真・誤解†夢想-革命?- 蒼天の覇王   作:キンシャサ・ニーストライク
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第八話.長安

 長安に着き、のほほんとしたぽちを除く周囲の人間は殺気立っていた。馬謄が病気だから行かないと言ってぽちに会わないのだ。何進の命令なんか聞くかボケという感じが透けて見えすぎである。娘の馬超猛起が代役として立つという話だ。何進の代役のぽちと馬謄の代役の馬超。ぽちは親近感を覚えた。

「お前が曹犬か、あたしは馬超猛起。宜しくな」

 仮にも立場が上のぽちに対する馬超の礼を失するってレベルじゃねーぞ的な歯に衣着せぬ態度にぽちの周囲は殺気立つ。馬超はそれに対してなんだこらやんのか的な空気を出しているが、馬超と共に来た横に立つ馬岱の顔は「は? 何やっちゃってんの姉様」と驚きと焦りとふざけんじゃねーよ的な複雑な表情になっていた。

「おー宜しくー」

 馬超の態度を特に気にせず軽く返事をし、握手を返すぽち。ぽち側も、己の主がそう返すのであれば殺気を引っ込めるしかない。が。

「涼州はあたし達の庭だ。あたし達にはあたし達のやり方がある。邪魔すんなよ?」

 無礼不躾不作法粗野。馬超の言い様にぽちの周囲がキレたのは当然だろう。馬岱の顔が青ざめる。だが周りが口を出す直前にぽちが口を挟む。

「あ、そう? じゃあ邪魔しないからそっち主力で宜しく」

 なんだ楽出来るじゃねえかと特に考えずに任せる発言をしたぽち。こっちの戦力減らさないからそっちでやれよと言った趣旨の発言で、無礼を許す懐の深さを見せつつしてやったりと言ったぽちの周囲は少し熱が下がる。

「中央の連中は融通が聞かないって母様が言ってたけど、なんだ分かってるじゃないか! 任せろ! この錦馬超の槍の冴え、その目に焼き付けてやるぜ!」

 この勇ましい馬超の発言に、ああなんだこの娘アホの脳筋娘かとぽち側の人間が全員気付いたのはいうまでもない。ぽちの馬超に対する思いは会話の途中から一つだけしかない。そんな短かい丈の服で馬乗ったら中身見えるよね? 見せてるの? 見ていいんだよね? これだけである。男なら仕方ないよね。




「あの、蒲公英は……じゃなかった、私は馬岱と申します。先程は姉様が失礼な態度を取り、本当にすみませんでした」

 馬超を若干ロリ気味に寄せた容姿の馬岱が、馬超が気分良くその場から離れて直ぐに謝ってきた。どうやら涼州側の良心はこの娘のようだと理解した。

「いいよいいよー、実際対羌族はそっちに一日の長があるのは間違いないから。勉強させてもらうよ」

 嫌味もなく笑いながら話すぽちに、これまで出会った中央の官僚とはまったく違う人物だと馬岱は理解した。

「これが"聖人"曹犬様の人となり……。聞いてたよりも素晴らしい人だね曹犬様は!」

 聖人って何? と若干の引っ掛かりを覚えつつも褒められて悪い気はしないぽち。

「ところで馬岱も出立するんだよね?」
「うん、じゃない……はい、蒲公英も姉様に負けないよう頑張ります!」

 まじか。この娘もこんな短かい丈の服で馬に乗るのかと今回の遠征に来て良かったと思い始めたぽちであった。思考が最低である。




 長安にて少しの滞在の間に筆を取るぽちの元に、主に用があった盧植が訪ねてきた。

「ぽち様、今宜しいでしょうか?」
「どうぞー」
「失礼します……あら、仕事中でしたか」
「これ? これは文通相手に文をね」
「文通……ですか?」
「そうそう、ほら、雑誌の阿蘇阿蘇で文通相手募集みたいな項があってさ、栄華……うちの従姉妹が読んでて面白そうだったから始めてもう三年かな。しばらく文出せないだろうし出しとこうと思って」
「そうでしたか」
「この文通相手凄くてさ。よく色々相談してるんだよね」
「ぽち様が相談を……?」
「まあ軽い話だけどね」


 ぽちがこの文を交換している相手にしている相談、実はまったく軽くないし割りと重大な事が多かったりする。しかし相手からの返答はまるで未来を予想したかのような適切な解答がよく返ってくるのである。文通相手、その名を諸葛亮孔明という。


「で、用事?」
「はい、実は教え子でぽち様に紹介したい娘がいまして……桃香ちゃん、入ってきて」
「は、はい」

 盧植に促され部屋に入ってきたのは桃色髪の巨乳で大人しそうな娘。百点ですね。

「あの、私は劉備玄徳って言います。真名を桃香って言います」
「いや初対面で真名言われても困るんだけど」

 いきなりの出来事に困惑するぽち。ぽちの周囲で言えば、華侖も自身の真名を渾名程度にしか考えていない人間なのでいきなり真名を名乗る人物が元々周囲にいない訳でもないが、やはりぽちにはいきなり真名を名乗られても抵抗があった。何姉妹に強制された過去は忘れた。まあ言っても何姉妹だって出会ってしばらくしてからの交換だからね。

「もう、桃香ちゃんったら……。ぽち様、桃香ちゃんを少しうちで面倒見てあげられないかと思いまして」
「あの、私色々曹犬様の噂を聞いて、どうしても一度お会いしたくて来ちゃいました」

 来ちゃいましたとか言われても。でも巨乳だし大人しそうだし、盧植の教え子なら問題無いだろう、なんかあったら責任は盧植が取るやろ、巨乳だしとなるべく顔に視線をやりつつ視界の端でデカさを確認するぽち。

「いいんじゃない? 文官?」
「はい、私の補佐をしてもらおうかと」
「そう、じゃあ宜しく劉玄徳」
「はい、宜しくお願いします曹犬様!」

 何この子の笑顔太陽可愛い。とこうして何故か涼州に行く前に魅力チートが合流した。真名の交換にはちょっと早いよ。ちょっとだけだけどな。後、文を見てはわわ軍師があわわ軍師を巻き込みアップを始めました。



尚、次の話までには交換している模様。

お気に入りが900突破したと思ったら1300突破してた。皆様ありがとうございます。感想も毎回楽しく読ませてもらってます。きっとウキウキしながら書いてる私が一番楽しんでいる事でしょう。多分文章からノリノリ感が滲み出ているだろうなと思います。