世界でただ1人のLv.9   作:しぐ

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原作13巻最高でした早く続きが読みたい


九話

 帰り道の最中、団員達が軒並み毒状態になっているのを後ろから笑いながら着いて行ってたらリヴェリアに本気で怒られてちょっとへこんだ。

 

「手を出さないって言ったし。どうせ遠征に行くような連中だし」

 

「ハルがすっかり拗ねちゃったからベート、頼んだよ」

 

「ちっ、わかったよ」

 

 拗ねてないし。

 

 

 

 

 そんな事がありつつもメンバーの多くが毒に侵されている為、身動きが取れずに18階層でベートが帰ってくるのを待っているわけだ。

 

「ハルが取りに行ってくれればもう帰れたのにね」

 

「そうだね」

 

「お前はいつまでも子供っぽい……」

 

「1000年生きてても子供の心を持っている俺を褒めて欲しいね! 何年たってもウラノスみたいにゃなりたくないけど」

 

 若い人達に囲まれていると心がそっちに引っ張られてなんだかいい。

 

「……ん?」

 

「どうした?」

 

「いや、少年の気配を感じた」

 

「少年……?」

 

「こっちの話だ。気にしないでくれ」

 

「そ、そうか?」

 

 半分周りにほかのメンバーがいるのを忘れているリヴェリア可愛いと抱きしめたいところだが、今はそれどころじゃない。

 少年のレベルでソロでここまで来るのはまず不可能。という事は何人かはわからないが少くとも小人族(パルゥム)の少女は一緒だろう。

 2人という可能性もなくはないが限りなく少ないだろう。少年は過信するタイプでもない。

 という事はパーティーメンバーは多くて5人、少なくて3人くらいだろうか。

 Lv2になったのがつい先日なわけだからすぐ18階層あたりまで来るとは思えないから考えつく事は事故が起こって下に向かわざるを得なくなったか、運良くモンスターに出会わなくてサクサク進めてしまったかのどちらか。

 

「リヴェリア、回復魔法の用意をしておいてくれ」

 

「あ、ああ……わかった」

 

「フィン、申し訳ないが、何人かここに厄介になる人が増えるだろうがいいか?」

 

「余裕があるわけじゃないけど、他ならぬハルの頼みだ。引き受けようじゃないか」

 

「ありがとう。足りなくなるものがあったらリヴェラから遠慮なく買ってくれ。俺の遠征の報酬から差っ引いてくれて構わない」

 

「ふーん、ハルがそこまでするなんて、随分入れ込んでるんだね。女?」

 

 女に反応して一瞬嫉妬の炎を燃やしつつ私は正妻だから寛容ですという余裕ある表情を見せるリヴェリアは一見表情があまり変わらないように見えて内面がころころ変わってる。なんて可愛いんだ。

 

「ニヤニヤしてないで早く行ってこい」

 

「はいよ。それと、男だからリヴェリアをからかうのはよしてくれ。からかうのは俺だけの特権だ」

 

「はは、ばれたか」

 

「なっ……!」

 

 なんだ、気づいていなかったのか。

 俺、最初に少年って言ったよね?

 

 

 

 

 少年が!

 アイズの足を掴んで!

 自分よりも仲間を優先して!

 助けを求めた!

 

「くぅー、お兄さんは見ていてとても楽しいです」

 

 本人たちは俺の予想通り事故って下に向かわざるを得なかったみたいでかなり瀕死なのだけど。

 

「あの……ハルさん」

 

「俺の事は気にしないで! 続けて!」

 

「運ぶの、手伝ってもらえますか?」

 

「あ、はい」

 

 超至近距離で木の枝持ってバレバレのカモフラージュしてたのを全スルーされてアイズの天然力の高さを思い知った。

 瀕死の怪我してる少年達にも、アイズにも申し訳なく思う。

 せめてもの罪滅ぼしにアイズも抱えて全力でキャンプ地まで移動した。

 

「ベル・クラネルの事だったんだね」

 

「そう。俺は少年の事を特別気に入っていてね」

 

「ハルでもあの超成長の秘訣とか気になるものなのかい」

 

「まあ、それもあるけど。他の理由があるんだ」

 

 知ってる、なんて事は口が裂けても言えない。アイズを含めあの場にいた人は皆少なからず知りたがっているか。本人に聞いても本人が知らないから無意味なんだが。

 

「へぇ……聞いても言ってくれなさそうな感じだね」

 

「フィンに……というか【ロキ・ファミリア】の連中には聞かせらんねえや」

 

 少年とアイズが結ばれるのを願ってるなんて、それこそ言えない。

 もっと少年が馴染んでくれればいいんだけど、そうもいかないかねえ。

 

「ともあれ、僕らも彼には助けられたと言ってもいい。遠慮なくハルのテントに寝かせているし、僕らが帰るまでの間ならなんの問題もないよ」

 

「ああ、少年達も喜んでくれるだろう」

 

 さて、アイズが少年達を看病しているはずだし、野次馬でもしにいきますかね。

 

 

 

 

「むむ、アイズの胸も成長したんだな……」

 

 うちの嫁さんも凛々しい服に隠れているが中々のものだぞ。そう、中々のものだ。

 

「さすがに娘同然の女の子の胸に顔を突っ込む勇気はねえな……」

 

 少年の行動を見てそんな事を思ったが、間違いなくリヴェリアに殺される。

 アイズと話してると少年はずっと顔が真っ赤なのにアイズはそれに微塵も気付いていないというのがなんとも。

 もっと恋愛面も教育しておくべきだったか。ちくしょう、過去に戻ってやり直したい。

 

「あと980年くらい若ければ俺もアイズにアプローチしてたのにな……」

 

 いや、待てよ。その頃の俺だと弱すぎて相手にされないな。なるほど、俺にはリヴェリアが運命の人だったか。

 

「おい」

 

「どうした、リヴェリア。俺は青春を覗くという大事な使命が痛いから無言で首を締めないで」

 

「馬鹿な事をやっていないで私のテントに行くぞ。ハルの布団をひかねばならん」

 

「またまたー。そんな事言っておきながらさっきちょっと嫉妬したから可愛がって欲しいんでしょ? 図星でしょ?」

 

 おっと、杖を振りかぶって何をするつもりで?

 

「死ね」

 

 死にたくないからエスケープ。

 

「あっ、くそ。逃げ足の速いヤツめ」

 

 

 

「? 外から物音が聞こえたんですけど……」

 

「気のせい、じゃないかな……私は、何も聞こえなかったし」




基本的に原作を見ながら書いていないのでうろ覚えの部分が多いです(最近ソード・オラトリアを読んでいないので)
このシーンに主人公を絡ませてほしいというのがあれば是非とも何巻のどのあたりかを教えていただければ読んでから書きます面倒ならばこんなシーンだと教えてくれれば記憶を頼りに探してから書きます。
現時点より前のものなら書けますが後のものだといつになるかわかりません。ゴライアス辺りなら次の話とかに入れられそうな気もしますが。それより先になると本当にいつになるか……不定期でごめんなさい。
ソード・オラトリア方面が多いですが、アイズを巡る謎的なものには触れていきませんのでご注意を。原作でも答えが出てないものには迂闊に手を出せない作者の想像力と創造力の無さを恨んでください。
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