とりあえず言いたいこと。
死柄木さんはイケボ((
Risa*
麗日
麗日お茶子の妹
無個性
私は無個性。
それを知ったのはまだ幼いときだった。
「和湖ちゃんには関節が二つある。」
「残念だけど……“個性”に関しては諦めた方がいい。」
そう医者に言われた。
なんで?
お茶子ちゃんには“個性”があるじゃない。
そう言いたそうに目を見開いたおかあさん。
私は薄々気づいていた。
だって、お茶子ちゃんは、去年から無意識に物を浮かせるようになってたのに。
同じ年に生まれた私はなにもなし。
同じように物が浮かんだことも、逆に物をへこませたりしたこともないもの。
そう、人は生まれながらに平等じゃない。
恐ろしく静かな思考で、私はそう思っていた。
小学校。
無個性である私は、同級生に色々言われた。
「和湖ちゃんって“むこせい”なんだってー。」
「えー、“むこせい”ってなにも出来ないんでしょー?」
「かわいそうだねー。」
悔しかった。
「“無個性”はかわいそうなこと」というきまりが何処かで作られ、色々な人に「かわいそう」と思われて。
この頃の私は思っていた。
無個性でも出来ることがあると、いつか知らしめてやるのだと。
そんなことは出来やしなかった。
全部取られてしまった。 ぜんぶ、ぜんぶ、お茶子ちゃんに。
「みてみて、おとんが仕事してるところー!」
「おお、よくかけたな!おとん、嬉しいぞ!」
そう言って画用紙を受け取り、お茶子ちゃんを抱き上げてぐるぐると回るおとうさん。
お茶子ちゃんは、きゃあっと声をあげて喜んでる。
いいなあ、いいなあ。
私もおんなじ絵、描いてたのに。
お茶子ちゃんに教えなければ良かった。
「お仕事してるおとうさんかくの……」
「へえ!おちゃこもかく!」
お茶子ちゃん、私より描くの早いのに、私より上手に描くから。
出来損ないの妹である私は、お茶子ちゃんが羨ましかった。
「よーい、どん!」
「一番、お茶子ちゃん!二番、和湖ちゃん!」
走るのもお茶子ちゃんが上。
「テストを返しますよー!」
「やったあ、90点!」
「80点。」
勉強だってお茶子ちゃんが上。
お茶子ちゃんは目がくるんとしてて、とっても可愛い。
私は普通の形の目。可愛い訳じゃない。
将来の夢は何か、作文にかく授業があった。
私はヒーローになりたかった。
だけど、私は無個性だから。
「和湖ちゃんは何になりたいの?」
「……ヒーローになりたい。」
先生にそう答えると、それを聞いた男の子が言った。
「和湖は無個性なんだから、なれるわけないじゃん。」
知ってる。
だから書けないんだよ。
じんわりとぼやけた視界の中で、男の子が先生に注意される声を聞きながら。
私の作文用紙は、消しゴムで文字を消そうとしたとき、ぐしゃりと音をたてた。