けてきた!行け!ジーク!】

ジーク『よし・・・!ジャリュー!』

ヒポグリフ『クェー!!!!』

・・・主がしゃべらない分自分が間を保たせよう。そんな気遣いが見てとれる、ヒポグリフであった・・・──
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