【完結】真・誤解†夢想-革命?- 蒼天の覇王   作:白石基山

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第二十話.ヴェルタースオリジナル

 ハチミツ大好き美羽ちゃんの朝は早い。

 

 四世三公の血筋は伊達ではない。ぽちにより性格が若干矯正され、姉妹仲が良い姉麗羽も私塾では曹操を上回り常にトップであったように、美羽ちゃんも一見アホの娘のような振る舞いをしながらその血統の優秀さを遺憾無く発揮し凄まじい改革を次々に成し遂げていった。

 

 美羽ちゃんの思考の基本は「ぽち兄様ならきっとこうするのじゃ!」である。美羽ちゃんはぽちが活躍し、その逸話を聞く事が大好きである。なので部下が活躍すればその愛らしい笑顔で「よくやったのじゃ!」と言いながらちょっと大袈裟なくらい褒美を出しちゃうのである。美羽ちゃんは一度、洛陽にいた頃にぽちに付いて戦場に行った事がある。戦場で傷付いてしまった兵を見ながら「戦なんかしたくないんだよね」と常勝無敗の将軍と言われ始めていたぽちが言ったのを美羽はよく覚えていた。

 

 ほんとにそのままの意味でぽちは働きたくないと言っただけなのだが、これだけの才が有りながらそれに酔わず一人一人を思いやるぽちを凄いと美羽ちゃんは思った。なので美羽ちゃんは今この大陸で最も優秀と言われるゴッドヴェイドォォォオオオの華佗を呼び、私財を使い医療研究所を作った。そして研究所の医療班を常に戦場に同行させ、少しでも亡くなる人間を減らせるよう努めたのだ。勿論戦場で傷付いた分の治療費は無料である。

 

 街に出歩いては困った人を見掛けると大袈裟なくらいに心配してすぐに対処したり、ぽちがやっていたからと点心の店の行列に普通に並んでしまう美羽ちゃんは幼いなりに凄く国の為に頑張っているのである。

 

 そんな美羽ちゃんの配下には江東の虎の娘である孫策を筆頭とした孫家がいる。「家族が離れて暮らすなんて駄目なのじゃ! 皆仲良く暮らすのじゃ!」と言った美羽ちゃんの一言で孫家は纏まる事が出来たし、その武功に応じた報酬もきちんと、いや過分に出される。一度孫策が「報酬なら孫家としては建業が欲しいんだけどねー」と軽口を言った結果、まだそこまでの武功を立てていないにも関わらず「雪蓮ならきっと大丈夫なのじゃ! わらわは信じておるからの!」と言ってあっさり建業をあげてしまった。

 

「この恩は働きで必ず返します」と言った孫策の言葉に偽りはない。しかし美羽ちゃんは「ならその働きは建業の民の為にしてたも! 建業の皆がそれで笑顔になれるならそれが一番なのじゃ! 雪蓮ならきっと出来るのじゃ!」と返す。もう孫策は、孫家は、この天真爛漫な幼い主に対する忠誠が揺らぐ事は無いだろう。「ぽち兄様ならきっとこうするのじゃ!」思考で美羽ちゃんがチート化している。

 

 美羽ちゃんは幼いが故に思考が浅い所も多分にあるがちゃんと考えて結果を出してるのだから、ぽちの野郎よりはるかに優秀だと思うよ。ちなみに幼さ故の危うい所は裏で七乃が全部処理してるので安心していいよ。今は孫策と周瑜も、美羽の為に喜んで七乃に協力しているから、袁術陣営は裏も表も磐石なのです。そしてそんな主である袁術が『兄』と慕う曹犬も袁術陣営にとって特別な存在なのです。そのせいで後で問題が起こって悩む人が出るなんてこの時点では誰も思うまい。

 

 ちなみにぽちにとっても美羽ちゃんは可愛い妹で、張飛や許緒から兄と呼んでいいかと聞かれた際に、「既に兄と呼んでくれてる子がいるから、その子が悲しむかも知れないから駄目」と普通に拒否したくらいに特別な存在なのです。ヴェルタースオリジナルがあればプレゼントしあってるくらいの関係なのです。

 

 

 

 

 

「ほ~ら、ネコじゃらしだぞー」

「あ、反応しましたねぽち様」

「よし季衣、エサで釣って軒下から誘い出そう」

「はい! 怖くないよー。エサですよー」

 

 曹犬と許緒が軒下に向かってネコじゃらしやらエサの入った器やらで軒下にいるネコ(仮)を釣り出そうとしていた。夏侯淵も軒下に声を掛ける。

 

「姉者、いい加減機嫌を直して出てこい」

「うるしゃい、また皆でわたゃしをバカにしようとしていりゅんだー」

 

 酔っ払って酒瓶を抱え、軒下でネコのように蹲ってしまった夏侯惇こと春蘭……春にゃんでいいか。春にゃんはなかなか軒下から出てこない。一瞬の隙を見てぽちが付けたネコ耳カチューシャが良くお似合いです。ぽちが振るネコじゃらしに反応している辺り大分猫化が進んでいる模様。飼いたい。

 

「誰も姉者をバカになんかしていないぞ」

「そうだよ春姉」

「何しているのあなた達」

「あ、華琳様。春蘭様が軒下から出てこなくなっちゃって」

「はぁ……春蘭、何をしているの? ネコなのは閨の中だけで充分よ? ほら、行くわよ。秋蘭も」

「はっ」

「華琳様~」

 

 曹操の言葉に嬌声をあげて付いていく春にゃんと秋蘭。ここR-18じゃないので後は裏側で宜しくお願いします曹操様。

 

 

「ぽち様、ねやでねこってなんですか?」

「寝台でにゃーんって言わせるみたいな?」

「寝台でにゃーん? ぽち様、僕頭悪いからよく分からないんだけど……」

「季衣は悪くないよ。大人になれば分かる……、いや分からなくても問題無いから」

「閨でネコ……寝台でにゃーん……、あ! それってぽち様も確かそんな感じで噂されてるの聞きました!」

「……にゃん?」

「そっか。あの時も良く分からなかったけど大人になったら分かるんですね! ぽち様がネコって言われてるの僕良く分からなくって」

「 」

 

 

 笑顔と純粋な目の許緒にさらっと言われ、白目を向いたぽち。何処かの伏竜鳳雛のお蔭で熱い風評被害が広まっている模様。

 

 尚、先日の童貞扱いとネコ扱いのダブルパンチで流石に耐えられなくなったぽちは、気が付いたら街から失踪していた。主に覇王と伏竜鳳雛のせい。




皆様良いお年を。来年も宜しくお願いします。
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